1. おばあちゃんの思い出
最近のドラえもん映画は本編より「おまけ」のほうがずっと優秀なのはどういうことだ? [地上波(邦画)] 8点(2005-10-28 19:52:26) |
2. オーシャンと十一人の仲間
《ネタバレ》 それなりに楽しめました。オープニングの展開は確かにダルいけど、計画に加わる人々が皆深刻な問題を抱えながら参加する設定はよかったと思います。残念な事にカジノのシステム自体が手薄な上、キャラ描写もオリジナル同様浅いのですが、やっぱり計画がばれてからの展開が面白かったです。あとあのラストは個人的にダメでした。60年代の犯罪映画はハッピーエンドを許さなかったのかもしれませんが(「現金に体を張れ」も同様につまらないラストだった)、デュークがリメイクのベネディクト以上に憎らしい役だったので、どうやって彼を欺いてカタルシスを得させてくれるのかと期待していたのですが、裏切られました。ただ、全員そろって歩いているラストはよかったですけど。 [地上波(字幕)] 6点(2005-01-23 15:09:23) |
3. 狼たちの午後
《ネタバレ》 人間的過ぎる銀行強盗たちを主役に強烈な社会風刺の効いた傑作。実話の方もテレビを見て知っていたのですが、最初に守衛が解放されたり、糖尿病の人質がいたりするところが結構忠実で、こちらはとことん警察をコケにしていて痛快でした。題材はつまり犯罪とは何かということ。警官たちはソニーたちが何者なのかという事より彼らを逮捕するか、銃殺する事を念頭においています。しかし、人間的な主人公と人質の間に奇妙な友情が芽生えます。そんな彼らを民衆はヒーロー扱いし、ついには警察も手を出しにくい状況へ。ここら辺の警察の惨めさがかなり痛快です。そして、ラストで逮捕されてしまった主人公たちに事実を知っていてもやっぱり同情してしまいました。このラストが映画の最大のテーマを伝える素晴らしいラストでした。普段私たちは彼らを見ていても「まぁ、罪を犯したんだし、仕方ないな」と思うところですが、そんな単純な考えでいいのでしょうか。法律は悪人だけを罰するものではないという事をしみじみ実感させられました。正直、逮捕されたあとのソニーと人質との間にもう人ひねり欲しかった感じですが、逮捕された人はそれまでのことと関係なく忘れ去られてしまうという皮肉だとも思いました。ちょっとした後味の悪さは残りますが、後日談でこの映画のおかげでソニーのモデルの人が妻に手術を受けさせられたと思うと気分がよくなります。やっぱり善人が報われる後日談まで揃ってるところが「事実は映画より奇なり」ですね。主役二人の演技も個性的で素晴らしかったです。 [DVD(字幕)] 9点(2004-12-29 00:03:48) |
4. オーシャンズ11
職人ソダーバーグの腕前が中途半端にしか発揮されなかった作品。「トラフィック」と比べてもキャラの書き分けはお粗末そのものです。だいたい、ドキュメンタリー色の濃いソダーバーグにハリウッド娯楽映画を撮らせるのは辛かったのではないでしょうか。たしかに豪華スターのいかにも楽しそうに演技している様子は「パルプ・フィクション」や「スナッチ」のそれを見ているようで心地いいですし、演出もいかにも芸術作家ソダーバーグ、といった感じで小粋なつくりには感心させますが、11人の個性をきちんと描けていないためキャラの半数が存在感もないまま終わってしまいます。さらにオーシャンもベネディクトもとても大物には見えないのは脚本の問題ではないでしょうか。ミスしたときもカジノを相手取っているとは思えないほどマイペースなテンポでこれはどうも題材を間違えたな、と何度も思いました。これなら人数もスケールもずっと小さい「ジャッキー・ブラウン」の横領シーンの方が緊張感があります。カジノではなく銀行ならこの雰囲気にもある程度は納得いったのかもしれません。チームの描写にいたっても半数のメンバーは完全な裏方扱いだったのも痛かったです。豪華キャストを安いギャラでそろえたのはジョージ・クルーニーだそうですが(ジュリア・ロバーツとの駆け引きは有名)、「パルプ・フィクション」が監督の信頼から豪華キャストを集め、見事に個性の活きた作品になったのとは対照的でした。「オーシャンズ12」はもっとひどかったですが、ソダーバーグはこのままハリウッドでやっていけるのでしょうか・・・ [ビデオ(字幕)] 6点(2004-11-15 21:08:50) |
5. 狼/男たちの挽歌・最終章
これは「ワイルド・バンチ」に並ぶバイオレンス映画の最高傑作でしょう。冒頭からハイテンションな銃撃戦、どこかすれ違いながらも次第に友情を得ていく殺し屋と警官、ほんとうにハードボイルドです。それに、ジェフリーはもちろん友人のシドニーなどの脇役キャラも「挽歌」の名に恥じない素晴らしい男らしさで存在感を発揮していて感動的でした。「金はいい、友情だけで」なんてカッコいいセリフにもシビレますし、はっきり言ってユンファを超えるようなハードボイルドな役者は他に存在しないんじゃないでしょうか。ただ、一つ気になるところはラストでジェニーを登場させる必要性を感じなかった事。あのシーンがあるとどうもラストがうまくまとまらないような気がするので、それさえなければ10点でした。でも、教会での銃撃戦など見せ場をしっかり押さえていますし、ジョン・ウーにはもう一度くらい香港で映画を撮って欲しいなぁ。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2004-11-14 19:57:20) |
6. 大人は判ってくれない
《ネタバレ》 アントワーヌの姿に自分を置き換えて見ることができました。この映画は反抗期を迎えた少年とその少年の行動を理解しきれない大人たちの姿をどことなく曖昧なリアリティをもたせて描いた作品だと思います。題名とあらすじからもうちょっと極端な話かと思えば、実際にはドキュメンタリーとしても見られる作風でした。主人公のアントワーヌは中高生の不良少年の典型と比べてもそれほど悪い少年ではありません。家に帰れば、食事の準備もし、宿題もやろうとはします。友人と学校をサボった後も、「次の日は学校に行く」と言うほどの真面目な面も残っています。ただ、周りの大人が彼を悪い見方でしか捉えないだけなのです。学校の先生は彼がイタズラをしてもただ体罰を与えるだけです。アントワーヌが完全にすくいようのない子供でなかったのと同様に、周囲の大人も父親など悪い人ばかりではないのですが、彼を理解しようとする一方で分かり合おうとする時間が取れないのです。そんな彼を理解するのはやはりルネや感化院の子どもたちだけでした。彼はそんな世界から何とか抜け出そうと何度も家出を試み、最後に成功したとき彼は憧れの海辺を前にわずかな希望を得る、と言う見方ができると思います。母親の中盤での豹変振りは理解に苦しむところでしたが、感化院での様子を見て彼女はやさしく接していれば問題は起こらないだろうという安直な考えを持っていたのだろうと思いました。それと見ている最中に当時のフランスの色々な事がわかりました。それにしても感化院まで少年に体罰を与えるなんて・・・ 再犯に走る少年はどれくらいいたのでしょうか? [CS・衛星(字幕)] 8点(2004-11-10 18:32:23)(良:2票) |