1. バティニョールおじさん
あらすじから推測した雰囲気からは、ネビル・シュートさんのパイドパイパーを連想したんですが、いざ観てみるとずいぶんムードが違っていました。子供達とのギクシャクした交流が、優しい視点で描かれていたと思います。個人的には、パリでの生活を丁寧に語ろうとしたところは、後の展開に良い影響を与えたと思ったのですが、ここは観る人によってテンポの悪さと感じられるかもしれないですね。一つの街に一人くらいはいそうな普通のおじさんが(たとえ自己憐憫や喉に刺さった小魚の骨のような罪の意識からだろうが)ナチスに逆らおうとする決断には、素直に応援を送りたくなる説得力があると思います。最後の最後でああなるわけですけども、よく生活できたなぁと思うのは、バイト生活に疲れた学生の荒んだ心のなせるワザでしょう。どこかのんびりとした佇まいに、適度なハラハラ感があって、落ち着いてみられるとても良い作品だと思います。どうでもいい事ですが、字幕の後吹き替えで観た時、あの少年がいつ「犯人はお前だ!」とか言っておじさんを糾弾するのだろうかとドキドキしてました。貴重な経験です。 8点(2003-08-23 16:22:39) |
2. ハートブレイカー(2001)
ダレル事なく観られました。雪崩式に繰り出されるトラブルと母娘の仕掛けが、テンポよく絡んで面白かったです。余談ですが、ハックマンさんが笑わせすぎ。 7点(2003-08-23 16:12:47) |
3. パラドールにかかる月
ドレイファスさんも素晴らしいですが、ラウル・ジュリアさんの印象に強烈なものを感じました。ところどころに差し挟まれるちょっとした映画ネタは、同じくドレイファスさん主演のグッバイ・ガールを思い出させてくれました。ケッコー笑えるところ多く、バランスのとれた作品だと思います。意外と良作。 6点(2002-11-17 15:49:14) |
4. ハピネス(1998)
幸せを求めてる自分に、辟易しつつ酔ってる人たちがとても面白かった。もちろん、僕もその一人。どうでもいいかもしれない疑問だけど、いまのところ有り得なくても、もしこういう描写又は作風が主流になると、この作品にいったい何が残るのだろう? 7点(2002-10-26 10:10:01) |
5. バルタザールどこへ行く
乾いてると思えるほど何の感情も感じさせない淡々とした撮影が、最後に捉えたロバ(僕の事ではありません)のバルタザールの瞳をとても情感深く映していたように思えたとき、清々しいほどの突き抜けた虚無感を感じました。功罪や愛憎なんてものですら、人間のちんけな部分のエゴにすぎないのかもしれません。観終わった後しばらくは爽やかに鬱生活を送れる方が多いと思います。 8点(2002-10-16 21:11:33)(良:1票) |
6. 晩秋(1989)
重いテーマをジメっとさせずにみせてくれました。おじいちゃんの何気ないセリフが、どうしてこんなに僕を後悔させるんだろう?だけど、最後の言葉が、何もかもを許してくれてるようでした。ところで、10年前のケビン・スペイシーさんって、あんな風だったんですねぇ。意外な収穫でした。 9点(2002-07-23 22:34:10) |