21. お早よう
《ネタバレ》 最近テレビでやっている騒音女のことじゃないですけど、やっぱり挨拶って必要ですね。ちょっとした誤解が騒動の発展にも成りかねない。テレビや洗濯機、インターネットとあらゆる物が当たり前のように備わっている現代の我々の生活を、果たして幸福と取るか恵まれすぎていると取るかは難しいところです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-06-29 17:19:14) |
22. 王と鳥
ビデオのパッケージ写真をパッと見た限りでは「ディズニーみたいなのかな?」と思っていたのですが、実際に観てみると全く違うタイプのものだということが分かりました。鳥を含めた登場人物のしなやかな動きに、フランス語の滑らかなアクセントが相まって極上のハーモニーを生み出しています。特にあのいやらしいまでの王様のキャラクターは悪役ながらも秀逸!他に類を見ないどこまでも聳え立つ城の立体表現(何となく『クレヨンしんちゃん/ヘンダーランドの大冒険』を思い出しましたが)、そして中盤から突如として登場する巨大ロボットの件もスペクタクルに満ち溢れています。一部ライオンのシーンが微妙にクオリティが低下しているような気もしますが、そんな些細なことなど気にならなくなるほどのフレンチ・アニメーションの傑作です。余談:現在『やぶにらみの暴君』をビデオやテレビなどで観られる機会はあるのでしょうか? [ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-29 11:37:29) |
23. オールド・ボーイ(2003)
《ネタバレ》 復讐が復讐を呼ぶ、まるで御伽噺ですね。前半は開放されたばかりのオ・デスの奇妙な言動がコミカルで面白く、生きた蛸をそのまま頬張るシーンはグロテスクでありながらもユーモラスでした。アクションシーンもまるで二次元の格闘ゲームのようでパク・チャヌク監督のビジュアルセンスの良さを感じます。そんな訳で最初から最後までインパクトの強い作品であることは確かですが、一日経ったら「結局あれは何だったんだ?」という感じですっかり興奮が醒めてしまったので7点です。観た直後だったら間違いなく8点でしょう。それから思っていたより痛いシーンが多いですね、同時期に観た『SAW』よりも辛かったです。しかし毎度の事ながらこれをわざわざハリウッドでリメイクしなければならない必然性が分かりません、このままで十分傑作でしょうに。 [DVD(字幕)] 7点(2005-04-02 10:33:56) |
24. 男と女の詩
《ネタバレ》 オープニング、映画が始まったかと思ったら実はそれは刑務所での上映会で、突如男が銃を振り回したかと思えば…と冒頭から二重のサプライズが仕組まれています。それもまだまだほんの序の口と言わんばかりに、ハリウッドもびっくりの特殊メイクや後になってからようやく「そうだったのか」と気付くシーンが屡々。宝石店の襲撃シーンも見応えがあり、リノ・バンチュラのアンニュイな表情にも痺れました。しかし実はオープニングに流れていた映画こそがクロード・ルルーシュの『男と女』であり、これをまだ観ていない自分にとってはそれが吉と出たのか凶と出たのか分かりません(汗)。 8点(2005-03-18 19:57:45) |
25. 大通りの店
《ネタバレ》 ラスト数十分間がひたすら凄い。恐怖によって打ちのめされる主人公、あらゆる感情が入り混じっている。そこから生まれる葛藤と凄まじいまでの緊張感。しかしそれ以上に凄いのが肝の据わったおばあちゃんこと、イダ・カミンスカの迫真の演技。カンヌでの特別賞受賞、アカデミーの主演女優賞ノミネートも当然でしょう。ラストシーンの幻想性も忘れ難い。 8点(2005-02-23 16:41:14) |
26. 女だけの都
《ネタバレ》 これは『女だけの都』だからこそ皆が観るのであって、逆に『男だけの都』とかそんなむさ苦しいタイトルだったら誰も観ないでしょうな(どうでも良い)。何はともあれ最後は臆病者の夫に花を持たせてあげた奥さんはあっぱれ!まさしく「男が観るべきではない映画」です。 8点(2005-02-05 19:32:37) |
27. 王将(1948)
《ネタバレ》 良い映画だけど最後の泣かせ所がちょっとクドすぎる、なんて思ってしまうのは心が病んでいる証拠でしょうか?とか思っていたらまさかこれが実話だったとは…完全に参りました。最初はまるでアル中の映画みたいだったけど、後半の対局シーンは今にも居合でも始めそうなくらい凄まじい緊張感があった。ところで僕は八尾の朝吉さん以上に 将棋のルールもロクに知らない人間ですが、真の名画とはたとえ観客がそれを知らなくても楽しめるものだと思います。なのでやっぱりこれは良い映画です!(何やねん)。 7点(2004-12-29 00:32:10) |
28. 鬼
《ネタバレ》 これは今までに見たどんな短編アニメよりもインパクトのある一本でした。「長く生きながらえた者は鬼になる」という意味深な言葉から、鬼になってしまった母親とその息子たちが繰り広げる壮絶な不条理の物語。弓を射る時の人形の勇ましさ、鬼の形相の恐ろしさと言ったらとても作り物とは思えない迫力。どこかコミカルな猟師兄弟の動きもユーモラスで、雰囲気を盛り上げる三味線の音楽も秀逸です。 [映画館(字幕)] 10点(2004-12-26 20:30:30) |
29. 大いなる河の流れ
まさに教育映画という表現がぴったり。色鉛筆(プリズマカラー)だけで描かれたイルカやセイウチ、小魚などの無数の生物が戯れる海の中の映像は驚異的。最先端の技術を用いた「ファインディング・ニモ」に負けるとも劣らない。CGなどでは決して出すことのできない、手描きならではの素朴で繊細な筆致で魅せてくれる。しかし一方の物語はかなり残酷なもので、人間のエゴイズムによって切り裂かれていく自然の様子を監督独自の辛辣なタッチで綴る。もう取り戻すことの出来ない…いや、今からでもまだ間に合う!と言うようなフレデリック・バックの人類に対する戒めの念を感じる。 7点(2004-11-14 20:09:55)(良:1票) |
30. オテサーネク 妄想の子供
《ネタバレ》 これは「イレイザーヘッド」や「ローズマリーの赤ちゃん」よりも怖い。泣き声を上げて暴れまわるオテサーネクの形相はこの上なくグロテスクなのですが、それでもどこか無邪気なオティークには愛着を感じてしまいます。・・・変態なんでしょうねぇ(苦笑)、ラストもお婆さんにやられたと分かってちょっと悲しかったし。映画の中のCMまでコマ撮りという、ヤン監督のこだわりが良いです。 8点(2004-09-04 11:47:17) |
31. 大いなる幻影(1937)
《ネタバレ》 『大いなる幻影』いかにも名作中の名作というイメージがあって、観るのを少々渋っていたのだけど凄く面白かった。捕虜という身分にも関わらず、勝手自由気ままな生活を送る将校たち。歌を歌いながら陽気な気分に浸り、時には女の格好をして舞台劇を演じることもあれば、まるで子供のようにはしゃいで雪遊びに没頭したりもする。これは本当に戦争なのだろうか?と思わせられる前半に、脱走してからの後半で「ああ、やっぱりこれは戦争なんだ・・・」と現実に引き戻される。戦争自体が人々を惑わす”大いなる幻影”なのだと、僕は思いました。 8点(2004-05-10 16:21:42)(良:1票) |
32. 汚名
ケイリー・グラントとイングリッド・バーグマンのキスシーンだけで、ご飯三杯はいける。 8点(2004-05-08 11:50:01)(笑:1票) |
33. オール・ザット・ジャズ
死までをもエンターテイメントにしてしまうとは・・・、さすがミュージカルの神様はやることが格別です。 6点(2004-01-27 21:29:12) |