1. 天空の蜂
《ネタバレ》 原作小説は未読。話はなかなか面白かったと思います。あの高度であんなアクロバティックな救助は無理だよなぁ、等とは思いつつも、手に汗握って見ました。話の山もいくつもあって、飽きないよう作られていましたが、難を言えば、登場人物が多すぎて(なまじ豪華キャストだけに)話の本線が見えづらいというか、散漫な印象も。たとえば現行犯を追い詰める刑事は、柄本明である必要があったのか(柄本氏自体の演技には全く問題ありませんが)。もっと軽いキャスティングで良いのでは。光石研や佐藤二朗あたりも役不足で、この人はこのキャストだから重要な役なんだろうと身構えて見てたら、そうでもなかったという。総花的でなく、もっと重要な役に絞ったキャストの方が、話が見えやすかった気がします。それと時節柄、題材的な宿命ですが、どうしても原発というテーマ自体が政治臭が強く、原発反対派から見れば行政や電力会社の現状・怠慢を擁護・宣伝しているようにも見え、賛成派から見ると100%の安全というありえない理想を基準点に難癖つけてるだけの青臭い主張にも見え、どちらからも批判されそうな作りとも言えます(ただこの作品はそういう社会派的な主張を訴える映画というより、純粋にパニックエンターテインメントとして楽しむべき作品と思います。むしろ両側からの圧力を排して、よくこのご時世に公開したなと。あまり深く考えてないだけかもしれませんが)。終わった後のスタッフロールで「脚本:楠野一郎」というのを見てびっくり。ラジオ放送作家時代を知ってただけに、ずいぶん重厚な話を書くなぁ、と驚きました。 [映画館(邦画)] 7点(2015-09-15 08:00:33) |