1. ウェールズの山
《ネタバレ》 田舎の村に起こった一大事に村人が一致団結し、一大事のきっかけになった都会からの客を村ぐるみで誤魔化しながら、奮闘する村の人間模様をコミカルに描く。 たまに見かける題材であり、よそ者から見ればやっていることは結構バカバカしいものであったりする。しかしその土地ごとに歴史や文化があり、それを守るために最初はいがみ合うこともあるが、年寄りも若者も最後は皆が団結してやり遂げる。こういう映画、好きなんですよ。しかも本作の場合は実話というのもいい。 こういう映画は村人の個性のバリエーションに適度なアクシデントとユーモアの配分が重要なのですが、その点も実話をベースにしながらも巧くいっている作品だと思います。 そして「丘に登って山から降りた男」という原題が見事。このタイトルだけ見れば何の事か全く分かりませんが、見れば納得のユーモアがあって素敵なタイトルです。よって既に触れられている方もありますが邦題が残念な作品ですね。 [DVD(吹替)] 7点(2011-01-08 18:17:15) |
2. ウィズ・ユー
結構色んな事が起こっている。そんな中ケビン・ベーコンとエヴァンの交流を軸に話が進んでいき、そこにメアリー・スチュワート・マスターソンが絡む。2人の交流は見ていて微笑ましいし、主要キャストの演技も良かったのですが・・・。色んな事が起こっている割には演技も含めずっと同じようなトーンで映画が進んでしまうので、いいシーンや台詞はあるのですが全体としては何か印象に残らない作品でした。 [DVD(字幕)] 4点(2010-11-25 23:40:38) |
3. 運動靴と赤い金魚
《ネタバレ》 確かに主人公一家の暮らしは貧しく描かれる内容は切ない。何度も映し出されるかわいい飾りのついたきれいな靴を履いた同級生の足元を見つめる妹の視線や高級住宅街の街並みを見つめる兄の視線からは貧富の差が確かに感じられます。 しかしその貧しさを強調するよりは路地を力強く駆け抜ける兄妹の姿、高級住宅街の庭師の仕事で収入を得た後、もっと働いて冷蔵庫を買って、お前たちの靴も買って、大きな家に引っ越そうと夢を語り合う自転車に二人乗りする父と息子の姿などを通して貧しくも力強く生きる家族を描く視線には素朴な優しさが感じられます。 その後仕事が順調なことを感じさせる買い物をするラストのお父さんの姿に嬉しくなる。なぜならその自転車の荷台には綺麗な赤と白の2足の靴が・・・!そしてマラソン大会で頑張りすぎてしまった兄が靴を脱ぎ脚を水に浸す。その足元に集まってくる金魚。とても優しく素敵なラストシーンでした。 欲を言えばお父さんが買ってきた靴を見た兄妹の喜ぶ笑顔と喜ぶ子供の姿に満足そうなお父さんの表情も少し離れた所からそっと見せてほしかったなあ・・・。 [DVD(字幕)] 9点(2010-09-11 12:12:58) |
4. 海の上のピアニスト
《ネタバレ》 恋をした女にあと一歩のところでレコードを渡せなかった。一度は船を降りる決心をしながらタラップであと一歩のところで引き返してしまった。そんなあと一歩踏み出す勇気を出せなかった1900の姿、そして悲しい結末の後、オープニングを思い出しました。自由の女神とアメリカ大陸が見えてくる。そんな1900とはあまりにも対照的な一歩踏み出す決意をした移民たちが目を輝かせ歓声を上げる。甲板は早くその一歩を踏み出したくてうずうずしている希望に満ちた人々であふれかえっている。マックスは作品中何度も1900に一歩踏み出す勇気を持てと語りかける。これはこの作品の人生に対する前向きなメッセージでもあるのでしょう。船の中でも楽器店でも最後の廃船の中でもマックスを演じたプルート・テイラー・ヴィンスの味わいのある演技が印象に残ります。そしてやはりトルナトーレ監督の描き出す古き良き時代とそんな雰囲気を見事に盛り上げるエンニオ・モリコーネの音楽もいつものことながら本当に素晴らしいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-21 20:15:05) |
5. ウディ・アレンの影と霧
《ネタバレ》 作品の舞台は1920年代のとある町という設定との事。全編モノクロで雰囲気も音楽も何かその当時の映画っぽい雰囲気が不思議な作品です。町を徘徊しているという謎の殺人鬼を追う自警団にアレン演じる気弱な男が駆り出され、そこにヘンな人物が次々に登場するヘンな一夜のお話。大した話ではないですがウディ・アレンの遊び心が出ているようでいいですね。タイトル通り影と霧の雰囲気が不思議な感じで楽しかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-05 21:27:14) |