1. 運動靴と赤い金魚
《ネタバレ》 妻投稿■うちらのルームシェアではみんな発達障害ゆえにダチの娘の4歳のチビに相当お手伝いさせてしまっているのですが、いやはやこういう映画を見せられるとチビに大変申し訳ないという気持ちと、これのどこに「貧しくも“美しい天使のような”世界」があるんだと英題つけた人に口泡飛ばしたい気持ちでいっぱいなのですが、とりあえずチビに運動靴はちゃんと買ってあげると心に誓いました(笑)。■私は映画の中で、おっちゃんとアリが自転車に乗って高速道路を走るシーンで、道路の両端にガラス張りのビルが建っているというシークエンスと、子供たちが走る区画されたコンクリートロードで名誉と栄光を叫ぶ大人たちが興奮している真ん中を走るsceneがかぶりました。子供が赤い靴の為に頑張るのと同じように、大人たちも同じくらいささやかな物の為に大人の世界で頑張っているのだと言う事が、メッセージとして表現されていたような気がします。金魚が足にまとわりつくラストと、高級住宅街で息子に自転車の上でしがみつかれて嬉しそうな父親の姿。あの父親の姿は、父親の物語のラストシーンだった気がします。父親が天使ではないように、子供も天使ではない。等身大。だからこそ美しいのだと思います。 [ビデオ(字幕)] 8点(2011-02-11 03:09:15) |
2. 宇宙怪獣ガメラ
《ネタバレ》 妻投稿■1980年製作の怪獣映画と言ったら、所謂「昭和期」と「平成」の中間に位置する貴重な映画ではないかと思います。この映画の5年前にメカゴジラの逆襲が、この映画の4年後にゴジラ84が作られるんです。その怪獣やウルトラマンの昭和と平成の間の断絶と言うか、そういうものを唯一乗り越えた映画だと思って期待していたのですが…。■何というか、この映画は「昭和と平成の間の怪獣映画の断絶を乗り越えた映画」ではなく、「昭和と平成の怪獣映画の断絶を作った映画」のような気がしてきました。■怪獣映画にあやしげな踊りを踊るタイツの女の人を出す(しかも名前はキララちゃん)発想は、ホラー映画にあやしげな踊りを踊る全裸の女の人を出すという発想と、同じプロセスを経て誕生したような気がします。 [ビデオ(邦画)] 2点(2010-10-06 02:49:29) |
3. ウィッチマウンテン/地図から消された山
《ネタバレ》 妻投稿■題名からしてアメリカ版横溝ワールドを想像していましたが、子供向けSFストーリーです。ストーリーはありきたり、設定にひねりもなし…そういう映画でありながらかなりハラハラドキドキさせてくれます。カーチェイスやUFO追跡劇をやり続けるのに平坦で障害物もない砂漠は迫力面などで不適格だろうと思いきや、追跡者の乗り物の全容を敢えて見せないまま暗闇の逃避行を臨場感たっぷりに見せてくれますし、基地に乗り込むシーンもテンポが良くてしかも無理がなく、なんかうちら夫婦でもヒーローになれそうな気になっちゃいました。設定やストーリーを無駄に難解にして結局は観客を舐めきった「話題作」が氾濫する中、この映画は「ありきたり」と蔑まれながら、実は観客をどう楽しませるかいろいろ思案している、ほのぼのとした小さな発展途上国で作られたようないいにおいのする映画です。■ただ途中「名前を言うのも恐ろしい例のあの映画」ほどではありませんが非常に短い作中時間で夜と昼がいつのまにか逆転しているシーンが2回ありました。まさかエイリアン格納庫には「夜の帝王」が待ち構えているのではないか…そんな不安が一瞬よぎりました。 [DVD(吹替)] 8点(2010-08-25 23:33:50)(笑:1票) (良:1票) |
4. 雲南の花嫁
《ネタバレ》 妻投稿■横着一番投稿します(^_^;)■漢人がイメージで少数民族を撮るのはいいんですよ。北京五輪で国旗持ってやってきた少数民族の子供たちが実は漢人なのも「イメージ」なわけだし、例の口パク女の子もイメージ。むしろイメージを100%信じることの方が危険だと思います(だから世界中のユーザーが「北京五輪開幕は捏造」と大騒ぎしているのを見るとちょっと心配。まあ私みたいなモノホンの馬鹿と違い、彼らにとってはバイアスが現実になっただけなんでしょうけど)。■で、漢人が少数民族を勝手なイメージで撮るのは勝手なんだけど、だったらせめて主人公の男女のどっちかを漢人にすべきだと思う。視点を漢人目線にして「これは馬鹿な漢人目線の物語」にし、その中で精一杯エンターテイメントに接するのが、少数派を描く多数派の礼儀じゃないのかなあ、と思ってみたりもするんです。日本を比較的まともに描いているハリウッド映画、あるいはイメージ先行型でも完成された異国トリップエンターテイメント、アニメ作品ほど、こういう礼儀を謙虚にわきまえている気がする。■第一少数民族でこういう秩序でやってきた連中同士が、「ありえなーい」と大騒ぎするのって、自然じゃないですよ。「ありえなーい」と思うのは漢人なのであって、その点が所詮自分たちの価値観でしか見てない気がする(「母たちの村」みたいに自分たちの秩序に疑問を持ち、反抗するおっかなさを描いた映画ってわけではないし…)。■あと何でテレビがトムとジェリー? [DVD(字幕)] 4点(2010-02-22 22:34:01) |
5. ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団
《ネタバレ》 最高のショーだとは思わんかね。ハハハ、見ろゴモラがごみのようだ。 [ビデオ(邦画)] 8点(2009-02-11 17:23:50)(笑:1票) |
6. ウォーリー
《ネタバレ》 妻投稿■ピクサーの映画はかつての宮崎アニメと同じような特徴をもっていると思います。一つ目は全く新しい世界観を映画の中に構築すること、二つ目はその世界観に臨場感とリアリティーを持たせるために乗り物や建造物の構造から何気ない背景まで恐ろしいまでにこだわりを持つところ(これは名作と名高い原監督のクレヨンしんちゃん映画にはない)。でも宮崎アニメはその世界観を使って物凄く難しい問題提起をしているのに対し、ピクサーは「アンディーに遊んでもらいたい」や「小さな女の子を守りたい」や「正義の味方に戻りたい」や「ニモを取り戻したい」といった誰もが持っている感情が、異世界でどのように形を変えていくかを醍醐味としているところに大きな違いがあると思います。この作品はピクサーのこうした醍醐味が一番よく表れている作品ではないでしょうか。「女の子と仲良くしたい」「誰かとお喋りしたい」という感情を、ロボット、宇宙空間、宇宙基地というキーワードを組み合わせることでCGアニメならではの美しい世界観が表現されたのだと思います。イブが防犯カメラでウォーリーの愛を知るシーンはこうした世界観だからこそ表現できる愛の形だと思うし、宇宙空間でイブとウォーリーが戯れるシーンはピクサーが目指している創作態度の象徴ではないでしょうか。■この映画はエンディングが秀逸。古代の壁画から近代の油絵で地球のその後を表す技法は見事としか言いようがないです。何でエンディングのタイトルロールで涙線にとどめを刺されなくちゃいけないんですか! [DVD(吹替)] 10点(2008-12-07 17:37:30)(良:3票) |