Menu
 > レビュワー
 > なんのかんの さんの口コミ一覧
なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2336
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  デストラップ/死の罠
どんでん返しの瞬間ってのは、独特の爽やかさがある。いままでのストーリーが、新鮮に更新されるっていうか。映画の観客を引っ掛けるための偽の伏線ぽいシーンもあり、油断は出来ない。雷鳴の中で一瞬浮かぶ女性の姿にドキドキさせられたのも、それ? 実際の舞台だったらもっと面白かったろうというところもあるが(舞台の設定を朗読する)、電話をかけながらカメラの周りをグルグル回る映画ならではの迷宮感みたいなものもある。「世間は露出を好むんだ」なんてせりふ原作のものなんだろうが、『ネットワーク』の監督のものと思っても納得いくな。M・ケインがこそこそと室内を走り回る図が、おかしかったです。
[映画館(字幕)] 7点(2013-06-24 10:03:47)
2.  ディーバ
全体は青。稀薄な澄明な空気に満たされてる感じ。ベトナム少女がローラースケートで光の中を横切りつつ滑る部屋なんかね。ほとんどのカットで何らかの動きが続いており、近寄っていったり、横移動したり、回り込んだり、迷宮感というか、不思議な世界を作っていく。決して人間を描かない。生臭さを異常に怖れている。監督を含む、現代都市生活者の心象風景なんでしょうか。社会心理学で解説しようなんて押し付けがましさがないのがいい。ただ淡々と自分の世界を描いていったという感じ。それで感動したかっていうと、物足りなさのほうが先に来てしまったのが映画の難しいところ。廃工場の取引のシーンなんかはドキドキした。わけもなく人形の楽隊が置いてあったりして。
[映画館(字幕)] 7点(2013-06-01 09:38:37)
3.  天空の城ラピュタ 《ネタバレ》 
巨大な樹木がラピュタの崩壊をとどめる、というところに宮崎のモチーフの統合が感じられた。宮崎には大きく二つのモチーフがあり、ひとつは大地に根を張るどっしりとした不動性、もうひとつはそれとは逆の飛翔願望。しばしば別々に描かれるこの二つのモチーフが、本作ではラストでひとつになっている。根を張ることで飛び続けられるというイメージ、これを発見したとき宮崎は嬉しかっただろう。あと、姫と悪漢が冷たいメカニックな内部に踏み込んでいくと、有機的な根や雑草が増えていくイメージ。冷たい絶対権力として君臨していたラピュタの中心部を植物が浄化していった、というイメージなのか。いや、そういった理屈を超えた本質的な感動、室内に外界が入り込むことの驚きを伴った興奮がここにはある。なにかタルコフスキーに通じるものを感じた。今でも、室内で大麻栽培してて逮捕された、ってニュース映像見ると、ラピュタを思い出しホノボノとする。善と悪の対決後、崩壊、樹木によって楽園=廃墟のみが生き残る。文明は崩れても文化は残る、ってことか。本作はまだまだ豊かなイメージにあふれていて、海賊のママと姫を「おさげ」でつないでいること、ロボットのアンバランスな顔の効果、海賊船が布製であること、水の中の廃都…。これらは、それ以前それ以後の作品に関連がありそうなものもあり、宮崎世界のイメージ索引のような映画にもなっている。
[映画館(邦画)] 9点(2010-10-07 10:12:52)(良:1票)
4.  デューン/砂の惑星(1984)
シルバーナ・マンガーノがはげ頭になって頑張ってたけど、つまんなかったなあ。植民地の人間が立ち上がるのではなく、宗主国側の中から救世主が現れて救うという発想が、どうもね。神がかるのよね。キリスト教の根っこなのか。ワケありふうの親友が出てきてアッサリ死んじゃったり、原作知らないけど、長いのを無理に縮めて、ダイジェスト版にしちゃったんじゃないのか。声がやたら入るのも、ただややこしくしただけでしたなあ。出産のとことか、悪玉の頬のデキモノとか、気持ち悪いとこに凝るのは、監督の困った性格ではあるが嫌いじゃない。世界全体が地味な古風な手触りなのが特徴と言えば言える。つまり「公爵」とか何とか言う呼び名にふさわしいような世界になっているわけ。金属質じゃないSF。ニコゴリふうのバリヤーも珍しい。カイル・マクラクラン君はこれではさして魅力がなく、のちの『ブルー・ベルベット』や『ツイン・ピークス』での、病的な魅力での売りは予見出来なかった。
[映画館(字幕)] 5点(2010-05-09 12:02:21)
5.  鉄の男 《ネタバレ》 
まさに現場という異様な興奮がある。どうしても撮っておきたいという切実さが感じられる。作品の構成は驚くほど『大理石の男』を踏襲していて、部外者の人間が一人物を取材してしだいに引き込まれていく、といったもの。このTVマン、裏切り者はこうなるのだ、という見せしめとして描かれていたとするならば、あんまり面白くないのだが、それにしては当局に引きずり込まれていくところを丁寧に描いていた。“連帯”の高揚に対する、なにか醒めた暗部をここに設定したことで、作品は深みを得たと思われる。興奮しているヒーローたちよりも、この男にこそ「自分だったらこうなるのではないか」というものを観ながら感じてしまうし、少なくとも批難する気にはなれない。ラストは何を言おうとしているのだろう。記者は最後、個人として連帯に加わろうとして拒絶される。自分から当局に免職を申し渡したのに、連帯はその勇気を認めてくれない。そして勝利の興奮に酔っている。ここにある苦み、真の連帯への道の険しさを感じたのは深読みのし過ぎだろうか。
[映画館(字幕)] 7点(2010-02-02 11:58:46)
6.  転校生(1982)
全編のトーンを音楽が決めている。トロイメライ、アンダンテカンタービレ、G線上のアリア、と、つまり下校の音楽なんだ。学校の終わりの音楽。男女未分の子どもが学校生活を終えて、それぞれ完結した男や女になっていくんだけれども、そのとき押し込められてしまう男の中の女性性、女の中の男性性、それを確認できる最後の時間を描いた作品なんだな。一夫に比べて一美のほうがやや連続性に欠けるのは(転化するとより女々しくなってしまう)、女性の男性化は進んでいるのでより極端にしなければならなかったってことか。だから逆に、城跡へ向かう列車の中で女になった一夫(小林聡美のほう)がわざと女の口調をまねる、などというヤヤコシイことも出来やすいわけ。この映画のみずみずしさ・サラッとした感じは、どろどろ情念があふれていた邦画で本当に嬉しかったものだが、さて、オカマタレントがやたらテレビにあふれている現在見直すと、また感想も違ってくるんだろうな。
[映画館(邦画)] 9点(2009-12-12 11:53:14)(良:1票)
7.  天国の門 《ネタバレ》 
冒頭の卒業式は見事だった。リパブリック賛歌がんがん鳴らして。『ディア・ハンター』もそうだったけど、今は消えた“いい時代”を描くとこの監督は熱がはいるらしい。仲間うちの、何の陰りもなかった祝祭気分。ただそうして過去から見て裁くってのは、どうしても弱く、保守的になる。あんないい時代だったのに、階級差が生まれて争いになってしまった、昔のほうがいい、という具合に建設的なヴィジョンが出てこない。それがラストの弱さにもつながったんじゃないか。主人公はこの虐殺を止めることが出来なかったことよりも、妻の死のほうによりマイってしまう。それは個人として当たり前なんだけど、監督の目もそれに寄り過ぎてしまい、虐殺そのものへのアプローチが甘くなってしまったように思った。もっとも劇場公開時の短縮版の印象だから、アレなんですけど。クリストファー・ウォーケンの控えめな愛(新聞を張った室内)の描き方などよかった。
[映画館(字幕)] 7点(2009-09-14 10:12:10)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS