Menu
 > レビュワー
 > イニシャルK さんの口コミ一覧
イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1489
性別
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/22718/

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ!
シリーズ第2作。どちらかと言えばシュールなコメディーに徹していた前作「チーズ・ホリデー」とは違い、下宿人のペンギンの登場によってウォレスとグルミットの信頼関係が揺らいだり、サスペンスフルな展開もあってすごく楽しめた。博物館のシーンなども一体どうやって撮影したのかと思うほど技術も前作よりレベルアップしている。中でもラストの模型の列車での追跡シーンはクレイアニメとは思えぬほどのスペクタクルシーンとなっていて手作りでここまで迫力のある映像が作れていることに本当に驚かされる。文句なしの10点。「飛んでまーす。」「なんでそーなるの。」とコント55号のギャグを言ったりする欽ちゃんの吹き替えも面白かった。
[CS・衛星(吹替)] 10点(2006-08-12 16:37:11)(良:1票)
2.  雨月物語
僕も初めて見た溝口作品はコレ。それまで黒澤狂いで、邦画の最高傑作といえば「七人の侍」だと信じて疑わなかったからこの映画の凄さには衝撃を受けた。ラストの田中絹代のナレーションによる独白が悲しくて印象的。この映画を見て昔の日本映画を黒澤作品意外にももっと見てみようと思った。
[ビデオ(邦画)] 10点(2005-08-02 22:37:26)(良:1票)
3.  うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
確かコレ、最初見たときは「うる星やつら」自体を全く見たことがなく、内容以前に登場人物たちの関係がよく分からなかったのだが、その後、BSでテレビシリーズの再放送が始まり、それをある程度まで見たあとに見直すと、ちょっと分かりやすくなった。でも、作風はおもいっきり押井守の世界なのでそれでも何回見てもよく分からない部分はある。そんな作品だけど、好きな映画の一つなので9点。(ちょっとよく分からないレビューですいません。この映画って好きなんだけど感想述べにくいんだよなあ。)
[CS・衛星(邦画)] 9点(2005-09-02 01:41:39)(良:1票)
4.  WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~ 《ネタバレ》 
これまでオリジナル脚本で個性的な映画を次々と世に送り出してきた矢口史靖監督が初めて手掛けた原作モノということで若干の不安はあったが、最後まで明るく楽しめる映画という矢口監督らしさを損なうことなく、青春ドラマとして締める部分はしっかりと押さえてあって面白かった。主人公の平野(今回は主人公の名字が鈴木ではないのね。)勇気(染谷将太)が最初はいかにも現代的な若者(ゆとり世代と言うのか。)に描かれていて、最初は好感が持ちづらいのだが、そんな彼が新しい環境の中で次第に林業という未知の世界を知っていく過程を見ていくうちにだんだんとこちらも引き込まれた。目隠シストさんが仰るように新しいことを知った人が周囲にひとりもいないという状況の中ではじめるのは相当に勇気のいることで、新しい場所でうまく信頼関係が築けるかが本当に重要になってくる。本作は勇気とヨキ(伊藤英明)の関係を通してそれをうまく描いていたと思うし、これがあるから見ているうちに勇気に対する印象が変わり、ぐっと好感度も増すのだと思う。勇気とヒロイン・直紀(長澤まさみ)とのロマンスもあざとさを感じさせず自然なさわやかさがあり、良かった。(「愛羅武勇」と書かれたタオルを使った告白シーンは強烈。)ラストの別れのシーンは勇気とヨキの抱擁もそうだが、やはり電車に乗った勇気とバイクに乗った直紀がお互いに向かって「さようなら。」「さよなら。」と連呼するところには思わず感動してしまった。でも、この後、勇気が再び村へ向かうというエピローグが存在していたのは「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」でラストにエピローグを描かずにパッと終わらせていた矢口監督だけにこの別れのシーンで終わってほしかったと少々残念な気がする。クライマックスの祭りの躍動感がものすごくここだけでも映画館で見ておけば良かった。ヨキ役の伊藤英明は(「海猿」は見たことがないので比べられないが。)いかにも野性的な感じで山男役が見事にハマっている。
[DVD(邦画)] 8点(2015-06-13 00:49:28)(良:1票)
5.  ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!
シリーズ初の長編。今までの三本の短編がどれも面白かっただけに90分近い長編になると間延びしてつまらなくなるのではとちょっと心配だったが、そんなこともなくとても面白かった。それは確かなんだが、短編に比べると普通のアニメになってしまっていて、クオリティーも下がった気がするのがちょっと残念。ひとつの作品としてはいい出来とは思うが、このシリーズとしては短編のほうがいい。
[ビデオ(吹替)] 8点(2007-03-06 11:23:52)
6.  噂の女
田中絹代が溝口作品に出演した最後の映画で、溝口の遺作「赤線地帯」と同じような世界を描いている。溝口作品としては「山椒大夫」と「近松物語」の間に作られていて、両作品ほどの完成度の高さはないけど「赤線地帯」よりは面白かった。でも、田中絹代と久我美子演じる親子が一人の男を同時に愛してしまうドロドロした展開にもう少し深いドラマがほしかった気もする。黛敏郎の音楽が「赤線地帯」同様不気味で印象的。大谷友右衛門を初めて見たけど、最初は木村功かと思った。雰囲気が似てる気がする。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-17 03:25:57)
7.  ウォレスとグルミット、危機一髪!
前作ではグルミットがウォレスを助けるために活躍していたが、今回はウォレスとグルミットが同じくらい活躍していて面白かった。前作には及ばないものの終盤の追跡シーンはやはりよく出来ていると思う。007もどきのサイドカーや「ターミネーター」のパロディーが楽しい。羊やウォレスの恋人など登場人物も多くなっていて賑やかだ。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2006-08-13 01:49:03)
8.  ウォレスとグルミットのおすすめ生活
「ウォレスとグルミット」シリーズの1話2~3分ほどのショートショートで構成されたオムニバス。このシリーズを見るのはまだ2作目でしかもかなり久しぶりだったのだが、全編にわたって繰り広げられるウォレスとグルミットのやりとりやウォレスのおかしな発明品の数々には爆笑。また、このような1話1話がすごく短い作品においてもかなり手間ひまをかけて作ってあり、完成度も高いのには驚いた。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2006-08-11 01:36:37)
9.  運が良けりゃ
古典落語をモチーフにした山田洋次監督初期の時代劇コメディー。山田監督の「男はつらいよ」以前の初期作はこれが「馬鹿が戦車(タンク)でやって来る」、「馬鹿まるだし」に続いて3作目の鑑賞だったが、この映画は前の2本と違ってひたすらコメディーに徹していて、妙にシリアスなところもなく、単純に楽しめた。金を餅に包んで食べてしまうばあさん(武智豊子)が「八つ墓村」の濃茶の尼のようで怖い。「男はつらいよ」以降の山田作品では決して見られないようなブラック・ユーモアが出てきたのにはちょっとビックリした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-01-03 03:14:38)
10.  ウルトラマン物語 《ネタバレ》 
子供の頃にいちばんよく見ていたウルトラマン映画。ウン10年ぶりに見たが、やはり懐かしく見れた。タロウを主人公に少年時代から若きウルトラ戦士のタロウがウルトラの父との特訓を経て一人前の戦士になるまでを描いたシリーズ初のオリジナルストーリーの劇場版だが、父との師弟関係やタロウの焦りや悩みなどがちゃんと描かれ、普通にタロウの成長物語としてよく出来ていて、そのドラマとして見ごたえがあるし、子供だけではなく大人が見ても何か感じるものがあるのではないかと思う。それにもちろんテレビシリーズ「ウルトラマンタロウ」のエピソードゼロ的な見方も出来る映画になっていて今見てもじゅうぶん面白かった。ところどころで挿入される各テレビシリーズのウルトラヒーローたちと怪獣たちとの戦いの映像の本編への絡ませ方もうまいのだが、中でもジュダの配下として登場するヒッポリト星人は登場シーンはすべて「ウルトラマンA」での登場回の流用なのに中ボス的な存在感を放っていて、初めて見た時は「A」を見ていなかったのもあって、「A」を見た後になってもこの映画でのほうが印象強かったのだが、それは今でも変わらないかな。メインの声優陣に目をやると、少年タロウの声が野沢雅子、ウルトラの母の声が池田昌子で「銀河鉄道999」の鉄郎とメーテルというのもそうなのだが、主人公がタロウでウルトラの父の声をやっているのが石田「太郎」というダブルミーニング的なキャスティングも楽しい。また、成長したタロウの声が石丸博也で、主題歌を歌っているのが水木一郎というのも「マジンガーZ」を思い起こさせる。その水木一郎が先ごろ亡くなってしまったのは幼い頃から聴いて育っただけに非常に残念で惜しい。(2022年12月26日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-09-06 23:27:00)
11.  ウォーターボーイズ 《ネタバレ》 
矢口史靖監督の出世作となった大ヒット作。久しぶりに見たが、やはりスポコン映画としての面白さよりも肩の力を抜いて気楽に見るコメディー映画としての側面が勝っていて、その辺が評価の分かれるところかもしれないが、笑える映画が見たいという気分だったこともあり、素直に楽しめた。メインの五人が揃いも揃ってバカなのだが、同時にどこか憎めないのが良く、見ていて微笑ましくなってくるし、矢口監督もオーディオコメンタリーでスポコンらしいところをあえて入れなかったと語っていたが、確かにこのノリでスポコンらしい熱さを加えてしまうと失敗していたようになんとなく感じるので、これで良かったと思う。昔、見返す度に玉木宏のアフロが燃えるシーンで大笑いしていたのだっが、久しぶりに見ても同じところでいちばん笑ってしまった。バックにかかる「伊勢佐木町ブルース」も妙に合っているのがまた笑える。バカっぽい映画かもしれないが、クライマックスの競技のシーンはやっぱりちょっと感動。その競技が終わると同時にエンドロールが流れ始めるのが「スウィングガールズ」でもそうだけど、エピローグなどを一切描かずにスパッと終わるのが潔くて好きだ。(2022年12月11日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-04-18 19:18:29)
12.  運命じゃない人 《ネタバレ》 
序盤は普通にラブロマンスが展開するのかと思いきや、そうではなく一つの出来事をさまざまな視点から語ることによってその裏には実はとんでもないことが隠されているという展開になっているのは意表をついている。下手をすれば複雑になりがちなストーリーを実にテンポよく快活に描いていて、最後まで飽きさせない脚本の構成力がまず素晴らしいし、それに低予算でネームバリューのある俳優が出ていなくても脚本が面白ければ面白い映画は作れるという見本のような映画になっていることも好感が持てて良く、これが初の劇場公開作という内田けんじ監督の才能の高さをじゅうぶんに感じられる映画だ。主人公を演じる中村靖日は「ウルトラマンギンガS」のゲスト出演で冴えないサラリーマンを演じていたのが印象に残っている程度なのだが、本作でもサラリーマンを演じていて、こういう普通の役どころがハマる俳優なのだろう。そのとぼけた演技も良い。彼がレストランで知り合った女と別れるときに携帯の番号を聞き出そうと走り出すシーンは自分に重なるところがあり、思わず感情移入してしまった。聞き出した番号が偽物だったにもかかわらず、書き間違いだと言って電話をかけ続ける姿がなんだか切なかった。その女が部屋にあったヤクザの金をくすねる展開は意外。じゅうぶん面白い映画なのだが、唯一、ラストがあまりスッキリしていないのはちょっと残念だった。でも、内田監督の映画には今後も期待したい。
[DVD(邦画)] 7点(2015-01-29 17:58:44)(良:1票)
13.  うる星やつら 完結篇 《ネタバレ》 
原作の最終エピソードを描いた劇場版第5作。テレビシリーズが原作の終了を待たずに終わってしまい、ファンの要望に応えるかたちで作られた作品だそうだが、ほかの劇場版と違って原作となるエピソードが存在するためか、多少詰め込みすぎな印象があるものの、それでもこのシリーズに少しでも思い入れがあればじゅうぶんに楽しめる内容になっている。地球の存亡のためにあたるがラムと鬼ごっこをするという展開は完全に第一話と対になっていて、最後にきて改めて「うる星やつら」という作品の肝はあたるとラムの鬼ごっこにあるのだなと感じさせてくれる。それに加えて記憶喪失装置の作動によってあたるがラムの角をつかまなければ記憶が消されるという展開もドラマを生んでいて、寝ているあたるにテンが泣きながら「お前のこと、忘れられてせいせいするわい。」と悪態をつくシーンや、いよいよリミットが近づいたときにサクラが弁天たちにかける言葉が感動的。この後の鬼ごっこの結末にも思わず感動した。「うる星やつら」の幕引きとしては最高の終わり方ではないだろうか。作風的にはあまり劇場版という感じはしないのだが、丁寧に作られていて、ファンの期待を裏切らない作りなのが好感が持てる。声優陣の演技も気合いが入っていて、これが最後という雰囲気がよく出ている。中でもかつてラン役だった井上瑶をカルラ役で起用しているのは偶然ではなく、最後のお祭りにどうしても彼女を参加させたかったというテレビシリーズからの関係者の思いがあったのではないかと、ついそんなことを考えてしまうキャスティングでこのアニメの制作メンバーの絆の深さも感じられた。ただ、本当にこれで終わっていれば潔かったのになという思いもあって、本作を見たあとで先週見た(この映画の次作である)「いつだって・マイ・ダーリン」を見ていたら、「いつだって・マイ・ダーリン」の感想はボロボロだったかもしれない。
[DVD(邦画)] 7点(2011-11-17 14:53:26)(良:2票)
14.  海がきこえる<TVM> 《ネタバレ》 
映画専門な感のあるスタジオジブリには珍しいテレビ用単発アニメ。ヒロインがこれまで見てきたジブリアニメのヒロインと比べてかなりイライラする性格(ひょっとしたらジブリアニメのヒロイン史上最悪かも。)だったり、未成年の飲酒シーンがあったりして、(冒頭のお断りテロップにビックリ。)これ、本当にジブリなのかと一瞬思ってしまったが、同時にそこがちょっと新鮮に感じられたりもした。高校生の青春を描いたアニメとしてはむしろよく出来ていて、友情や恋など「耳をすませば」のような青臭さを感じてもおかしくないのにそれをあまり気にせずに見られたのが不思議。同窓会前夜に昔殴ってしまったことを謝る松野には自分にもそういうところがあるかも知れないと思い、つい感情移入してしまった。同窓会のシーンも印象的で、とくに「私たち、狭い世界に生きてたんだね。」というセリフに昔の自分を思い出してしまい、当時の自分の価値観というものがいかにどうでもいいものであったかを思い知らされるときがあるのでなんだか共感できたし、すごくリアリティーを感じ、ちょっぴり切なくなった。いつも欠席している同窓会だけど、今年はちょっと行ってみようかという気にも少しなったかな。全体的に見てジブリっぽさはあまり感じられない作品で、実質若手スタッフ育成のための企画だったようだが、最近のジブリアニメにはないよさ(本職の声優使ってる以外で。)は確かにある作品に仕上がっている。
[地上波(邦画)] 7点(2011-07-17 02:01:29)
15.  海の若大将 《ネタバレ》 
加山雄三が黒澤明監督の「赤ひげ」撮影のため前作から2年ほど空いて作られた「若大将」シリーズ第5作。クレージーキャッツ映画でおなじみの古澤憲吾監督が手がけており、空撮の多用やクレジットの出し方、船の出港シーンで鳴り響く軍艦マーチ、テンポのいい展開、いつもよりも弾けている若大将などいかにも古澤監督らしい演出で最初から最後まで何も考えずに楽しめた。シリーズとしてはいつもと同じような印象だが、若大将がタバコを吸おうとしたり、青大将が澄子に襲いかかる場面など今まで見た回では絶対になかったシーンが描かれていてビックリ。(澄子を襲う青大将は少しやりすぎの感がある。)知らずにみんなにドッグフードを振舞う江口。彼のこういうボケは大好きだなあ。そうそう、古澤監督の手がけるこのシリーズって田能久の場所がほかの作品と違ってるみたいなんだけど分かんない。有島一郎や飯田蝶子など脇のレギュラーにも安定感があって楽しいが、やはりヒロインである澄子だけは嫉妬深いキャラが魅力というのが分かっていてもやはりそんなに好きじゃないな。星由里子自体はキライじゃないが。
[DVD(邦画)] 7点(2010-11-16 02:07:46)
16.  浮雲(1955)
成瀬巳喜男監督の映画はまだそんな見てなくて、高峰秀子とのコンビ作を見るのが初めてならば、林芙美子原作の成瀬作品を見るのもこの「浮雲」が初めて。腐れ縁の男女を見事に描ききっていて、主演の高峰秀子と森雅之のうまさもあって暗い内容ながらもなぜか引きつけられた。特に森雅之が川島雄三監督の「風船」で演じた役柄からは想像もできないダメ男をうまく演じていて、実に憎たらしい。本来、彼はこういうダメ人間の役の方が多いのは知っているが、思わず「風船」とのギャップに少し驚いてしまった。俳優の演技もそうだが、味のある渋いモノクロの映像(撮影 玉井正夫)や斎藤一郎による音楽、そしてなにより成瀬監督の演出力の高さを証明するような質の高い作品になっていて、名作と言われる理由も分かるのだが、やっぱりちょっと全体的な雰囲気が暗すぎて、また見たくなるかは微妙なところ。個人的には同じく男女の腐れ縁を描いた作品ならば川島監督の「洲崎パラダイス 赤信号」のほうが好み。
[DVD(邦画)] 7点(2008-04-29 15:16:32)
17.  海と毒薬
見る前は重くて硬いだけの退屈な映画かと思っていたが、見始めると引き込まれてしまった。最初の田部夫人の手術のシーンは大袈裟な音楽もなく、淡々と進行するのだが、白黒の映像や事前にスタッフから採血したという本物の血液がかえってリアルさを生んでおり、手術の緊迫感がこちらにまで伝わってくるし、クライマックスの解剖シーンはそれに携わる医者や看護婦たちが勝呂を除いてみんなどうかなってしまったのではというほどに怖かった。人間ドラマとして見てしまうと確かに物足りない部分はあるけど、社会派ドラマとしては見ごたえ充分で、熊井啓監督はこれが見るのはまだ2本目なのだが、なかなかの力作だと思った。主要な俳優陣もなかなかの好演で、個人的にあまり好きではない主演の二人も思ったより良かったし、岸田今日子、成田三樹夫、田村高広はさすがの存在感。西田健や根岸季衣もいい。しかし、何人かの方が既に指摘してるように岡田真澄は変。この人の外国人役は若い頃の「狂った果実」とかでも見てるはずだけど、こんなんだったっけ。
[DVD(邦画)] 7点(2008-04-09 00:41:03)
18.  乳母車
裕次郎初期の文芸もの。それまで映画スターだった頃の裕次郎に対しては不良っぽい印象が強くてあんまりいいとは思ってなかったが、この映画で初めて良い俳優だと思った。芦川いづみも顔を覚えたのがこの映画で、非常に可愛らしかった。新珠三千代や宇野重吉もさすがにうまく、手堅くまとまったこの時代らしい邦画で安心して見られる映画だと思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-04-27 20:47:53)(良:1票)
19.  浮草 《ネタバレ》 
小津安二郎監督が蒲田時代に手がけた「浮草物語」を「彼岸花」で山本富士子を起用したお返しに大映でセルフリメイクした作品。実は初めて見た小津監督の映画が本作だったのだが、松竹での作品を何本か見た後になってあらためて見ると確かにいつもの小津作品とは何か違う印象を受ける。旅役者の一座を描いているが、リメイクだけあって座長(中村鴈治郎)が実の息子(川口浩)に父親と名乗り出ないで伯父さんとして接しているとか、ラストの展開などは松竹的と感じる部分もあるものの、話が妙にドロドロしているのをはじめ、主人公である座長がドスの利いた関西弁でまくし立てるのも上品すぎるほど上品な印象がある小津監督の映画では異色な感じ。そして冒頭からロングショットがあるのも毛色が違う印象で、中でも座長とすみ子(京マチ子)が大雨の中、道一本隔てて向かい合って口論するシーンの激しさは小津監督よりも撮影の宮川一夫や大映自体のカラーが出ているような気がしたし、宮川一夫撮影作品での大雨のシーンということもあってか、「羅生門」を思い起こさせるものがある。京マチ子、若尾文子、野添ひとみといった大映の女優陣がそれぞれ良く、ここは松竹の小津監督の手腕のせいもあるのだろうと感じられた。この時期の大映で川口浩の相手役といえば野添ひとみというイメージがあるのだが、(増村保造監督の「くちづけ」の印象が強いのかも。)本作では一座の若手女優役の若尾文子が相手役。この数年後に増村監督の「妻は告白する」で共演しているのを先に見ていて、そのイメージが強いからか、本作のこの二人はイメージがかなり違って見える。ラストは少々強引にキレイにまとめた感がなくはないが、見終わってみればちゃんと小津監督らしい映画になっていたと思うし、せっかくよそでやるんだから、いつもと違うことをしようという小津監督の思いもあったのかもと感じられる。ところで、本作は最初にも書いたように「彼岸花」で山本富士子を起用したお返しに小津監督が大映に出向いて手掛けた作品。でも、その「彼岸花」に出ていた山本富士子が本作に出ていないのはなぜだろう。どうでもいいことかもしれないが少し気になる。(2024年2月25日更新)
[DVD(邦画)] 7点(2006-01-25 00:23:53)
20.  ウホッホ探険隊 《ネタバレ》 
森田芳光監督が脚本を担当した離婚がテーマのホームドラマ。コミカルな雰囲気のタイトルとは裏腹にネタとしてはシリアス。でも、見ていてそこまで深刻な感じはなく、どこかコミカルでからっとした印象が残るのはやはり森田監督の脚本によるものなのだろう。しかし、森田監督と根岸吉太郎監督の作風の違いか同じく家族を描いた森田監督の「家族ゲーム」と比べてしまうと、あくまで正統派な感じで毒気がなく、そこが物足りなく感じてしまい、本作への森田監督の脚本での参加は根岸監督からの依頼だったそうなんだけど、もしも森田監督が自ら監督も手掛けていたらまったく違う映画になっていたかもと思わずにはいられない。でも、根岸監督の演出は丁寧で、傑作・名作とまではいかないもののドラマとしてはそこそこよく出来ていて、森田監督の脚本に多くを求めなければ普通に見られる映画ではある。十朱幸代演じる妻が悩んで疲れていくくだりはなかなかにリアルだし、彼女が小学生の息子たちに向かって「私はあなたたちの悩みを聞いて解決することができるのは自分も経験したことだから。あなたたちが私の悩みを聞いても解決できないのはまだ経験がないから。だから一人で悩んで一人で解決するしかないの。」という言葉を放つのは一見八つ当たりのようにも聞こえるが、思わず同情してしまう部分もあり、印象に残る。それにすべてを描くのではなく、離婚後に愛人と別れたことを夫が「元」家族に告げるところでパッと終わらせるのはそのあとのことを見る側がいろいろ想像できる余地を残しているのがいい。(今どきの映画であればたぶんこうはいかないだろう。)しかし、藤真利子演じる愛人の人物設定はよく分からず、相手の妻に嫌がらせもしておきながら、いざ離婚したとなると途端に別れてしまう神経は意味不明だった。ここをもうちょっと何とかしてほしかったな。夫役の田中邦衛は「北の国から」の五郎とはキャラ的にまったく違う役柄なのだが、「北の国から」とは逆に自らの不倫が原因で離婚をする役柄というのが面白い。
[DVD(邦画)] 6点(2017-12-16 23:55:05)(良:1票)
000.00%
190.60%
230.20%
3463.09%
4493.29%
531921.42%
634122.90%
734723.30%
828118.87%
9563.76%
10382.55%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS