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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2250
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1.  人数の町 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。ご注意ください) 『人数の町』の住民は、拉致されたり、脅されたりして集められた訳ではありません。彼らは望んで囚われの身となりました。辛く苦しい境遇にある者からすれば、自由が制限されようとも、衣食住と身の安全が保障される生活は十分魅力的だったことでしょう。さらに責任を問われぬ人生はストレスフリーです。もちろんこの選択が愚かなのは明らかですが、追い詰められた人間は選択を誤るもの。それに契約書の中身も読まずにサインする者が、詐欺を回避できるはずもありません。『自由』と『権利』を奪われ、『個』であること、責任を取る事を放棄した者たちの集合体『人数の町』の本質とは、何も残せず、何も積み上げられず、時間だけが無為に過ぎてゆく『虚無』そのものでありました。自覚はなくとも、彼らはみな“緩やかな自殺”あるいは“死刑囚”を選んだと考えます。『人数の町』が用意した居場所とは『棺桶』だった訳です。それに気づいた主人公は脱出を試みたものの、一度手放した『自由』と『権利』の再獲得は叶わず。それもそのはず。チャレンジする『自由』や『権利』も既に無いのですから。それでも足掻いたことが功を奏したようで、棺桶からは抜け出せたよう。彼は『死刑』を免れ『無期懲役刑』に服することが決定しました。 所謂『脱獄もの』の一面がありながら、大した下準備もなくあっさり主人公は『人数の町』(というより収容所かな)を抜け出します。おいおい、ここが見せ場なんじゃないの?サスペンスとして緩くない?と不思議に思いましたが、そもそも住民は『死に体』『詰んだ状態』という意味だったのですね。『非人道的な所業』を彼が世間に告発すれば何とかなる気がしないでもありませんが、“これら全てがこの世の仕組み”だとすれば、抗う術などない道理と言えましょう。それにしても住民が課された作業が実に興味深い。新薬の治験、身代わり投票、偽装テロやネットのバズり・炎上の社会的価値(効果)は理解できますが、パイプの栓回しって一体何だったのでしょう。あまりにシュール。“この世には意味が分らぬ仕事がある”の比喩かしら。『世にも奇妙な物語』の一篇として30分くらいで纏められていたら、語り継がれる神回といったところでしょうか。
[DVD(吹替)] 7点(2021-08-13 18:48:30)
2.  二ノ国 《ネタバレ》 
ネタバレあります。未見の方はご注意ください。  設定について。私たちが住む世界が『一ノ国』で、“命が繋がる者たちが住む”アナザーワールド『ニノ国』が存在するそう。気になったのは『ニノ国』の住人自からが自分たちの世界を『ニノ国』と呼んでいること。どうして『一の国』じゃないのでしょう。どちらが表とか裏とか無いでしょうに。この違和感に対する答えは次のいずれかと考えます。①すごく謙虚な人たちなので、自分たちの世界を『二ノ国』と呼ぶ。②『一ノ国』ありきで『二ノ国』が存在できるから。もし②だとすると“ファンタジー冒険譚”とする本作の一般的な受け止めが揺らぎます。『二ノ国』ってハルの頭の中にだけ存在する架空世界では?それなら様々な“ご都合主義的展開”も説明がつきますし、ユウが二ノ国に残りこの世から存在自体が抹消された結末とも整合します。でもそうなると、ハルは結構深刻な心の病を抱えている事になりそうです。アン・シャーリーやアメリのような楽しい空想とは質が異なる心の闇。たとえば、幼少期にユウは野良犬に襲われて死亡。ハルはユウの死を認められず、空想の人格を作り出し一緒に学校生活を送った。今回『二ノ国』を創作し、ようやくユウを開放することが出来た、とか。典型的な子供向けファンタジーでドン引きするような裏設定が必要なはずもなく、これは私の勝手な妄想ということでお願いします。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-12-15 17:53:10)
3.  二重生活(2015) 《ネタバレ》 
誰かを尾行することで、他者の人生を疑似体験し、人間の存在理由を考察するとな。確かに、小説や映画で得られるそれとは、比べ物にならない臨場感やリアリティがあるでしょう。実際、主人公が言うように面白そうだとも思います。しかし、魅力的な行動なのに、ほとんどの人は”理由のない尾行“なるものを実行しません。理由は2つ。倫理的にアウトだから。そもそも時間が無いから。そう、主人公が尾行出来たのは、倫理観が未成熟で、かつ暇だったからです。謝れば許してもらえる。尾行がばれても尚、論文を書かせてもらいたい。その甘えた思考法は、まさに子ども。しゃべり方ひとつとっても、ひどく幼い印象を受けます。また、修士論文執筆を暇と言っては失礼ですが、飯を食うために働く必要が無いという意味で暇なのです。果たして、彼女は教授に高く評価される論文を書き上げた訳ですが、読み終えた直後に教授が自ら命を絶った様子から察するに、きっと氏が欲していた人間哲学の核心をつく素晴らしい内容だったのでしょう。あるいは、不倫相手との路地裏姦も辞さず、妻は自殺未遂なんて特濃なラーメン○郎のような男の生き様と、童貞紳士の素うどんみたいな自身の人生を比較して絶望したのでしょうか。いずれにしても彼女は、迷える教授に止めを刺したワケです。彼女は気付いているかな?学位を手にし、恋人を失った人生の収支は、主人公にとって黒字か赤字か。その答えは、彼女のこれからの生き方次第なのだと思います。(以下余談)個人的に哲学とは、面白い遊びだと考えます。人を人たらしめている行為でありつつ、最高の暇潰し。ただ、哲学を修めようとするなら、より良く生きるための手段でなくてはならず、それ自体が目的となったら意味がない気がしますけども。結局、ほどほど忙しく、人は何のために生まれてきたのか?なんて考える暇無く人生を終えるのが一番幸せなんじゃないかと思います。もちろん、大学院まで行って哲学なんて飯の種にもならん勉強をするヤツは馬鹿だなんて、これっぽっちも思っていませんのでお間違いなく。いやマジで。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-04-15 19:23:08)
4.  人魚の眠る家 《ネタバレ》 
子を亡くした親の苦しみは、想像を絶するもの。ですから本件に関わる者全てが思考を停止させたのも無理からぬ事と感じます。しかし、皆が現実と向き合う作業を放棄した結果、母親は暴走しました。引きこもりやニートも類似した構図から発生します。現実逃避は命を繋ぎ止める緊急避難の意味もありますので、一概に否定するつもりはありませんが、出来るだけ早く現実に戻ることが肝要です。逃避している間に費やされる時間とお金は甚大ですから。その観点からすると、この家族が現実逃避を選択出来たのは、時間やお金に余裕があったからに他なりません(勿論、引きこもりも同じです)。そして恐るべきは、現実逃避は個人の専売特許ではないということ。私たちが住む国もまた、現実逃避が得意なようで。本件『人の死の定義』は、社会の根幹に関わる重要案件。本来、各人に判断を委ねる類いの事柄ではありません。医師が言うように「選択できる」と言えば耳障りは良いですが、実際は国が責任を放棄しているに同義です。クライマックスの母親の逆ギレは、自己矛盾でありつつも正論です。国の姿勢が中途半端であるがゆえに、この家族は苦しんだとも言えます。どんな案件でも議論は大切。でも最後には結論を出さなければ意味がありません。もう結論から逃げ回る余裕は、この国には無いはずなのですが。すみません。悪い癖で映画感想の本筋から反れました。結局私が何を言いたいかというと、本作のメインテーマは“脳死の是非”ではなく、“現実逃避は恐ろしい”だという事です。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-01-10 19:26:53)
5.  ニセコイ 《ネタバレ》 
女マンガ原作(ですよね?)映画を観るのは久しぶり。多分『ラブ★コン』(主演:小池徹平・藤澤恵麻)以来のはず。オッサンターゲットのジャンルではありませんし、至極当然ではあるのですが。という訳で、お得意様以外の客層の戯言など参考にならないでしょうが、一応感想を。体裁は、ザ・ラブコメと言うべき王道設定にキャラクター造形です。どちらも随分現実離れしてはおりますが、それも含めてコメディと割り切れば問題ありません。大袈裟なテロップを多用する演出手法は、少女マンガというより少年マンガ(あるいはギャートルズ)的で、これまた当ジャンル作品の常套手段かと。何から何までベタなつくりです。これを『定番』と取るか『工夫が無い』と取るかで印象は変わりそうですが、私は前者と判断しました。結構ぐっと来るシーンもあるんですよ。クライマックスのロミジュリなんか、痴話喧嘩が微笑ましくて、それでいて切ないんです。みんな、他人を思いやれるイイ奴らなんだよなあ。報われない小野寺ちゃん、辛いよなあ。ラブコメの肝は、笑いより恋の切なさなのであります。中島君も上手いですし、中条さんの存在感は圧倒的。この手の映画にアレルギーが無ければ手堅く楽しめると思います。※以下オッサンの無粋な考察。中島君にしてみれば、寿司かステーキかみたいな究極の選択だったでしょうが(失礼)、端からみれば答えは一択です。そう、正解はもちろんあやみ千棘ちゃん。堅気のお嬢さんとは上手くいくはずないですもん。それくらい、反社会的勢力に対する風当たりは尋常じゃないんです、実際のところ。ただし子は親を選べないワケで、得も言われぬやるせなさを感じる次第です。
[DVD(邦画)] 7点(2019-08-10 13:32:23)
6.  二流小説家 シリアリスト 《ネタバレ》 
『必ずあなたも騙される』は、一体何に対して?というのが正直な感想。エンドロールが始まっても、まだ何かあるの?と懐疑的でした。ご指摘のレビュワー様もおられるように、まさにTV2時間サスペンスなら上出来。映画ならイマイチのレベル。それにしても驚いたのは、本作を私が登録要望していたこと。全く記憶にございません。公開当時、何か惹かれるものがあったのでしょうか。これが一番のミステリーだったりして。
[DVD(邦画)] 5点(2019-07-20 19:29:43)
7.  22年目の告白 -私が殺人犯です- 《ネタバレ》 
物語中盤で大ネタの種明かしあり。ただし、タイミングが早いので充分な“溜め”が得られずカタルシスが不足しています。これは二の矢を用意しているため、仕方がない部分はあるものの、ギリギリまで引っ張って最後に畳み掛けるスタイルでも良かった気がします(それくらい最初の仕掛けが物語上の肝)。それにしても、犯人に自殺願望があるのは困ったものです。刺し違えても構わないという復讐者側の覚悟の価値が失われます。ただしそれでもなお、仇をただ生かしておくという結論には逆立ちしても至らないので(死刑にはなりそうもないので)、私だったら完全犯罪による復讐を計画します(それも、あっさり殺すのではなく、生地獄を味わってもらいましょう)。でも収監されてしまっては無理な話。あの方法しか復讐の術がなかったヤクザの息子には同情します。藤原竜也さんは、こういう役にはうってつけ。憎悪のドラマに濃い味の演技はよく合います。伊藤英明さん迫真の“泣き”も素晴らしかったです。ちなみに、オリジナルの韓国映画は鑑賞済であることをすっかり忘れておりましたが、本サイトの自身の投稿を見直しておぼろげながら記憶が甦ってきました。オリジナルで私が抱いた不満は本作では解消されているようですが、その分アクも抜けていたような。このあたりは好みもありましょうが、やはりコト復讐映画というカテゴリーで韓国映画の右に出るのは至難の業という気がします。
[地上波(邦画)] 6点(2018-06-10 16:16:38)(良:1票)
8.  ニンフォマニアック Vol.1
そもそも前・後編に分ける必要があるのか疑問でしたが、1・2続けて観終えて意味が分かった気がします。本作も含めて感想は『2』で述べます。本作単独での評価はしかねますので採点放棄という意味の5点です。
[ブルーレイ(吹替)] 5点(2016-06-20 23:55:05)
9.  ニンフォマニアック Vol.2 《ネタバレ》 
1+2合わせてきっちり4時間!延々と『好色一代女』のアブノーマルな性遍歴を見せられるワケですから、それはもうグッタリです(歳のせいかなあ苦笑)。でも、この“長さ”に価値があったと考えます。お経のような、あるいは校長先生の訓話のような。長過ぎるお話に集中力が続くはずもなく、エピソードは次第に耳を通り抜けていきます。そこで始まるのは自分自身への問い掛けでした。己が知識、経験、人生観と照らし合わせて、主人公の生き様に対する検証作業を行います(テンポの良いお話だとこんなコトしません)。ところが監督は意地が悪いとみえます。折角自分なりの解釈を導き出したと思ったら、終盤ご丁寧な解説が用意されていました。まるで「馬鹿なお前らに、ちゃんとお気に召す答えを用意してやったよ」と、心の内を見透かされたようで。その最たるものが、セリグマンの醜態という事になるのでしょう。自身の矮小さと、愚劣さを突きつけられて、気分が良いはずがありません。本当に監督は性格が悪いです。それでもジョーの子供が命を落とさなかった事、自らの尊厳のため彼女に銃の引き金を引かせた点は、監督の良心と捉えておきましょう。(以下余談)ラース・フォン・トリアー初体験が、果たして本作で良かったのかどうなのか。監督が相当のクセ者だという事だけは分かりました。他の映画も観てみたいですが、精神的に余裕がある時じゃないと無理そうですな。
[ブルーレイ(吹替)] 8点(2016-06-20 23:54:40)
10.  ニュースの天才 《ネタバレ》 
「上司は部下を守るべき。そういう上司は良い上司だ」主人公の主張には共感できます。ミニボトル(乱れた春の記事)のクレームへの対応や、意地悪な上司に対して文句を言ってくれた前編集長は、確かに尊敬すべき上司の姿に思えました。でもそれは間違いでした。結果的に前編集長の下で捏造記事が量産されたことを考えると、彼の姿勢に問題があったと言わざるを得ません。「信頼」は美しい言葉です。でもそれが「過信」になったら価値を失います。チェック体制も儀式であるなら意味がありません。「優しさ」はときに「甘さ」につながり、「信頼」は「無責任」に変わります。職場の和を保ちつつ、厳しさも失わない。難しいことです。でも絶対に必要なことだと本作は教えてくれています。主人公が捏造に手を染めた理由。それは、褒めてもらいたいから。自分を認めてもらいたかったから。完全に子供の発想です。ロースクールに通うのも、親の体裁のため。そこに主体性はありません。悪いのは自分じゃない。上司が、親が、自分以外の誰かに守ってもらいたいと願うのもそう。体は24歳の大人でも、心は体に追いついていません。ウソを必死で隠そうと足掻くのは、自分の非を認めたくないから。彼は最後の最後まで、心から謝罪することはありませんでした。誤りを認めるのは辛いことです。自身を否定することだから。でも脆い土台はいつか崩れます。築いて、壊して、踏み固める。その繰り返しで人は成長していくのです。彼は脆い土台を積みすぎました。もはや転落死も在りうる高さ。だから壊すことが出来ません。自分も足元を見て冷や汗がでます。
[DVD(字幕)] 8点(2015-09-23 20:30:33)(良:1票)
11.  ニッポンの大家族 Saiko! The Large family 放送禁止 劇場版 《ネタバレ》 
明らかな創作(例えばSFファンタジー)を観て「こんなの嘘じゃん。騙された!」と文句を言う観客はいません。フィクションは周知の事実。製作者と観客の間に“嘘”はありません。ところがモキュメンタリーの場合はどうでしょう。「これって、本物?」と勘違いする観客が居てもおかしくありません。図らずも(?)製作者が観客に“嘘”を付いている状態と言えます。この“嘘”が“胡散臭さ”の元凶です。ある意味、モキュメンタリーの宿命と考えます。物語を楽しむ上での厄介者“胡散臭さ”とどう付き合うか。私は常々「笑い」に転化するべしと唱えてきましたが、本作では“クイズのヒント”に活用されていました。これはアイデア賞もの。お見事です。言葉の端々、ふとした表情に隠された“含み”や、習字に隠されたメッセージを探る作業は単純に楽しいものでした。オチがまたイカしてます。こんな裏切りが待っていようとは。これほど気が滅入るハッピーエンドってのも珍しいです。インチキ・ミステリー・エンターテイメント。このシリーズもっと観たいです。
[DVD(邦画)] 8点(2014-10-12 20:28:20)
12.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
アルフレードがトトに村から出ろと諭す場面の古びた碇。帰郷したトトを出迎える年老いた母に繋がる毛糸。これぞ映画ならではの語り方。胸が震えました。観客各々の“想い”と“思い”に照らし合わせ染み入るに相応しい、素晴らしい技量を備えている映画でした。美しき郷愁と懐古で泣かせる映画ではない点にも感心します。得たものもあれば、失ったものもある。後悔こそ人生のメインロード。それがこの映画の良心と考えます。最後に本作を鑑賞した全ての皆様(親御さん)へのお願い。子供から預かったお年玉は、子供が大人になったら返してあげましょう。大人だって約束を守るんだって事を、お父さんお母さん銀行の格付けはAAAだって事を、子供に教えてあげましょうよ。アルフレードのように。えっ、当たり前だって。失礼しました。
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2014-01-01 00:00:00)(良:1票)
13.  NINIFUNI
DVD収録のメイキングでプロデューサーと脚本家は、こう明言しています。本作は答えの無い映画。出来事を提示して観客が何を感じるか投げかけているだけであると。その説明に嘘偽りはありませんでした。なるほど、そういう映画もアリなのかもしれません。映画の解釈は観客の手に委ねられているものだとも思います。ただし、シチュエーションの提示だけなら40分は必要ない気がします。2分で十分でしょう。尺は観客のイマジネーションを刺激するための仕掛けに費やして欲しいと思いました。本作を楽しめるのは、映画鑑賞の達人か感性が豊かな人だと思います。自分にはまだ無理でした。それでは最後に自分の率直な感想をば。「やっぱり怪盗は6人バージョンがしっくりくるな」
[DVD(邦画)] 2点(2013-02-27 18:51:54)
14.  人魚伝説 《ネタバレ》 
漁師夫婦の仲睦まじい日常が綴られる穏やかな序盤から一転、夫殺しの濡れ衣を着せられた妻の復讐劇は、クライマックスにかけて怒涛の如く狂気を加速させていきます。ジェットコースター。もう止まらない。止められない。虐殺者数は八つ墓村以上か。女の細腕で、あの武器で、あれほどの大量殺人など不可能です。つまり彼女は、もう“人”ではなかったのだと思います。だから網に巻かれて海に投げ込まれても死ななかったし、窮地に嵐をも呼んだ。我が髪を抹香に見立て、亡き夫に焼香したとき、彼女が人間を辞める準備は整いました。信じていた男に裏切られ、遂に彼女は修羅となります。結末は、不死の人魚への転生とみる事も出来ますし、あるいは事象全てが、主人公が今際の際にみた夢との解釈も可能かと思います。にっかつロマンポルノの流れを汲む濡れ場は一般映画とは一線を画すハードなもの。シチュエーション的には“切なさ”や“痛ましさ”といった感情が呼び起こされる場面でも、彼女の強いキャラクターがそれを打ち消しています。悲惨な物語に向き合い易いとも言えますが、個人的には“切なさ全開の日本人的ドロドロ復讐劇”の方が好み。ATGならではの不思議な味わいの作品でありました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-12-29 20:05:45)
15.  忍たま乱太郎(2011) 《ネタバレ》 
(TVアニメの予備知識なし。もうすぐ6歳になる娘と劇場鑑賞しました。)次々と登場するキャラクターの名前と相関を頭に入れる間もなく突き進む物語。誰が敵で誰が味方なのか良く分からない。寝不足もあってか思考停止状態に陥りました。そんな中、しっかりと伝わってきたのは三池映画特有のアクの強さ(要するにう○こですな)と、俳優陣が皆楽しんでいること。とくに大御所俳優のノリノリぶりは凄かった。平幹二朗、松方弘樹、加賀丈史…。素顔が特定できないほどの特殊メイクを施し、忍たま、いや三池映画の世界に浸る様は、アニメの実写版という特有の胡散臭さと相まって、えもいわれぬ雰囲気を醸し出していました。少なくとも子供が理解できる“面白さ”ではないと思う。そう、本作は子供向け映画の皮を被った極めて大人向け作品であると解釈しました。「忍びとはガッツじゃ!」をメインテーマと思い込ませつつ、主人公の努力をいとも簡単に反故にするオチの付け方に痺れます。正直、面白いともツマラナイとも言いづらいのですが、娘曰く「最後、鐘がチーンと鳴ったのが良かった!」そうなので、これはこれでアリなんだろうとは思います。ほとんど採点放棄の5点。
[映画館(邦画)] 5点(2011-08-01 20:13:28)(笑:2票) (良:1票)
16.  NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE 《ネタバレ》 
原作やTVアニメ版との比較はせず、本作単独で感じたことを述べます。まず気になったのが、ハットリくんとケンイチの関係。2人の出会いで一つドラマが欲しいと思いました。ケンイチが主君に相応しい人物と見定めてから主従関係を結んでも遅くない。イジメられっ子だけど心優しい。彼の性格は、後付ではなく最初に押さえておきたい重要ポイントと考えます。次に田中麗奈。キャラ設定、役割、共に粗いと感じます。盲目ゆえハットリくんの姿が見えないという存在価値しか見出せません。(注:触っていない悪党の顔をスケッチしていたことから、実はハットリ君の顔も見えていた?)彼女はキーパーソンと成り得る人物。大切に扱って欲しいと思いました。缶蹴りエピソード。空蝉の術を使ってケンイチは一躍ヒーローになります。チャレンジの重要性を説く感動的なシーン。でも待って欲しい。ブリーフ一丁で走るなんて、ちょっとやり過ぎでは。周りがドン引く可能性も高い。ケレンミのある演出は望むところですが、極端でもいけない。上半身裸くらいで丁度いいと思いました。友情物語として真摯に取り組んでいる姿勢が見えるだけに、ツメの甘さが惜しまれます。
[DVD(邦画)] 5点(2011-01-22 10:15:49)
17.  252 生存者あり 《ネタバレ》 
物語で起こる奇跡には2種類あると考えます。努力等を拠り所とし必然性を含むものと、そうでないもの。本作で提示される奇跡は、全て後者に該当します。いわゆるご都合主義。この奇跡で導かれる結末には真実味がありません。どんなハッピーエンドも“嘘っぱち”に見えてしまう。つまり観客の意識の中で、しおりちゃんは助かっていません。地下鉄構内ではぐれてしまったこと、プレハブから確実に非難させなかったこと、実に2度に渡りこの夫婦は子供を死なせていると言えます。もちろん両親を責めることは出来ません。過失といってもほんの僅か。しかし、その些細なミスで子供の命は失われる。親に必要なのは子供の命を守るための絶対的な使命感だと思う。何よりも、誰よりも、子の命を優先させること。必然的に命に順序が付けられます。廃駅崩落時の退避において、主人公はレスキュー隊員としては正しい判断をしました。ヘリからの救助を受ける際もそう。彼は我が子よりも怪我人を優先させようとした。レスキュー隊員の鑑だと思う。心から尊敬するが、親としてはどうなのでしょう。母親は訴える「救助を待っている家族はあなたたちに頼るしかないの」。ある隊員はつぶやく「女房子供を残して死ねるか」。指揮官は諭す「レスキューは全員が無事戻ってきて初めて成功なんだ」。どの想いも、どの考え方も間違っていません。でも全てを満足させるのは難しい。本作が出来の良い感動作ならば、素直に感動して終わりだったかもしれません。不出来だからこそ、本作が抱えるテーマの本質が浮き彫りにされているのだとしたら、下手な映画も悪くない。
[DVD(邦画)] 5点(2010-06-30 20:49:50)
18.  2012(2009) 《ネタバレ》 
崩壊する住宅街、巨大ビル群、そしてランドマークの数々。家が一戸つぶれても結構なインパクトなのに、それが連鎖するのですからもう大変。大海原に大陸プレートが引き込まれていく様など圧巻の一言。これほど見事に文明を壊すとは恐れ入りました。恐怖を通り越して、ある種の爽快感さえ感じる大崩壊劇でした。さらに素晴らしいのは、アクションに娯楽性が存分に加味されていること。車が行過ぎる傍から崩れ落ちていく道路。火山弾と爆煙を掻い潜り飛ぶ飛行機。アニメ等ではよく見かけるシーンですが、実写だと荒唐無稽過ぎて意外と敬遠されがち。実際リアリティなんてありません。でも徹底してそんな場面ばかりだと、これまた快感になってくる。もう何でもやっちゃって頂戴って感じ。自分の中の「想像の幅」が広がりました。これぞスペクタクル。これぞパニック映画。極めて正しいCGの使い方を見せていただきました。脚本は一貫してバカなのですが、悪いとは思いませんでした。助かるために必要な権力と財力が無い主人公は、人脈と運と必死さで勝負した。この世は不平等だけど、嘆いていても仕方が無い。死に物狂いで道が開けることもある。希望のある結末だったと思います。なお、個人的にはどうしても助けたいキャラが2人いました。一人はゴードン医師。主人公一家結束のダシに使われたのは可哀想。頑張った彼には助かって欲しかった。そしてもう一人、強烈キャラのロシア人大富豪。『エンジン・スタート』は笑撃の名台詞でした。彼もまた助かるに足る人間力の持ち主だったと思います。こういう映画は劇場で観なくてはダメだと痛感しました。満足度の高い映画でした。
[映画館(字幕)] 9点(2010-01-22 00:18:10)(良:1票)
19.  人間椅子(2006) 《ネタバレ》 
ディープでエログロな江戸川乱歩の世界。本作はその“エロス”の部分に焦点を当てた作品とのこと。曰く「エロティック乱歩」。確かに小沢真珠の下着姿は艶めかしかったです。でもそれだけでした。乱歩の世界が底無し沼だとしたら、本作は子供用ビニールプールくらい。物足りないです。宮地の収集癖も然り。一貫性も無いし、エロスも感じられません。やくみつるなら鼻で笑う。もっとディープに、変態チックでないと意味がありません。板尾とのベッドシーン省略もそう。別に濡れ場が見たいわけではありません。でも情事の痕跡を微塵も感じさせないのでは、流石に白けてしまう。乱れた髪、吐息、気だるい表情、滴る汗、情事を匂わせる演出はいくらでもあります。宮地を清純派アイドル路線で売る気なら理解もできますが、多分違いますよね。そもそも文才があるように見えませんし、ミスキャストだったと思います。誰向けにつくられたのかよく分かからないです。
[DVD(邦画)] 4点(2009-07-20 00:18:23)(良:1票)
20.  20世紀ノスタルジア 《ネタバレ》 
徹と杏を見ていると、いたたまれない気持ちになります。エーテル体?ニューロンばちばち?猛烈に恥ずかしいです。この感覚は、本サイトに投稿し始めた頃の自分の感想を読み直しても味わえます。布団を被ってジタバタしたくなる。過去の自分を正視するのは大変キツイ。文章でさえこの有様なのに、映像ならどれほど破壊力があることか。2人とも、あとで存分にジタバタしてくださいね(合掌)。自分の中に宇宙人がいるという徹。それは己が何者かを見極めようとするための足掻き。成長期にはありがちです。ただ彼の場合は、本気でヤバかったかもしれない。回るカメラは定まらぬ心を表すよう。徹は杏に救われました。杏の方は、ごく普通の女子高生。彼女は映画の編集作業を通じて飛躍的に成長します。映画を完成させるよう発破をかけた先生と親友、グッジョブです。先に書いたように、過去の自分の作品を見直すのは恥ずかしいものです。それは「客観」だから。主観でいるうちは楽ちんです。都合のいいフィルタもかかる。自己完結で済ませられる。でもそこから成長は望めません。第3者の立場で自己と向き合い、自分なりの結論を導き出した杏は立派でした。21世紀の朝日に向かうチュンセとポウセ。もう大丈夫です。カメラはブレません。今度は徹と杏で新しい物語を紡いでいく。痛い彼らは、かつての自分。苦いけど嫌じゃないです。テーマは響きましたが、物語の体を為していないため退屈します。広末じゃなければ、たぶん最後まで観ていません。彼女の眩しいほどの魅力で“持たせている”映画だと思います。もっとも自分は、広末以上に余貴美子の美貌に見とれました。オッサンですな。ヒロスエと余貴美子さまに+1点ずつ進呈させてください。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-07-08 18:28:33)(良:1票)
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