2. おかあさん(1952)
珠玉の作品とはまさにこれのことでしょう。この映画で描かれている下町の風景や家族の日常は、懐かしさを通り越して、すでににどこかアジアの外国映画を見ているような感覚にさえ襲われた。しかし、この人々の素朴さや美しさは紛れもなく、半世紀ほど前の日本人の姿である。時代が変われば、人の価値観や生き方も変わるのは当然だが、失ってしまったものを愛惜するような、心の琴線に触れる大事なモノに出会ったというべきだろうか。家族の情愛というのは人類共通で、日本語がよく分からない外国人も、目に涙を溜めてこの映画を見ていた。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2006-02-19 08:27:41)(良:1票) |