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1.  その前夜(1939) 《ネタバレ》 
幕末の京都、池田屋の近所、大原屋の物語という設定がアイデアの基本。市中を威張って歩いている新撰組に対し、絵描きら町人が「そういう時代なんですよ」と息を殺している気分は、映画製作時の軍部と重なって見えてくる。原作の山中貞雄は前年に死んでいる。でも、勤王が善で新撰組が悪という単純なものでもないところが、この映画のいいとこで、どちらかというと、政治的なものと政治的でないものとの対比なのじゃないか。絵描きが勤王派の妻をかくまうのも、ある種の親しみの感情からで、「どうも政治向きのことは…」と自分でも言っている。新撰組を狙う河野秋武(当時は山崎進蔵)も、別に長州脱藩でなくイデオロギーとは無縁、個人として辱しめられた怨みによって行動している。新撰組にも加東大介(当時は市川莚司)のような気のいい奴はいるのであり、しかし「イデオロギーなんか関係ないっすよ」というようなことを飲み屋で他藩の人間と語り合ったために切腹させられる者もいる。中村翫右衛門は、とにかく働いて上昇するためなら新撰組にだって取り入る、という町人気質の人物、川原で染めものの水洗いをしているとき、加東大介と話し合うあたりのノンキな気分がいい。別にリアリズム狙いの映画ではないが、とかくピリピリと張りつめて描かれる幕末の京都に、案外こんな気分もあっただろうなと思わせる手応えがあった。
[映画館(邦画)] 7点(2009-06-06 12:03:56)
2.  争闘阿修羅街 《ネタバレ》 
最近何かと注目を浴びている戦前のB級量産会社、大都映画の一本。アクションスター、ハヤフサヒデトの最盛期のサイレント映画は現在これしか残っていないそうだ(監督の八代毅というのはハヤフサ本人)。博士の新発明とスパイ、それにオキャンな博士の娘が絡むという、後の子ども向けテレビドラマにつながっていく定番の世界。前半の主人公は三枚目のサエない速記記者で、編集長に怒鳴られてばっかり。事件は夜、博士の別荘番のせむし男がモゾモゾ動き回り、女中の大山デブ子が悲鳴を上げ、博士がさらわれて、突然ヒーローになる。煙突の上のロープから滑り下り、ビルからビルへ跳んでは悪漢の車を追う。『ロイドの要心無用』といい、ビルが映画の文法の発明に果たした役割りは大きい。舞台の芝居では演出できない“高さ”というものをドラマの中に導き入れ、アクションに上下のスリルをもたらした。映画の時代とビルの時代が重なるのは当然のことだったのだろう(このロープでの滑り下りが彼のウリらしく、今世紀に入って発見された戦後の作品『怪傑ハヤブサ』でも、必然性を無視してやたらビルから滑り下りていた)。そして主人公は走る車の下に張り付いたりして、悪をやっつけるのだった。活劇の精神は古びることを知らない。いつの時代でもかっこいいものは同じようにかっこいい。もっとハヤフサの映画を見たいものだが、新たに発掘される可能性はあんまり高くないだろう。
[映画館(邦画)] 7点(2009-05-08 12:06:19)
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