1. バンド・ワゴン(1953)
これぞザッツ・エンターテイメント!ミュージカルの楽しさ・豪華絢爛さを存分に味わえるアステアの後期の傑作だと思います。 アステアのソロの見せ場が少ないのですが、それでも序盤のゲームセンターでの靴磨きの黒人やゲームセンターの客を巻き込みながら、ゲーム機とも絡みながらのコミカルなアステアのダンスはとても楽しい。またアステア、オスカー・レヴァント、ジャック・ブキャナン、ナネット・ファブレーの4人で魅せる“ザッツ・エンターテイメント”も楽しさいっぱいです。 勿論シド・チャリシーとのこれぞアステア!ヒロインと時にはうっとりするような、そしてパワフルなペアの舞も堪能させてくれます。全盛期のような派手さは無いけれどアステア全盛期のトレードマークであるトップハット&燕尾服姿でのタップを見せてくれるのも嬉しい。 優雅で、コミカルで、歌も素敵で、色んなアステアがたっぷりと堪能できる本作。ミュージカルスターとして頂点を極めたアステアのキャリアも終盤に差し掛かった頃。アステアの集大成のように思える作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2012-02-02 23:52:03) |
2. 灰とダイヤモンド
ドイツが降伏し戦争は終わっても、ポーランドの民衆の闘いは終わらない。 本作製作当時はソ連が東欧諸国で影響力を持つ中、思想や映画などの文化への検閲も厳しい時代だったという。 主人公マチェクの運命はこれしかなかったのか…。ゴミの山の中で死んでいく姿で終わるラストは強烈。 これはアンジェイ・ワイダの、第2次大戦から祖国ポーランドを思い、戦った当時の若者達への鎮魂歌か。 その一方で、マチェクとバーで働く女との一夜限りのロマンスが悲しくも心に残ります。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-12-03 20:19:20) |
3. 巴里のアメリカ人
美しい町並みを舞台にジーン・ケリーの明るくパワフルなダンスに、歌う姿もいい作品です。町を行く人々、カフェの客に町の子ども達も巧く絡むミュージカルシーンが楽しい。ジーン・ケリーに関してはTシャツとかラフな格好で男同士で陽気に歌い踊る姿がとても楽しくて好きです。(対照的にフレッド・アステアと言えば正装で優雅に華麗に美女と踊る姿ですね~。)なので本作でもオスカー・レヴァントとのピアノを使った絡みや、町の子ども達との絡みなんてとても楽しい。有名なラストはやはり賛否分かれるんですね。ミュージカルのラストはみんな笑顔、分かりやすい大団円の大ハッピーエンドが好きな僕にとっては、延々と(20分くらい?)続く圧巻なのですがシュールなダンスシーン、最後はちょっと辛かったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-17 18:37:24) |
4. パリの恋人
今回のフレッド・アステアのパートナーは何とオードリーです。年齢を感じさせないアステアのダンスは相変わらず楽しくて素晴らしいし、オードリーも元バレリーナだけあってアステアのパートナーぶりもなかなかのものでした。特にウェディングドレス姿のオードリーとアステアが舞うシーンはオードリーの美しさもあって、うっとりとさせられます。名匠スタンリー・ドーネンの映画、名ダンサー・アステアの映画として見ればお二人とも本作よりいい映画は他にもありますが、オードリーの輝く魅力を堪能できる映画となっています。しかし「麗しのサブリナ」のコメントにも書きましたが、僕にとっては本作でも着飾る前のオードリー、すなわち本屋さんの店員さんの普段着のオードリーの方が可愛くて魅力的に見えてしまうのです。 [DVD(字幕)] 6点(2010-03-02 23:36:32)(良:1票) |
5. ハリーの災難
主人公?のハリーさんをめぐる4人の男女の死体を前にしてもどこかのんびりとした空気とあっけらかんとした明るさがいいですね。ヒッチコック監督のユーモアに溢れた本作、大いに楽しませていただきました。紅葉に包まれた森の美しさも印象に残ります。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-02-01 20:44:09) |
6. バス停留所
《ネタバレ》 女優マリリン・モンローが大きな転機を迎えた作品。本作以降、つまりアクターズスタジオ以降とそれ以前と彼女の魅力、演技力などにおいては評価が分かれる所だと思いますが僕は断然以前のマリリン、例えば「百万長者」や「紳士は金髪がお好き」などで見せる天真爛漫な天然コメディエンヌのマリリンが好きなのです。その多くの人に愛された役どころに本人の苦悩があったというのは何とも言えない皮肉を感じるのですが。作品の方はドン・マレイ演じるマリリンを追いかけ続ける田舎者のカウボーイという典型的な田舎青年をどう感じるかで楽しめるかどうかが分かれる映画だと思いますが、どうもこの男を鬱陶しく感じてしまった時点で本作を楽しむところまでいかなかったようです。ただ、一緒にバスに乗り込む絵に描いたハッピーエンドでマリリンが見せる笑顔にはほっとさせられたのでした。 [DVD(字幕)] 5点(2010-05-05 17:05:12)(良:2票) |