1. ニライカナイからの手紙
竹富島の人々が持つ「うつぐみの心」とは、お互いの生活を確認、励まし合う風習であるという。忘れかけていた大切なものを再び発見したような懐かしさで胸がいっぱいになった。東京で真実を知り戻ってきた風希が、島の皆から慰められるシーンは本当に泣ける。当初、オジィの表情の乏しさに戸惑った。嘘を吐き続けなくてはならなかった無表情、また思いを上手に表現できない不器用さと捉えることもできるが、なぜこの俳優を起用したのか疑問に思えた。しかし最後、風希が島に戻った翌日に、ふたりで朝食をとるシーンでの繊細な眼差しの演技に、それまでのモヤモヤしたものは、すっかり晴れてしまった。心憎い演出でした。 [DVD(邦画)] 8点(2006-10-21 12:14:12) |