21. エンゼル・ハート
《ネタバレ》 有名作品ながら見る機会がなく、最近になってようやく見ました。 ミステリーとオカルト的要素をうまく融合させた作品。光と闇の象徴的なコントラストが自己内他者(狂気)の存在を示唆している。真相に至るまでに否応無く認識してしまう、精神の檻というべき「自我」。その逃げ様の無い閉塞感が恐ろしい。 それにしても、この光と闇を使った独特な映像演出は素晴らしい。光を明滅させるように静かに回転する換気扇、闇を映す鏡のように石畳を濡らす雨、逆光の中に浮かぶ人影、そしてラストのエレベーターのシーンなど、随所に不吉な予兆を孕んだまま、見ている者に得体の知れない恐怖の胎動を感じさせる。 ただ、惜しむらくは、謎を追って行く過程にあまり面白味が無く、少しダラダラとしてしまっている点。あの依頼人である悪魔も露骨すぎる。ああいう存在は匂わす程度に止めておいて欲しい。 PS.ゲームの「サイレント・ヒル」シリーズは、ほとんどこの作品から演出をパクってますね(笑)。 7点(2004-08-15 22:26:11) |
22. エイリアン2
続編の方向性として、エイリアンの数や大きさがエスカレートしていくのはやむを得ないとは言え、ほとんどアクション映画になってしまったのは残念。前作にあったような、まるで自分も船内に閉じ込められたような閉塞感や絶望感は感じられない。PS.マザーエイリアンの皮膚(?)は黒いビニールのゴミ袋で作られているとか。 5点(2004-02-15 02:01:58) |
23. エイリアン
宇宙船という完全な密室空間における、地球外生物との壮絶な生き残り戦。恐怖演出のセンスが良いので、単なるビックリ箱にならず、最後まで心地良い(心地悪い?)緊張感に満ちている。もちろん、ギーガー氏デザインによるエイリアンとの相乗効果あってこその名作。 9点(2004-01-22 10:39:49) |
24. X-MEN2
「X-MEN」と言えば、カプコンの対戦格闘ゲームの「VSシリーズ」でしか見たことがなく、キャラやストーリーの基本設定すら、ほとんど知らない状態で見ました(しかも、前作も見ていない)。その割には十分に楽しめる内容でした。特にアクションシーンにおける演出センスは、「マトリックス」よりも上に思います。ただ惜しいのは、各キャラの「見せ場」が少なく、中途半端な印象で、ファンでなくとも歯がゆく感じます。例えば、ラストのダム決壊のシーンでは、最終的には決壊するとしても、アイスマン(で、いいんですよね)の青年が、ダムのヒビ割れを凍らせて時間稼ぎをするとか、色々できたのにと思います(作中では冷蔵庫くらいの役にしか立ってない)。サイクロップスに至っては何もしてないし。話がいきなり、「ミュータント全滅」or「人類全滅」という大仰で極端なところに飛ぶのも、逆にシラけてしまいます。全体的にまとまってはいますが、イマイチ弾け切れていないもどかしさを感じました。 6点(2003-12-13 14:25:44)(良:2票) |
25. エクソシスト ディレクターズカット版
どうしていまさらディレクターズカット版として出すのか分からない。余計なシーンが増えた分、返ってダラダラしている。また今見ると、ストーリー展開が杜撰に感じる。説明不足な部分も多い。おまけに、たいして怖くもない。特に階段からさかさまになって降りてくるシーンなど笑ってしまうだけ。ダダダーッと降りてきて、得体の知れない液体を吐き出して終わり(笑)。一瞬映りこむ亡霊(?)の顔も、あからさま過ぎて萎える。余計な事をし過ぎな印象。 3点(2003-07-03 21:53:29) |