1. 鶴八鶴次郎(1938)
《ネタバレ》 山田五十鈴、長谷川一夫の共演。鶴八鶴次郎って、はじめ一人の名前なのかと思っていたが、三味線の鶴八と太夫の鶴次郎の男女コンビだったんですね(恥ずかしい・・・)。 驚いたのは演技力です。山田五十鈴、長谷川一夫という名前関係なく、とにかく上手いと思った。「在りきたりの台詞」をいうにも今の役者さんだと、何か不自然さを感じてしまうのだが、この二人の立ち振る舞いは自然です。 特に、山田五十鈴は21歳だと思うが、30近くの長谷川一夫に対して啖呵を切る振る舞いは、一人の大人の女性としても堂々としている。他の女優と比べても才能と経験値が抜けていたということなんでしょうか。出演が多い50年代の作品になると、円熟味を増し成熟した演技が観れるのですが、若い20代の作品を観る機会が少ない(戦争前後)のは残念です。演技力には当然「芸」も入ります。いやーお二人の三味線ユニットは素人目からも相当上手くみえる。 二人の恋と芸の物語であり、ラストは泣けます。こういう余韻を残す終わり方は大好きですね。でも、その後の長谷川さんがお酒飲んで説明する所はいらないかな。後期の成瀬監督であれば絶対省いたと思います。 [ビデオ(邦画)] 9点(2007-07-30 15:56:05) |