1. es[エス](2001)
素晴らしい映画だった。近頃見た中では出色の出来。ごくごく普通の市民でも権力を持つと変っていく。始めは単にお願い程度のどうでもいいような小さなことでも、それを強制的に従わせる権力を持っていると、その権力を使いたくなってくる。服従させられる方も、相手が権力を振るかざすと内容の如何に関わらず反発したくなる。そうやって小さな憎しみが次第にスパイラル状にエスカレートして最後は殺し合いにまで発展する。囚人役の一人が「ナチの豚め」と叫ぶのはまさにズバリ本質を突いていた。一人ひとりは善良な市民だったはずが、何百万もの人間を殺す側に荷担したという世にも恐ろしい事実もこうして生まれたんですよと実に見事に映像化しました。 10点(2003-08-12 16:55:25) |