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1.  エイリアン2/完全版 《ネタバレ》 
1作目に続いて数十年ぶりに見たのだが、1作目と続けて見るとホラー映画の要素はやはりかなり薄まっていると感じるものの、そのかわり、SFアクション映画という別ジャンルの映画に仕立てていて全く違うアプローチで描いてるのが続編映画としてはかなり思い切った印象で、それもしっかり傑作に仕上げているキャメロンの才能はやはり特筆ものだし、やはり今見ても面白く、1作目も好きなのだが、やはりこの2作目も好きだ。ドラマとしてもぬかりなく、リプリーが宇宙を漂っている57年の間に娘に先立たれていたエピソードはこの完全版にしかないそうだが、(中学生の時、初めてテレビで見た時にこのシーンあったような記憶があるけど、ちょっとうる覚え。)これを入れることで、リプリーのニュートへの思いが深みを増しているし、だからこそクライマックスのニュートを何としても助けようとするリプリーの姿にも説得力を感じるし、ちょっと心打たれるものもあった。それに改めて見ると今回のリプリーは1作目と比べると戦士然としていて、「ターミネーター」1と2のサラの違いほどではないにしろ、それに近いものを感じ、やっぱキャメロン映画のヒロインはこうだよなとつい思った。ラストのローダーに乗ったリプリーとクイーンの対決は今見ても迫力と見ごたえがじゅうぶんだった。海兵隊のメンバーも個性的でキャラが立っていて良い。今回はリプリーが1作目で経験したトラウマや悪夢と対峙する物語でもあるのだが、よく考えると冒頭にリプリーが見る夢などが次回作である3作目への伏線になっているような気がする。
[DVD(吹替)] 8点(2022-05-08 00:20:34)(良:1票)
2.  映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 《ネタバレ》 
リニューアルされてからのドラえもん映画は何本か見ているが、過去作のリメイクではない作品を見たのはこれが初めて。ジブリ出身という高橋敦史監督自ら担当した脚本はよくできていて、いつもならタイムマシンで10万年前にタイムスリップするところをタイムベルトというその場で時間だけ移動する道具を用いることで、今回の冒険の重要な要素であるタイムトラベルを活かすことに成功していて、この手の展開にありがちな時間軸に関する矛盾も極力回避されていて、純粋にタイムトラベルSFとしてなかなかよくできていて面白い。また、演出にもいつもより躍動感が感じられていたのも良かった。氷漬けにされたドラえもんが出てきて「魔界大冒険」のようなパターンかと思わせておいて、ミスリードだったりするところはひねりが効いているし、擬態能力を持つ敵の登場も今まであまりなかったことで、新鮮味があるし、その敵がドラえもんに擬態する展開はけっこうスリリングで、思わず見入ってしまった。クライマックスに出てくるブリザーガが「もののけ姫」のダイダラボッチのようであるなど、ところどころにジブリっぽさが出ている部分もあるが、そこはやはりジブリにいた人が監督なのでということで気にはならなかった。むしろこのクライマックスのブリザーガとの対決もなかなか見ごたえがあり、スペクタクルとしての見せ方もうまく、このあたりがきっかけで高橋監督が今月から始まったゴジラのテレビアニメシリーズの監督に抜擢されたのかなとも思う。南極を映画の舞台にという構想は生前の藤子・F・不二雄の構想にもあったらしく、今回、それをオリジナル作品で実現した形になるのだが、南極の描き方が美しく、壮大さやロマンも感じられるものになっていて、それをうまく「ドラえもん」に落とし込んでいて、オリジナルでもじゅうぶんに面白い映画が作れることへの証明になっている。もちろん、藤子・F・不二雄の描く「ドラえもん」とは少し違うかもしれないけど、確実に意思は受け継がれていると感じることができた。そう感じられただけでも、初めて見る今のドラえもん映画のオリジナル作品に本作を選んだ価値はあったと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2021-04-11 15:36:54)
3.  映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ペコと5人の探検隊 《ネタバレ》 
「のび太の大魔境」のリメイク版。オリジナルはとにかくジャイアンがかっこよかった映画なのだが、今作でもジャイアンの良さがよく描かれていて、あらためてジャイアン、普段はガキ大将だけどやっぱ良い奴だよなあと思わずにはいられないし、やっぱりそんなジャイアンが好きだ。今まで見た旧作のリメイク版の中ではメインの新キャラの投入や脚本独自の新解釈などはなく、かなり忠実なリメイク作品となっているが、旧作で忘れている部分も多くそういった部分でも楽しめた。終盤でピンチに陥った時、ペコ(クンタック王子)が5人を残して一人で敵に立ち向かっていってそれをジャイアンがいてもたってもいられなくなり後を追い、ほかのメンバーもペコのところへ集まるまでのシーンを挿入歌(ジャイアン役の木村昴が歌っているが、声がキレイ。)のもと台詞なしで描いているのがまさに映画を意識した演出になっていて良いし、子供が主に見る映画だからといって子供だましにはしないという八鍬新之助監督(自分と同い年の人が手がけていることに時代の流れを感じてしまう。)の熱意を感じられた。10人の外国人の真相とその結末は今見ると無限ループに陥ってしまうような展開で、ちょっと怖さも感じてしまうが、むしろそういうことをあえて描いているのも藤子・F・不二雄らしいところかもしれない。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-04-24 22:17:10)
4.  映画 聲の形 《ネタバレ》 
見る前はあまり期待もなかったが、始まるや否や一気に見入ってしまった。内容は確かに障害者やいじめの問題を描いているが、単に差別やいじめは良くないというこういう作品にありがちな単純なメッセージよりも、根本的なテーマはもっと深いところにあり、とても重いが、同時にとても考えさせられる映画だ。小学生の頃、転校してきた聾唖者である西宮に対するいじめの中心人物だった石田がやがてスケープゴートになり逆にいじめられる側になるというのはリアルだし、それが原因で五年たって高校生になっても周囲と打ち解けずにいる石田の西宮に対する贖罪や、彼自身の成長と再生が本作のもう一つのテーマだ。そんな石田の目から見た同級生たちの顔には全体に×印がついているというのも、わかりやすい演出ではあるが、石田の心情をうまく表していると感じるし、そうしていることで、石田にとても感情移入しやすくなっている。そんな中であるきっかけで友達になってくれた永束と、西宮を必死で守ろうとする彼女の妹であるゆづるの存在は石田にとってどれほど心強く、大きな存在だっただろう。出てくる同級生や小学校の担任の教師、西宮の母は問題のある人物として描かれていて、とくに同級生は小学校から高校まででなにも変わっていないような連中が多く、中でもとくに川井と植野は見ていてイライラするほどだったが、同時にそこにリアルさを感じられる部分もあり、映像の美しさや作画の丁寧さもそうだが、人物描写も繊細で丁寧で、作り手が石田をいじめる側の同級生たちも決して完全な悪役のように描かず、どこか愛が感じられる描き方なのがいい。そしてもちろん石田という主人公をきっちりと描いているのが良かった。他人と交わり、完全にではなくても分かり合えることの大切さ、話すことの大切さ、そういうことをあらためて教えてくれる映画で、もちろん、賛否両論はあるのは当然のことだと思うけど、素直に見て良かったと思えたし、じゅうぶん見る価値のある映画だ。最後にこの映画で京都アニメーションの制作作品初めて見たんだけど、実際に作品を見ると、あんなひどい事件が起こってしまったのはあらためて非常に残念で哀しく思う。
[DVD(邦画)] 8点(2019-12-30 16:02:56)(良:1票)
5.  江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間 《ネタバレ》 
石井輝男監督の映画は「網走番外地」シリーズを中心に10本以上見ているが、今まで石井監督の手掛けたカルト映画を見る機会がなかった。(初めて石井監督の名前を聞いたのがカルト映画の有名な監督としてだったにも関わらず。)この映画で初めて石井監督のカルト映画を見たことになるのだが、冒頭の精神病院のシーンからもう怪しさ満点ですぐに引き込まれた。主人公(吉田輝雄)が精神病院を抜け出してからの前半のストーリーだけを見ればミステリーによくある展開で、この部分はそこまで過激かなあと思いながら見ていたら、後半の島が舞台になるあたりから雰囲気がやばめになり、その後はこれぞカルト映画という展開で目が離せなくなった。とにかく孤島で奇形人間を作り出した主人公の父親(土方巽)の完全にイってしまっているキャラが強烈でインパクトがあり、彼が作り出した奇形人間という発想自体が衝撃的で、冒頭の精神病院のシーンを含めていろいろ狂っているとしか言えない映画だ。(もちろん誉め言葉。)江戸川乱歩の複数の小説をミックスさせて書いた脚本らしいが、今まで見た乱歩原作の映画がどれもカルト映画的だったのである程度予想していたのだが、これは想像以上で、石井監督のカルト監督としてのすごさはコレ一本見ただけでじゅうぶんすぎるほど理解できるし、実際、すごく面白かった。(しかし、他人に薦めようとはぜんぜん思わないし、今までソフト化してなかったのも納得できる。)それに石井監督の「網走番外地」シリーズをすべて見終わってすぐに見たせいか、監督の両方の側面を期間を置かずに見られたのは良かったと思う。回想シーンでカニを踊り食いするシーンもなかなか衝撃的だった。ラストの花火のシーンは悲しいシーンなのに笑えるとのうわさを聞いていたのだが、見た直後は笑わなかったものの後からなぜか笑いがこみ上げてきた。明智小五郎も登場しているが、演じているのが井上梅次監督の「黒蜥蜴」と同じ大木実なのはちょっと嬉しい。7点にしようか迷ったが、やっぱり初めて見た石井監督のカルト映画ということで敬意を表して8点を。DVD化ありがとう。
[DVD(邦画)] 8点(2018-02-25 01:45:53)(良:2票)
6.  映画 ビリギャル 《ネタバレ》 
「ビリギャル 学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」というタイトルからすでにネタバレ全開で、しかも予告や宣伝を見ても全く見たいと思わなかった映画だったが、周りでの評判がよかったので騙されたと思って見てみた。いやもうかなり良かった。受験というのは「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」で描かれるような集団競技とは違い、基本的にたった一人での孤独な戦いとなる場。その戦いに圧倒的不利な状態から挑む有村架純演じるさやかの一生懸命頑張る姿はいじらしく愛おしく見ていて応援したくなる。塾の先生である坪田(伊藤淳史)やさやかの母親であるあーちゃん(吉田羊)が決してさやかを見放さないところがよく、本作はさやかが慶應目指して頑張る姿だけでなく、師弟愛や親子愛がきちんと描かれていて、それが本作にドラマとしての深みになっていて、ただ偏差値の低い主人公が猛勉強の末に慶應に合格したというだけの話に終わっていない。坪田がさやかにかける言葉はどれも前向きで、とくにクララの卵のシーンは、人間、自分の可能性を信じることが大切なんだとあらためて教えられた気がした。それに、息子に自分の夢を押し付けている夫(田中哲司)に向かってあーちゃんが言う「私はさやかのことで何度も学校に呼ばれたけど、恥ずかしいと思ったことは一度もありません。むしろさやかといろんな話ができて楽しかった。」という言葉、この言葉は本当に娘のことを信じていないと言えない言葉だと思うし、そのあとの「私は三人の母親です!」という言葉にもあーちゃんの子供たちに対する深い愛情を感じてものすごく感動させられた。このシーンは本当に名シーンだ。ほかにもさやかの友人たちのさやかを思う気持ちもほろりとさせられる。見終わった後に明日も頑張ろうという前向きになれる映画で、すごく元気が出たし、見て本当に良かったと思える映画に久しぶりに出会えたのも良かった。「下妻物語」を見た時もそうだったが、予告や登場人物の雰囲気だけで見る見ないを判断すると良い映画を見逃す場合もあるので気を付けたいなあと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2016-07-16 18:24:41)(良:4票)
7.  映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ 天使たち 《ネタバレ》 
ドラえもん映画シリーズの中でも最高傑作の誉れ高い「のび太と鉄人兵団」のリメイク版。シリーズの中でもとくにメッセージ性の強い話で、また個人的にも深く印象に残っているので、かなり不安があったが、実際に見てみると、オリジナルの雰囲気を損なうことなく、本作独自のアレンジであるジュドの頭脳をキャラクター化したピッポの存在も含めてうまく脚色している。本作ではリルルと静香が友情を築いていくのと平行して、のび太がピッポと友情を築いていく過程が描かれる。見る前はいくらなんでも詰め込みすぎだろうと思っていたが、バランスよくかつ丁寧に描かれ、ピッポの心変わりがリルルをも変えていくという展開にしたのはうまいと思う。少し分かりやすすぎると感じるきらいはあるが、ここにオリジナルとは違うドラマ性をみいだすことができるし、ピッポを単なる子供受けをよくするためだけのキャラクターに終わらせていない。むしろピッポがいることによって静香だけではなくレギュラーメンバー全員が主役という位置づけになっている。ピッポがのび太に「のび太と戦いたくない。」と言って泣き出すシーンは思わずピッポに感情移入してしまった。クライマックスの消えゆくリルルとピッポがそれぞれ静香やのび太と交わす最後の会話はやはり本作でも感動的で泣けるのだが、本作ではその前にリルルとピッポの会話があり、すべてを受け入れた二人のやりとりがすごく切なくて、このシーンのほうが泣けた。ピッポの登場は賛否両論あると思うが、個人的にはこのアレンジは成功だったように思う。ただその分、ミクロスが単なる端役に終わっているのは残念な気もするが、これは致し方ないところか。ほかにも不満はないといってしまえばウソになってしまうが、本作はオリジナルよりも「友情」というテーマを前面に出し、それを見事に描ききっている。水田わさび演じる劇場版ドラえもんシリーズはリメイクものしか見たことがないのだが、その中でもいちばん完成度が高く、オリジナルに負けないくらいの傑作だと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2013-02-06 00:36:34)
8.  エノケンのちゃっきり金太 《ネタバレ》 
エノケンこと榎本健一は戦後の映画で何本か見ている程度で、人気のあった頃の戦前の主演映画を見るのはこれが初めて。喜劇映画としてはトーキーではあるが、サイレント喜劇のようなつくりで、エノケンの追手から逃げるために走るシーンなどはまさにアメリカのサイレント喜劇ののりだし、中村是好とのやりとりも笑える。しかし、総集編であるからか話の流れがイマイチ分かりにくく、いちばん盛り上がるはずのクライマックスも本当は最後の見せ場だろうにかなり手っ取り早く終わってしまい、なんだかなあという印象。それでも戦前のエノケンの喜劇俳優としてのすごさはこれ一本見ただけで伝わってくるし、チャップリンやキートンにも引けをとらない存在だと感じることができた。これだけでもこの映画を見た価値はじゅうぶんにあると思う。横山隆一の描いた登場人物のイラストとエノケンの解説とともに出演者がクレジットされるという演出がなんともユニーク。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-08-08 01:27:12)
9.  江戸川乱歩の陰獣
江戸川乱歩の原作を加藤泰監督が映画化したサスペンス。冒頭から加藤監督らしいクローズアップを使った演出で思わず唸ってしまった。タイトルバックが列車だったり、劇中でも走行中の列車を高架橋の下から凝ったアングルで撮っていたりして「緋牡丹博徒 花札勝負」の冒頭でも列車と線路を使ったシーンだったこともありひょっとして加藤監督は列車好きなんだろうなあと思わずにはいられない。雨の中、あおい輝彦と香山美子が橋の上で話すシーンも味のある演出。話としては前半は本格推理モノで、今まで見た2本の乱歩原作映画(井上梅次監督の「黒蜥蜴」、増村保造監督の「盲獣」)と違って随分とオーソドックスな映画だし、あおい輝彦や若山富三郎の起用で、この頃ブームだった金田一シリーズに便乗した企画なのかと思っていた。(実際、あおい輝彦が袴姿で走るシーンは金田一を意識しているとしか思えない。佐清だし。)サディズムが絡み始める後半から雰囲気が怪しくなり、主人公が女に鞭をふるいながら推理を巡らせるシーンに至っては変態的な感じで、加藤監督はほかの作品ではこういうシーンほとんどやらない印象なんだが、原因はやっぱり原作を書いた乱歩にあるのかもしれない。それにしてもよくあおい輝彦がこういう演技をOKしたな。でもインパクトとしては「黒蜥蜴」や「盲獣」に比べれば弱く感じるし、原作がそうなのかもしれないが、見終わって結局、本格的な推理モノなのか変化球的なモノなのかがどっちつかずの印象であるし、ちょっと2時間ドラマっぽいところもある。しかし、それでも様式美を感じさせる部分もあって、それほど出来の悪い映画という感じはしない。菅井きんと藤岡琢也のやりとりが笑える。
[DVD(邦画)] 6点(2011-12-15 16:04:41)
10.  L change the WorLd 《ネタバレ》 
「デスノート」のヒットに気をよくした制作陣がL(松山ケンイチ)を主役にもう一本作って儲けようと企画したであろうスピンオフ映画。監督が変わったというのがすぐに分かり、やたらグロイ映像がかなり気持ち悪い。中田秀夫監督はホラー映画の監督というイメージ(これまでに見てるのは「リング」と「女優霊」。)だが、これはちょっとやりすぎだろう。(特に鶴見辰吾が死ぬシーンはくどすぎる。)ハリウッドから凱旋したというのもあるのかもしれないが、細菌パニック映画というのは見ていてもろに「アウトブレイク」を思い起こさせているし、ラストの飛行機のシーンにいたってはハリウッドのアクション映画のクライマックスそのままのような印象。また、ワタリ(藤村俊二)に変わってLのパートナーとして登場するFBI捜査官を演じる南原は真面目に演じているのかもしれないが、完全にお笑い担当でしかなく、見ていてついつい爆笑してしまった。ほかにもLが子連れで電車や自転車で逃げ回るというのは緊迫してるのにしょぼすぎて笑いをこらえることが出来なかった。それでも原作は未読だし、前2作にも思い入れはなく、Lというキャラクターにも思い入れはないからか、まあこれでも見る前の想像よりは面白かったと思うが、この話でLを主役にする必然性を感じられず、Lが主役なら後はなんでもいいぜみたいなスタッフの志の低さをまじまじと感じる映画であることは間違いない。
[DVD(邦画)] 4点(2011-01-11 13:06:03)(良:1票)
11.  エレキの若大将 《ネタバレ》 
加山雄三の代表曲である「君といつまでも」が初めて登場した映画で、シリーズの中でも有名な作品。今回も若大将はスポーツ(アメラグ部に所属。)をやっているが、それよりも今回のメインは音楽。加山雄三やバンドに参加する出前持ち役の寺内タケシ(←あまりよくは知らないのだが・・・。)が素晴らしいギター演奏を披露していて、これだけでバンドの演奏シーンは見ごたえ充分。後半は「田能久」が倒産してしまうという展開だが、これが原因で若大将が学校を辞めてしまうというのも含めて少しさびしい感じがする。「君といつまでも」は既に劇中で若大将がうたうこれ以降の回を何本か見ているが、初披露となる本作で若大将が初めて(澄子の前で)うたうシーンはムードがすごくよくて、このシリーズで今まで見た「君といつまでも」をうたうシーンの中ではいちばん好きかもしれない。青大将がシェーをしているが、これの同時上映は「怪獣大戦争」というので納得。バンドコンクールの司会者を演じる内田裕也は面影がぜんぜんなく最初は気づかなかったが、「マイネームイズ、ショーン・コネリー」とかいっておどけている姿がけっこう笑える。
[DVD(邦画)] 6点(2010-08-03 13:48:55)
12.  永遠の人 《ネタバレ》 
夫婦を描いた木下恵介監督の年代記ものといえば「喜びも悲しみも幾歳月」が思い浮かぶが、この映画は恋人がいながら別の男に無理矢理犯されて強引に結婚させられてしまった女がその後30年近くに渡って憎しみを抱きながら生きていくという物語で、時を経てそれが家や子供たちにまで及んでいくという重苦しい展開。夫婦の長年の絆を描いていた「喜びも悲しみも幾歳月」とは正反対にとてもドロドロした夫婦関係、人間関係をリアルに描いていて、「喜びも悲しみも幾歳月」と同じ監督の映画とは思えないほどであるが、こういうドロドロした人間ドラマを描かせてもうまさを感じさせているし、五部構成で各部の終わりに流れる日本語フラメンコの主題歌も実験的で、監督としての作風の幅の広さも感じることができる。主演の高峰秀子は夫を憎み続けながら恋人が忘れられないで苦しむ主人公 さだ子を熱演していて内に秘めた思いというものを見事に表現していて素晴らしい。木下監督の映画では高峰秀子と佐田啓二が夫婦を演じる作品が多いように思う(とはいえあまり見ていないのだが。)が、この映画では佐田啓二はさだ子の恋人 隆役で、反対に結婚した女(乙羽信子)を愛することが出来ずに別れてしまうという主人公さだ子とは対照的な生き方をする男を演じている。さだ子の夫を演じるのは仲代達矢で、女を襲って無理やり夫婦になるとかどことなく後に岡本喜八監督の「大菩薩峠」で演じることになる机龍之介のような狂気じみた印象を残している。息子役の一人が田村正和。木下監督の「女の園」でデビューした兄である田村高広に続いて、その弟の田村正和も木下作品である本作がデビュー作だそうだが、なかなかピュアに好演しており、この息子の悲しみもよく描かれていたと思う。ドロドロしたまま救いのない終わり方をするのではと思っていたが、ラストシーンは救いがあり、ドロドロしたままでは終わらせないという木下監督の人間に対する優しさのようなものが感じられる終わり方になっていてとても良かった。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-04-24 15:59:05)(良:1票)
13.  駅前旅館
駅前シリーズってどれか一本でも見たことあると思っていたけど、よく考えたら一つも見たことないことに気がついて第一作であるこの映画を見た。この一作目は井伏鱒二の小説を映画化した作品で文芸色が強いのかと思っていたが、全体的にかるーくゆるーい感じの喜劇映画で、森繁久弥、フランキー堺、伴淳三郎ら出ている俳優たちの演技、とくに喜劇俳優としての森繁久弥の魅力が全開で楽しめたし、この時点ではシリーズ化を考えてなかったのかもしれないけど、社長シリーズとの作風の違いもはっきりしていてその辺りも面白かった。しかし、純粋に一本の映画として見た場合、何か物足りなさを感じずにはいれない。豊田四郎監督といえばこの前年の「雪国」が傑作だったのだが、この映画はなんか雑な印象が強くてちょっと残念だ。でも久しぶりに森川信が見れたのは嬉しい。森繁久弥が番頭をやっている旅館の主人役なのだが、森繁久弥や奥さん役の草笛光子とのやりとりなど、どことなく「男はつらいよ」シリーズのおいちゃんを見ているようでもあり、それでいておいちゃんとはまた違った雰囲気もあり、とても良かった。森繁久弥もそうだがあらためてこの森川信も最高の喜劇役者の一人だと思う。やっぱり大好きな俳優の一人だ。
[DVD(邦画)] 6点(2009-03-18 18:53:34)
14.  映画 忍たま乱太郎(1996)
約15年ぶりに再見した「忍たま乱太郎」の劇場版。乱太郎自体をかなり久しぶりに見たのだが、けっこう懐かしくて楽しめた。毎日教育テレビで放送しているアニメはギャグ主体の印象が強いのだが、さすがに50分近い映画になると10分×5でテレビシリーズの続き物エピソードをまとめて見ているような感じ。全体的な印象はテレビシリーズとそんなに変わらないのだけど、ひさしぶりに見てみるとそこまで衝撃的な描写ではないものの利吉が撃たれるシーンにはちょっとビックリ。ところで「忍たま乱太郎」といえば主題歌は「勇気100%」だけど、やはりこの曲はカバーバージョンより光GENJIの歌っているバージョンのほうがしっくりくる。(2011年7月30日更新)
[地上波(邦画)] 6点(2007-06-07 15:39:31)
15.  映画ドラえもん のび太の恐竜2006 《ネタバレ》 
「ドラえもん」リニューアル後の最初の劇場版となる「のび太の恐竜」のリメイク版。以前にも地上波で放送されたときに見ているが、ノーカット版を見るのは今回が初めて。以前に見た時はオリジナルをあまり覚えていなかったのだが、今回10年以上ぶりに見返すと本作も覚えていない部分が多かった。(笑)でも、そのおかげか新鮮な気持ちで見れたのは結果として良かったと思う。冒頭ののび太が恐竜(正確には首長竜)の卵の化石を見つけるくだりが今になって見ると都合が良すぎる気がしないでもないが、前半は卵から生まれたピー助とのび太の交流が丁寧に描かれていて微笑ましいし、のび太が化石を卵にして羽化させた目的はいつものようにスネ夫を見返すためというのを忘れるほど見入ってしまった。大きくなりすぎたピー助が風邪をひいたのび太に会いたいばかりに家まで来てしまったことにより、世間が騒ぎ始めるという展開は翌年の映画である原恵一監督の「河童のクゥと夏休み」を彷彿させているが、あの映画もやはり旧作からの影響があったのだろう。誤ってピー助をアメリカ大陸へ送っていたことが判明したことから始まるレギュラー5人の冒険はすっかり親世代(未婚で子供もいないけど。)になった今見てもけっこう面白く、またジャングルなどの作画もキレイで丁寧でアニメーターの仕事ぶりも秀逸だった。以前に見た時はラストの展開がオリジナルと違うような気がして、少し違和感を感じた覚えがあるのだが、今回はそれをあまり感じず、むしろ、タイムパトロールの力を借りずに目的地である日本まで自力でたどり着くという結末は他人の力を借りずに目標を成し遂げることの素晴らしさを主たる支持層である子供たちに伝えるメッセージとしてはじゅうぶんだと感じる。恐竜ハンターの雇い主である恐竜コレクターのドルマンスタインの出番が意外に少なくてビックリしたのだが、オリジナルでもこんな感じだったかな。はじめて見た時はまだ新しい声優陣に若干の違和感を感じていたのだが、10年以上たった今では現在のメンバーのほうがしっくりくるようになってる。今では劇場版シリーズは旧シリーズを見ていた世代が監督を手掛けていることが多いのだが、本作は旧シリーズに関わっていた渡辺歩監督が手掛けており、ドルマンスタインの声を野村道子の夫であり、旧シリーズ劇場版の常連悪役だった内海賢二が担当するなど、まだどこか手探りで旧シリーズに引っ張られているような感じがある。でも、映画としてじゅうぶんに面白かったし、これからも「ドラえもん」はずっと続いていてほしいと心から思う。(2018年3月24日更新)
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-03-11 02:42:53)(良:1票)
16.  エイリアン 《ネタバレ》 
27年前にテレビで初めて見た(当時中2)頃は先に「エイリアン2」を見ていたせいか、すごく地味な印象しかなかった記憶があるのだが、かなり久しぶりに改めて見る(ノーカット版を見たのは初めてかもしれない。)と、エイリアンの直接的な怖さよりも、冒頭、信号をキャッチしてからの得体の知れない不安感や、それによる心理的な怖さのほうがすごく、緊張感もありこの時点でかなり引き込まれてドキドキさせられる。それにノストロモ号内部の閉塞感なども独特なものがあり、そこで繰り広げられる密室劇としても面白く、飽きることなく見ることができた。乗組員たちのまとまりのなさや判断力の欠如といった部分は初めて見た当時はそこまでとは思わなかった記憶があるのだが、改めて見て考えるともう少しこのクルーに冷静な判断力があればこういう事態を防げたのにと思ってしまう。エイリアンはなかなか出てこないのだが、いざ初登場となるケインの体を引き裂いて出てくるシーンは今見てもなかなかインパクトがあって良いし、そのエイリアンを直接的に画面に出すのが全体のほんのちょっとの時間という演出も利いていて、これがエイリアン登場後の緊張感につながっていて、これがアクション映画という傾向の強くなる続編群に対して1作目である本作はやっぱり純然たるホラー映画だと感じさせてくれる。それに、このシリーズの主人公であるリプリーも最初のほうはあくまで乗組員の一人という描かれ方をしていて、クレジットもシガニー・ウィーバーよりも先に船長役のトム・スケリットが来るのは2以降を先に見ていると異質に感じる部分かもしれない。ノストロモ号の乗組員たちがコールドスリープから目覚める始まってすぐのシーンをはじめ、格調の高さを感じさせるシーンもあり、そういう部分も印象深い。それともう一つ、調べて分かったのだが、この1作目は今からちょうど100年後が舞台の映画なんだなあ。(2022年4月30日更新)
[DVD(吹替)] 8点(2005-09-09 20:18:33)(良:1票)
17.  エスパー魔美 星空のダンシングドール
「ドラえもん のび太のパラレル西遊記」の添え物だった「エスパー魔美」の劇場版。テレビシリーズはリアルタイムで見ていた記憶があるが、いかんせんほかの藤子アニメと違って女の子(それも中学生。)が主人公だったので幼かった当時は「ドラえもん」や、同時期の放送だったと思われる「ウルトラB」ほど熱心には見てなかった気がする。数年前にビデオをあさっていたらこの映画の録画ビデオが出てきて見てみたところ、不覚にもすごく感動してしまった。監督が「クレヨンしんちゃん」の原恵一というのが見た当時ちょっと意外だったのだが、「ブタのヒヅメ大作戦」や「モーレツ!オトナ帝国の逆襲」、「アッパレ!戦国大合戦」を見ると納得がいき、今では自分の好きな監督の一人となっている。
[地上波(邦画)] 8点(2005-09-06 17:51:00)(良:1票)
18.  エイリアン3 《ネタバレ》 
シリーズ第3作。昔初めて見た時はそれなりに面白かった記憶があるも、久しぶりに(1作目、2作目から間をおかずに)見ると、3作目にして1作目のあとに何も考えずに作った出来の悪い2作目のような印象で、かなり物足りない。リプリーがスキンヘッドになり、演じるシガニー・ウィーバーが実際に刈り上げたことが話題になった映画だが、リプリーだけでなく舞台となる刑務所の職員も受刑者もスキンヘッドなためか、1作目のノストロモ号の乗組員や2作目の海兵隊メンバーのような個性があまり感じられないのも残念で、よって登場人物たちに思い入れを抱きづらく、これが大きなマイナスになっていると感じるし、「セブン」などこのあとの作品でブレイクすることになるデビッド・フィンチャー監督のデビュー作だが、これも演出面でリドリー・スコットやジェームズ・キャメロンのような個性が感じられず、あくまでも後の巨匠のデビュー作以上のものは感じられない。(プロデューサーも兼任していたシガニー・ウィーバーと折り合いが悪く、映画はこれ一本で辞めようと思ってたとか。)やはりこのシリーズはある程度映画で実績のある監督が手掛けたほうが良いのかもしれない。企画は二転三転したらしく、当初のプロットではヒックス(マイケル・ビーン)を主役にする案もあったというが、そっちのほうが見たかったかも。(本作冒頭でヒックスとニュートが死ぬ設定はちょっとショック。)ラストのリプリーの死は確かに衝撃的ではあるのだが、本作は最初からこのラストありきで進んでいたような気もする。(2022年5月28日更新)
[DVD(吹替)] 5点(2005-06-18 10:57:34)
19.  エイリアン4 《ネタバレ》 
シリーズ第4作。本作の公開時には既にそれまでのシリーズを全部見ていたために前作のラストからどうやって同じ主人公で続けるのかと思っていたが、まさかのクローン設定。初めて見た時はそのリプリーのクローン設定のムリヤリ感ばかりが気になってしまい、前作で止めておけばという感想しか出てこなかったのだが、久しぶりにあらためて(3作目まではそれまでも何回か見ていたが、この4作目を見るのは初見以来か。)見ると、確かにリプリーのクローンに疑問やムリヤリ感は残るものの、そこまで悪い映画でもなく、さすがに1作目や2作目には劣るものの、3作目よりは面白かったし、リプリーがクローンという設定上、これまでのように冒頭でリプリーだけが助けられるだったり、エイリアンの存在を周囲が信じないなどといったマンネリ気味だった部分がなくなっているのは良かった。今回はこれまでと比べるとエイリアンに殺される描写がかなり直接的でグロかったり、繭を介さず、妊娠によって増殖できるようになったクイーンから生まれたニューボーンの気色悪さなど、映像的なインパクトはシリーズでも群を抜いていると感じる。今回のリプリーはクローンということもあってこれまでとキャラが違っているのがちょっと戸惑うし、因縁の相手だったエイリアンの「母」という部分もあることから、自らエイリアンのような体質になってしまっているのがシリーズを連続で見ていると悲しいものがあるのも事実で、ちょっと複雑な気持ちになってしまった。それでも自分を母親と慕うニューボーンを宇宙へ放り出すシーンはグッとくるものがあり、直前のニューボーンの悲しげな表情も何とも言えない。地球に降下したリプリーが荒廃した街を見下ろすラストシーンはあえてなんの説明もしていないことでいろいろ想像を掻き立てられる。この部分を描く続編を見て見たかった気もするが、それをやるとひょっとしたら「エイリアン」とは無関係の戦争映画になってしまうのかもしれない。なにはともあれ、4本のシリーズで描かれた350年近くに及ぶリプリーの物語は本当に今回で完結なのだと思う。(2022年6月6日更新)
[DVD(吹替)] 6点(2005-03-10 13:23:47)
20.  江分利満氏の優雅な生活
岡本喜八監督を偲んで借りて来て見た。履物だけが動いている会話のシーンなど、シュールなシーンも多くて笑える。でも一番印象的だったのは主人公が家族の前でお茶漬けを食べながら泣くシーン。ちょっと感情移入してしまった。出演者では主人公を演じた小林桂樹が異様なハマリぶりを見せ、妻役の新珠三千代など脇役も名優ばかり。中でも戦争成金の父親役の東野英治郎が良かった。笑えて泣ける喜劇映画の傑作。2010年9月18日追記:小林桂樹さんの訃報・・・。東宝の俳優陣の中でも地味で控えめな印象のある人なのだが、演技には味があり、この「江分利満氏の優雅な生活」をはじめ、「黒い画集 あるサラリーマンの証言」、「女の中にいる他人」などはこの人でなければというほど小市民のサラリーマン役がピタリとはまる人で、もちろん「社長シリーズ」の秘書役も彼でなければという思いがある。去年森繁久弥さんが亡くなったときにこの人だけはもう少し長く生きていて欲しいと思っていただけに非常に残念に思う。心よりご冥福をお祈りします。
[ビデオ(邦画)] 9点(2005-02-27 13:35:45)(良:2票)
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