1. 劔岳 点の記
《ネタバレ》 確かに『本物』の風景が大スクリーンで映し出されて圧巻の一言。これだけでもこの映画の価値は十分にあると思いますし、観てよかったと満足度は高くなります。そして役者陣も素晴らしいし本作を引き立ててはいますが・・・ストーリーは本当に地味。ただ淡々と男達が山登って歩いて休んで測量するだけの映画ですよ。測量メンバー内での葛藤とか対立はあっさり描写されるだけで人間ドラマとしても本当に薄い。あと個人的に一番、『はぁ?』と思ったのは肝心要の剱岳の登山ですよ。いかにこの山の頂に到着するのが困難かを本編でずっと強調されていたのに、実際に登るシーンは途中でカットして次は、すでに山頂に到着って・・そこを一番、しっかり見せてほしいと思いました。本当に剱岳の頂が困難と言われる所以を見せて、やっとそれを乗り越えて一歩、一歩踏みしめるように頂に辿りつく達成感の瞬間はあってもいいのではないかと・・。ラストの山岳会の手旗信号のやりとりも良かったのですが、さっき述べた所が気になって、いまひとつ感動が伝わって来ませんでした。惜しいなぁ・・とても映画的魅力は確実にあるだけに・・こういう事書くのは気が重いのですけど、正直な感想なのでご了承を。 [映画館(邦画)] 6点(2009-07-01 20:59:59)(良:1票) |