1. 天使と悪魔
《ネタバレ》 荒唐無稽な設定を、舞台と音楽と宗教モチーフを巧みに使って見せきる力技の快作。その強引さはマイケル・ベイもびっくり。ヴァチカンとローマが舞台のオリエンテーリング大会を映画化!というおもむきは面白いです。現代版『ローマの休日』ともいえるローマ観光案内編。 システィーナ礼拝堂にカセルタ宮殿が使われています。やっぱりこの内容じゃ教皇庁の許可はおりないよね…。そこで気づいたこと。ユアン・マクレガー→オビ=ワン・ケノービ→スター・ウォーズ→ナブー→カセルタ宮殿→ミッション・インポッシブル→ヴァチカン!!これ、マニアックな共通項ですけど狙ったんでしょうか??? スカルスゲールドがキャスティングされているのが個人的にツボです。スイス人には見えないけど。ともあれローマに行ったことがある人なら大いに楽しめる娯楽大作ですよ! [映画館(字幕)] 7点(2009-06-21 00:51:24) |
2. デジャヴ(2006)
全く予備知識なしで観ました。結論から言って一切の情報をシャットアウトして観ることをおすすめします。冒頭の大迫力の爆破事件で幕を開けるサスペンス×SFストーリーを巧みな脚本でまとめあげています。しかもそれをトニー・スコットが渾身の力技で映像化し、見る者に息をもつかせぬハイテンションストーリーとして投げ込んできます。このパワー溢れる映像とストーリー展開の見せ方の巧さは秀逸。物語のピースが徐々に揃ってくる快感とハラハラ感、映画の醍醐味を味わえる素晴らしい娯楽大作ですね。最近は焼き直しばかりだったハリウッドもまだまだ捨てたもんじゃありません。現実にはあり得ない設定だからこそ面白くできることを熟知した製作陣に感服です。猛烈なテンポと高度な撮影・編集はもちろんですが重低音バリバリの音響も面白かったので、低音が凄い映画館で観るとさらに楽しめるかも。『スピード』で唯一死んじゃうバス乗客のおばちゃんが今回も死んじゃった(>_<)あ、正確には死んでないか。結局射殺されてしまったフェリーの従業員が非常に気の毒です…。 [映画館(字幕)] 8点(2007-03-24 01:22:34) |
3. 手紙(2006)
《ネタバレ》 不幸の連鎖が続くストーリーで重たい内容です。しかし、その先に差別を乗り越えて生き抜こうとする力があるからこそ、この作品に意義があるんだと思います。犯罪は服役したからそれで済むというはなしではないことをこの映画は指摘する。犯罪者の家族、犯罪の被害者、そしてその周囲の社会…これらすべてが差別による苦しい思いをするということを。現実から目をそらさず、「そこで生きていくこと」を示す勇気ある映画。この映画を観て三回泣きました。自分でも分からないけど、自然と涙が流れました。人間の弱さと醜さ、そのふたつが生み出す悲しみが胸に刺さったからだと思います。ひとつひとつの場面も丁寧に描かれていて、作り手の誠実な思いが伝わってきました。 気になったのは沢尻エリカが関西人である必然性が全く無いことと、高橋瞳の主題歌ですけどそれを差し引いても見ごたえのある映画でした。 [映画館(字幕)] 9点(2006-12-01 22:47:17) |
4. ディック&ジェーン 復讐は最高!
ドタバタコメディかと思いきや、意外に地味な内容でしたね。個人的にはもっともっと大暴れしてほしかったなあ。はったりというか外連味に少し欠けるかな。邦題が「復讐は最高!」というくらいなのに(笑)。 中流階級のサラリーマンがいきなり無一文になってしまい、その後の奮闘をコミカルに見せるのはさすがにジム・キャリーですね。ボールドウィンはサマになってました。悪いやつなんだけど憎めないのが不思議です。ティア・レオーニも唇がとんがっていたり、自宅の差し押さえを知るや強盗に豹変する怪演が良かったです。 [映画館(字幕)] 5点(2006-01-16 21:38:55) |
5. 電車男
異常なまでの短期間製作だったと思いますが、丁寧に描かれていて驚きました。山田孝之の演技が特に良いですね。作りとしてはドラマの延長線上な感じで決して凝っているわけではないですが、サブカルチャーとしてのネット世界をうまくラブストーリーとして表現していると思います。エルメスさんは偶像の実体化だと思うのですが、お人形さんすぎて怖いくらいです。電車男が人間味ある普通の男の子だけに、エルメスさんの機械的な佇まいが逆に不気味な感じがしました。電車男が「マトリックス」を熱く語る姿は、とくに誰にもで思い当たるフシがある場面だと思います。良いシーンですね。どうでも良いことですが、電車男の趣味がイノセンス、マトリックス、ガンダム、美少女、スター・ウォーズというのはちょっと範囲が広すぎたのでは(笑)? [映画館(吹替)] 6点(2005-08-02 02:27:24)(良:1票) |
6. デイ・アフター・トゥモロー
《ネタバレ》 テロ以降に作られた作品。この映画を見てそう感じました。 もうアメリカが手放しで万歳!している映画を作ることはエメリッヒ監督ですらできなくなってきたのでしょう。アメリカ国民が難民となり、大統領は死亡。大自然の猛威の前になす術もなく斃れていく人類。NYにはWTCの姿はもうない。 製作者は、自然の驚異という題材を使って、現在のテロが渦巻く世界を表現したかったのかなって思いました。 前半部分に集中するVFXシーンは素晴らしいです。似たような場面は過去の映画にもありましたが、今回はさらなる緻密な画で見せてくれます。きっとNYの映画館で見たなら面白さは数倍になるんでしょうね。 あと、高層ビル好きの人にはたまらない映像だと思います。映像の迫力は良かったですが、群像劇としての甘さが目立つのでキビしめな点数にさせていただきます。 私はてっきりジェイク・ギレンホール演じる秀才息子が手作りロケットを打ち上げて地球を救うのだと思ってました。それって違う映画でしたね・・・。 5点(2004-07-04 12:14:27)(笑:1票) |
7. 帝都大戦
「帝都大戦」なんていう大仰なタイトルの割にはやけにチマチマと戦っているところがいいです。千年の怨念もあの程度ですかという印象。全ての演出が唐突なのがこの作品の「味」かなあ。 4点(2002-06-21 09:15:19) |