2. トーク・トゥ・ハー
《ネタバレ》 ベニグノが無実かどうかは、観る人の主観に委ねられているのだと思います。病院の会議の場面では、周囲が疑惑を募らせて「彼の犯行だ」という方向にもっていってるだけですし、マルコが「彼は無実です」と言ったことからも、無実の余地ありと信じたいです。彼はレイプなどしていないのだが、彼女と結婚したいという自分の気持ちについて弁護することも出来ない。「植物人間と結婚したがっている男なら、レイプもしただろう」と考える常識人たちに対して真っ向から反論することもできなかったのでは?そう考えた場合、彼に罪の意識がないように見えるのは、他人にレイプされた、されないを看過するほどの恒常的な愛を彼女に抱いているからかも知れません。「植物状態の彼女を愛している」それを否定できないばかりに全ての罪を被らねばならなかった・・・そう考えると、彼はただただ哀れであった、という他なくなります。もちろん推測に過ぎませんが、如何に考えるかの余地を鑑賞者に与え、ふとした折に思い出させてくれる映画だと思います。 5点(2004-06-03 13:19:18) |