1. 大いなる休暇
カナダというよりはイギリス映画っぽいですね。再生をテーマに寒村にバーに教会と村人をワンセットとして、コミカルに仕上げる。もはや民話化してます。”ウェールズの山””ローカルヒーロー”などがピタリと当てはまります。かといって、この手のシュチュエーションは個人的に大好きで、寅さんと同じように飽きることはありません。本作も楽しめたのですが、上記2作品と比べると、なにかドタドタした感じで静と動のメリハリがなかった。笑いも少し強引で、ニンマリさせてくれる描写がほしかったです。 [DVD(字幕)] 4点(2007-10-18 02:11:18) |
2. 女はみんな生きている
混沌とした冒頭から、徐々に形を成してゆく見せ方は見事。人や場所は入り乱れるが、戸惑うことなく自然と理解できる。送るときは送る、見せるときは見せるといった具合でメリハリが利いているせいだと思う。そして”おばあちゃん”のエピソードに見る、伏線の置き方と拾い方もビューテホー。リアリティのある描写、スピード感、メッセージ性、ラストの括り方と、どれをとっても素晴らしい。とくにラストのセリフなどはズシンときた。コリーヌ・セローは近い将来、ものすごい作品を撮りそうな気がする。 [DVD(字幕)] 8点(2007-10-17 02:04:00) |
3. オランダの光
なんでもオランダの風景には独特の光があるらしい。それはフェルメールに代表される絵画に現れているらしいのだ。たしかに映し出されるオランダの広大な風景は美しい。抜けるような青い空、湖面の輝き、いろんな種類の雲、縦横に走る水路、そして風車。僕は絵画に詳しい訳ではないので、その光とやらを検証されてもよく判らないが、風景の美しさはよく判る。特に湖、レンズ、“真珠の耳飾りの少女”の瞳といった、所々で現れるラムネの瓶のような色が印象に残っています。でもね~とっても心地良すぎて眠いですよ~これ。 [DVD(字幕)] 6点(2007-07-09 22:05:55) |
4. 大阪物語(1999)
《ネタバレ》 大阪の映画として違和感なかった。背景もあんまり不自然(十三らへんまで飛んでたけど)なとこもなく演技も演出もごく自然な感じやった。東京の人間が大阪の雰囲気をここまで自然につくるとはなあ。プロやなあ。役者陣もうまかったし、少し淡い感じの画も映画の雰囲気にあってたし、忘れ難いシーンも一杯あったよ。中でも家族4人で川の字になって寝るとこは優しさ一杯で昔々を思い出し、西日を浴びた南港あたりの防波堤で涼しげな風にあたる若菜の横顔はとても美しかった。そして父を探しに寄ったバーでのシーン。大きな色眼鏡の奥から語り掛けてくるミヤコ蝶々の味のある声と奥の窓からカウンターへ差し込む光のあたり具合なんかは切なくなるほどにかっちょよく鳥肌が立つほど痺れた。しがらみの感じられへんほんまにええ『映画』や。市川準監督の画には一人スタンディングオベーションを捧げたい。 [ビデオ(邦画)] 9点(2007-06-17 03:58:12)(良:1票) |
5. 黄金の七人
金塊盗んだまでは良かったがそれからは敵、味方がころころひっくり返り、どんでん返しすぎて元に戻ったりして、ほんとに最後まで気が抜けない。取り仕切るはずの教授がもてあそび過ぎ。それに振り回される仲間たちも実に滑稽。お洒落でかっこいいのにおもしろい。思わずニンマリさせられましたよ。コーエン兄弟あたりがリメイクすればおもしろいかもねえ。いや、もうレディ・キラーズ でこけてたか。 [DVD(字幕)] 8点(2007-02-22 20:12:42) |