1. 続・男はつらいよ
《ネタバレ》 もしワタシが寅さんのことを全然知らない外国の人だったら見ていられなかったかもと思うくらい、本作の車寅次郎は、本当に甘ったれでクズです。虎屋のみなさんの厚情に力一杯寄りかかっていて、見ていて腹が立つ。母親に邪険にされて帰ってきたときの気の使われようと、寅の「オレ、傷ついた自慢」は辟易としたなあ。工場の人にまでとくとくと。虎屋のみなさん、寅をこんなモンスターにしてしまったのは、あなたがたですよ。ラストシーン。あんなに軽蔑していた母親のところに赴いて、甘ったれている姿を見てまたあきれる。□でも、これはこれで面白い。しかしそれは、決してハートウオーミング的なものではなく、せつない人の悲しい物語として。お葬式から帰ってきたときの寒風吹きすさぶ様子はその象徴。確かに、これはつらいよ。□いつから、寅のキャラクターが、「これはこれでいいじゃん」と思えるものに変わるか知りたいので、第三作目以降も見てみたいと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2024-05-02 20:48:28) |
2. ソイレント・グリーン
《ネタバレ》 もちろん古さはあるのだけれど、「あのとき見ていた未来」感がたまらない。「時計じかけのオレンジ」、「未来世紀ブラジル」などと並ぶ傑作だと思う。ソイレント・グリーン、かき餅みたいでしたな。あんまり美味しそうじゃない。 [DVD(字幕)] 9点(2023-05-21 16:28:17) |
3. その日、カレーライスができるまで
《ネタバレ》 面白いっちゃー面白い。ただこれは出オチに近い感じ。リリー・フランキーが、一人アパートでセンチメンタルな表情を浮かべていれば、それは確かに引き込まれもするよってな感じでして。■しかし、ここでワタシがいいたいのは、おそらくもう一人の主役であるカレーライスの事なんだ。旦那が三日かけて作ったカレーが好きな奥さんっていうのが、イメージできないんだ。外食でなら分かるんだよ。恋人同士のそれならそれも分かる。でも、家庭料理としてのカレーを三日もかけて旦那が作っていたら、大概じゃまくさい道楽としかとられないんじゃないだろうか。また、三日煮込んだカレーのジャガイモが溶けていない、そのマル秘テクニックも知りたいような気もしましたね。すみません、これって難癖ですか?■でも、なんか独りよがりな感じはするよねえ。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-05-15 19:47:35)(良:1票) |
4. そして、バトンは渡された
《ネタバレ》 ■タイトルの意味がわかったとき、かなり高揚したのですが、ラスト近くで割と直接的に言ってしまうのね。■梨花の優子への愛情の質量が、ちょっと理解しがたい。水戸の口から語られた理由があるものの。梨花と幼い「みぃたん」との特別なエピソードがあれば、すんなり飲み込めたんでしょうけど。■親の子であったり、子の親であったりした自分のことを顧みて、親って、ホントもっとやっかいなもんだったんだけどなあって思うんだけど。■とはいえ、親にならなければ分からないこともあったかも知れない、とこの映画をみて思い至りました。ただもう、自分以外のひとを大事に思う気持ちとか行動とか、ねえ。■バージンロードを歩く前に嗚咽する田中圭と一緒にオレも、まんまと、泣かされていましたよ。■最新型の浪花節なんだと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2022-10-29 15:22:27) |
5. その男、凶暴につき
《ネタバレ》 「孤狼の血」を経由して、どうしても見たくなって再見して気づいたことがある。こんなにも、主人公・我妻が歩いている映画だったのですね。我妻が歩くのが下手くそというか、ものすごく窮屈そうに歩くのが魅力的であり、有り様(適応できてない)を表しているかのように見えます。(何の仕事かと聞かれて)「鉄砲の通信販売」、(我妻さん早いですねといわれて)「俺がやったんだ」の、洒脱な感じが、ストーリーが進むにつれて少なくなるのが残念なんです(最後まであの感じなら、もっとかっこよかったのに)。しかし、ヒョウタンからコマもあったにせよ(途中で時間がなくて端折った演出が功を奏している)、唯一無二の作品だと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2022-04-02 19:53:39) |
6. その土曜日、7時58分
《ネタバレ》 ああ、これは10点かも知れないと思った前半1時間。ワタシがこんなにも時間軸ずらしが好きなのは、極めて映画的な手法だからだろう。アンディが暴走し始めた後半は、前半の緻密な物語運びを放棄したようで少し残念でした。が、ラストシーン。タイトルにあるように、悪魔が地獄に連れていく前に、父親が引導を渡したのでしょう。ああ、我が子がこんなモンスターになってしまった。安堵をもたらす言葉をかけつつも、一撃で仕留める。今も、誰かの子でもあるし、親でもあるワタシとしては、息を呑む終幕でした。ハンクはこの先、捕まることもなく、元のところに戻ることもできず、ただ独り後悔で身を焼きながら死んでいくのだと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2022-03-10 20:46:40) |
7. 総理の夫
《ネタバレ》 相馬総理の人間として品格、懐の大きさなど見るところはたくさんあったのだが、いくつか残念な点がある。今時、若い女性総理が誕生したのであれば、総理自身も自分の働き方も十分に配慮して、番頭役や右腕やらを何人も用意しておき、妊娠~出産は淡々かつ華麗にクリアしてほしかったです。つまり、あるべき姿のモデルになって欲しかったのですね。また、映画というよりも連続テレビドラマで見たい作品でもあったかな。いくらでもエピソードやイベントがありそうなネタですし、今の政治の状況を加味したりもできるはず。もっと長く見てみたいと言う気持ちはありますね。できれば、地上波ではなく、ネットのドラマでお願いします(無忖度でね)。 [DVD(邦画)] 5点(2022-02-02 16:47:57)(良:1票) |
8. ゾッキ
みんなはそう言うかもしれないけれど、オレは結構、面白かったよ。という映画でした。 [DVD(邦画)] 6点(2021-11-25 22:41:38)(良:1票) |
9. 俗物図鑑
《ネタバレ》 第一感は、「なんでこの人たちはこんなことをしてしまったのだろう」。当時サブカル業界で、ある程度名の売れた人たちが、なんでこんな高校の学園祭で映すような映画を作ったのだろうと。その実(じつ)、サブカル業界なんてものに寄宿する、我らこそ真の俗物という韜晦だったのかもしれませんが。でも、やっぱり芸があったのはプロ役者の山城新伍ですもんね。結論としては、まあまあ面白くなかったです。 [DVD(邦画)] 2点(2021-02-22 19:00:58) |
10. 続・深夜食堂
《ネタバレ》 本作はTVドラマのファンが、レンタル店で借りることを想定して作ったものです。あいや、いまやすべからく、TVドラマの映画版はそうなのだと思いますけど。だから、ストーリーを原作漫画に寄らないということのみ映画仕様で、ほとんどTVドラマと変わらない本作のあり方は正しいと思います。余貴美子さんとのマスターの関係だけがいらないような気がしますが。 [DVD(邦画)] 7点(2017-12-11 21:37:43)(良:1票) |
11. その夜の侍
《ネタバレ》 最後の展開が惜しい。差し違えるようなベタな展開からの変化球なんでしょうけど、監督が勝負を避けたとしか思えません。しかし、何かこれは「本物」をみているなという心ザワザワする物語の展開。「葛城事件」もみましたが、赤堀監督に期待しています。 [インターネット(邦画)] 6点(2017-05-04 17:52:59) |
12. そこのみにて光輝く
《ネタバレ》 うーん。もうこういう不幸な方ばかりを選んで歩く人たちのことを、映画でまで観たいとは思わないなあ。おめ、馬鹿か、達夫っ(はねるようなイントネーションで)と言いたい。 [DVD(邦画)] 2点(2016-10-06 21:02:37) |
13. そして父になる
《ネタバレ》 これはたまらない。ひとたまりもない。よく考えれば何も解決していないが、何か確かなものを掴んだラストシーンはじわじわ効いてきます。この子どもイジリの下手さ加減はもしかすると地なんじゃないだろうか、という福山雅治はある意味はまり役。ぎこちない父親。物語上かなり分の悪い役ドコロを引き受けたことを買いたいし、「のど仏」のシーン(デジカメのシーン)は近年の邦画では屈指であったと思う。不利な展開でも見せ所をつくるのはさすがと思う。ワタシ、自分の子が小さい頃、他のお父さんに上手に遊ばされているとジェラシー感じてましたな。だからおいしい役だったリリー・フランキーには、ラスト近くの電球の冗談がうまくいえてなかったな、と意地悪を言っておく。 [映画館(邦画)] 9点(2013-10-01 22:03:08) |
14. ソウ ザ・ファイナル 3D
《ネタバレ》 ジグソウのゲームは、被験者・保険屋さん(SAW6)で終了していたはず。ホフマン刑事を葬って後には、ジルには穏やかな生活を用意していたはず。本作は、一連のジグソウ事件の後日談。ホフマン刑事のジルへの復讐編です。そんなの必要だったのか。シリーズ途中、うんざりもしましたが、ジョン・クレイマーに対する微妙な共感がワタシにはありました。もはや彼の遺産は尽きていました。ゴードン医師、バスルームの登場もあざとい感じ。きっちり前作でゲームオーバーして欲しかった。 [DVD(字幕)] 3点(2012-12-30 13:35:08)(良:1票) |
15. ソウ6
《ネタバレ》 性懲りもなく見ているこのシリーズ。見続けられるのは、ジクソウ役のトビン・ベルが色っぽいのとその妻役のベッツィ・ラッセルがキュートだからといまさらながら思う。 [DVD(字幕)] 6点(2012-12-30 00:03:47) |
16. ソウ5
《ネタバレ》 3年前にシリーズからの撤退を決めたのに、気持ちがクサクサしてたので、ついイヤなもの見たさで借りてきてしまいました。痛さで目を背けたくなるようなシーンがなくなりましたね。みんなで力を合わせればクリアできたのに、とか。ソウとしては薄味。でもこれくらいなら、もう2クチ(2作)くらいいけそう。続きは、また心が荒んだときに見てみます。 [DVD(字幕)] 5点(2012-12-01 19:53:41)(笑:1票) |
17. 続・激突!/カージャック
《ネタバレ》 本作は、有名なボニーとクライドの物語を本歌取りして、またはそのアンチとして作られたものではなかったか。だから、蛮勇ふるってワタシが邦題つけるとすると、「俺たちにも明日はない」。 [DVD(字幕)] 5点(2012-07-15 16:41:53) |
18. ソーシャル・ネットワーク
《ネタバレ》 うーん。道具立ては新しいようですが、詰まるところは、世間知らずのボン2人が、少しヤクザな兄さんに垂らし込まれた、といういたってよくある話にしか見えませんでした。最期のシーン。マークのPCに表示されているのが、エドゥアルドのページだったらなあ。マークには、恋愛よりも友情を失った痛手の方が大きかったはずだし、また、より天才にあるまじき感傷的な姿として映ったと思うんだがなぁ。 [DVD(字幕)] 4点(2012-03-24 00:40:34) |
19. ソウ4
《ネタバレ》 ……「ソウ3」のレビューNo.108で、「あの病人に、これ以上つき合うのはもうやめよう」とシリーズからの撤退を決めていたものです。まんまと、見てしまいました。反省しています。「助けに行かなければ、助かったのに」というラストは「2」でもう見ました。「2」>「1」>「3」=「4」で3点。グロい映像は、もし間違って子供がみちゃったら…、と心配になるくらい。今度こそ、完全撤退(したい)。 [DVD(字幕)] 3点(2009-07-05 08:06:49) |
20. ソウ3
《ネタバレ》 「1」を超えた「2」に続く「3」、と期待して見たものです。しかしラストは、どなたか書いてらっしゃいましたが、「オチのためのオチ」。自分の大切なもののために、何かを犠牲にしつつ脱出していくというルールが破られてしまいました。あの病人にこれ以上つき合うのはもうやめよう、と意を決して「4」のレビューを見ました。…あざと過ぎないかなあ、ソウの制作陣。 [DVD(字幕)] 3点(2009-01-11 11:04:59) |