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1.  花よりもなほ 《ネタバレ》 
是枝裕和監督の作品を最初から最後まで見たのはこれが初めて。(「万引き家族」が話題になっていた頃、連ドラの「ゴーイングマイホーム」を見始めて途中で屈折した経験あり。)是枝監督初の時代劇だそうだが、浅野内匠頭の辞世の句の一節をタイトルにしているとおり、赤穂事件を背景に、父の仇討ちを誓ったへっぴり腰の侍(岡田准一)を通して復讐や仇討ちのバカバカしさや無意味さを描くという発想と着眼点は良いし、主人公が住んでいる長屋の汚さなどリアリティのあるセットの素晴らしさなどはいかにも本格的な時代劇という感じがして良かった。また、その長屋の住人たちの人物造形、描写もしっかりとしていて、そのあたりも見ごたえのあるものになっている。それに桜の花が散るのはまた来年咲くためというセリフも心に残る。でもなにか全体的な印象としては弱く、そこそこ退屈せずに見られたものの、ちょっと散漫としていて冗長に感じる部分も多かったのはちょっと残念だったし、さきほど長屋住人の造形や描写がしっかりしていると書いたばかりだが、その中に吉本芸人を三人(上島竜兵、木村祐一、千原せいじ)も入れたのはいささか狙いすぎのような気がした。ラストにかけてももう一つなにか欲しかったところか。
[DVD(邦画)] 5点(2024-03-10 15:45:30)
2.  幕末太陽傳 《ネタバレ》 
時代劇なのに現代(昭和30年代)の品川の街並みとナレーション(加藤武)をバックにタイトルロールというのが驚き。ストーリーはコメディーとしてはちょっと重い部分もあるんだけど、フランキー堺演じる佐平次のキャラクターがすごく好き。女と心中しようと川に飛び込んだ金ちゃん(小沢昭一)が後になって棺桶から生きて出てくるシーンに大爆笑した。ラストの墓場のシーンでのフランキーと市村俊幸のやりとりにも思いっきり笑わせてもらった。全体としては傑作なんだけど、やはりいちばん最後のシーンが川島監督の構想どおりのしめ方でないのと、おそらく時代劇初出演だったであろう裕次郎に違和感を感じたのがちょっと残念。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2024-03-03 14:17:16)
3.  半落ち
言われているほど悪くはなかったけれど、演出や音楽が感傷的過ぎてちょっとあざとく感じた。それにこういう設定の映画は野村芳太郎監督(死んじゃったけど。)のほうがうまそう。樹木希林は評判どおり素晴らしかった。
[ビデオ(邦画)] 5点(2024-03-02 17:27:38)
4.  幕末残酷物語 《ネタバレ》 
新撰組を描いた加藤泰監督の映画だが、その歴史を華々しくカッコよく描くものではなく、屯所のみを舞台に新撰組の暗部や非人間性、非情さといったものを描いている。これまでも新撰組ものは何本か見ていて、そのメンバーの確執や非情さにも触れられている作品もあったのだけど、いざそこをメインに描かれると本当に新撰組という組織がただの非道な集団にしか見えず、多くの作品で描かれてきた英雄然とした新撰組のイメージは打ち砕かれそうになる(イメージとしては大島渚監督の「御法度」が近いかなと思うのだが、やはり少し違うか。)のだが、同時にここまで新撰組の闇の部分を徹底して描いた作品も初めて見た感じで、興味深くて面白かった。その非道さを田舎から出てきた架空の新人隊士である主人公 江波(大川橋蔵)という第三者の目を通して描かれている分、より一層その非道さが際立っていてリアルで見ごたえのあるものになっているし、最初は言われるがまま怯えながら仲間の隊士の切腹の介錯をやっていた江波が三度目には自分からその役を買って出るあたりは江波の人間性の崩壊もちゃんと描かれていて、そういうところにもリアリティを感じさせるあたりは想像はつくものの、やはりドラマとしてよく出来ている。と、ここまではじゅうぶん傑作の域なのだが、江波の正体が判明するクライマックスがなんか唐突で、せめてそれまでに伏線が欲しかった。(一応、沖田(河原崎長一郎)が芹沢鴨暗殺について江波に語るシーンが伏線といえばそうなのだが。)別にこういうふうでなく普通に江波が規律違反を犯して粛清されるという結末のほうがこの映画にとっては良かった気がしてこのラストはなんかもったいなく感じたのがけっこう残念で、ここだけが不満。でも、見終わって満足できる時代劇映画だったのは間違いない。
[DVD(邦画)] 7点(2024-02-02 23:08:47)
5.  花のお江戸の釣りバカ日誌 《ネタバレ》 
舞台を幕末に移したシリーズ通算第12作。浪人である浜ちゃんと庄内藩主であるスーさんが出会うところからやっているので前半は1作目を江戸時代に舞台を移し変えたセルフリメーク作品みたい。でも浜ちゃんを独身男という設定にすることで完全にそうなるのを避けている脚本は長いシリーズにしては冒険だが、新鮮で面白かった。時代考証的におかしなところがあるのもこのシリーズならば許せる。しかし仕官が叶って庄内藩士となった浜ちゃんの上司が谷啓でなく、中村梅雀だったのはかなり違和感を感じた。ところで庄内といえばこのシリーズの脚本を書いている山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」の舞台となった場所で愛着でもあるのかなと思ってみたり。いつかその山田監督による演出の「釣りバカ」を見てみたいと思ってるのだけど無理だろうなあ。
[ビデオ(邦画)] 5点(2024-01-31 18:46:49)
6.  八月の狂詩曲
黒澤監督の昔の代表作をほとんど見た後で見たのでとてもつまらなかった。内容も俳優陣も地味なのにひとりハリウッド・スターのリチャード・ギアはかなり浮いている印象しかない。それでもラストシーンは印象的だった。
[ビデオ(邦画)] 3点(2024-01-08 14:34:37)
7.  BALLAD 名もなき恋のうた 《ネタバレ》 
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」を実写化した山崎貴監督の映画。アニメを実写化する場合、多くはそのアニメの最初からというパターンが多いと思うのだが、この映画はシリーズの中でも人気と評価の高い劇場版の作品を実写化しており、アニメの実写化の着眼点としてはけっこう悪くない感じはする(でも山崎監督なら鉄人兵団を実写化した方が向いてそう。やってほしくないけど。)のだが、あえてオリジナルを久しぶりに見返してから本作を見るとやっぱりかなり厳しいと言わざるを得ない出来になっていて、既に散々書かれているが、「クレヨンしんちゃん」のアニメだからの一言で済まされる部分がそのまま実写化されていて不自然な部分が多く、また本来子供向けであるはずが大人が見ても唸るようなリアリティと見ごたえのある作品になっていたオリジナルと比べても合戦シーンなどにリアリティがなく、子供向け、いや子供だまし感が強く、見ていて少し退屈。それにオリジナルで好きだったシーンがけっこうカットされてたのも残念。その中でも原恵一監督がタイトルにしようとまで拘ったという又兵衛の異名のひとつである「青空侍」が登場しないのが非常に残念で、これによってラストシーンが変更されているが、このラストが非常に弱く、余韻が残らない。せめて「青空侍」は残しておくべきだったのではと思う。オリジナルよりも又兵衛と廉姫の恋愛に重きを置いているためか、もう一つのドラマである少年と又兵衛の友情を描いた部分もすごく薄みに感じる。(恋愛部分も深みは感じないが。)と良いとこなしの映画のように書いているが、ひろしに相当する人物の職業をカメラマンに変えたのは正解で、敵陣にうって出る前の夜にみんなで写真を撮るシーンはけっこう良かったし、印象的で、又兵衛の「これで生きた証が残せた。」というセリフも心に残る。ここだけは本当にあざとさを感じず素直に良いシーンだと思った。それからもう少し書かせてもらうと、又兵衛に仕えることになる野武士ふたりはオリジナルで声を担当していた雨上がりをそのまま起用していても良かったような気がする。
[DVD(邦画)] 5点(2023-12-29 15:46:48)
8.  バトル・ロワイアル
初めて見た深作欣二のバイオレンス映画だったのだが、70歳の老人が監督にしてはパワーを感じるし、面白かった。僕はこの映画を遺作だと思いたい。生徒役の俳優に関してはこの映画で初めて見た藤原竜也や柴咲コウ、栗山千明などが印象的。とくに相馬光子役の柴咲コウは怖すぎて今でもテレビなどで彼女を見ると相馬光子を思い出してしまう。桐山役の安藤政信もそれまで見た映画の印象とは違う一言も喋らない狂気に満ちた生徒役を好演している。それから、説明ビデオのシーンとビートたけしの役名が笑える。
[ビデオ(邦画)] 8点(2023-09-27 22:51:07)(良:1票)
9.  爆竜戦隊アバレンジャー DELUXE アバレサマーはキンキン中! 《ネタバレ》 
スーパー戦隊シリーズ2003年の作品である「爆竜戦隊アバレンジャー」の劇場版。テレビシリーズも見ているが、そちらは子供向けらしい作劇の中に時折かなりシリアスな話もあってわりと面白く見たのだが、その劇場版となる本作はテレビシリーズの明るい雰囲気そのままの感じで、けっこう安心して見れた。テレビシリーズに登場する怪人は三つを合成したものなのだが、今回は劇場版ならではの特別感を出すためか、六つを合成したものになっているのはめちゃくちゃ単純だし(その怪人の声を担当している高田由美が懐かしい。)倒されても巨大化しないのもなんかかませ犬的なギャグ要因っぽい。中盤でこの怪人を倒してしまい、どうするんだと思っているとゲストヒロインが新たなる敵の変身であったという展開だが、ここからの方が劇場版らしい派手な見せ場となるが、やはり見どころになるのは今までテレビシリーズに出てきた爆竜たちが全員登場するシーンだろう。また、この後半の敵であるガルヴィディの声を翌年の戦隊である「特捜戦隊デカレンジャー」でナレーターをやっている古川登志夫が演じているのも面白い。(「デカレンジャー」では遊馬のような落ち着いた柔らかな口調なのに対して本作ではピッコロのようなドスの利いた口調なのはさすがである。)テレビシリーズでは羽田健太郎を中心とした番組のためのユニットが音楽を担当しているが、本作は羽田健太郎が単独で担当している。おそらく本作は彼が劇伴音楽を担当した最後の映画作品ではないだろうか。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-08-31 18:47:54)
10.  張込み(1958)
張り込みという刑事ものの中ではやや地味な印象のある題材なのでちょっと退屈するのではないかと思っていたが、橋本忍のよくねられた脚本と野村芳太郎監督のきれのある演出のおかげで大変見ごたえのある映画に仕上がっていて非常に面白かった。もちろん主役の二人の刑事を演じる大木実と宮口精二はじめ、高峰秀子など俳優たちもいい。それほど多くない出番だが、重要な役で先日亡くなられた田村高廣も出演している。好きな俳優の一人だっただけに亡くなってしまったのが非常に惜しい。心からご冥福を祈りたいと思う。
[ビデオ(邦画)] 8点(2022-07-30 16:34:48)
11.  ハリーの災難 《ネタバレ》 
アルフレッド・ヒッチコック監督と言えばサスペンス一筋で有名な監督だが、この映画は森の中で発見された一体の死体をめぐる騒動を描いていて、緊迫感などはなく、実にほのぼのとしたタッチのブラックなコメディーに仕上がっている。死体を発見したら普通は驚くと思うのにこの映画の登場人物たちはすごくあっけらかんとしていて終始明るい雰囲気なのがいいし、みんないい味を出している。死体が登場人物たちの都合によって何度も埋められたり掘り返される展開は、死体に思わず同情しながらも実にブラックで、思わず笑わされてしまった。シャーリー・マクレーンのデビュー作とのことだが、なんともコケティッシュなかわいい風貌で魅力的。でもだからこそこんな若い美人が死体を前にしてもあっけらかんとしているのがある意味すごく、そのギャップも笑えたりする。でも、彼女がほとんど初対面の男といきなり結婚するというのはコメディーといえどちょっとやりすぎな感じがしいないでもない。舞台が秋の村なのだが、紅葉の映像も印象に残る。サラリと軽く作られたような映画ではあるし、傑作とも言い難いのだが、出来はよく、あまり見ていないのだが、サスペンスだけではないヒッチコック監督の幅の広さを感じることができる。個人的にちょっと疲れぎみでちょうど軽めのコメディーを見たいと思っていたところだったので、何も考えずに見て、楽しめる本作のような映画はちょうどいい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-02-19 15:47:34)(良:1票)
12.  HANA-BI 《ネタバレ》 
10年ぶりに再見。以前見た時にはたけしの監督作を「菊次郎の夏」しか見ておらずあまりの芸術性の高さに驚いた記憶があるのだが、たけしの監督作を10本ほど見た今あらためて再見すると、いかにもたけし映画らしい激しい暴力描写とそれでいて美しさを感じさせる映画になっていると思う。初見以来の再見なのでストーリーをあまり覚えていなかったのだが、とにかく西(ビートたけし)とその妻(岸本加世子)の夫婦愛に以前見た時よりもグッとくるものがあり、ケーキのシーンなどたけしの得意とする必要以上に登場人物に語らせない演出がすごく活きていて、言葉などなくてもこの夫婦の固い絆というものが見事に美しく表現されていて素晴らしく、同時に切なさも感じられて感動的だった。二人が旅に出る後半も時折ギャグを入れつつも、どこか同時に物悲しさを漂わせている雰囲気が良い。この孤独な二人の旅と、回想による犯人に撃たれ下半身不随となった堀部(大杉漣)の孤独を対比させるような描き方も良かった。一言も喋らなかった西の妻が最後の最後になって喋る一言、以前見た時もここは印象的だったが、特になにも感じなかったのに今回はこの夫婦に初見当時よりも感情移入できていたせいか、このセリフがものすごく悲しく、切なく聞こえた。この映画はなによりもこの不治の病に侵された妻(劇中ではっきりとした病名を最後まで示さないのがいい。)の存在が大きく、演じる女優にはおのずと演技力がもとめられるわけだが、演じる岸本加世子は見事にたけしの要求に応えて素晴らしい演技を見せている。西を演じたたけしもそうだが、岸本加世子という女優の存在がこの物悲しい映画の完成度をより高めており、ラストシーンも印象的なものになっているのだと思うし、実際、僕自身もこのラストシーンは好きだ。全体的にもたけし映画らしい静かな作品であるが、シーンが静かであればあるほど、久石譲の音楽がでしゃばりすぎのような気もして少し邪魔にも思える。(曲自体はいい曲なんだけれども。)例えばさっき好きだと書いたラストシーンも音楽がなければもっと良かったのではないかと思わなくもない。でもこの映画は間違いなく北野武監督の代表作であり、傑作であることには間違いないと思う。(2011年6月19日更新)
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-12-21 17:59:54)
13.  馬鹿まるだし
喜劇としてはちょっと重たいけど、最後まで楽しく見られた。ハナ肇演じる安五郎のキャラクターが最高に面白い。「男はつらいよ」以降の山田作品では見られない展開や、「男はつらいよ」では見られなかったハナ肇と渥美清の絡み(初期の山田作品の常連であったハナ肇は「男はつらいよ」シリーズには一作も出ていないため。)が見られるのが嬉しい。ラストの植木等の使い方が「たそがれ清兵衛」の岸恵子と全く同じだったのがちょっとビックリした。 傑作とは言いにくい映画だけど、ラストの告白シーンにちょっと感動してしまったのでちょっと甘いかもしれないけど9点。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2021-08-20 21:57:30)
14.  ハウルの動く城
今までの宮崎アニメというのは駄作はあっても、手抜きで作ったやっつけ仕事のような作品はなく、つまらなくともそれなりの満足感があった。が、この映画はどう考えてもやっつけ仕事にしか思えないほどのつまらない作品だった。(宮崎駿監督作品というのも半ば信じられない。)他人の原作、当初は監督する予定ではなかった、ついでに言うと加藤治子が出ているなど、本作と共通点が多い「魔女の宅急便」のほうがよっぽどいいと思う。次に声優陣だが、キムタクは思ったほど違和感がなかった。しかし、倍賞千恵子は老婆のときはそんなに違和感なかったのだけど、少女の時にやはり相当な違和感を感じた。声優陣発表時にも思ったことだが、ソフィー役は二人一役のほうが良かったと思う。(英語吹き替えだとそうなってるらしい。)ともあれ、宮崎アニメでここまでつまらないと思った作品は初めて。当初予定の細田守(ちなみに僕は彼の作品はまだ一作も見ていない。)監督作品として見たかった。
[地上波(邦画)] 3点(2021-05-20 22:36:23)
15.  ハナ肇の一発大冒険 《ネタバレ》 
肉屋の主人がふとしたことからダイヤモンドをめぐる騒動に巻き込まれ、ヒロインと大冒険を繰り広げるというストーリーで、カーチェイスや銃撃、殺人、山岳遭難ありとこれだけ書くと本格的なアクション・アドベンチャー映画のようだが、山田洋次監督のハナ肇主演によるコメディー映画である。これと同じプロットを深作欣二監督あたりが手がけていればもっと泥臭い映画になったところを山田監督の演出はそれを避け、実にからっとしたコメディーに仕上げており、軽い気持ちで何も考えずに楽しめた。ヒロイン役は倍賞千恵子。山田監督とハナ肇のコンビ作で倍賞千恵子がヒロインを演じる作品はかなり久しぶりに見た気がするが、二人とも息のあったコンビネーションを見せていて楽しい。ハナ肇演じる主人公は「社長」と周囲から呼ばれているのだが、「男はつらいよ」シリーズを先に見てるからヒロインが主人公を「社長さん」と呼ぶとタコ社長(太宰久雄)の顔が思い浮かんでしまう。主人公たちと知り合った男が旅に加わるという展開は「幸福の黄色いハンカチ」を彷彿とさせているが、動かなくなった車を二人で後ろから押してるシーンなんかあったりしてますます「幸福の黄色いハンカチ」を思い出して久しぶりにまた見たくなったなあ。ラストの倍賞美津子の使い方が面白い。そういえば姉妹で同じ画面に出て共演してるのを見たことがないのだが、「男はつらいよ」でマドンナを演じる倍賞美津子を見てみたかった気もする。
[DVD(邦画)] 7点(2021-04-21 23:03:50)(良:1票)
16.  春の雪
三島由紀夫原作の映画の主役が妻夫木聡と竹内結子(テレビ初放送時の「タイタニック」吹き替えコンビ)ってちょっとどうなんと思いながら全く期待せずに見たが、映像が美しく、いかにも大正時代の貴族社会という雰囲気がよく出ていたと思う。岩代太郎の音楽も良い。主演の妻夫木聡は「ウォーターボーイズ」とかで爽やかな印象が強いのだが、なかなか頑張っていて予想よりはよかったと思う。が、一方の竹内結子は頑張ってはいるのだが、なんか違うような気がして似合わない感じがする。映像の美しさは先ほど書いたとおりなのだが、ストーリーにあまり深みがなく、主人公二人に感情移入が出来ないのが難で、原作(未読)が4部作の1編ということもあってかただ出てきただけというような人物がいたり、輪廻転生について話すシーンなどの伏線が投げっぱなしの印象なのもちょっとなあ。それにこういう高尚な映画の主題歌が宇多田ヒカルというのも違和感がある。(普通にインストゥルメンタルが良かった。)それでも、大楠道代(安田道代)、岸田今日子、そして若尾文子という増村保造監督の映画で印象に残る演技を見せた三人が出ている(これは企画に藤井浩明が名を連ねているせいもあるかも。)のが自分にとって最大の見どころ(若尾文子、大楠道代(安田道代)に加えて山本圭も出ているので山本薩夫監督の「氷点」も思い出される。)で、中でもこれが久々の映画出演となった若尾文子はやっぱり年をとっていても品があって美しく、独特のオーラを放っていて存在感があり、いい年の取り方をしているなと感じさせてくれたのが嬉しい。ところで晩年の市川雷蔵が清顕を演じたがっていたそうだが、もしも、雷蔵と若尾文子のコンビで映画化されていたらどんな感じの映画になっただろうか。
[DVD(邦画)] 5点(2021-02-02 22:37:45)
17.  白昼の死角 《ネタバレ》 
角川春樹が「悪魔が来りて笛を吹く」に続いて自社作品以外でプロデュースを手掛けた犯罪映画。戦後を舞台に手形詐欺を繰り返す男の生きざまを描いた大作であるが、多少の雑さはあるものの、詐欺の手口の爽快感に加え、出演している俳優陣も豪華で、中でもやはり主人公・鶴岡七郎を演じる夏八木勲の存在感、あまり主演作を見たことなく、どちらかといえば脇役の印象のほうが強いのだが、鶴岡の冷徹な悪人という部分をうまく出していて主役として見事なはまり役。事件を追う検事役の天知茂もそれ以上の存在感があり、緊張感のあるこの二人の対決もみどころの一つとなっていて、2時間40分近い長尺(村川透監督の映画でここまで長いのは珍しい。)ながら最後まで飽きずに見ることができた。最初のニセ会社を使った詐欺の部分における藤岡琢也演じるニセ社長が鶴岡に演技指導を受けるシーン(この藤岡琢也や西田敏行の使い方がさりげなく良い。)や、原作者の高木彬光がカメオ出演したそのニセ会社の社員を募るオーディションのシーンは思わず笑ってしまう。カメオ出演といえば初期の角川映画では角川春樹がほぼ必ずカメオ出演しているのが常だが、本作では鶴岡に金をだまし取られた専務(佐藤慶)の会社の社長役で、出番やセリフもいつもよりも多い気がする。冒頭は隅田(岸田森)の焼身自殺というショッキングなシーンだが、それに対してラストは鶴岡が替え玉を使って焼身自殺を装って国外逃亡というのが見事にリンクしていてそういうところも良かった。(ちゃんと伏線となるセリフも劇中にあり。)ただ、鶴岡の詐欺をひとつひとつもう少しじっくりと見たかったという思いもあって、そういう意味では映画よりも連ドラ向けの物語なのかなと思った。渡瀬恒彦の連ドラ版も機会があればいつか見てみたい。とはいえ、今まで見た村川監督の映画の中ではいちばん面白かったことは確か。ダウンタウンブギウギバンドの主題歌も映画によく合っていたと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2018-12-17 23:30:42)
18.  8年越しの花嫁 奇跡の実話 《ネタバレ》 
地元岡山での実話の映画化作品ということで、公開時に地元ですごく話題になり、自分の職場にも何人か見に行ったという人や中にはリピーターもいた本作を遅ればせながらようやく見た。確かに良い話ではあるし、感動的ではあるけれど、こういう話ならもっと主役の二人が出会ってから彼女が病気になるまでの話を詳細に描くべきで、そうしないと何がそこまで彼氏を突き動かしているのか理解できない。ほかにも彼女の両親が娘のことは忘れてくれと彼氏に言った後、再びこの両親が彼氏を受け入れるまでの過程があっさりしすぎているなど、ちゃんと描くべきところがおざなりになっているという印象。そのせいでドラマとしては非常に薄っぺらく、主役の二人にもあまり感情移入することができなかった。もっとこういう細かいところをしっかりしていれば良かったかも。毎年彼氏が同じ日に結婚式を同じ式場に予約し、式場が毎年それに対応していたというのも実話でありながらちょっとあり得ないと思ってしまった。(ちょっと違うかもしれないけど「一杯のかけそば」みたいな。)それでも駅前の商店街のアーケードや地元スーパーの外観など見慣れた風景が映画の中に出てくるのは楽しかったし、主演の佐藤健、土屋太鳳をはじめメインキャストに朝ドラ出演経験者が多く、(脚本家も去年朝ドラ書いてたし。)とくに彼女の両親役を杉本哲太と薬師丸ひろ子が演じているのはつい「あまちゃん」を思い出した。(「あまちゃん」では夫婦役ではなかったんだけど。)そういえば劇中のテレビでいきものがかりの「ありがとう」が流れているシーン(重要なシーンだ。)があるが、あの曲も朝ドラの主題歌だった。
[DVD(邦画)] 5点(2018-10-17 22:50:43)
19.  薄桜記 《ネタバレ》 
雷蔵と勝新が共演する忠臣蔵の番外編的映画。大映オールスターキャストの「忠臣蔵」をひと月半ほど前に見ていたので勢いで本作も見た。あまり期待はしていなかったのだが、当時既に人気スターだった雷蔵とまだ売り出し中の頃だった勝新がほぼ同格の扱いで共演しているのが最大のみどころ。物語は赤穂浪士の討ち入りを背景に、丹下左膳がモチーフと思われる雷蔵演じる丹下典膳と、勝新演じる赤穂浪士の一人である中山(堀部)安兵衛を中心に展開していくが、重くシリアスでドラマとしてはまずまずといったところでそんなに悪くないし、思ったよりは楽しめた。中でもクライマックスの片手片足の丹下が寝たまま複数の敵と斬り合うというシーンは今まで見たことのないような立ち回りシーンで、インパクトはあるし、印象にも残る。しかし、美術セットが大映にしてはなんだかしょぼく、比べてはいけないが「忠臣蔵」とは差がありすぎるし、回想形式で主要人物三人のモノローグが多く、一部ダイジェスト的に感じる部分があるのは話の性質上、仕方ないが、ちょっと残念に感じた。森一生監督の作品で、その手堅い演出自体には不満はないのだが、脚本を書いた伊藤大輔監督の演出でも見てみたかった気がする。
[DVD(邦画)] 6点(2017-10-29 10:15:04)
20.  春を背負って
木村大作監督の前作「剱岳 点の記」よりも万人請けしやすい感じで見やすいのだが、山や自然の美しさだけが印象に残り、木村監督は本当に山が好きというのはよく伝わってくる。しかし、人間ドラマとしてのみどころが薄く、ありきたりな感じで深みも感じられず山好きが作った山の映画という、それ以上でもそれ以下でもない感じなのは前作と同じ印象でハッキリ言って凡作。ただ前作で感じた木村監督以下本作の関係者たちの自己満足感は感じなかったのでそこは良かったかなと。
[DVD(邦画)] 5点(2017-10-17 17:48:15)
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