2. ニュー・シネマ・パラダイス
アルフレードとサルヴァトーレの関係は、少年期で夢を与える人と夢をもらう人、青年期で師匠と弟子、中年期で神と人、といったようになっている。映画館はどの時代を通しても夢の象徴である。サルヴァトーレを見送りするときのアルフレードの背中は小さいが、とても大きく見える。異郷で活躍するサルヴァトーレに届くアルフレードの死の知らせ。再会する旧人たちはまるで変わっていない。恋人との再会でアルフレードが自分の運命を操っていたと知った瞬間、サルヴァトーレはアルフレードに嫌悪を抱くものの、時間の経過とともに自分にとって彼がどれだけ大きな存在であったかを認識せずにいられなくなる。映画館の崩壊は、サルヴァトーレが現実の世界に引き戻されたことを意味する。ここまで、彼はアルフレードの与えてくれた夢の中で生きてきたのだ。ここからが、本当の彼の人生になるのだろう。 5点(2004-07-18 15:01:00)(良:2票) |