1. 永遠の人
木下作品の幾つかは、身分格差や閉鎖的時代の犠牲となった人間について、女性の立場に焦点を当てている作品が多いですね。仲代・高峰・佐田の三人の関係が、時を経て家・家族にまで波及していき、より重みを増していきます。 この切れない「しがらみ」というものは家制度(仲代達矢)・経済(乙羽信子の苦行)・慣習等々において、現代と比べることを考えると、今が如何に軽いものかと感じさせられる。しかし、器用な監督だと改めて感じました。器用過ぎる所が、他の名監督には感じさせる個性を薄くしているのではないかと、そんな気もしますね。 <神保町シアター> [映画館(邦画)] 8点(2010-04-05 15:45:06) |