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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1.  折鶴お千 《ネタバレ》 
溝口健二はこの作品の前に「瀧の白糸」という傑作を既に完成させていたが、本作はそれの焼き直し。 ただこれほど「死んだほうがマシじゃないか」と思えるラストはなかった。生き地獄とも言える。 まずファースト・シーン。 機関車がトラブルを起こして駅に立ち往生。 その駅から神社を見つめる一人の男。 一方カメラは横にスライドし、もう一人女性を映す。 その女性もじーっと同じ神社を眺めている。 実はこの二人は昔あの神社で出会った腐れ縁だった。 そこから主人公の目を通して過去が語られていく。 山田五十鈴が凄い若いし綺麗だ。 男は田舎から出て偉くなろうと頑張るが中々芽が出ず落ち込んでいた。 そこに走り込んできた一人の女。 これがこの二人の出会いだ。 女に拾われた男だが、そこの雇い主にこっぴどい扱いを受ける。 男は黙って耐え凌ぐが、やはり飢えには勝てない。 エスカレートする嫌がらせ、それを見て女は我慢に限界が来て雇い主にけしかける。 その時の山田五十鈴のカッコ良さと色っぽさ。 口に刃物を添えるところは色っぽいね。 まるで勧善懲悪ものの一場面を見るかのような胸のすくシーンだった。 ただそこは溝口。 簡単に女を幸せにする気はサラサラない、ある種性根が腐ってんじゃないかという展開にかならずする男だ。 いや、真面目だからこそあえて女性を与えるのが溝口。 小津とは違うパターンの天才。 女性を徹底的に描こうとする男の厳しさがそこにある。 ヒロインを追い詰める男どもは、ある意味溝口の分身なのかもな。 その山田五十鈴が良いねえ。 折り鶴を折って「いつか自分も自由に羽ばたきたい」と思いを込める。 ただ運命は彼女を追い詰める。 そんな時に愛した男に向って「魂をあげます」とその折り鶴をひと吹きやって思いを届けようとする儚さ。 いい女だなぁ・・・。 それがあんな事になるなんて・・・ひどい運命もあったもんじゃない。 我を失うほど狂い、幻を切り刻むお千。 まるで亡霊に刃を向け空を斬る様子は、伝説と化した傑作「狂恋の女師匠」や後の「雨月物語」に通じるものがある。 まあ、こういう幽霊描写よりも女の情念の方が遥かに怖いけどな。 そう正に「雨月」の京マチ子(亡霊な上に執念深いとか勘弁)! 溝口は本当に女に厳しい。男もほったらかしである意味一番厳しいかも。 溝口あんさんは鬼や(そんな事は原作者に言え)。 泉鏡花あああっ
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-11 05:48:18)
2.  黄金時代 《ネタバレ》 
「アンダルシアの犬」に続く前衛映画。 後のメキシコ時代におけるブニュエルは本当に凄いと思うが、やはり初期のシュルレアリスムを素直に賞賛する気になれない。相変わらずブニュエルの意味不明ぶりは凄まじい。 ダリですら最初だけ関わって逃げ出したほどだ。 ストーリーは一応メッセージがあるようだが、やはりメチャクチャである。 ネズミとサソリの戦いは何を物語るのか。 サソリの勇猛さか、飲み込まれる無謀さか。 骸と化した宗教は何を問いかけるのか。 現代宗教の空洞化?宗教に中身なんか無いって? 疲れ果てた兵士やならず者たちに宗教は関係なかっただろう。 骸と化した宗教に祈りを捧げる人間。 その横でS●Xをしようとする男女。 宗教ナメ腐ってますよ。そりゃこれだけバカ右翼にケンカ売ったら爆弾投げられますよ。 ブニュエルのその勇気に100点。 セクロスを邪魔されて怒る男。 「宗教なんてどうでもええんじゃバーカ」 いや場所は選べよクソ野郎。 犬は蹴るわ、虫は踏み潰すは、盲目の男は蹴るは、婦人を平手打ちにするわ、情事を邪魔する男を射殺するわ・・・ブニュエルの社会批判はご立派。 ただ劇中のこのDQN野郎だけはブチ殺してえ。 メイドが火に包まれても意に返さない上流社会、人間の薄情さ。 さっきまで子供と戯れていた男が自分の大事な物を壊されて豹変、発砲。 人間の内に潜む凶暴さを描くブニュエル。 家を爆破していく様子も人間の破壊に対する欲求を表すのだろうか。 女との情事に吐血するほどの喜びを表すDQN。 ただ女が求めていたのは男の愛では無かった。 マグマのように強すぎる性への執着は糞尿のように汚い。 男はそんな女に失望し、当り散らす。 いや女に当たれよ馬鹿なのかおまえは・・・でもフラれてざまあ。死ぬより辛い仕打ちだろうよ、死ぬほど愛した女に裏切られる気分は。 他者に対する思いやりが無い男が本物の愛を勝ち得る訳が無い。そこがこの映画の言いたいことでもあると俺は思う。 キリストだって女を手にかけちゃうし。 ヒトラーをDISったチャップリンに並ぶ男よ(難解すぎて伝わる人が少ないけど) この映画の「黄金時代」とは歴史の上での定義では無いだろう。 人間それぞれに訪れる絶頂の日々。この男にとっての「黄金時代」は女との愛を信じていた瞬間だ。それが無いと解った時、彼の「黄金時代」は終わりを迎えた・・・てな感じの映画だと俺は思う事にする。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-01 20:30:54)
3.  オペラハット 《ネタバレ》 
財産を相続したクーパーは世間ではドラ息子、本当は誰よりも正直者で優しい男。  本当の彼を知るのは、皮肉にも他人の秘密を暴き立てて生計を立てる新聞記者のジーン・アーサーのみ。  クーパーとアーサーは金ではなく、心からの信頼で固く結ばれる。 疑い深い新聞記者がだ。  「スミス都に行く」のジェームズ・スチュアートもそうだが、フランク・キャプラは最後の最後まで人を信じようと努力し続ける映画を撮り続けた。そんなキャプラの暖かさが滲み出た作品の一つ。とにかくクーパーファンは見て損無し。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-08 02:01:23)
4.  大いなる幻影(1937)
戦争ドラマの傑作の一つ。 派手なドンパチも無い、ただ女や男たちの他愛の無いやり取り・・・これだけなのにどうしてこんなにも面白いのだろうか。  捕虜収容所に囚われたフランス軍の男たち。 騎士道精神の権化のようなエリッヒ・フォン・シュトロハイムが醸し出す風格。銃火という壁が取り払われた軍人たちが交わす、人間の本質に迫ったリアルな会話の数々。 反戦を無性に叫ぶでも、戦争を擁護過剰に擁護するワケでも無い。 ジャン・ギャバンの髪の毛の量は明らかにおかしい。それだけ収容所生活が長いのだろうか? ギャバンたちが脱獄する際の緊張感は、後のベッケルの「穴」に受け継がれたのだろう。 まるで静かに泣くように男を撃ち抜く弾丸。  シュトロハイムを始めとする登場人物たちがまとう幻想的な雰囲気。まるで血で血を争う戦争の現実から逃れ、収容所の“夢”の中へ入ったように。 ギャバンが出会う事になる女性もまた“夢”だったのかも知れない。 それでも、国境で彼らを待ち受ける銃兵は“現実”である。  常に人間味のある暖かい視線が貫かれた、戦争映画の不屈の傑作。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-15 17:28:16)
5.  御誂治郎吉格子
伊藤大輔の演出の冴えは既に「忠治旅日記」で幾らか堪能したが、まとまったフィルムを通して改めてその凄さに驚く。  オリジナルは100分あったそうだが現存するのは79分のみ。  躍動感にあふれた描写はモチロンの事、主人公のアクションや子供が遊ぶ姿など常に画面に動きを感じさせる工夫に溢れている。  閉所での格闘シーンはかなりの見応え。 ストーリーも単潤かつテンポが良くサクサク楽しめる。  役人から逃げて来た先での恋や義理人情、三角関係、ラストの提灯の津波や太鼓の演出など最後まで楽しめた。 しかし欠損したフィルムには与力との戦闘もあり、いきなり劇中から与力が消えた理由がそこにあるようだ。其の辺は資料などで補う他ないが、それ意外は上場の娯楽として楽しめる傑作。  ちなみに断片的ではあるが、サイレント時代の大河内傅次郎の殺陣は「忠次旅日記」の一部や「長恨」「血煙高田の馬場」などで拝む事ができる。やはり凄い迫力だった。
[DVD(邦画)] 9点(2014-01-10 20:59:08)
6.  大人の見る絵本 生れてはみたけれど 《ネタバレ》 
再見。やっぱり江戸っ子時代の小津は最高に面白い。活き活きしてるね。  初っ端から桃だか種だか分からないもんから“生まれた”赤ん坊の御挨拶(股間を抑える元気な男の子です)、泥にハマッた車輪の唸り、それを見つめるおとんと息子二人。 サボるな働け押し問答、上着を着こむのは作業が終わったから。  先に行って待っていた母と子の再会。どうやら引越して来る最中だったようだ。 子供と親と態度を変える酒屋、お近づきの印に知恵の輪と“御挨拶”を喰らわせガキを泣かせてスタコラさっさ。酷いもんだ。  父親はお得意先にペコペコ頭を下げ、それをつまんなそうに見上げる子供。友達の呼び掛けに喜んで走り寄る無邪気さ。  “変な奴”とのご対面、バイキン(黴菌)みたいな顔してやがらあ、背中に注意書き貼られてやがらあ、ガキ大将の拳骨vs下駄、パンを拭いて奪うのは思いやっているから。ここの連中は新入りに拳骨でしか挨拶できんのかww けん玉を止める兄弟の泣き声、報復する相手を見つけ歩みを止めるようなキャメラの動き、子供たちだけが知る“おまじない”、「倒れろよこの野郎」とばかりに突き合い取っ組み合い逃げるが勝ち。  喧嘩して学校サボッて怒られて、子供の視点で見つめる「大人の世界」。互いに撮った映像を披露し合う発表会、映写機が映すものを見てしまった衝撃と後悔。醜態(変顔)を晒しても愛想笑いを浮かべ、夜道をトボトボと歩く子供たちの背中が語る失望。 「その夜の妻」の時といい、背中で歩き去る場面が様になりすぎ(褒め言葉)。  昔は子供だった父親も、今では大人の目線でしか子供を見られなくなってしまったのかも知れない。子供に無くて大人に無いもの、大人になって得たものと失ったもの。  ただ、そこから「どう従うか」ではなく「どう付き合うか」という事をこの映画は教えてくれる。  庭先から見える電車の疾走、風が吹き荒ぶ中を椅子に座りつっぱね続ける意地、でも母ちゃんにはちゃんと返事する微笑ましさ。 草を食べズボンの紐で押さえつける空腹、椅子の上へ握り飯を置いて行き、遠くから見守る愛情。椅子を寄せ一緒につまみ、話し合うのは仲直りするために。 食器が置かれた食卓。食器をひっくり返すのは「いつもの通り」に戻ったことを表すため。  戦前は家族の団欒を表わしていた食卓が、戦争を経た「麦秋」「お早う」等では帰らぬ者への鎮魂を現わす場ともなっていく。 列車が通り過ぎた先で見たもの。兄弟は父を見送ることを選び、兄弟の友達もまた“おまじない”で地面に倒れ、起き上がり腕を背中にまわし共に歩いていくことを選ぶ。知恵の輪が結んだもの、知恵の輪が解けてもほころばないもの。挨拶をしに走り行く友達を待ち続けてくれるのだから。
[DVD(邦画)] 10点(2014-01-07 16:35:38)(良:1票)
7.  鴛鴦歌合戦 《ネタバレ》 
「弥次喜多道中記」に並ぶオペレッタ時代劇の傑作。前者が歌と股旅映画が融合した作品ならば、この作品はミュージカルとしてより洗練された楽しさ。歌いっぱなしの「鴛鴦歌合戦」、歌ありアクションあり何でもござれの「弥次喜多道中記」。どちらも大好きな映画だ。  正月特番で作られた1時間映画だが、みんな「演じている」という堅苦しさが無い。量産性・劇団のような俳優陣の共通は何百回と稽古を積み上げた迫力を味わえる。みんな活き活きとした表情で元気に歌いあっている。当たり前だがみんな歌が絶品。ディック峰、志村喬と歌も演技も最高の面々が揃っている。  ストーリーそのものは典型的な時代劇だが、殿様見物、微妙な三角関係、価値観の崩壊(骨董収集がガラクタの山と化す志村喬)、金か愛か、ラストの踊る様な立ち回りなど見所が多い。  特に終盤の殺陣は面白い。無駄なチャンバラはせず、身のこなしだけで刀を避け敵を投げ飛ばす。  死人が出ない喜劇タッチの面白さ。  でもちょっとは斬り込めよディックさん・・・(笑) その辺ひっくるめて誠に愛らしい存在です。  ラストの展開は多少強引かなと思ったが、エンディングのカーテンコールの見事さに唸りっぱなし。   俺にとって作品の面白さに時代は関係ないんだな・・・という事を痛感させられた映画の一つです。
[DVD(邦画)] 10点(2013-12-29 14:52:41)(良:2票)
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