1. 思い出のマーニー
《ネタバレ》 映画はエンタメと思っている自分にとって、この映画は冗長で退屈なものでした。 この『ザ・道徳』なスタイルの映画で、主人公のモラルが欠如しちゃっているのはまずいでしょ。 体が弱い。両親が死んでいる。だから悲劇のヒロインのように振舞ってもOK? いやいや。自分をひきとってくれた叔母さん。夏休みに面倒を見てくれる大岩夫妻。田舎で出会う人々。その誰もが親切でフレンドリー。こんな恵まれた環境なかなかないよ?何を勘違いしちゃっているのかな?あなたより不幸な人はたくさんいますよ。 それに最後の種明かしでわかることですが、両親が亡くなったのはもうずいぶん前、アンナが物心つく前じゃないですか。 ・・・・え?そんなにヒネますかね? しかもその後ひきとってくれた祖母、おばさん夫婦、みな愛情を注いでいるのに、こんなにヒネますかね? おばさん夫婦が自治体からお金をもらっているのを知っただけで?今まで育ててもらった恩はなかったことになるの? は?性格悪すぎません? 極めつけは、『太っちょ豚』発言。しかもそれを言われたほうが、『はい、この件はもう終わり。』って手を差し伸べる寛大さ。 なのに、その手をはらいのけるアンナ。 ・・・・・お前は何様じゃ~(゚Д゚)ノ で、そっからマーニーと仲良くなっていくわけですが・・・・マーニーのことは無条件で受け入れるアンナ・・・。 いやいや、ルッキズム至上主義じゃないですか。引くわ~( ̄д ̄) 主人公が嫌いすぎてだめでした。 でもミステリー要素だけは面白い映画でした。 [ブルーレイ(邦画)] 4点(2024-06-15 03:22:16) |
2. オブリビオン(2013)
《ネタバレ》 人が少なすぎて面白くない。 同じような風景ばかりで面白くない。 ストーリーがいまいちピンとこなくて面白くない。 話があまり展開しないから面白くない。 敵がドローンしか出てこないから面白くない。 ミステリー仕立てなのは面白かったけど・・・。 あまりたいしたミステリーでもないので、驚けはしません。 結局クローンか・・・。自分はその他大勢の一人にすぎないのか・・・。 ・・・とゆーことがわかったところで、その真相がストーリーをよりドラマチックに発展させていくとか、そーいった盛りあがりがないのです。小難しいだけで、面白さにつながらないんじゃ意味がない。 それだったら、子供っぽくても、スターウォーズのようなわかりやすいSFのほうがよほど楽しめます。 で、結局テットは何だったの? テットはどころからきたの? なぜテットは人類を滅ぼそうとしているの? テッドっていう熊なら知っているけど・・・・こっちのテットは何がしたいのかわけがわからん。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2024-02-19 02:57:27) |
3. 俺たちに明日はない
《ネタバレ》 これが実話だというんだから、当時はすごい時代だったんですねぇ。 今の時代だったら絶対無理だろーなー。こんな行き当たりばったりの強盗が成功しちゃうんだもんなー。 この映画のこと、というよりかはボニーとクライドのことは、ちらほらと目や耳に入ってはいました。ずっと気になっていて、今回意を決して初鑑賞。鑑賞前は、クールな2人きりの強盗劇を想像していたのですが、そーでもなかったですね。 もちろん、クールな側面もあるんですが、思っていたより二人とも感情的になるタイプ。享楽的に見えて、家族の事、未来のこと、なかなかちゃんと考えている。 それにずっと2人きりで銀行強盗やりつづける物語かと思ったのですが、それも不正解。 仲間ができる。兄夫婦。C,W.モス。なるほど、犯罪者家系でしたか。親の顔が見てみたい。 この5人が一枚岩ならよかったのですが、兄の妻ブランチがとにかくうざい。そしてうるさい。この人がいるだけで不快指数が上がります。できればブランチこそ悲惨な死を遂げてほしかった。 それにしても、銀行強盗を成功させている割には、あんまり裕福にはなっていないようで。 大恐慌中だし、クライドも『しけてんなぁ』って言ってたくらいだし。銀行襲ったところでそんなに大金を手に入れられたわけではないのかなぁ。だとしたらハイリスクローリターンすぎますねぇ・・。 後半は逃げてばかりでしたし、どんどん追い詰められていく様子が何とも痛ましい。 まあ映画全体の印象としては、暗くなりすぎないためのポップな音楽。なんだか楽しそうな雰囲気。なんだかんだ言って仲間思い。そーゆーところは全部好きです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-09-04 00:42:58)(良:1票) |
4. オンリー・ザ・ブレイブ
《ネタバレ》 ヤーネルヒル火災。グラニット・マウンテン・ホットショット。 まったく予備知識なしでの鑑賞。まさかこんな壮絶なラストが待っていようとは・・・ 最後のヤーネルヒル火災までは、どちらかというとブレンダンの成長物語であり、グラニット・マウンテン・ホットショットのサクセスストーリーであり・・・そんな雰囲気で物語が進んでいきます。 出てくる人たちはみんな気さくで良い人ばかり。煙たがられていたブレンダンがチームの一員として少しずつ受け入れられていく過程が実に微笑ましい。 そしてそのチームの家族もいたるところで顔を出します。この幸せそうなチームとその家族のふれあいが、すべてラストの布石だったとは・・・。もちろん、最後はきっとピンチなときも訪れるんだろうなー、ぐらいの認識はありました。それがまさかこんな結末が待っていたなんて。まったくもって信じがたいです。 この映画で一番恐ろしいシーンは、遂に防火テントを使うそのシーンだと思います。 ですが、一番胸を押しつぶされたのは、ブレンダンが中学校を訪れるシーン。 集められた家族は、20名のうち1名だけ助かったことを知っています。ですがその1名が誰かまではわかりません。 そこに訪れるブレンダン。その姿を見たとき、その場にいる誰もが泣き崩れるのです。最愛の人が二度と帰ってこないと悟り…。 私の映画史上最も悲しいシーンでした。 この映画は、・・・見ておいたほうが良いと思う一方で、・・・見なければよかったと心底思った映画です。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-04-09 05:17:44)(良:1票) |
5. おおかみこどもの雨と雪
《ネタバレ》 かなり好きなタイプのアニメです。 この作品に対する批判的な意見。それは裏を返せば、批判的な意見を持たざるを得ないほどに、見た人がこの作品にリアルを感じてしまっている証明にもなるでしょう。アニメなのにだ。狼男という架空の生き物が出てくるファンタジーなのにだ。これは凄いことではないでしょうか。 まず第1部の母と父が結ばれるまでの導入部がよくできています。普通にラブストーリーとして心温まる物語だし、二人を応援したくなります。それにプラスして、狼男だと明かす最初の名シーン。この序盤が一番好きかもしれないです。 第2部ではお母さん奮闘記が描かれます。ここは何をやってもうまくいかないシーンが多くて辛い。シングルマザーの子育ての苦悩を追体験するだけでなく、子供たちの秘密まで守らなくてはならない。普通だったら心が折れます。ですがこれはアニメでありフィクション。心は折れない。頑張り続ける。私には狼男の存在以上にこの母親の存在がファンタジーでした。 そして第3部。子供たちの成長。 主人公は花から次第に雨と雪にシフトされていきます。 すばらしかったのは、雨と雪がそれぞれ違う人生を選択したこと。雪は人間として生きることを選び、雨はオオカミとして生きることを選ぶ。子供のときは雪のほうが野性味あふれていたのに…。このあたりのポジションチェンジがさりげなくてうまいです。 大きな目的に向かって突き進むような映画ではありませんが、何とも言えない余韻を残してくれる名作。 そして声優さんたちが実に良い! [ブルーレイ(邦画)] 8点(2022-09-26 04:37:10)(良:1票) |
6. 黄金のアデーレ 名画の帰還
《ネタバレ》 戦争ものは苦手。絵画は興味なし。今となってはなぜ見ようと思ったのかすら思い出せないわけですが、これが見て良かったです。 音楽と芸術の街ウィーン。そんな高貴で品のあるイメージしかなかったオーストリアにも、暗い歴史があったのですね。 昨日まで隣人だった。今日は『ユダヤ』と『ユダヤ以外』。ナチスがオーストリアに入国したとき、あんな歓迎ムードで迎えられていたとは思いもしませんでした。昨日まで隣人だったり、お客だったりした人でも、こんなに簡単に虐げられる人間の性が一番怖いです。正直ナチスより怖い。この映画では凄惨なシーンはでませんが、塩素?で、床に書かれた落書きを消す『昨日まで医者』だった一家のワンシーンが、一瞬ですが胸に残りましたね。 現代パートでは、オーストリアを相手に『アデーレ』の返還を求める熱いバトルが繰り広げられます。最初は乗り気でなかった若き弁護士が、法律事務所を辞めてまで『アデーレ』に全力を注ぐ。そんな夫を支える妻の姿までしっかり描いたことで、よりドラマチックな物語に仕上がっています。 そしてこの映画は回想シーンが本当によく出来ています。アルトマン家がナチスに財産を没収される様子が本当に痛ましい。上流階級の一族の、幸せそうな、かつ華やかな結婚式の様子がコントラストとして効いています。両親を残し、国外へと逃亡する一連のシークエンスは手に汗握るサスペンス。そんな過去に決着をつける、実話に基づいた真実のドラマ。お見事です。 ヘレン・ミレンは素晴らしい女優さんですが、『RED』を見てからどうしても凄腕スナイパーのイメージが抜けなくて・・・ [DVD(字幕)] 8点(2021-06-12 03:31:21)(良:1票) |
7. おにいちゃんのハナビ
《ネタバレ》 人が病気で亡くなる話は好きではないのですが、実話なら仕方がないですね。 前半はひきこもりのお兄ちゃんを引っ張り出すコメディテイスト。笑いどころが多い。スキあらばうまいことを言おうとする兄。それにつっこむ華。二人の掛け合いが面白おかしくも微笑ましい。女装させられるお兄ちゃんには爆笑必至。 後半、華の白血病が再発。事態は急変。物語は次第にシリアスなドラマへと路線変更していきます。 妹は結局年を越すことができません。それはそれはもう悲しくて仕方がないわけですが、物語のクライマックスはここではありません。兄が亡き妹のために、個人奉納で赤色の花火を打ち上げる。その一部始終を、静かに、でもドラマチックに描いた感動のストーリー。最近見た中では一番泣いた映画となりました。 父。母。病院の先生。学校の先生。同級生。翠嶂会のメンバー。新聞配達先のお婆さん。誰もが優しい人ばかり。 大切な人を失い、いったんは絶望の淵に突き落とされる。そこへ届く一通のメール。心の底から悲しい事を乗り越えて、そこから再生していこうとする物語。よくある人の死で泣かせるだけの物語ではありません。悲しさや寂しさと共に、そこには確かに希望があったのです。 88歳の誕生日を孫達に祝ってもらうおばあちゃんもいれば、17歳という若さでその生涯に幕を閉じる人もいる。 人はいつ死ぬか誰にもわからないけれど、だからこそ一日一日を大切にしようと感じさせてくれる名作でした。 [DVD(邦画)] 9点(2021-03-21 17:41:07)(良:1票) |
8. おと・な・り
《ネタバレ》 どーにもこーにも退屈しちゃいまして、映画の良し悪しに関わらず高い点数はつけられません。 V6の岡田君演じる野島聡は良かったのですが、女優さんのほうを特別かわいいとか、きれいだとか思えなくて。もちろんこれは、演技や演出の問題ではありません。私の好みの問題です。 ですがレビューというものが、主観に基づいた感想を書くものだとすれば、『ヒロインにそこまで魅力を感じなかったので、物語に入り込めなかった』という自分の気持ちを大事にしたいです。 最後のほうまで、お互い何者かわからないっていうシチュエーションは好きなんですけどね。 そのまま知らずに終わるっていうのはよくあるパターンですが、これはちゃんと知り合いますね。エンドロールでは知り合った後の後日談まであります。しかも二人がそれぞれ海外から帰ってきた後の話。会話だけで、二人が一緒に暮らし始めたことがわかります。その会話の微笑ましいこと。なんだか幸せな気分になりました。 かと言って、『じゃあ良い映画じゃないか。』と聞かれれば『Yes』なんですが、『面白い?』って尋ねられると、う~んって感じなんですよね。 主演の2人のファンの方であれば、きっとはまる作品だと思います。 私にはちょっと淡々としすぎていました。 あと、茜の登場シーンが印象最悪でイライラしました。実は良いやつってのがわかったとしても、こんな非常識な人間は嫌です。 [DVD(字幕)] 5点(2020-05-20 21:48:24) |
9. 狼の死刑宣告
《ネタバレ》 こんな映画があったとは知りませんでした。 いわゆる『復讐もの』ですが、そのクオリティは大変高い。 『理不尽に家族を奪われた善良な父親が復讐の鬼となる。』ストーリーだけなぞると普通なのですが、実際この映画を見るとそんなこと言えない。オープニングの幸せな家族。未来を感じさせるシークエンス。これが復讐のカタルシスをより大きくする。復讐のカタルシスってのは『怒りの解放』であり、誰もが心の奥底でくすぶらせているもの。それを映画という媒体を使って追体験。悲しいお話なのに、なぜか気分が高揚している自分もいるわけです。復讐とはかくも甘美なものですね。 キャスティングも良かったですね。善良でインテリな父親。復讐の鬼。これを演じるのに、確かにケヴィン・ベーコンほど相応しい人物はいない気がします。前半『息子の復讐、殺人という罪の意識との葛藤』後半『残された家族の幸せと、ギャング達への報復の天秤』ここでの葛藤が、すべて復讐のカタルシスへと昇華されていく、圧巻のストーリーテリング。王道だからこその力強さを感じる作品です。 インテリっぽく、入念に銃のマニュアルをチェックし、何度も装填の練習をする。こういったシーンを1つ1つ丁寧に。でも物語のテンポを損なわない程度に挿入する、そのバランス感覚が素晴らしい。 ラスト自宅に戻り、瀕死の状態で家族のDVDを観るクライマックス。ここで女刑事がかけつけて声をかけるシーン。『誰も知らない』わけではなく、父親の復讐を見届ける第三者を作ってあげたのがこの映画の優しさか。あまりにも悲しいストーリーなので満点はつけづらいのですが、復讐映画としてこれは完成形だと言えそうです。 [DVD(字幕)] 9点(2019-07-17 04:18:01)(良:2票) |
10. オーシャン・オブ・ファイヤー
《ネタバレ》 冗長で退屈。とにかく長い。起伏がなく、ダラダラとしたイメージ。 『馬の大陸横断レース』みたいな趣きなんだけど、みんな馬に乗ってただ歩いているだけなので、レースならではの疾走感や緊張感みたいなものは感じられないです。位置関係だって見ているほうは全然わからないし、いま主人公が先行しているのかどうかさえよくわかりません。 と、ゆーことで、どちらかといえば『レース』はあくまで舞台装置であり、メインは『人間ドラマ』なのかもしれません。じゃあそのドラマはどーかというと、微妙。登場人物は自分勝手な人ばかり。悪人も多く、辟易します。富豪の人は主人公のアソコを濡れ衣で切り落とそうとする暴君なのに、主人公と友情が芽生えたみたいな強引な展開についていけません。その主人公にもっと魅力があれば良いのですが、いまいち足りないんですよね。 また、レースの最中にレースと関係ないイベントがいろいろ起きちゃうのも、プロットに一貫性がなくて苦手。話があっちこっちに飛んでいくので、主題がはっきりせず、満足感を得られないのかもしれません。どちらにせよ、つまらない映画です。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2017-10-30 03:31:27) |
11. ALWAYS 三丁目の夕日‘64
《ネタバレ》 『六ちゃんの結婚』『淳之介の小説家デビュー』ドラマ自体は面白いんですけどね。取り上げている題材が、どの時代でも共通のものになったぶん、『この時代ならでは』って感じが弱くなりましたね。 『遊び人だと思われていたお医者さんが、実はとてもマジメで志の高い人だった。』こーゆーオチは良いですね。気分が良いです。 『茶川のライバル作家の正体が実は淳之介だった。』というのも面白い。 今作も、相変わらず良い人ばかり。この作品を見て不快になる人は、まあいないでしょうね。ただ映画作品として面白いかと問われれば、シリーズ中一番凡庸な出来だったことは否めないかもしれないです。 このシリーズにはまっちゃった私にとっては、当たり障りのない内容でも面白いです。 初見の人がこの作品を見てどう思うかは微妙なところでしょうね。テレビドラマとの違いがよくわからないと思うかもしれません。 もはやこの3作目に関しては、1作目、2作目でファンになった人のためのファンサービスのような作品。これ1本での評価は難しいですね。 蛇足ですが、このシリーズで、わたしは『鈴木オート』の面々がかなりお気に入りです。 今作でも、『帽子を深くかぶって気付かれないようにする六ちゃん』『いきなりお医者さんを殴りとばす鈴木パパ』など、狙いすぎだし、ベタですが、そこが面白いです。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2017-07-13 13:40:19) |
12. ALWAYS 続・三丁目の夕日
《ネタバレ》 とても良いです。大好きです。今作は『茶川、ヒロミ、淳之介』がメインのようです。ただその3人に、周りの人々が絶妙な匙加減でからんでくるので、ヒューマンドラマとして実に味わい深いです。それに、3人がお互いを思いやる気持ちが切ないくらいに伝わってくるのがたまらないですね。そんな中、一番心にぐっときたのは、茶川が本音を吐露するシーン。『でも俺は男としてお前達を・・・』って、ついに言っちゃうんですよね。最後まで言い切らないところがまた泣ける。 3人のエピソードがメインなのは間違いないと思いますが、その次にこの作品の核となっているのは、やはり鈴木ファミリー。今作では鈴木家に親戚の女の子が参加。早くに母親を亡くし、父親は事業に失敗。そのため預けられることになったのですが、この娘と鈴木家の関係が凄く良い。どちらかというと鈴木家はコメディパート、茶川家はシリアスパートといった感じ。ですが、親戚の女の子と鈴木ママの触れ合いだけは、なんだか心に染み入るものがあります。また、この娘と一平君の、小学生ならではの恋模様からも目が話せません。 そして前作でお医者さんのエピソードがあったように、今作でも戦争の影が描かれています。 鈴木ママの実らなかった恋。戦争で音信不通になっていた恋人は、かの有名な『シベリア抑留』で戦後シベリアで強制労働させられていた。生きて再会できたのはまさに偶然。でも時は流れ、二人はそれぞれの家庭を築き、それぞれ別の道を歩いていた。こーゆーことが当時は当たり前のようにあったんでしょーねー。 戦友たちとの同窓会に参加するのを臆する鈴木パパ。その理由は仲間の戦死を知ることが怖かったから。今の時代からは到底考えられないですね。映画の雰囲気を壊さない程度に、でもしっかりとした反戦メッセージ。 このシリーズは、とにかくたくさんのエピソードをつなぎ合わせている作品。悪く言えば、『NHK朝の連ドラ9話分』という意地悪な見方もできるでしょうが、これで良いんです。ちょっと笑えて、少し考えさせられて、しっかり感動できる素晴らしい映画ですから。 [ブルーレイ(邦画)] 8点(2017-07-05 03:03:57)(良:2票) |
13. ALWAYS 三丁目の夕日
《ネタバレ》 コメディ色の強い前半、7点。お涙頂戴の後半、9点。会せて8点といったところでしょうか。 プロローグで少年達が飛行機をとばすシーン。飛行機を見上げる少年達の目線から、大通りへの俯瞰ショットへと切り替わる、この導入部分の美しさが好きです。 登場人物が多いのですが、それぞれの役割がはっきりしているため、大変見やすい、わかりやすい。 『コメディ』と『シリアス』のバランスも大変良い。 大笑いもあれば、思わず顔がほころんでしまうようなエピソードもある。『シュークリーム』や『注射』、『TV』など、笑わせるところはしっかり笑わせてくれる作品です。 その一方で、『淳之介と茶川のエピソード』や『青森の母親からの手紙のエピソード』など、泣かせるところはしっかり泣かせてくれます。 1本の映画の中で、笑いもしたし泣きもしたってのは、本当に久しぶりかもしれません。 派手な事件や出来事は一つも無いのに、何か心にぐっとくる。 悪女かと思えた小雪が、実は人間味のある苦労人だったり。自分の事しか頭になかった茶川の心境の変化だったり。そういった人物の描き方が抜群に良いんですよね、この映画。 正直戦後の日本っていうのは、『地味』『不便』『貧乏』『苦労』『犯罪』『なんか暗い』といった負のイメージが先行していたのですが、これを見るとそのイメージがなくなります。もちろんこの作品自体はフィクションであり、事実ではないのですが、『自分の知らない時代』に夢を見させてくれるとても良い作品だと思います。夢を見るっていうのは、なにも未来だけでなくとも良い。こんなふうに、見たことがなかった昔に夢を見させてくれる映画があっても良いと思う、そう思わせてくれる作品です。 現代では『人と人とのつながりが希薄になった』というけれど、現代ではそもそも人とつながる必要性がなくなったのだと、この映画を見ると実感します。当時の世では、人とつながるのは生きていくうえで必然だったと思うのです。 『冷蔵庫が来る』ということは、『氷屋さんとのつながりがなくなる』ということ。 1つ便利になるということは、1つ絆を断ち切るということなのかもしれません。 [ブルーレイ(邦画)] 8点(2017-06-27 09:13:25)(良:2票) |
14. 同い年の家庭教師
《ネタバレ》 コンセプトとシチュエーションは楽しいですね。序盤はかなり面白いと思います。 漫画チックでお約束の連続ではありますが、そのべたな演出が昭和世代の自分と相性が良いようです。 それが中盤以降はなぜか全然楽しめません。 前半までの丁寧なつくりが嘘のように、後半はシーンとシーンのつながりが途端に雑になります。 突然現れる恋敵。突然はじまる恋敵の告白。突然接近する主人公とヒロイン。 シーンも、児童福祉施設⇒ラウンジ?⇒教会⇒空⇒遊園地、とめまぐるしく変わります。 全然気持ちが置いてけぼりにされたままラストへ。 ラストのドタバタは更に加速。 ジフンが、どこかのヤクザの武闘派3人と、熱いラストバトルを繰り広げます。 ・・・あれ?これって同い年の生徒と家庭教師のラブストーリーじゃなかったですっけ? という感じなんです。 中盤以降のカオスな群像劇にまるでついていけず残念です。 ジフン、スワン、ジフンの両親、ジフンを好きな女の子の、心の交流を中心に描いてくれたほうが良かったのではないかと思います。 そして、それぞれの心境の変化などを最後に見てみたかったものです。 [DVD(字幕)] 5点(2016-11-07 00:45:15) |
15. オールド・ルーキー
《ネタバレ》 ジム・モリスという実在したメジャーリーガーの半生を綴った物語。 マイナーリーグを解雇された野球選手が、高校教師に。⇒(それだけでも凄い気がする) その後再びプロを目指すわけですか。凄いですね。 とは言え、一人の野球選手の単純なサクセスストーリーにしていたら、きっとここまで味わい深い作品にはならなかったと思うのです。 サクセスストーリーにある期待感。高揚感。 もちろん、それもあるのですが。 親子の交流。夫婦の交流。師弟の交流。これを主軸においた人生ドラマ。これが本当に良かったと思うんです。 全体の半分以上は、再び野球へ転身するのを、『決意』するまでの物語。=自分の教え子たちが地区大会で優勝するまでを描いています。これはこれで一つのサクセスを描いているので、物足りなさは感じるもののやはり気持ちが良い。 ですがやはり見所は後半。 主人公の葛藤。妻の葛藤。様々な葛藤が、映画をより深く、面白くしています。 胸に響くシーンはいろいろありますが、個人的には電話のシーンが一番かな。 『家に帰る。潮時だ。』と電話するシーン。 一転して、『メジャーリーグだ』と報告するシーン。そのときの奥さんの反応と対応。どちらも感動的な名シーンです。 『サクセスストーリー』のテイストながら、『伝記』としての意味合いも強いこの作品。 当然全部は描ききれませんから、どこかをカットしないといけないわけですが、まさかのマイナーリーグ時代をばっさりカットしてしまったのが、良かったのかもしれません。 つまりは、メインは『野球』ではないということですね。 メインは『家族』『人生』、そして『生き方』でしょう。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-10-17 16:05:38)(良:1票) |
16. 大いなる休暇
《ネタバレ》 まるで御伽噺のようなプロローグとエピローグの構成が良いですね。 ストーリー自体はいたって普通。 前半は自己中心的な人ばかりでイライラすることもあります。 その後、しだいに一つの目標に向かって、みんなの気持ちがまとまっていく様子が微笑ましい。 コメディ演出が私好みです。 『レストランから教会への大移動で村人の人数を倍に見せる作戦』は、べたすぎて面白い。 『なんちゃってクリケット。』『つり(やらせ)』『もう一人の医者(仕込み)』、などなど、自分好みの演出が盛り沢山。 それに加え、クリストファー医師のリアクションが、素直すぎて、おかしさに拍車をかけます。クリケットへの食いつき方が最高。 もしこの作品が、コメディオンリーで『馬鹿騒ぎして終わり』であれば、ここまでの好評価を受けることは無かったでしょう。 コメディテイストのなかで、時折はさまれるシリアスなドラマパートの味わいが、何とも言えず良いんですよね。 『生活保護を受け取る気持ちがわかるか。お金を受け取る代わりに、誇りを失うんだぞ。』は名ゼリフ。 働けるのに、生活保護を受け取って、そのお金でパチンコに行っちゃうような、誇りを失った日本人の恥さらしに聞かせてやりたいです。 ドラッグ、盗聴、亡くなった人の分まで不正受給。必然性の低い違法行為が多いので、高い評価は出せませんが、映画としては面白い。 鑑賞後の満足感は絶品です。 あ、この作品、字幕がかなり端折られてます。この作品に限っては、吹替えのほうが断然オススメです。 [DVD(吹替)] 7点(2016-07-06 13:17:13)(良:1票) |
17. オーシャンズ13
《ネタバレ》 1作目に雰囲気が近いですね。 今作は、アル・パチーノ演じるウィリー・バンクに騙されて、すべてを失ったルーベンの敵討ちストーリー。 前回の借金返済のマイナススタートに比べれば、攻めの姿勢のスタートなので、最初から高揚感があります。ダニーがバンクに、『ホテルを元に戻すなら、許してやろう』なんて、超上から目線で言っちゃうわけですから、アツい。 1作目のようにあっと驚く展開はありません。 ライナスの親がFBIの真似事して助けに来てくれるのも、すでに前作で使用済み。つまり、これは前2作ですっかりファンになった人たちに、楽しんでもらうための作品なのでしょう。ですから、『前2作を鑑賞していないと、話がわからなくてあたりまえ』ってスタンスは、開き直っていて逆に清々しいです。 『ホテルの格付けを最低ランクにさせる。』『カジノで大損させる』『ダイヤを盗む』と、今までで、最も容赦のないストーリー。 とにかく完膚なきまでにこてんぱんにやっつけてくれます。 裏をかこうとしたベネディクト&トゥルアーの更に裏をかきます。 バンク、ベネディクト相手に、すべての駆け引きで常に一手先を読み、完全勝利。とにかく見ていてスカっとするし、爽快です。 高尚な展開や演出を望まなければ、十分に楽しいエンターテイメントでしょう。 ただ、あまりにもオーシャンズチームが強すぎるため、アル・パチーノが防戦一方に終始してしまうのはいささか物足りません。 オーシャンズチームが窮地に立たされるシーンが一つでも入っていれば、もっとメリハリと刺激のある作品になっていたかもしれません。 あと、ついでに言うと、ホテルの評価をぼろくそにつけられて呆然とするバンクが見たかったですね。 『ソールが実はオーシャンズチームでした』ってネタバレするだけではやや消化不良です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-05-23 13:10:47) |
18. オーシャンズ12
《ネタバレ》 前作と違い、『脅迫されて借金返済からのスタート』だから、最初から気持ちが萎えちゃいますね。 前作の良さは、一人一人の特性を活かした一大作戦の面白さ。正統派泥棒活劇。 今作にはそれがありません。メインを除いて、個性が死んじゃってます。 更には、ルマークという強力な第3者の力が、今回の作戦成功のカギというのも情けない話。つまりは、終盤ライナスやテスが繰り広げた卵強奪のドタバタはすべて茶番だったってことですもんね。そこから参加のソールなんて、ピエロも良いとこです。 オーシャンズを留置所から連れ出したFBIグループ、『実はライナスの母親でした。』 『ファベルジェの卵は実はオーシャンズが先に盗み出していました。』 この『実は・・・』というのが、今作のキーワード。 『結果』を先に見せて、そのプロセスを『実はこうなっていた』、と、後だしで真相を明らかにするパターン。面白いんですけどね、このパターン。『ああ、そーゆーことだったのか。』ってなるに決まっているし。ダニーやラスティのほうが、一枚も二枚も上手でしたって印象付けられるし。 ただそーなってくると、純粋にオーシャンズの力だけで勝ち取った前作に比べて、チーム戦ならではの爽快感がなくなります。 ついでに言うと、今作は観る人に対して明らかに不親切です。はっきり言って凄くわかりにくいです。『難しい』のではなく、『わかりにくい』のです。何度も巻き戻して確認するわけです。 ラストまで観ると、それなりに面白かったとは思えるんですけど、なんかノリと勢いでごまかされた気分です。 『ナイト・フォックス』にしても、どれだけの天才大泥棒かと思いきや、『知略』ではなく『体術』の達人。そんなんやり始めたら何でもアリになってしまう。 最終的には、借金返済は、勝負に負けたリッチピープルのナイト・フォックスが全部やってくれます。オーシャンズはビタ一文払っていないのが、まあ良かったです。それに『これからナイト・フォックスが、結局カジノから盗っちゃうぜ』って予感させる引きもよいです。 ただやはり個人的には、オーシャンズの活躍を見たかったわけであります。 『借金返さねーと、全員あの世行きだぜ』って言うやつから、更に金を盗むくらいの話が見たかったです。 今回は、実際仕事しているのは6人くらいなので、6点あげますね。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-05-15 15:47:32)(良:1票) |
19. オーシャンズ11
《ネタバレ》 騙されないぞと思いながら見ていたのに、結局騙されてしまう。そーゆー映画って本当に面白いです。 騙されてしまう理由があります。視点が途中で入れ替わるんです。ずっとオーシャンズ11の視点でストーリーが進んでいるのに、終盤、いつの間にか視点がベネディクト側にシフトしています。気付けば、観客もベネディクトと一緒に騙されてしまう妙味。この視点の切り替えは上手いですよねー。警察なんて完全に騙されました。 この作品は自分と大変相性が良いみたいです。 『悪名高いカジノグループから、現金をかっさらう』このたった一つの仕事を1本の映画にしてしまう。ストーリーは単純化され、プロットは明確になります。わかりやすくて、でも工夫や仕掛けもたくさんあって、のめり込みます。ディテールが丁寧で、ちょっとした伏線もしっかり回収してくれるのが気持ちいいです。 まさに、『極端に奇をてらわなくても、作りこめばここまで面白い映画ができる』というお手本のような作品です。 キャストが豪華すぎるくらい豪華なのも、映画ファンにはたまらないです。 一人一人がそれぞれの専門分野で活躍するノリは大好きです。鑑賞中、まるで自分も一緒に仕事に参加させてもらっているかのような錯覚を味わえるのが本当に楽しい。スピード、テンポ、バランス、キャスト、演出、どれをとっても文句のつけようがありません。 個人的にはかなり好きな作品です。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-05-09 09:20:47) |
20. オトコのキモチ♂
《ネタバレ》 コメディとしての完成度は高いのに、主人公ポールとストーリーがいまいち好きになれません。 浮気も隠し事も好きではありません。嘘を隠すために嘘をついていくパターンも苦手です。素直に笑えないんですよね。 ポールはカレンとの結婚を土壇場で放棄。結果カレンはポールの兄とくっつく。ですがこれは結果論。 たまたまポールの兄がいたから良いようなもの。もしポールの兄がいなかったらどうなっていたのだろうと考えると、自分勝手すぎるストーリー展開に腹が立ちます。 この映画だけを見れば、確かにポールとカレンより、ポールとベッキーのほうが合うかもしれません。ですがポールとカレンのほうが長い付き合いなんでしょう?そして婚約までしたのであれば、やはり通じる部分があったのでしょう。それに合わない部分があったとしても、そこを少しずつ歩みよってお互いを大切にしていくのが結婚生活の醍醐味でしょう。 少なくともカレンのポールに対する愛情や思いやりが感じられる一方で、ポールは自分のことしか考えていません。ポールに魅力を感じません。 この映画でよかったのは脇役の人たちの『機転』ですね。スーパーのレジ店員や、友人ジムにいきなりかかってくるカレンからの電話。すぐに事情を察し、ポールのために話を合わせてあげる自然な演出。これはちょっと面白かったです。 花嫁の父親でさえ、婿の浮気を知ったときに『聞かなかったことにしてやる。男は皆ハンターだ。』と理解を示す寛容ぶり。 ですが一番良かったのは牧師かな。異議があるものを執拗に促すシーンはさすがに笑っちゃいます。 コメディとしては悪くないんですが、いやむしろなかなかの完成度だと思うのですが、好みに合わないので-3点して、この点数です。 [DVD(字幕)] 5点(2016-04-07 13:32:01) |