1. タクシードライバー(1976)
まず、純粋な男の映画だと思った。デーニロ演じるトラヴィスは、自分と世界をつなぐ何かが欲しかったんだろうね。おそらく彼はそんなに頭のいい人ではない・・・。それは戦争で受けたココロの傷ゆえなのかもしれないが・・。なにをやるにしても、不器用で計算が立たない・・いや恐ろしく真っすぐ過ぎるのだろうか・・。選挙事務所のお姉ちゃんに、初対面の日にカフェで「自分が運命の人だよ」みたいなことを言っちゃうのも、ポルノ映画に連れて行っちゃったのも、やっぱりそういう関係になりたいがゆえの彼なりの下手な表現だった気がする。そんな純粋な彼の心と表情(デニーロの演技スバラシイ)におもわず自分も微笑んでしまった。ジョディフォスター演じる売春婦に何かココロの拠り所を求め(だってカワイイもんなぁ、あんな娘いたら)、それが一番の解決方法だと思ったのか、売春宿に突撃、銃激戦。最後に自分を撃とうとしたときはオイオイと思ったが・・。言ってみればあれが彼にとっての晴れ舞台だったのかなぁ・・?まぁ悪く言えば、とんでもない勘違い野郎。だが男として共感できる部分は沢山あった。自分を周りに認めてもらえない歯がゆさ・・わかるなぁ・・。でもここらへん、女の人や人間関係で悩みのない方々にはわからないかも知れんっすね。。腕の仕込み銃を出す練習をしてるときになかなか銃がうまく出てこないのが、ちょっとマヌケで逆に良かった(本番では一発で出てきて良かったね)。映画全体の雰囲気や音楽も良かった。最後に、タクシー運ちゃん仲間の一言「どうせ俺たちはタクシードライバーだ、人間なるようにしかなれないんだよ」みたいな台詞が印象に残った。やっぱりあのトラヴィスなりの表現であそこまでやっちまったんだなぁ・・。 9点(2002-12-19 01:18:46) |