1. ノスフェラトゥ(1978)
《ネタバレ》 とても美しい映画。 サイレント映画の名作吸血鬼ノスフェラトゥのリメイクですが、ハリウッド監督ではなく、巨匠によるリメイクなので、芸術性あふれる素晴らしいものになっております。 巨匠がやると作品に奥行きと美しさがあります。 そして巨匠がホラーを撮ると、独特の恐怖感が絶妙のものになります。 ただオリジナルのノスフェラトゥの不吉過ぎる、非人間的な存在感に比べると、 こちらのノスフェラトゥはちょっと目がキラキラ輝いていて情熱的過ぎちゃうのかもしれません。歯がネズミ男みたいで間が抜けてるかもしれません。異様な存在感はありますが。 でもクラウスキンスキーという俳優はどうやら吸血鬼役を2回もやっている大ベテラン俳優だそうで、僕なんかが偉そうなこと言ってはいけないんですけどね。 ノスフェラトゥの喋り方がいい感じです。 息使いからノスフェラトゥの精神的にアブない感じが伝わる。 レンフィールドの高笑いも完全にイッておられます。 オリジナルとは趣の違う美しさがあります。 たとえば船で川を渡る場面はとても美しく幻想的です。雄大さを感じる自然があります。作品に巨匠らしいスケール感を感じます。 そういったものが幻想的な恐怖を演出します。 淡々とした音楽が不安な気持ちにさせます。 オープニングのミイラはとても恐ろしく、観てるほうが呪われそうです。ミイラ一体一体から言葉が聞こえてくるような迫力です。 (2009年の映画メモをもとにレビュー) [DVD(字幕)] 8点(2013-06-06 22:34:50) |
2. ノウイング
《ネタバレ》 けっこう面白かった。 でも、なんか救われない話。 最後のいくつかの場面は神秘的で美しいけど。 人類を再スタートさせるアダムとイヴはいいけど、 なぜ15歳程度の成年男女から選ばなかったのか?というところが少し疑問だった。 ま、どうでもいいけど。 しかしこれはアダムとイヴ願望ってやつですか? なんかうらやましい話ですね。 基本は未知を描いたSFですが、 オカルトやサスペンス、ファンタジーの要素もあります。 音楽のほうでも緊張感を煽るサイコのような曲があります。 CG映像はなかなか素晴らしく臨場感があります。 渋滞道路の何か起こりそうな緊迫感が良いです。 飛行機事故などの凄惨な場面が生々しいです。 地球滅亡パニックですが全世界を見渡すような描き方はしていません。 中盤から後半にかけて中だるみしたかもしれません。 父と子の手話の場面ですが、最後でその手話に込められた本当の意味を知ります。 ニコラス刑事のおもしろ画像ってみなさん知ってます? 頭の上に鳥がとまってるやつです。 あれ見てから、ニコラス刑事の頭の上には鳥がいるようにしか見えません。 この映画を見ててもそうでした。 (数字で運命づけられてく映画みたいだけど、そんな映画でいま自分のレビューがちょうど100人目ってのが心なしか嬉しい・・・) [DVD(字幕)] 6点(2012-06-07 00:37:26) |
3. ノートルダムの鐘
《ネタバレ》 10年前くらいに数回は観たのでレビューさせてください。 素晴らしいアニメです。内容は楽しくファンタジーで感動します。 ただ”せむし男”は怪人ではなく、彼に悪魔はありません。 なによりもイケメン風のサラサラヘアがなびくのは良くありません。 [DVD(吹替)] 6点(2012-03-21 23:22:39) |
4. ノートルダムの傴僂男(1939)
《ネタバレ》 (2007年映画メモをもとに) 様々な愛の形が交錯します。 様々な形で悪魔が顔を出します。 人々の裏側にある色んな形をした悪魔が表に出て渦巻いてます。 いったい誰が悪魔なのでしょうか。 クワシモドは見かけは悪魔のような怪物ですが、実は優しい心を持っているのかもしれません。 しかし最後では悪魔に取り憑かれてしまいました。 石を落としたり溶鉄を流したりする場面は悪魔としか思えない形相です。 エスメラルダはマリア様のように慈悲深く母性的であり、 司祭の弟はサディストの悪魔です。 そんな、クワシモドをとりまく聖母と悪魔です。 母性的な愛あり、異性的な愛あり、サディスティックな愛あり、 そんな中で揺り動かされます。 この映画の登場人物は愛と悪魔との瀬戸際にいて、最後に悪魔に身を滅ぼしてしまったものは死に、愛を手に入れた人は生き残る感じかもしれません。 クワシモドはグロテスクで迫力あり、非常に息詰まる圧迫感があって暗い雰囲気が怖いです。 怪奇映画としてしっかりしてます。スケールも大きいです。 ディズニーの”ノートルダムの鐘”に最も視覚的な影響を与えてます。 [DVD(字幕)] 7点(2012-03-21 03:18:49) |
5. ノートルダムのせむし男(1923)
《ネタバレ》 (2008年映画メモより) せむし男がとても良い演技をしていた。 エスメラルダが美人だった。 教会建築がモノクロ映像の中で巨大に美しい。 音楽がとても心地よい。 [DVD(字幕)] 7点(2012-03-21 03:05:52) |
6. NOEL ノエル(2004)
《ネタバレ》 そっと寄り添うこと。誰かと。 誰であれその人にとっての幸せであるべきだ(お互いが幸せであるために)。 その人にとっての幸せを見つけるときがやがては来る(他人からの束縛や干渉、依存の及ばないところで)。 ささやかでも幸せになって欲しいと思う。 クリスマス映画を見てよく思うのは、 目に見えるサンタはいないが、 目に見えないサンタはいて、目には見えないささやかな贈りものをみんなにくれるのだと思う。 ロビン・ウィリアムスの笑顔は命中率100%!!あの顔芸はズルい!凄いよね。参っちゃうよね! [DVD(字幕)] 7点(2010-12-26 01:12:08) |
7. 呪い村436
《ネタバレ》 閉鎖的な村というのは非常に恐ろしい。 伝統というのがときに牙をむく。 人々が巨大なバケモノの仕組みとなって見事に役割を果たす。 伝統やしきたりなんてものは人を喰うためにあるんだ。 人の魂を喰ってバケモノはより力を増して大きくなってゆくのだろう。 [DVD(字幕)] 4点(2010-12-22 03:35:36) |
8. ノスタルジア
《ネタバレ》 タイトルが魅力的なこの作品。 タルコフスキーの作品は、全ての内容を完璧に理解することはとてもできないけれど、 しかし、その映像の美しさは心の奥で印象に残る。 その美しさのひとつは「水」や「炎」「風」「緑」といったエレメントを 生き生きと描き出しているからかだと思います。 それらがまるで生きているかの様に不思議な力を放っている。 特に、水の透明さが素晴らしく、その向こうに見える藻や石像などがとても奇麗で神秘的に映し出されている。 石畳の建物(そこに様々な形をした窓や階段など)がとてもいい雰囲気を出している。 ガラスの繊細さも奇麗に描かれていて、 水の入った色とりどりのビンが所々に配置されていて奇麗だ。 水浸しの建物で、その水面を背景にして、 本が燃えているシーンなんて、とても不思議な美しさがあると思う。 温泉も印象に残る。「温泉のお湯」は、「冷たい水」とは少し違ったものとして表現されていてそれが面白いと思いました。 「水」は透き通っていて透明感があるけど、 「お湯」には臭いがあり、湯気が立ちのぼり、不透明に濁っていて、しかしとても暖かさがある。また、この「湯気」が独特の生命感をはなっている。 演説を聞いている人々は静止していて、バラバラに配置されているみたいだけど、 それが何故か全体的にバランスが保たれていて統一感がある。それが独特の静かな雰囲気を放っている。これがまた美しい。 最後の巨大な教会(あれはどうなってるの?)も、圧倒されるほどの神々しさだった。 この巨大感、この世離れした雰囲気、この崇高さ、 大袈裟過ぎかもしれませんが、(この場面の一瞬だけ)もう人知を超越しているように思う。 [DVD(字幕)] 9点(2007-12-04 02:42:52) |