1. ニューオーリンズ・トライアル
良かった! 一見地味に見えて、実は映画の醍醐味が詰まりまくっている。何せ名優の初共演。自分が知らない世界の裏側を見られる面白さ。騙すのか騙されるのか、ドキドキな展開。 最初、めまぐるしく人間が入れ替わるので、少し混乱する。けれどそこが豪華キャスト映画の利点。出て来る人間がちゃんと個性的だから、そこから数分後には「なるほどね、ふ~ん」と言える。キューザックの「微妙さ」が、何ともこの作品を面白くしている。彼はなんだかうさん臭い感じがして、どちらかというと嫌いなタイプの俳優で、彼の出演するラブコメは「おえ~」だけど、こういう「こいつ一体何考えてんだ?」と思わせる怪しさは抜群。画面も古典的だけれど、安心できる色使いと、テンポの早い展開を邪魔しないおちついた雰囲気があって、かなり良い。思うに、この作品がいまいち認知されていないのは、題がマズイのでは?「ニューオーリンズ・トライアル」て、食指が動かない堅い題だよなぁ・・・ 9点(2004-08-14 00:51:12)(良:2票) |
2. ニューヨークの恋人(2001)
《ネタバレ》 すごく設定は面白いけど、この設定、上手くまとめるのむずかしいだろうな~、と思いながら見ていました。結末は意外だった! メグ、それで幸せなのかい? だって社長になれるのよぉ~~~~ でもまぁ映画、しかもラブコメ、しかもメグライアン。コンサバな終わり方もいたしかたなし。きちんとお金がかかっている衣装が素敵だった。二百年前の衣装は勿論、シンプルでいながら洗練されている、キャリアウーマンモードのメグのファッションが素敵。気になるのは、「エレベーターがあちこちで故障」というエピソードが、スチュワートを怪我させる以外にあまり役だっていなかった事。何だか全てが平均点ちょい上の優等生映画でした。 7点(2004-07-19 19:36:47) |
3. ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
《ネタバレ》 随分昔に二時間版を見た時、「良いお話だな」と思った。ほのぼのして、ちょっと悲しくて、優しい。で、この完全版を見た時、私も「えっ!」って思った。あの聡明で快活なトトが、ストーカーおやじになってるし・・・アルフレッド、ヤな奴じゃん!! でも、最後のキスシーンを繋げたフィルムのシーンが、二時間版の時よりずっと深く響いた。社会的には大成功をおさめたサルバトーレの心を埋められなかったものの悲しさが、涙を誘う。これは「淡い初恋の物語」では得られなかった感動だった。この映画が、人間にとて幸福とは何かという、深い深いテーマを描いていたという事を知る事が出来て、完全版を世に出してくれたDVDに感謝です。 9点(2004-05-15 15:55:46)(良:1票) |
4. 25時(2002)
《ネタバレ》 全く個人的な意見ですが、モンティを眺める父親の目に、ニューヨークを眺めるスパイク・リーの目を感じた。傷付き、誤った道を歩み、でも誰にも本気で止めてもらえなかった哀れな、けれど何よりも愛しい息子。それを後悔しても嘆いても、一度きりの人生なんだから、再生への希望を抱こう。最期は不覚にも感動してしまって、自分の住む街こんな風に愛せることに、うらやましさすら感じてしまった。そしてこの重くて暗い内容を、一流のエンターテイメントに仕上げた演出はさすが! ノートン、上手いんだな~ ナチュレルの心情も、いいんだな~ あんなにモンティを愛していて、足を洗ってほしいと思っているけど、贅沢に慣れた自分が、貧しくなってもモンティを愛せるのか不安で、そんな自分にちょっと嫌気がさしている感じが、とても良く出ていた。友人二人も上手いんだな~ 会話もいいんだな~ 英語が理解出来たら、もっと楽しかったんだろうな、残念。モンティがドイルに言う、「こいつを助けた事は、俺の人生の中でも 最も素晴らしい事だ。だからこいつの命に責任を持たなくてはいけない」みたいな台詞、ジ~ンと来ました。スパイク・リーの「未来」に期待。 9点(2004-02-22 21:53:43)(良:3票) |
5. ニック・オブ・タイム
ジョニーが地味。コルソの若かりし日。内容は普通。火サスレベルに毛が生えた程度。でもジョニーなら、ああやって機転を効かせて子供を守りそうな気がする。 5点(2003-08-18 15:51:22) |
6. ニキータ
人生最高の作品のひとつです。この雰囲気。ダークで、乾燥していて、観客の侵入を拒むかのような切り口。当時、邦画とアメリカ映画しか見た事がなかった私には衝撃でした。映画を肌で感じることが出来る映画です。アメリカ版アサシンを見て、この映画の良さは、ストーリー以上にその空気感に拠っているのだと確信しました(あちらは最悪)。でもベッソン作品はこの後どんどん観客に歩み寄った無意味な感動ものやビジュアルものになっていき、ひじょうに残念です。バスルームでの暗殺シーンと、ジャンヌ・モローの手によってだんだん綺麗になっていくシーンがお気に入りです。 ニキータの細い腕から迸る激情に、震えがきます。 10点(2003-06-20 16:51:14)(良:1票) |