1. ドミノ(2023)
《ネタバレ》 今更?という出遅れ加減ですが、予備知識なしで鑑賞。始めは超人モノ?と思いつつ観ていましたが、いや待てよ純粋に近未来SF?との思いに駆られ出し、主人公が12回も被験?していて彼を取り巻く全ては人為的に創り出されたものという段になって超人系近未来SF?みたいな感覚になり、結局は荒唐無稽でいいじゃん!みたく楽しみました。うん、満足です。 間違いなく荒唐無稽な物語です。ただし、誉め言葉です。流石ロバート・ロドリゲスさんですね。かなり無茶な設定とストーリーなのにキチンと(殆ど)破綻することなく纏め上げられている。ホント、流石です。既にご指摘がありますように「マトリックス」や「インセプション」の世界観を彷彿とさせる部分は大いにあるのですけれど、決して模倣とは感じさせない、寧ろオリジナリティを感じさせてくれました。 エンドロールのエピソードは若干力業的で続編ありき的(続編ないですよね?)ではありますが、単純にハッピーエンドで目出度し目出度しのエンディングよりベターですね。 ただ、かなり楽しめた作品ではありますが、正直なところベン・アフレックさんは個人的にイマイチ好きになれない俳優さんでして、本作におきましても(ご本人の責任はないにせよ)イマイチなキャラ設定と思えてしまい、その分興覚めしたこともあって7点献上に留めたいと思います。 ちなみに、原題はストレート過ぎてネタバレ的。邦題の方が謎めいていて気に入りました。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-10-29 16:17:38) |
2. とっくんでカンペキ
《ネタバレ》 ひらがなとカタカナのタイトルなので、「とっくん」って男の子のニックネームかと思ってしまい勝手に邦画と勘違いしたりしてましたが何とほぼ直訳でしたw アメリカの少年の思春期(ちょっと早いかな?)はこんな感じなのか、それとも日本の少年も同じようなものか、初デートでいきなりディープキスをイメージしちゃってるってのが逆に可愛いです。でもって特訓の成果はもっと可愛い。女の子の可憐さがまたいいですね。3分でホッコリ出来る佳作でした。 それにしても少年はカーディガン着用なのに少女は薄着過ぎません?帰り道が心配。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-10-25 09:51:25) |
3. 図書館戦争
《ネタバレ》 封切り当時は正直言って全く興味がなかった作品だったのですが、とあるきっかけで鑑賞。原作未読、既存アニメ作品は未見です。なので、なんとなくの事前知識から純粋に近未来SF&ちょっぴりラブコメ作品として鑑賞しました。 荒唐無稽タイプの近未来SFとしては、シチュエーションは興味深いし(もしかしたら社会派作品という期待)、戦争ごっこと評される戦闘シーンもなかなかに凝ってるし(戦略的にはかなり無謀)、観ているうちに結構ハマったアクション娯楽作品ではありました。 が、なんともどっちつかずと言うか、近未来SFとして理不尽で不条理な世の中での混乱ぶりを描くのに徹している訳でもなく、ダブル主演の岡田さんと榮倉さんのラブストーリーに徹している訳でもなく、中途半端感は否めない流れ。あくまでも軽いノリの作品ですよ、と言われてしまえばそれまでなんですが、実際ドンパチやって負傷者や死者も出てしまっていることを考えれば決してライトなテイストでもなく、そういう意味でもどっちつかずな感を拭えないままに観終わってしまいました。 岡田さんのアクションが流石でしたしカッコ良かったこと(チビはないだろ!)、榮倉さんの女子隊員ユニフォームがミニスカなのが今時いいのかよってこと(何かにつけて足が見えるように演出したかったの?と言いたくなる)、超個人的には10年前の西田さんが可愛いこと(今でも素敵です)が印象に残った作品でした。 [インターネット(邦画)] 5点(2024-10-15 00:00:47) |
4. トリガー・ウォーニング
《ネタバレ》 ジェシカさんの美貌と勇姿目当てに鑑賞。それだけに限れば、どちらも観れてまあまあ満足でした。 が、内容的には今一つかと。地元選出の上院議員一族が悪事に手を染め、それに気付いたヒロインの父親が抹殺されてしまう。事態を知ったヒロインは父の敵に真っ向から挑む。ピンチとなれば助っ人が次から次に大活躍。なんだか既視感モリモリ。意外性と言うか何かひとひねり欲しかったところです。 結局、テーマは父娘の愛なのか?権力構造に苦しむ地方都市の悲哀なのか?煮え切らないままに観終えてしまい、正直まぁまぁ楽しんだものの(ジェシカ様様)、短い尺なだけに尚更、結局は何も心には残らなかったという作品でした。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-09-27 21:41:59) |
5. トイ・シャーク
《ネタバレ》 始めは「パペットシャーク」の実写版かと思ってしまいましたが、カナダ映画の「パペット」は純粋にパペットのみによる作品、こちらはサメ映画界の巨匠マーク・ポロニア監督の作品。全く関係ありませんね。 ただし、本作についても主役のサメぐるみは当たり前と言えば当たり前ながら殆どパペット、もしくは張りぼて的頭部を黒子が操っている的状況。原題は「Doll Shark」なので、邦題はまんま「サメ人形の恐怖」とかでも良かったかもです。まさか「トイ・ストーリー」と間違えて本作を観る人もいないでしょうし。 まぁ今回も低予算の中で如何に作り手が楽しんで作ったかがよく解る作品。意外にも、と言ったら失礼かも知れませんが、ストーリー的には纏まっていると思います。悪魔の如きサメの歯を埋め込んだぬいぐるみ。その歯に悪魔ザメの怨念エネルギーが注入され、埋め込まれたサメぐるみが悪魔ザメへと変貌し、人間を次から次へと食い殺す。愛息の危機に駆け付けた父親は、今再び悪魔ザメを退治する。予算さえあればもっと見応えのある海洋パニック作品に…なりませんかね。 いずれにしても、マーク・ポロニア作品を始めとした所謂「サメ映画」好きであれば嬉々として楽しめる作品。勿論私も嬉々として楽しんだ訳ですが、一般論とすればやはりZ級作品的に語らざるを得ないかと。迷いつつも大甘の4点献上です。(サメ映画に甘くなりつつあることを自覚ながらも自戒しない今日この頃です) [インターネット(字幕)] 4点(2024-09-23 12:08:25) |
6. TALK TO ME トーク・トゥ・ミー
《ネタバレ》 ひさびさに良質で後味の悪いホラーに出逢えた感じです。 良質というのは、定番・鉄板的な若者が調子に乗って霊をいじってしっぺ返しというメインストーリーに、ヒロインの抱える心の闇(母の死と父との関係性)の繋がるヒューマンドラマ的要素、そして全編通じてのある意味オーストラリア映画らしい?容赦のなさが冴える演出とビジュアルの禍々しい美しさです。出演者の如何にもといった感じが良く表現されている演技もいいですね。 後味の悪さは、少年を巻き込むのはアルアルだとしても痛めつけ過ぎとダメージ受け過ぎなところと、いつの間に悪霊と契約したの?ってな感じでのヒロイン身代わり投身。そもそものヒロイン90秒オーバーの件があったからこその予定調和とも思えず、少年の魂をあれほど渇望している悪霊たちがヒロインの魂でも良しとしたのは何故?ヒロインの母親の霊が語っていたことはどこまでが真実?等々、いくつもの腑に落ちない点が散在しているのが消化不良。 とは言え、ひさびさに惹き込まれたホラーの佳作に7点献上します。ちなみ、もしカンガルーに止めを刺していたら大幅マイナスでした。ホラーで罪のない動物が死んではいけませんので。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-06-12 11:55:18)(良:1票) |
7. トビラ 魔の入り口
《ネタバレ》 所謂B級感溢れる作品。出演者たちの演じる姿が何かしっくりとせず、殆ど無音かと思いきや妙なタイミングで流れるBGM。微妙な雰囲気に包まれながら物語は進みます。 普通持ち帰るか?と突っ込まずにはいられない空き地に鎖を巻かれて突っ立っているダメージ感たっぷりのドア。アンティークで素敵とか言いながら、持ち帰ったら表面処理して綺麗に再塗装してピッカピカの状態で設置。アンティークじゃないし!と、ここでも突っ込みたくなる行動。ただ、最後まで観てみれば既に悪魔に魅入られていたのかな?と無理無理理解出来ないこともなく。 そんな中で黒人霊能者のユライヤの登場は物語の方向性をきちんと定めてくれます。この物語、この人なしではあっさりケインが悪魔に連れ去られてお終い、もしくは両親のどちらかが犠牲になってケインは助かって目出度し目出度し?みたいなエンディングが定番のように思えるところですが、なんと悪魔さんも商売上手。結局は暫くは得られなかった獲物を、ケインひとりを人質に取ることで大量に入手出来るようになりましたとさと言うまさかの展開。劇中、新たな犠牲者はゼロながら、今後はかつてのように連続失踪事件が起きるだろうという含みを持たせてのエンディング。 作り手さんの思い切った終わらせ方は、全編通じてどっちかって言うと平坦な展開で来たのが嘘だったかのようなバッドエンド。最後の最後での意外性に+1点の5点献上です。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-05-27 22:50:37) |
8. ドント・ウォーリー・ダーリン
《ネタバレ》 色鮮やかな映像、レトロで垂涎モノのクルマ、そしてキュートなヒロイン。幻想部分も含め、視覚的には申し分のない出来栄えですね。 その中で繰り広げられる華やかさの中に不穏な空気が常に漂う物語。中盤から何となく仕掛けが見えてしまう些か使い古された感のある物語ではありますが、大きく破綻することもなく練り上げられていて、個人的には好物分野(サイコサスペンスとか不条理系スリラー)に近い味わいのある作品とも受け取ることが出来、大いに魅力を感じました。 ただ、それならばかなりの高評価?と自らに問いかけてみるものの何か釈然としない。女性に係る社会問題的要素が見え隠れするもののメインテーマとして明確に主張されていないからなのか。ヒロインの行動や言動が尺が長い割には拙速だったり唐突だったりしているからなのか。理路整然と纏め上げるのではなく、もっと不条理な世界観に向かって欲しいと期待してしまったからなのか…。 確かに魅力的、惹き付けられる作品でしたが、総じてみればある意味古典的と言えないこともないSF作品(ジャンルに足したいところですが足すとネタバレになっちゃいますね)なのかなとも思え、個人的にはあと一歩驚愕の展開が欲しかった非常に惜しい作品でした。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-04-01 12:08:47)(良:1票) |
9. ドクター・スリープ
《ネタバレ》 映画「シャイニング」の続編、と言うよりも小説「シャイニング」の続編「ドクター・スリープ」の映画版と言った方が、幾分か理解しやすいのではないかと思われる作品ですね。 確かに、既に多くの方がレビューされているとおり映画版「シャイニング」へのオマージュ、若しくはS・キング及び映画版「シャイニング」の熱烈なファンへの気遣いのような要素は感じますが、やはり映画版「シャイニング」とはかなりテイストの異なる作品であることは間違いなく、映画版の続編と言い切るのには少なからず無理があります。 ただし、だからこそ長尺の本作を大いに楽しむことが出来ました。映画版前作を未見であれば尚更のこと、サイキックとモンスターのバトルを楽しめるSFサスペンス作品になっているのではないでしょうか。 正直なところ、映画版「シャイニング」の続編は必要ないと思っています。あれで完結。だからこそ不朽の名作になり得るように思えます。しかしながら、映画版の続編的位置付けをもって作られてしまった本作。にも関わらず、ここまで小説版続編の実写版と映画版の続編を巧みに絡み合わせることに取り組んだ作り手の方々に対し、素直に称賛の拍手を送りたいところです。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-02-01 14:24:33)(良:1票) |
10. ドルフ・ラングレン ゾンビ・ハンター
《ネタバレ》 所謂ゾンビ映画ではありません。人間が怪物化する原因はあくまでも悪霊の憑依。なのでオカルトホラーですね。 ただし、憑依された人間を殺すと殺した人間が憑依されるという恐怖の連鎖。襲われても殺せないというジレンマ。これって結構新しい恐さですね。ゾンビと違って決して増殖はしませんが、滅ぼすことは容易ではない。 そこで登場するドルフさん。大男で狂暴そうなのに、相手を殺すことでは解決できないからネット銃を担いでいる。生きたまま捉えて悪霊を専用容器に封じ込める。壺に封じ込められた魔法使いかよ、みたいな。あれ?悪霊を取り除いた人間は死んでしまう?そう考えるとゾンビだった?そう考えると邦題も理解出来ないこともなく…。 いずれにしても海洋不法投棄するなよ!容器が錆びたら出て来るじゃん!と文句のひとつも言いたくなりますが、本人も承知してるんだからお手上げですね。 チープな演出、チープな特殊効果、チープな台詞回しetc.と、どこを取っても超B級ながら、始めからそう思いつつ観れば決して退屈はしない作品。プロット的には魅力もあり甘めの5点献上です。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-11-17 10:40:47) |
11. 毒(2023)
《ネタバレ》 コメディタッチで語られるエピソードではありますが、毒蛇が実際に居たのか居なかったのか分らない中で主人公も医師も必死になって男を助けようとする姿と、居るはずの蛇が居ないことを確かめた後の二人の反応の描き方から、人間の思い込みやそれに基づく行動などをシニカルに描いている作品と受け止めました。 勿論ハリーは、ウッズや医師を騙そうとしていたわけではなく本当に毒蛇の恐怖に震えていたのでしょうし、二人もそれは理解していたことでしょう。それだけに、帰って行く医師とそれを見送るウッズの態度や言動が尚更可笑しく感じられます。怒るに怒れず、さりとて笑い飛ばすことも出来ず。 単純に面白可笑しいショートコントと観ても良いのかも知れませんが、いろいろと考えさせてくれる人間観察ドラマの佳作として7点献上します。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-10-22 14:14:44) |
12. トゥ・ヘル
《ネタバレ》 ニコラスさん、またしてもやっちまったな!といったテイストの作品。最近の彼の出演作はこういう傾向なのだ、と予め思っていれば意外にすんなり楽しめる作品とも言えます。言い換えれば、ニコラス・ファンもしくはニコラス出演作品ファンのための映画といったところでしょうか。 特殊能力のある女性が自らの命を危険に晒してまで愛娘のためにあっちの世界に行って娘の魂を連れ帰る、というのは斬新なアイディアということではありませんが、結果として別人、それも主人公の亡き妻の魂を連れ帰ってしまうというストーリー自体には少なからず惹かれました。 ただ、展開がスピーディなのは好ましいのですが(この作品を主人公の苦悩がどうのこうのと矢鱈と重く仕上げなかったのは正解かと)、シチュエーションを考えるにジョーとジュリーがいくら何でもいきなりセックスに走るのはどんなもんでしょう?それと、妻の魂が乗り移ったビリーが、こちらもいきなりジョーの身体ばかり求めて来るのもどうでしょう? なんだかニコラスさんばかりが良い思いをしているように思えないこともなかったりします。悲しみに打ちひしがれて酒浸りになって救いようのない状況だったジョーは何処に行ったのやら?その後の彼の行動も、一体何をしたいのか、これからどうやって生きていきたいのか?ラストの彼の決心を見るまで良く分からないままに進行して行きます。 結局、独りにしないで欲しかった妻の怨念が彼を地獄に道連れにしようと誘っていて、妻が娘に何をしたのかを知った彼はそんな妻の怨念に抗うのを諦め、全ては自らが招いたこととして地獄へと向かっていくということなのですね。 そう考えれば、必ずしもニコラスファンだけのための作品ではないヒューマンストーリーとも受け取れます。が、やっぱり続出するセックスシーンはどうなんでしょうかね? それと、冒頭のジュリーの幽体離脱カット、ラストの若かりし頃のジョーの地獄行き決定のカット。これは必要だったのかどうか。微妙です。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-10-06 10:10:38) |
13. 21ブリッジ
《ネタバレ》 物語的には特に目新しさや意外性はないものの、全編通じて緊迫感が途切れることはなく、仮令筋書きが先読み容易であっても十分に楽しめる作品でした。 とは言え、タイトルにまでなっている「21ブリッジ」の封鎖の困難さや市民の混乱が前面に押し出される訳でもなく、タイムリミットが迫り来る中、捜査の難航により主人公が悩み苦しむ姿が描かれることもありませんでした。サラっと流れ過ぎているという感は否めません。 クライムサスペンスとしては掴みが大雑把であり、ヒューマンドラマとしての掘り下げ方も今ひとつ、なんとなく中途半端に終わってしまった作品。勿体ないな、というのが正直な印象です。 行き場のない感情に苦しむ刑事を演じ切った今は亡きチャドウィック・ボーズマンさんに+1点の7点献上します。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-10-01 21:30:20) |
14. ドント・ブリーズ2
《ネタバレ》 あの「ドント・ブリーズ」の続編。主役は前作と同じく盲目の退役軍人。という予備知識のみで観始めたので正直混乱しました。フェニックスって誰?8歳ぐらい?もしかして前作で生き延びたロッキーの娘?一緒に街を出た妹じゃないし。あれ?逃げた時にはロッキー妊娠してた?この時点で頭の中は想像と妄想で一杯に。 更に、え?薬物密造所の火災から逃げ出した少女?本当の母親と父親?もしかして、これって「ドント・ブリーズ3」で「2」は見逃してる?話が進んでも混乱は収まらず、かえって錯乱してしまいました。 そして、改めてじっくりと考えて漸く理解。続編と言いつつもノーマン以外は全く別モノだったのですね。ん?彼の愛犬シャドー?前作では犬の名前は出なかったと思いますので犬種が同じだったとしても定かではありません。前作とは殆ど関係ない。けれども明らかに続編として成立。主人公のみが共通するシリーズものとも解し難い。異色の続編ですね。前作で大金掴んで逃げおおせたロッキーを、ノーマンが追いかけて行って復讐しようとするストーリーだと勝手に思い込んでた訳です。 で、肝心のレビューはと言うと、一言で言えば面白かったです。主人公が実は極悪人ということを忘れさせてくれる爽快感さえありました。敵側がいきなり罪のない女性を殺害する所からとんでもない極悪人ぶり発揮で、少女を取り返す目的に至っては前代未聞のクソ野郎ぶりを見せてくれたから尚更ですね。それを皆殺しにするノーマンは最早ヒーローです。過去のあるヒーロー。ダークヒーローですね。無敵じゃないところもいいです。そこそこ酷く負傷してますし。 ただ、前作はノーマン(作中では名前は出てなかったような?)が盲目であるが故の仕掛けが様々あり、ある程度彼の超人ぶりにも説得力がありました。が、本作では観ている者に予め彼の超人的な能力が刷り込まれていると言うか前提になってしまっている感があって、前作未見の方には視覚障害故の弱みみたいなものが感じにくかったと思います。 そんなこともあって、あくまでも前作を観てから鑑賞という条件付で7点献上します。個人的には、前作程ではないにしても大いに楽しめました。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-09-12 22:23:23) |
15. トロール
《ネタバレ》 ノルウェー発、お子様向け怪獣映画とでも言うべき作品ですね。 怪物の登場は人間の自然に対する不敬に起因するもので、ゴジラを始めとする怪獣映画の王道的着想。怪獣は無闇矢鱈と暴虐の限りを尽くす訳ではなく優しさの一面も持ち合わせているというキングコングを始めとしたコレまた善玉的怪獣の王道的キャラ。 軍隊が登場して小型核爆弾的ミサイル発射にあたって首相は自国民の多大な死亡フラグに興味示さずあっさり意思決定しちゃうとか、無駄に狂暴な政府高官が首相を飛び越えてミサイル発射しようとした挙句、女性職員にぶん殴られて降参だとか、古生物学者が自らの役割立場乗り越えて活躍しちゃうとか、首相補佐官が小ネタ連発してスベリまくってるとか、早い話が主役の怪獣以上に全てが荒唐無稽。 つまりは、(ノルウェーの)子どもたちにとって、もしも童話でお馴染みの妖精が巨大化して怪獣になったら的なスゴさを良く出来たVFXで楽しめ、よくよく考えるとかなり悲しい物語なのに痛みや悲しさは殆ど表現されてなくてトラウマになったりすることもなく、親たちも殺し合いの惨さや戦争の悲惨さを感じ取ることもないだろうと子どもたちに安心して見せることが出来て等々、お子様向けとしては良いんじゃないですか?といった作品だと思いました。 そんな視点から、そりゃ―ないだろの連発の相当粗のある脚本と演出ではあるものの、それは脇に置いての5点献上とします。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-09-02 23:57:16) |
16. ドント・ブリーズ
《ネタバレ》 不気味なオープニングで観客の方向感覚を少々狂わせておきながら、いきなりの白昼堂々粗暴空き巣犯のカス3人組登場。冒頭シーンの印象は薄れて観客は一気にカス憎しへと。 そのカスが単なる金持ち狙いから弱者狙いにシフト。観客は益々カスどもに嫌悪感。そして強盗実行。こんなカスだからいきなり番犬を殺してしまうかとヒヤヒヤしたけれどカスにそんな度胸なし。だからって、これ決して動物に優しい訳じゃない。無知なカスがどうせ人間用だろう眠剤使って即眠させてるんだから下手すりゃワンちゃん即死。やっぱカス。 そして侵入。昼間の空き巣同様の横暴ぶりに観客の怒りは増長するばかり。亡き娘の思い出のビデオを流しながら眠る盲目の老人に観客の思いは高まる。さあ早く目覚めてカスどもを始末してしまえ! まずは一人。良し!躊躇は要らない!さあ次はどっちだ。一見可哀そうな生い立ちのカス女か?知的で優し気に見えるカス坊ちゃんか?追い詰めろ追い詰めろ頑張れ爺ちゃん! ところが、あれ?地下室に誰かいるよ?厳重にロックして大金隠してるんじゃないの?何隠してるの?ここで観客啞然。ちょっと待って爺ちゃん!あんた悲劇の独居老人じゃなかったの? と、このペースで書くと駄文長文が際限なくなってしまいます。自粛。 見事に感情をコントロールされてしまいました。全く感情移入も同情も出来ない素人強盗団。悲劇の極みだったはずの退役軍人の極悪ぶり。登場人物に共通する倫理観の破綻と自らの行為の根拠なき正当化。それでもまだ老人援護の気持ちがわずかに残っていたのに「レイプはしない」というまたしても浅はかな自己正当化を耳にして揺らぐ観客。 細かな点では皆さんのご指摘もあるように粗さのある脚本や設定ですが、この大筋の部分の感情のコントロール(勿論この程度ではコントロールされないという方も多いとは思いますが)が本作の最大の醍醐味ですね。 いろんな意味で諸手を挙げて称賛は出来ないものの、サスペンスホラーの佳作として8点献上です。 ワンちゃん、助かったかな?きっと現場周辺を捜索した警察に保護してもらえただろうな。 (追記:蛇足です) この爺ちゃんは戦争で負傷して失明してしまった訳で、その後10年以上は経過しているだろうとは思えるものの、嗅覚や聴覚が失った視覚を補って余りあるほどには研ぎ澄まされてはいないと思うのです、が、靴の匂いで複数犯であることを察知する程度には鋭い訳で、室内に自分以外の者が居れば匂いで分かるでしょうね。香水の文化のある国の人たちだけに尚更。だからすぐ横をすり抜けたりすれば匂いで判りますって。それから、あんな静かな空間だったら、ひそひそ話だって聞こえますって。ドントブリーズという割には、その辺りの本筋とは関係ないのかも知れない程度の部分の演出が雑に思えました。その辺無視した方がスリリングで良いのかも知れませんが。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-08-14 15:06:48)(良:1票) |
17. トランス・ワールド
《ネタバレ》 低予算を逆手に取ってアイディア一発で勝負した佳作。数あるタイムパラドックス作品とはひと味違うプロットですね。予備知識なしで鑑賞することをお勧めします。 と言いつつ以下はネタバレ前提の感想です。 一種のソリッドシチュエーションスリラーである本作は、理由やプロセスは明示されないものの何らかの原因で4世代の親子が時を同じくして同じ空間に入り込んでしまっているという設定。否、ドイツ兵だけは空間的に閉じ込められてはいるものの始めからそこに居るわけなので入り込んだのは3世代ですね。 3世代について考える限り、一人ひとりにフォーカスすればタイムスリップと思えないこともないのですが、場所まで移動してしまっているので単純なタイプスリップではないことは確か。 つまりは、何か特別な力が作用してドイツ兵の時代と空間に3人が入り込み、同じ力によってドイツ兵も空間的にはその場所から移動出来なくなっている。つまり、彼の死の瞬間に特別な力が作用した結果なのですね。 そんな風に考えると贖罪の物語と言うか、宗教的な色彩を感じさせる物語でもあります。ただ、過去を変えることで未来に影響が生じてしまうという所謂タイムパラドクス的な解釈を加えているので、限りなくSF的に仕上がっている訳です。 複雑な絡み合いを巧みな演出や小物の活用で丁寧に纏め上げている。随所に見られるチープさを補って余りある出来栄えだと思います。 ただし、個人的には過去を変えれば未来も変わるという考え方(本作では存在の消滅でその効果を表現していますが)については少なからず懐疑的でして、過去を変えたと思っていても既に存在する未来は変わることなく、もう一つの未来が構成されるだけか、或いは既に存在する未来に連続する未来が再構築されるのではないかというパラレルワールド的発想を持っているので、物語の展開的には今ひとつスッキリはしませんでした。 強盗犯が変わっても諭し撃たれるガソスタの店主が天使で、相手を変えつつ襲って来る強盗男が悪魔、という解釈を元に宗教的に理解するのが自然なのかも知れません。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-03-29 15:27:07) |
18. ドライブ・アングリー3D
《ネタバレ》 ニコラス・ケイジという人は非常に興味深いです。男性的とも中性的とも思える魅力的な容姿と、俳優としての確かな演技力を持ちながら、名作と称するべきような作品に出演するかと思えば、本作のようなトンデモ作品も引き受ける。 それが世に噂されているような借金のために止むを得ず受けている仕事だとしても、出演する以上はキッチリ最高レベルに演じてくれることは間違いなし。ある意味、彼の作品を観て「彼に」失望することはありません。 本作もまたしかり。期待通りの暴れっぷり、切れっぷりを大いに堪能させてくれました。それだけで良いのだと、妙に納得。 ただし、本作については他のキャストでも大いに満足させてくれました。アンバー・ハード、ウィリアム・フィクトナー、トム・アトキンス、デヴィッド・モースなどなど。それぞれに魅力的でした。 オープニングとエンディングだけ見せられてしまうと、色調と特殊効果の雰囲気から「ゴーストライダー」と見紛うところですが、そのことよりも言いたいことは、近年ニコラスさんの出演作品は宗教とか悪魔とかに関わる作品が多めになりつつあるような気がして(いや実際そうかも)、もっとシリアス路線やヒューマンドラマ路線の作品で頑張っていただき、誰もが認める名優と呼ばれて欲しいなと願うところです。 このままでは、ヴァンダムさんの「ヴァンデミング・アクション」(某地上局のコピー)みたいに「ニコラス・ケイジ・アクション」(いいコピーが思いつきません)とカテゴライズされてしまいそうです。(いや既にされているのかも) [インターネット(字幕)] 6点(2022-12-22 15:16:15) |
19. ドント・ハングアップ
《ネタバレ》 冒頭のイタズラ電話シーンで主人公たちに激しく嫌悪感を覚えてしまい、その後の展開で彼らがひどい仕打ちを受けても同情できないと言うか、自業自得と受け止めてしまいました。個人的には謎の男の方に感情移入してしまいます。ただ、謎の男の方が主役ならばそれはそれでいいのかも知れませんが、作品的にはどうなんでしょう?製作者の意図するところがそこなのかどうか?ネット社会、SNSへの無責任な投稿がどんな危険を孕んでいるかの警鐘であって、どう受け止めるかは観る者に委ねているようにも感じます。尺が比較的短いので作品としての深みはあまり感じられませんし、シチュエーションスリラーとしての既視感は否めませんが、演出やカメラワークに新鮮さを感じる部分もあって、緊迫感をもって一気見出来る佳作かなと思います。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-01-17 09:57:54) |
20. トランス(2013)
《ネタバレ》 ストーリー全体の作りとしては、決して予測不能ではないにせよ良く練り込まれていると思いますけれど、よくよく考えてみると実に御都合主義だらけなんだな。 そもそも頭から流血して日中大通りをふらふら歩いてる男が、真っ赤なアルファに轢かれて車内でうら若き女性を絞殺してたら目撃者が山のようにいるだろうに。でもって、現場立ち去ってそれだけの空白の時間がありながら重要参考人として警察にマークされてないのも変過ぎでしょ。ヒロインが催眠術で男を利用して名画をくすねる展開にしても、あまりに偶然に依存し過ぎ。駐車場に悪臭が蔓延してただろうに通報がないのも変。などなど…。 面白いんですよ。退屈はしません。ノンヘアヌードも展開上必要です。でもね~、やっぱ都合良過ぎるわ。だから減点。 [DVD(字幕)] 6点(2014-09-22 01:24:20) |