2. 太平洋ひとりぼっち
《ネタバレ》 堀江さんがヨット単独太平洋横断に成功したのが1962年。それからすぐこの映画は撮られています。今では実感できないでしょうが、法を犯しています。しかも意図的に犯しています。この行為について非難すべきか、賞賛すべきか、まだ決めかねる状態で制作されたために、この映画には異様な緊迫感があります。武満徹の音楽も世間の冷たい風を思わせ、堀江さんのあっけらかんとした独白が、さらに疎外感を高めています。 世間の巨大な力に抗う少年として、憧れを持つものの、やはりそれに押しつぶされるのではないか、あわれな道化師になるだけでは、と心配する気持ちが感じられます。 今でこそそれは杞憂だったと言えるわけですが・・・ 俳優の松平健さんが、この映画を観て感動し、役者を目指したそうですよ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2009-01-14 22:58:55) |