1. トスカーナの休日
《ネタバレ》 アメリカ女性がイタリアに一人旅というと、つい旅情を思い出してしまいます。あの不動産屋さんと恋におちれば旅情そのものなんだけど、そういうわけではなかったですね。旅情の先入観があったせいか、どうもお話にまとまりがなくぼんやりイタリアの日々の生活を見ている気分。のんびり出来てはいいけど、作品としてはちょっともの足りませんでした。 [映画館(吹替)] 4点(2008-11-23 19:28:35) |
2. ドア・イン・ザ・フロア
原作の前半部分と言うことをここのレビューで知りました。私は原作は読んでいないけど、主演3人の性格描写もうまく演技で表現できていて、悪くない出来の作品だと思います。ただ、いくつかテーマらしきものが見えるうち、どれがいちばんの主題なのかはわかりにくかったです。 [DVD(吹替)] 7点(2007-11-04 12:39:02) |
3. ドッグヴィル
グレースは何者なのだろうという興味と、警察がポスターをもってくるたびにグレースを取り巻く状況が変わってゆく演出に、3時間という長さも感じずひきこまれました。独特のセットも舞台だと思えばほとんど違和感がない。そういう風にうまく作品を仕上げているとおもいます。写実的な描写無しに、かなり残虐なシーンを描いているのも舞台的で評価に値します。そして舞台では出せない視点の移動や表情中心の演技で、映画で表現する意味も持たせています。ニコール・キッドマンは、しかめっ面が普通の顔の女優さんで、強い女しか演じれないと思っていたけれど、前半は自信なさげなおどおどした演技や表情でちょっと評価が上がりました(私の中では)。そして最後は、キッドマンならではの冷酷さが戻ってきます。集団社会における人間の行動パターンをうまく描いた作品だと思います。 [DVD(吹替)] 7点(2007-02-24 21:20:16) |
4. トリコロールに燃えて
《ネタバレ》 原題は「空想にふける」ぐらいの意味なのかなあ。私の能力では意味不明ですねえ。邦題の「トリコロールに燃えて」はフランスの国旗に3人の関係を絡めてつけたのだと思いますし、作品の内容もそうなのだと思います。ギルダにとってガイもミアも大切と、ギルダの口から語られるけれど、ギルダとミアとの心のつながりがうまく描けてないと思います。ギルダがミアをひどい目にあわせたサド男に復讐するあたりで描きたかったのかと思いますが成功はしてないです。ギルダが冒頭の占いの言葉に最後まで引きずられているのを、話の芯にしたかったのでしょうけど、それもギルダの口から語られるけど、作品としてうまく描けてないですね。それにガイとミアがスペインに行ったのは話の流れを中断させてます。ギルダがドイツ将校になびいているかに見えて、実はイギリス側のスパイダというのも不自然。彼女がそこまでする骨太女性であるというプロファイリングが作中でされていません。一つ一つのアイデアは良いのですが、それを上手に統合できてない印象を受けました。男女3人の物語は数々ありますが、それらと比べてもあんまり良い出来とは思いません。俳優さんは3人とも良い演技だと思いますが、脚本や構成が悪いとこういう出来の作品になるのですね。甘めの6点は俳優さんの演技と、万華鏡の様に変わるセロンの衣装に捧げます。 [地上波(吹替)] 6点(2007-02-18 12:14:07) |
5. トゥー・ウィークス・ノーティス
典型的なラブコメの一品です。とにかくテンポが良く、スピーディーにドラマが展開してゆきます。ストーリーもわかりやすいので楽しく見られます。特別に変わった仕掛けや趣向もありませんが、最後はお約束のウルウルもあります(私の場合)。重苦しくなく、軽く楽しく時間を過ごしたいなと思うときにお勧めの作品です。 [DVD(吹替)] 6点(2007-01-06 22:39:01) |
6. 突然炎のごとく(1961)
男2人と女1人の恋の物語は、フランス映画の大きなテーマの一つですよね。そのなかでも、この作品の女性はほんと可哀相。ジュールとジムの友情が強すぎる。なので、その間で焦燥するカトリーヌ。その気持ちははよくわかるとは言えないけれど、カトリーヌの行動から推し量ってみてわかるような気がします。原題は「ジュールとジム」。邦題は「突然炎のごとく」ってカトリーヌのことですよね。日本語にするときに巧妙に主役が入れ替わっているようですが、この作品は原題通り男性2人の物語。そして男性2人の友情の間で翻弄される哀れなカトリーヌなのだとおもいます。でも、一番可哀相なのは、娘のサビーヌかなあ。ナレーションが多いので、吹き替えで観たかったなあ。 [DVD(字幕)] 7点(2006-06-03 19:11:52) |
7. 隣の女
妻子ある男(ドパルデュー)の隣に昔の恋人(アルダン)夫婦が引っ越してきた。アルダンの誘いに、最初ドパルデューは逃げるけれどもついに関係を結ぶ。二人の会話から、以前の二人の関係を次第に明らかにしてゆく手法が面白い。そして今度はアルダンの方が逃げる、ドパルデューが追っかける。ついには衆目の前でドパルデューが大胆な行動に。追えば逃げ、逃げれば追っかける男の姿があまりにもステレオタイプで途中吹き出しそうになりました。アルダンは昔の恋人を手玉に取るたいした小悪魔ちゃんなんだと思っていた。ところが、アルダンも悩んでいた。神経を冒されるぐらいに。こうなると、最後どのように決着つけるのかしら。まさか「お互いに離婚して結ばれる」ではあまりにも凡庸。そして迎えたラストシーンは・・・・・完璧でした。最後の言葉「あなたと一緒だと苦しすぎる。でも、あなたなしでは生きられない」。まさにその通りのエンディングでした。ただ一つ難点を上げれば、アルダンのそういう気持ちを、映像で十分表現できていなかったような気がします。 [DVD(字幕)] 8点(2006-05-27 17:01:42) |
8. 永遠<とわ>の語らい
《ネタバレ》 かなりメッセージ性の高い作品だと思います。DVD_吹き替えと字幕の両方で鑑賞しました。その途中で地図と世界史の教科書を読んで勉強もしました。それぞれの史跡の案内や挿話、ディナーでの会話の一語一語に重要なメッセージが込められているのだと思います。それらのメッセージは、通常の教育を受けた西洋人なら誰でもわかることなのでしょう。残念ながら、私にはそれらに込められたメッセージの一部しかわかりません。ギリシャ神話や聖書、西洋史の知識も乏しいし、オデッセイやベルギリウスといわれても名前ぐらいしか知らないし。こんなメッセージ性の高い作品の全てを理解できるだけの素養がないのが悲しいです。船長が女の子にプレゼントしたのはイスラム女性の人形。その意味は理解できます。乗客が下船する際の通路の壁に掛けてあった宣教師の絵はなんでしょう。殉教者の絵?多分キリスト教圏の人ならすぐにその絵の意味がわかるのでしょうが、わたしにはわかりません。本当に残念で悔しいです。もう少し、西洋文明の知識をつけて再度観てみたい作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2006-05-20 23:01:56)(良:1票) |