1. オール・アバウト・マイ・マザー
もう25年前の映画なんですね~これ。当時評価がえらく高かったので、封切後かなり経ってから早稲田松竹で観ました。鑑賞後素直に、ああ、広い世界、いろんな事情を抱えた、いろんな人が、まぎれもなく生きてるんだなぁって清々しい気持ちに。映画の中身自体は結構ドロドロしてたはずなのに。三十路に入るか入らないかくらいの時期この映画を観た事で、人間の多様性というか側面というか、一見フツ―に見えてフツ―に暮らしている人のそれぞれの「人生」の在り方を認識出来て良かったと思います。ちなみに同監督の「トーク・トゥ・ハー」「ボルベール(帰郷)」を観た後にも自分は同じような感想を持ちました。 [映画館(字幕)] 8点(2024-01-10 08:26:36) |
2. オクラホマ・キッド
延々と続く荒原追跡シーンが、フィルムを1.5倍くらいコマ送りさせたような動きで面白かったです。これは公開当時は受けたでしょう。「敏捷短躯」という単語をそのまま身体全体で表現してるような、ジェームズ・ギャグニー氏の魅力全開な、サクサクとハナシが進む肩の凝らない娯楽ウエスタン。準主役悪役時代のボガート氏は例によって例のごとし。よくこれでハードボイルドヒーローに昇格できたもんだと改めてしみじみ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-09-12 09:12:49)(良:2票) |
3. 女の香り
《ネタバレ》 ロバート・アルドリッチって不思議な監督ですよね。『飛べ!フェニックス』『特攻大作戦』あたりの、男臭いアクション映画が本流かと思いきや、『何がジェーンに~』や『ふるえて眠れ』みたいな、女性のグロテスクな部分を暴き出す作品があったり。私は後者の作品群から入っていったので、この怪作にも全く違和感はなかったです。ハリウッドの内幕を描いたにしては、素材的に少々甘く辛辣さにも欠けるけれど、粘着質で押しの強い演出のおかげで最後までグイグイ引っ張られながら鑑賞できました。一人二役を演じるヒロインキム・ノヴァクはもともと芝居があまり上手くない女優さん。全盛期はミステリアスな雰囲気と美貌だけで乗り切った感があるけど、この時期になると、その魅力自体かなり減退傾向気味。我の強い部分だけが残ってしまった印象。脂ぎったP・フィンチ、E・ボーグナイン、G・ケネディと、アルドリッチ組常連の男優陣も皆それぞれに暑っ苦しい。実在の人物を模したと思しき毒舌コラムニストを絡めた、新スターお披露目パーティシーンが一番面白かった。やたらゴテゴテギラギラした衣装やセットも、60年代後半映画特有の俗悪趣味全開。怪作ではあるけれど、ある種突き抜けたキッチュな部分があり、どこか憎めなくて低評価を与えたくないと思わせるヘンテコな吸引力がある作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2022-08-20 00:04:45) |
4. オーケストラの少女
『ザッツ・エンターテインメント』(9点)でジュディ・ガーランドとディアナ・ダービン、当時の天才少女シンガーお二人の、MGM社との契約の顛末がライザ・ミネリから語られていましたね。確かにこのディアナ・ダ-ビンという少女、かなりアクが強いジュディよりも、一見万人受けするフェアで可憐な美しさ、口を開けば歌声もソプラノが上手くて耳に心地よい。ただ、ココロの奥に引っ掛からないというか、フックが足りないというか、後々まで引きずられるような魅力には欠けるような気が。それが今となっては映画史的に、この「オーケストラの少女」唯一作でしか、語られなくなった原因ではないかと思うんですが・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2021-05-11 21:04:05) |
5. 男の敵
《ネタバレ》 全編にわたり霧がたちこめているように、画面がモヤモヤしているのはセットに予算を掛けられなったのが原因との事(←DVDパッケージの作品紹介より)点数が少々低めなのは、タイミングが悪い事に、この映画を「邪魔者は殺せ」(8点)の直後に鑑賞してしまった為。どちらもアイルランド共和軍紛争が背景に存在し、男が一晩中街中をあちこち彷徨うストーリー。置かれた状況設定も、追われる対象も目的も全く異なるけれども「邪魔者~」がJ・メイスンの名演と相まって非常に格調高い作品という印象に対して、こちらは少々格が落ちるという印象を持ってしまいました。「豪快で大らかなユーモア、アイルランド人的気質」これ、ジョン・フォード監督作品を語る際、必ず出てくるワードかと思います。でもそれが時として場面として表現された時に、どうも自分とは肌が合わないと感じる事があるんですよね。何故なのか理由はわかりませんが・・・。大酒飲みで無頓着極まりないV・マクラグレンの、愛すべき憎めないキャラクターは好きです。 [DVD(字幕)] 6点(2021-04-29 09:17:53) |
6. 黄金(1948)
これは大画面のスクリーンでこそ観たかった映画。DVDでの鑑賞だと、メキシコシェラマドレの地面やゴツゴツした岩肌から立ち昇るギラギラした熱気や臭気、それによって引き起こされる主要人物三人のジリジリジリジリした焦燥感や葛藤がストレートに伝わってこない。もちろんヒューストンの演出が巧みなので伝わってはくるんですが、それは約二割ほど割引された状態で稀薄になってしまってるような。「カサブランカ」以前のボガートは、悪役が多かったって事ですが、その頃の様子が大体どんなだったかはこの映画で確認できます。よって、これは鑑賞状態がDVDだったが故の採点です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-03-14 08:21:52) |
7. 男はつらいよ お帰り 寅さん
《ネタバレ》 まず、最初にお断りしておきます。48作目「寅次郎紅の花」(9点)でも書いていますが、僕は元気のない寅さんはあんまり見たくないっていう主義の人間なので、41作目の「ぼくの伯父さん」から、47作目「拝啓車寅次郎様」までの、寅さん自身の恋物語より満男のエピソードが幅を利かせるようになったらしいシリーズ晩期の作品群、自分は未見です。従って満男君と泉ちゃんの初恋の顛末についてとか、全くの白紙状態でこの新作を観ました。晩期の作品群に思い入れがあるのとないのとでは、この作品の評価はおそらく違ってくるかと思います。後年の半生を寅次郎に生き寅次郎に殉じた、偉大なる役者渥美清さんを失ったこの令和の世に、「男はつらいよ」の新作をこしらえるっていったら「ハイビスカスの花・特別編」的なお茶の濁し方や、過去の名シーンを絡めつつ、今のさくらや満男の日常を描く作り方をするしかないのかなあと、観る前から思ってたけど・・・。実際その通りだったけど・・・、う~ん・・・でも、やっぱりツラいなあ、淋しいなあ・・・この作り方は。「AI寅さん」みたいな登場のさせかたじゃないのはまだ良かったけど。今のニッポンに何が足りないかっていうと、寅さんの男気が足りない!って常々思っている自分ですが、この新作を観た事で却ってますます寅さんロスに陥ってしまいそうです。寅さんについて語っているみんなの会話が「過去形」じゃないって事は、物語の中では寅さんはまだ元気に日本のどこかで、テキヤ稼業で旅回りしているっていう設定なんですよね?だったらそれを生かしてもう少し違ったストーリー展開に出来たのでは?もちろん姿を実際に画面上見せる事は出来ないけれど、本当に何十年ぶりかに、寅さんが柴又に戻ってくるっていう、毎度毎度のお約束をオハナシの前提に据えた方がまだ良かったのでは?その上で、今回のエピソードを絡めたひと悶着があって、最後は全員で(おいちゃんやおばちゃんタコ社長御前様も登場させて)とらやの店先でタイトル通りに(以下シナリオ風→)一同、出迎える「(笑顔で)お帰り!寅さん!!」さくら「お帰りなさい、お兄ちゃん!」寅さん「よお、さくら!!おいちゃんおばちゃんヒロシも達者か?どうしたい、満男!深刻そうな顔して。ははあ、お前、また恋の悩みだな。結構結構、結構毛だらけ猫灰だらけってか!ははははは!」寅さんの満面の笑みに、澄んだ冬の青い空が重なって・・・。それがジ・エンドのラストカット。こんなカラッとした陽気なラストであってほしかった。最後までずっとウジウジメソメソしてるなんて、断じて寅さん映画らしくない!!寅さんが好きで好きで大好きだからこそ、僕は敢えてこの新作はこの評価にさせていただきます。 [映画館(邦画)] 5点(2020-01-13 09:57:48)(良:3票) |
8. 踊る海賊
《ネタバレ》 ジーン・ケリーとジュディ・ガーランドご両人の大ファンとしては、数少ない共演作の中では最もポピュラーな大作という事で、ずっと昔っから観たかった映画です。DVD化してくれたジュネス企画さんに感謝!正直『ザッツ・エンターテイメント』シリーズで、ほとんどこの映画のナンバーは収録されてなかった事から、それほどミュージカル映画としての評価は良くないんじゃないのか・・・と不安に思ってはいたんですが・・・。まあまあ、それなりでした(笑)佳作と呼ぶには今一歩。でもお二人のファンの方なら十分楽しめるはず。この映画が製作された40年代後半あたり、まだMGMとしても色々試行錯誤の時期だったんじゃないのかなあ・・・という箇所があちらこちらに。勢いだけはとにかくすごいけれど、どこか雑で隙のあるこの作品あたりから、50年代の洗練されたアーサー・フリード氏製作一連の秀作作品群「雨に唄えば」「バンド・ワゴン」「巴里のアメリカ人」へと昇華到達していったんだなあ・・・と、改めてミュージカル映画史の後付け学習した気分。ジーン・ケリーは、チョビ髭も海賊衣装メイクもそれほど似合わない。逆に、ジュディのコメディ演技のセンスが最も巧く発揮されたのはこの映画なのでは?「雨に唄えば」でも大好きなナンバーだった「道化師になろう!」が、このお二人のデュエットで鑑賞できたのが一番の収穫! [DVD(字幕)] 7点(2018-10-15 21:37:13)(良:2票) |
9. 女
後年の大傑作『女の園』後半での、怒涛の如く画面からマグマが溢れ流れ出るようなクライマックスの原型が既にこの作品にあった事に瞠目。若き日の木下恵介の才能が熱海の街を巻き込んだ大火事シーンにほとばしる! [ビデオ(邦画)] 6点(2016-09-08 23:21:13) |
10. オン・ザ・ロード(2012)
《ネタバレ》 大好きな映画だった「セントラル・ステーション」「モーターサイクル・ダイアリーズ」を撮った監督の、ロードムーヴィー最新作という事で観ました。前二作品より、ずっと若い世代を扱った作品とのことで、もしやもしや、高校生の時にリアルタイムで観た、自分の生涯ナンバーワンロードムーヴィー「ファンダンゴ」(文句なしの10点満点!!)を超える作品に出会えるんじゃないかっていう、淡い淡い期待を込め映画館へ・・・。ガーーーーーーーーーン!!!!思ってたのと全ッ然違ってた(笑)ショックデカい・・・。いや、こういう予想って、今までも当たったためしがないから別にいいんですが。ジャンキーでセックスマニア(←これはまあ許す)しかも、超自分本位な奴らしか登場してこない、最初からラストまで、アメリカ国内のみならず、メキシコまでわざわざ行っても、高等遊民を気取っているかのような主人公のココロの成長もたいして見られないという(少なくとも僕にはそう思えた)一風変わったロードムーヴィーでした。こいつら、いつか絶対天罰が下るわ~と思いながら観てたら、赤痢に罹ったくらい。あんなんじゃ甘いなあ・・・。まあ、そういう自伝原作のエピソードなら文句は言えんけど。わざと、登場人物たちに、観客が感情移入するのを拒んでいるかのような、開き直りっぷりを途中から感じました。そこからが逆に面白かった。第二次大戦後直後から、1950年代初頭にかけての物語でありながら、時代色があまり出ていないような気がしましたね。特に女の子のファッションとか。時たま街頭テレビで映るニュース映像で、辛うじて説明を済ませていたような感じ。それを外したら、この2013年でも充分通用するような雰囲気。でも、たった4年くらいの物語なんですよね、これ。ミスキャストとまでは言わないけど、主人公が惹かれるようなカリスマ性がイマイチ薄い悪童ディーン君にせよ、まだ二十代半ばくらいのはず。まだまだやり直しは出来る年齢。以上、主人公たちにはてんで共感出来んかったけど、この監督の作品らしく、風景は素晴らしかったのでこの点数。 [映画館(字幕)] 6点(2013-10-03 11:52:20) |
11. 奥さまは魔女(2005)
オリジナルのテレビドラマにきちんと敬意を払っている点にまず好感が持てましたね。ノーラ・エフロン女史の映画は、いつもの事ながら大人のおとぎ話を実にウェルメイドな語り口でこしらえているので安心して観られます。ニコールの美しさはあまりに理が勝りすぎている容貌なので、これが例えば・・・出てるから言う訳じゃないけど、若い頃のシャーリー・マクレーンがヒロインだったらもっと愉しめる映画になっただろうなあと・・・。んでもって馬面ディーン・マーティンあたりが相手役だったら更に可笑しさ倍増。 [地上波(吹替)] 6点(2012-11-05 23:21:58) |
12. オーバー・ザ・トップ
「ロッキー」「ランボー」以来の、日本でのスタローン神話が通用してた後期の映画だと思います。確かにこの時期あたりまでは「スタローン主演」というだけで、どんな映画でもかなりのビッグヒットを記録していたような記憶が。特に田舎では。内容自体は、ホント素直な作りでストレートな親子の絆感動もの。スライ版「チャンプ」。こっちが高校生になって物事を何でも斜に構えて観るようになったせいか、強烈にこっちに迫ってくる感銘は薄かった。逆に今の年齢で改めて観た方がうるうる感動するかもなあ・・・。 「ロッキー」の第一作、ファイナルを除けばスライの映画では一番出来がいいって言うのは褒め過ぎ?(笑) [映画館(字幕)] 7点(2012-03-10 11:01:25) |
13. おいしい結婚
小津映画によく出て来る(「秋日和」「彼岸花」とか)小料理屋さんでやたら飲んじゃあ食っちゃあして、だべる事しか能がない何の仕事してるかわからんけど、それなりに社会的地位やお金もありそうな中年男たちっていましたよねえ。んで、彼らの憧れの年増未亡人ヒロインが原節子だったりする・・・。この映画はそれを平成風にリメイクし直したような映画だと思いました。ハイ、もちろん精一杯の褒め言葉です・・・(汗)やたら理由もなくチヤホヤされまくる原節子のポジションが、当時好感度女優ナンバーワンで押しも押されぬ国民的女優だった三田佳子。巧く作ればそれなりの映画になったような気がするんですが・・・。中年男グループも含め、なんだが皆さん幼児性丸出しで、ゲンナリしてしまった記憶が。おかげでお目当てだった斉藤&唐沢の若手カップルの印象が極めて薄くなる結果に。森田監督のフィルモグラフィーの中ではこれは凡作の一つだと思います。 [映画館(邦画)] 4点(2012-02-04 18:45:15) |
14. おかしな二人
《ネタバレ》 「それほどおかしくもない二人」でした。とにかく華!華!!華が足りない~!!!中盤から双子の姉妹とか顔は出しているけど、たいして魅力的ってわけでもないし。ジャック・レモンって、チャーミングな女優さんが脇にいてこそ、彼の個性がより際立つ男優さんなんですよね。(「媚薬」「アパ鍵」「お熱いのがお好き」「海の荒くれ」等しかり)ケーリー・グラントとほぼ同じカテゴリーの男優さんと言ったらいいか。確か師匠のビリー・ワイルダー監督が、「ジャックは目も覚めるような美人が前を通り過ぎた後、もう一度ちゃんと観ようと視線を向ける眼の演技が天下一品!」って発言を残していたような。むつけき男同士二人の台詞のやり取りを室内のみで一時間半以上持たせるのは、やっぱり難しいって事かなあ・・・と。当時だったらジェーン・フォンダとか、最高に相性の良いシャーリー・マクレーンが出てたらもっと楽しい映画になったかもしれません。結局僕は美人がわらわら出てくる映画が本質的に好きなのかもしれません・・・(汗) [DVD(字幕)] 6点(2012-01-18 13:33:46) |
15. お茶漬の味
《ネタバレ》 木暮実千代みたいな、艶っぽい女優さんをヒロインに起用するのは、小津監督は不得手だったんじゃないかなあ・・・とつい推察してみたりする。「晩春」の月丘夢路を観た時にも、実はそう思ったんだけど。上流階級の方って、生活の保障がされていてお金の心配がないから、庶民から見たらいらん事をあれこれ考えて、物事をあれこれ複雑にしてしまう悪癖があるんでしょうね、きっと。本筋の佐分利&木暮の倦怠期夫婦コンビの話より、脇役の行動的な若い二人(鶴田浩二&津島恵子)が、あちこちパチンコ屋やら野球場や競馬場、ラーメン屋なんか巡る、当時の東京のデート(?)定番コース風景が楽しかったですね。ええとこのお嬢さんが、精一杯悪ぶってます感ありありの津島さんが実に可愛らしかった。 [DVD(字幕)] 7点(2011-08-21 12:34:23) |
16. 男はつらいよ 幸福の青い鳥
《ネタバレ》 自分、ほんっとに長渕苦手なんです・・・(←力説したいくらい)テレビに出てきたら即チャンネルを変えたくなる、数少ないアーティストの一人。偏愛しているこのシリーズのうち、長いことこの作品にどうしても手を出せなかったのはそれが原因。長渕アレルギーと長年の寅さん思慕を秤にかけたら・・・まあ当然のごとく寅さんが圧勝なわけで(笑)まだこの時期は「長渕俺様度数」30%くらいしか発揮(?)していないようだったんで、鑑賞強制終了するほどの嫌悪感はなかったです。当時の痩せ長淵って、なんとなくロンブー淳にキャラも外見もかぶっとりましたね。もともと「寅次郎頑張れ!」あたりからはじまる、寅さん恋愛指南シリーズってそんなに面白くないんですよ。ここでももう寅さんってば、はなっから恋愛感情放棄保護者宣言しちゃってるようなもんだし。まあ私のこのシリーズ最低ライン「恋愛塾」よりは若干上かなという程度の評価。寅さんが中華屋のおかもち下げて、のうのうととらやの前を通り過ぎるシーン、久々の大爆笑でした。それにしても、かえすがえすも志穂美悦子の女優戦線途中離脱が惜しまれる・・・。あのままずっと活動を続けていたら、いい女優になっただろうになあ・・・アクションまでこなせる大きな可能性を持った大器だったのに。あ、これも潜在的に長渕が嫌いだった理由のひとつだったのかも。 [DVD(字幕)] 5点(2011-05-25 11:50:48)(笑:1票) (良:2票) |
17. 男はつらいよ 寅次郎紙風船
「男はつらいよ」フリークの皆様、ご無沙汰しております。久しぶりの寅さん映画のレビューです。初期の頃はともかく、松竹のドル箱シリーズになってからの寅さんは、年に二回、恒例夏とお正月の公開になってました。名付けて「夏シリーズ」と「冬シリーズ」。それぞれ好みはあるかもしれないけれど、自分は断然「寅さん夏シリーズ」に好きな作品が多いです。リリー三部作は全部夏だし、好きな「浪花の恋」「夕焼け小焼け」もそう。あ、でも八千草薫さんの「夢枕」は冬かあ・・・。やっぱ一概には言えないのが、このシリーズの奥深いところ。でも全体的に夏作品の方が、寅さんの旅先での行動にも動きがあって楽しいんですよね。夏祭りで、手ぬぐいで汗を拭き拭きテキ屋の口上を述べる寅さんの「一幅の画」も理屈じゃなくてとにかく好き。さてさてこの冬作品は・・・ちょっと一抹の物寂しさが漂ってます。岸本加代子のフーテン娘が場の賑やかしを担当しているものの、肝心のマドンナが地味生真面目系の音無さんなので、なかなか会話も弾みづらい。彼女がタバコを吸う事自体は、そんなに僕は気になりませんでした。実際テキ屋の女房ってあんな感じなのかなって思ったり。冬の寒さが身にしみるような展開で、特に好きな作品とは呼べないけど、まあシリーズ中では標準作かなと。 [DVD(邦画)] 6点(2010-11-27 11:31:18) |
18. 俺たちは天使じゃない(1955)
昔「俺たちは天使だ!」って探偵ドラマがあったんですが、もともとはこの映画がタイトルの由来だったんでしょうか?小洒落てて、主題歌も含め(『どうせ一度の人生さ~運が悪けりゃ死ぬだけさ~死ぬだけさ~♪』←今だに時たま口ずさむ)ガキの頃、再放送で観て以来大好きだったんですが。実は自分、有名どころの俳優さんで、良さがイマイチわからかったのが主役のハンフリー・ボガート氏、でもこの映画での彼のユーモラスな役柄が意外にも好きで、いつものただスカしてるだけのカッコつけてる役なんかより、ずっといいと思うんですよね。この映画をコメディと呼ぶには、いささかおっとりしすぎてて緩急の付け具合も悪いし、後半の毒蛇のエピソードとかも頭をひねってしまうんですが、長年の「ボギーアレルギー」を克服させてくれた作品という事でこの点数。 [地上波(字幕)] 6点(2010-09-01 11:11:41) |
19. 女は二度生まれる
《ネタバレ》 初期の頃はともかく、いつも何かを企んでほくそ笑んでいる悪女的役柄が多い若尾文子としてはこんな表裏のない天衣無縫な女性の役は珍しく、それが逆に新鮮でとにかく魅力的でしたね。↓でも述べられてる方がいますが、同じ水商売の女性をヒロインにした、同年池内淳子主演川島作品「花影」(5点)より遥かに出来が良い。彼女に筆下ろし?をさせてもらった童貞少年君は、おそらく日本映画の中でも一番の果報者かと(笑)芸者置屋を舞台にした映画だと、成瀬の「流れる」を思い出しましたが、柳橋と九段という場所柄の違いで芸者の生態?がこうも違うのかと興味深かったです。美人なのに貞操観念が割と希薄でガードが甘い女性っていうのは、男性諸氏ににとってはユートピアでしょうね。若尾文子という類まれな魅力を持つ女優に乾杯!もとい、完敗!いや、もうどっちでもいいや・・・。 [DVD(邦画)] 8点(2010-03-27 11:20:47)(良:2票) |
20. 俺っちのウエディング
ああ~、これ、めっちゃ懐かしいタイトル・・・。この作品の次に薬師丸ひろ子の「探偵物語」を監督し、現在もご活躍中の根岸吉太郎監督作品。確かに、今なら2時間ドラマでも充分なオナハシ。サスペンスなのかコメディなのか、どっちつかずの中途半端な内容。今とは「婚前交渉」の価値観が異なっていたから、映画としてこういう話が成り立ったのかもしれませんね。でもこの時期って、主役三人時任三郎、今や女芸能人雑学王宮崎美子、ソフトバンク美保純も、上昇気流に乗っていて、みんなホント溌剌と輝いていた頃なんですよ。特にこれと「ふぞろい1」の頃のワイルド時任氏のまるでネアンデルタール人みたいな髪型に、当時ボーズ頭の自分何故かメチャクチャ憧れていたんで・・・。悪い点数は付けたくありません。波に乗ってる役者を起用すると、たいした内容の作品じゃなくてもつい評価を底上げしてしまいたくなる、僕にとってこれは典型のような映画。 [地上波(邦画)] 5点(2009-11-08 10:25:52) |