21. デイジー
《ネタバレ》 むむ。個人的には、やはり最終的に「救い」が無さ過ぎる結末は受け入れきれない部分がある。設定は凡庸だけれど、目に見えるようで見えない“三角関係”の構図自体は物語の核としては良かったは思う。が、三者の人間模様を追っていくあまり、結局それぞれの人間描写が中途半端なまま終わってしまい、いまひとつ感情移入することが出来ない。最後までストーリー的に“謎”を含めたことが、尚更に観ている者の感情を“宙ぶらりん”にしてしまったと思う。 [映画館(字幕)] 4点(2006-06-02 01:59:11) |
22. DEATH NOTE デスノート the Last name
《ネタバレ》 様々な要素を巡り巡って結末を得た原作に対して、この映画版はどういう「結末」を迎えるのか。 正直なところ、この映画についての期待というか「興味」は、そこに集約されていたと思う。 好意的に見れば、原作のエピソードを巧く選りすぐって、ストーリーをまとめているということは感じた。原作で言えば、「L編」の終盤と「ニア編」の大部分をすっ飛ばしてラストのくだりだけを頂戴したという形だが、何とか破綻せずに繋がっていると思う。 “L派”としては、原作と違って「Lがキラを出し抜く」展開は少し嬉しかった。が、個人的には「見所」と言えるのはその部分しか無かったというのが正直な印象だ。 冒頭からどうにも気の抜けた演技と演出が、鈍く光り続ける。「前編」は、瀬戸朝香や香椎由などある程度の演技力を携えた女優がポイントを抑えていたのだが、今作のモデル上がりやらアイドル上がりやらの女優らの演技は“チープ”の範疇をとても抜けきれずに、辟易してしまう。そのせいにするのは酷だが、主演俳優二人の演技もなんだか大袈裟なだけに見えて、説得力を感じることができなかった。 原作とは違う展開を見せた終盤の顛末は面白味はあったが、細かく“L”やその他のキャラクター性などを考えると腑に落ちない点も多々あるし、盛り上がりにも大きく欠ける。 まあ元々、期待などはしていなかったのだけれど、「面白くはない」ということを覚悟しながら140分の長丁場に臨むのは、やはりしんどい。 [DVD(邦画)] 3点(2007-04-22 01:21:52) |
23. 鉄人28号
作品登録要望を出して1年、やっとのことで観ることができ個人的にはある種の感慨深さがあった。のだが、正直「もう少しなあ~」という部分が多すぎる出来栄えだった。物語自体の軽薄さも目に付くところではあるが、そこはあえて“王道的”と片付けておいておこう。やはり問題はビジュアルに尽きると思う。名作漫画「鉄人28号」を今、映像化する意味をもっと考えてほしかった。一辺倒で工夫の無い構図の羅列、原作が持つ秀逸な昭和的色合いをまったく見せない造形、映画全体の中途半端な時代の雰囲気……。製作費をかけるという以前に、手間をかける部分、工夫をすることが可能な部分が随所で露呈し、残念という他ない。エンディングで流れる原作漫画の一コマ一コマの方がよっぽどスリリングだ。それでも何とか見せるのは、鉄人28号というキャラクター自体が持つ揺るぎないパワーのおかげだろうか。 [映画館(字幕)] 3点(2005-03-25 19:07:48)(良:1票) |
24. DEAD OR ALIVE 2 逃亡者
その衝撃性でカルト的なファンを誕生させた前作であったが、そのノリを一切無視した続編を作るあたりが実に三池崇史監督らしい。前作の破天荒さを期待した者にとってはやはり面白くないが。 1点(2003-12-20 13:41:03) |
25. デビルマン
《ネタバレ》 まったく……。一番目のレビューとして申し訳ないが、言わせてもらいます。 これほどまでに“胸糞が悪い”映画は観たことがない。 日本映画でヒーローものの娯楽映画だから“くだらない”だけならまだ許せるだろうが、娯楽映画としてこれほどの醜悪さはまさに憎むべきものだ。 もう何が悪いどこが悪いと指摘するのも虚しい。まともな神経で作ったとは思えないし、観る側もまともな神経では耐えられないものだ。 上映前の暗がりの中、一人の老人がおぼつかない足で劇場に入ってきた。 そして彼は、クライマックス前もっとも下劣なシーンのところでさらに足元をふらつかせながら途中退席していった。 もちろんぼくはこの映画に何の関係もないが、何だかその老人に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった。 まあ、とにかく、映画としてのあらゆる罪を犯した今作を許すことはできない。 そして、もし「この映画は庇護るにたるべき存在か」と聞かれれば…そんな愚問には答える気にもならない。 [映画館(邦画)] 0点(2004-10-12 18:49:52)(良:7票) |