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王の七つの森さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 188
性別 男性
自己紹介 ・・・・最初に投稿してから4年近くたとうとしています。
これからも、細々とでも投稿してゆきたいと思っています。

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1.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 
ある作家の高評価もあって、期待度が高すぎたせいもあるのかこの点になりました。・・・1. アクション・シーンは、この手のハリウッド映画に一般的水準です。ダイハードや、スピードや、ターミネーターを越えるものがこの映画にあるのか、と尋ねられたら、残念ながら、ない、と答えざるをえません。・・2. ジョーカー、マフィア、ラウの関係が、極めて不鮮明だし、全体として、話しの展開に脈絡がなさ過ぎ。・・・3. 札束を燃やすシーンも想像力が欠けているように思えます。ジョーカーが金銭に拘らない悪であれば、例えばゴッホとかダヴィンチとかの絵を燃やして見せれば良いのです。このキャッシュレスの時代に、巨大な札束の山を燃やしたって、中は燃え残るし、社会的にはまた印刷すればよいだけです。・・ 4. ジョーカーは、ずいぶんと手下をもち、組織を作っています。でないと、例えば、銀行強盗の後のスクールバスの行列や、警察組織への浸透や、情報収集や、あるいは病院や船に爆薬を仕掛けることも、人質にマスクをさせて偽装することも不可能です。もしそうした組織を持たないなら、リアリティがゼロのものになってしまう。そして組織があるならば、ジョーカーには、狂気というよりも、理性的な組織者しか感じらなくなってしまう。・・・突き抜けた狂気を感じさせるのは、例えば「ブラックレイン」の松田優作かなんかじゃないでしょうか。あるいはアンソニーホプキンスとか。・・・・説得力を持たせるには、ジョーカーをある種の神として描く必要があるのだけど、それにしては、登場しすぎだし、演技しすぎ。・・・・5. 光と闇というのも、ゾロアスター、マニ的伝統なのだろうけど、説得力を持って展開されていない。・・・全体として退屈な作品でした。
[DVD(字幕)] 3点(2008-12-12 00:33:26)(良:2票)
2.  太陽(2005)
前半部分は、特に敗戦の御前会議と思われる会議が「?」です。・・・阿南陸将はどうして軍服を着ていないのだろう。天皇が「四方の海」と明治天皇の歌を詠むのは、開戦の時の御前会議で、敗戦の時の会議ではなかったはず。・・・・外国の映画だから、仕方がないといえばそれまでだけど、日本的環境では確認されている事実が、ないがしろにされてしまうと、事実は事実として扱ってね、と思ってしまう。・・・・・・とはいえ、特にマッカーサーとの対面や、会食のあたりが興味深い。昭和天皇とはこういう人だ、と決めつけるのでなく、子供じみた部分、科学者的側面、責任感、プライド、外交的能力などなど、昭和天皇の多面的な部分を、イッセー尾形が実に良く表現している。そして実際の人間や出来事というのは、そのように多面的なものなのだから、イッセー尾形を見ていると、一つに決まらないもどかしさがある一方で、現実性、リアリティを感じることができるのだ。そして占領期の日本について考えるきっかけを与えてくれる点でも貴重な作品といえる。・・・・・・とはいえ、天皇制の宗教性など、文化的な事柄を考えるには、全く掘り下げられていないと感じました。
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-04 23:31:04)
3.  ダ・ヴィンチ・コード
原作未読につきわけがわかりませんでした。・・・・・・キリスト教の教義ではイエスは神であり、同時に人間です。だから子どもがいたって、別にいいんです。神ですから、性交渉しなくたって子どもくらいできるんです。人が殺し合うような問題ではありません。・・・・・・・血統うんぬんというのはゲルマン的伝統であり、キリスト教本来の感性とは無縁です。だから仮にイエスの子孫がいても、どうということはありません。・・・・・・もう2000年もたっているのです、仮にイエスに子孫がいたら、私たちの中にだって、超ほんの少しだけ、それが混じっているなんていうことだって、あるある大事典です。・・・・・・・・・・音楽が凡庸ですね。教会の内部の映像とかは綺麗ですね。・・・・・・そもそもイエスの子孫を守ってきたのは、イエスは人間だった派なんでしょうから、水の上を歩けるなんて思っていないわけで、最後にあの女の子に水の上は歩けないといわれちゃうと、おまえ実は何にもわかってないんじゃないの、とつっこみたくなるわけです。・・・・・ことほどさように、全編、ばらばらのイメージの連続で、一貫しているものは、げへへへへへへ・儲けてやるっちゃ、という浅ましい欲得だけだと感じられてしまいます。
[DVD(字幕)] 3点(2007-01-31 11:41:33)(良:1票)
4.  瀧の白糸(1933)
白糸の高利貸し殺しは、正当防衛(過剰防衛)だから、無罪とはいわなくとも、死刑ということは、現代ならあり得ない。→それを当時の人たちは、白糸が死刑になるというのを自然に受け止めていたとすれば、女性がいかに抑圧されていたかの一つの証になる。、、、、、、大学をでて、高等文官試験に受かって役人になるというのが、典型的な出世コースであったことがわかる。、、、、、入江たか子が、全盛時代に、どれほど魅力的だったのかがわかる。、、、、、、などなど、資料的な価値は極めて高いと思うのですが、、、、、映画として、今、どれだけ楽しめるかといわれたら、どうなんでしょう。、、、、、「欣さんに会いたい」と白糸が思うと、橋の上で欣さんがねていたり、列車から飛び降りると、知り合いがそば屋をやっていたり、白糸の裁判を欣さんが検事代理として担当することになったり、、、、、今とは、芝居のストーリー展開の文法が随分と違いますね。、、、、総じて、溝口の映画というよりも、入江の映画という印象でした。
[DVD(字幕)] 7点(2005-06-17 18:38:43)
5.  旅芸人の記録
4時間という時間を無駄にすることなく、この映画を見るには、次の三つのことが必要だと思います。、、1.1937年頃から1952年までのギリシア史の概略的知識、2. 「アガメムノン」の概略知識、3.映画の中で、誰がアガメムノンで、アイギストスで、エレクトラで、オレステスなのかという区別。、、、、特に配役は、最初は、誰が誰だかわからないはずです。映画の中でも、その名前を呼ばれるのはオレステスだけですし、、、。しかし、例えば、最初の方のシーンで、椅子の上で、「父よ世界はなぜかくも美しい」を歌うのはアイギストスであるというのがわからないと、どんどん退屈になってしまいかねません。、、、、また最初の出だしが1952年で、そこにはアガメムノンもアイギストスもいないけど、一番最後のシーンは1939年で、アガメムノンもアイギストスも揃っているということも、一度見ただけではわかるはずもありません。、、、、、、以上、1.2.3を踏まえつつ、これが1975年の作品であること、つまりギリシアは軍政下にあり、ヨーロッパではユーロ・コミュニズムが登場した頃であることを考慮して、見たあとの感想は、、、、、、演劇的空間(=長まわし)を、あまりに見事に映像に表現した作品。そしてなんという歴史やリアリティの存在構造についての卓見!!、、、、比喩的に言えば、消費者である我々が、リンゴ農家にとってリンゴがどのような存在であるかを知るには、別のものでリンゴを象徴させるか、リンゴ農家の日常を詳しく説明するか、いずれかになるわけで、物質としてのリンゴを提示するだけではうまく行かないわけです。何故って、リンゴを見せられると消費者としてのイメージが混入しちゃうからです。、、、、前者の象徴的な技法が、この映画では極めて有効に随所に使われ、そのおかげで、過去の出来事のリアリティに想像的に接することができると思います。(でも個人的には、いまのところ「ユリシーズの瞳」の方が好きです)
10点(2005-03-06 13:17:36)
6.  たそがれ清兵衛
感動の静寂を破るようで、申し分けないでがんすが、、、、、、、、。バラバラで支離滅裂な作品にしか受け止められませんでした。、、、、、幾度か緊張感のある展開になるものの、その緊張感も、すぐに潮が引くようにだらだらしてくるし、、、、、、前半は、いじいじしていて寅さんだし、、、。で、結局、何を描いた映画なのだか??、、編集が悪いのかなぁ??、、、、、レッドカーペットの上で山田監督は、「人を殺すことの怖さを、ほにゃらら」とのたまったらしいですけど、餓死した農民を二体、プカプカ浮かせて、死んだ役人に蠅をたからせ、清兵衛本人から家老に、人を殺すにはほにゃららと語らせた以外に、それに該当する部分はどれだけあるのだろう。それにもしこの映画の真意がそこにあったのなら、朋江は幼なじみの出戻りである必然性はないし、竹光と知っての余五の豹変を無理矢理とってつける必要もないはずで、、、、、。山田監督は、授賞式に向かう飛行機で、オスカーをとった時のスピーチ原稿を一生懸命に準備していったそうですが、「人を殺すことの怖さ」なんて、その時考えたことではないのかしらと思えます。本当に「人を殺すことの怖さ」を描きたかったのなら、時代劇である必要性なんぞ全くないのではないでしょうか。、、、、、では描いたのは平凡な人生??、、、、清兵衛のどこが平凡なのでしょう。十分に劇的な人生を送っていると思います。それに、世間一般の外見的基準からは平凡でも、それぞれの人の人生は、その人にとっては十分に劇的であるはずだと私は思います。春の香りを感じたり、再び桜を見て経過した一年を思ったり、昔の知り合いの近況をきいてびっくりしたり、それだって十分に劇的なことではないでしょうか。、、、、、、、要するに、庶民の心の機微を描いてきたはずの人が、オスカーをほしがるようになったらおしまいでごんす。
3点(2004-12-04 13:59:33)(笑:1票) (良:4票)
7.  ダントン
ずいぶん昔に、岩波ホールで見ました。その時思ったのは、どうしてこの映画の題名は、「ロベスピエール」ではなくて、「ダントン」なのだろう、ということでした。ロベスピエールという権力者の苦悩の方が、生き生きと、説得力をもって表現され、「ダントン」は、単純ナイーブ、無責任、文句ばっか野郎にも受け取れたからです。、、、、、、それでも敢えて自由を高唱するダントンを評価しよう、どんなに苦悩していても権力者は権力者なのだ、というのがワイダのメッセージなのだと暫定的な解釈を与えてきたのですが、、、、、、、、、、それからずっと、もう一度見て考えてみたいと、新しいビデオ屋に行くと探すことにしているのですが、、、、、不幸にしてまだ巡り会えず、今日に至っている次第です。
7点(2004-07-06 11:24:02)
8.  Wの悲劇 《ネタバレ》 
もう一度見直してみて、思いました。いやぁ、実によくできている。・・・・最初の20-30分は退屈ですが、パトロンの腹上死あたりから、身代わりになる芝居の筋と、本編の筋が重なってきて、テンポも良くなってきます。・・・・・・居酒屋のシーンなど、かなりの長まわしも幾度か使っています。・・・・それと、ホテルの部屋の窓ガラスに薬師丸の顔を映して、実際とは違う自分を演技していることを象徴させるところが二度ほどあります。・・・・・・・最後のジャンプのシーンもいいですね。届かない天井のポスターは、実現しなかった夢を象徴しているのでしょうか。これも薬師丸というアイドルがかわいげにやるから、わざとらしくなく、実に自然にできています。・・・・・全体として、私たちの日常が、演技を軸として成立していることを鮮やかに示してくれました。また、朝の講演野外劇場、渋谷方面の都会の情景などなど、バブルの前の都会の情景をしっとりと伝えてくれます。・・・・・・・・・梨本まで出してきて、、、顔をおおった蜷川さんはわらっているのでしょうか、、、、娯楽性を保ちながら、ほんとによくできています。それに、アイドル映画というのは、それなりの内容がある場合、時間を経過してから見ると、その時代をよく引きずっていて、その時代には見えなかったものが色々と見え始めてきて、なかなか味わいが深くなるものですね。
[映画館(邦画)] 10点(2004-06-17 13:02:12)
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284.26%
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