1. パージ:エクスペリメント
《ネタバレ》 なかなか厳しい評価を受けているようですが、結構面白かったですよ。 いつものパージと違って、みんな略奪から始めるのが良かったです。よほど頭のイカれたやつ以外は人殺しなんかしない。 予想と違って、みんな思ったよりおとなしい。パージ参加率が思ったように上がらない様子を見て焦る政府が面白い。 挙句の果てには街のあちこちでパーティーなんかはじまっちゃって、みんなパージする気なし。 まあ、そりゃそうですよね。報酬をもらえるみたいですが、なかなか急に恨みもない人を殺すなんて、できるわけないです。街に留まるだけでもいくばくかのお金がもらえるわけですから。あえて殺し殺されのリスクを負おうとは思わないでしょう。 でもそこへわれらがスケルター君の登場。パーティー会場に乱入して無差別殺人。ここから一気にパージが加速か?と思わせておいてなぜか政府が傭兵を投入。一般市民への一方的な殺戮を始めます。 うーん、それはちょっと違うんじゃないの~。 街のあちこちで命を狙うやつがいたり、罠をしかけているおばさんがいたり、水鉄砲で驚かすだけのやつがいたり、そーゆーいかにもパージっぽいカオスな世界を最後まで貫いてほしかったかな。 無秩序からしか生まれない怖さ。そーゆーものを見てみたいのにね。傭兵や軍隊が出てきちゃうと、同じ殺し合いでもそこには秩序ができちゃうんだよね。それはそれで面白いんだけど、それじゃあただのアクション映画じゃないですか。もったいないなぁ。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-04-10 03:11:03) |
2. パージ:大統領令
《ネタバレ》 どうやらこのシリーズは自分と相性が良いらしい。 1作目も2作目も今作も、それぞれ違った趣の味わいがあります。 状況設定は、どちらかと言えばアナーキーに近い今作。 主人公も同じ。決定的に違うのは、主人公が前作では復讐のため、今作では要人を守るために行動しているところ。 前作でもすでにヒーロー然としていたレオですが、今作では完全にヒーローになっちゃってます。なにしろ、パージ反対派の大統領候補を守り抜くという大義名分ができちゃってるのです。だからパージ反対派の市民も無条件で助けてくれる。 つまり、メインのストーリーはその辺のよくあるサスペンスアクションになっちゃってます。ホラーの要素はほとんどなくなったと言っていいんでないかな。 対立構図も超単純。『パージは廃止!』のローン上院議員陣営VS『邪魔者は殺せ~』の政府軍。 だからまあ、物語が佳境に入るにつれ、なぜかありきたりでつまらなく感じちゃう妙なことになってます。 何のヒネリもないストーリー展開なのに、終盤ひっぱりすぎなんですよね。 サイコ牧師議員の説諭なんて、長いうえに中身がなくてダルくて仕方なかったです。 ただこの映画、メインとは関係ない枝葉の部分は結構面白かったりするんです。 例えば万引きを説教された女の子たちがパージの夜に報復に来るとか、そーゆーイカれ具合はなかなかに良かった。 こーゆーパージならではのエピソードを、メインのストーリーにもっとからめてくれたら更に面白かったのに。 ま、回を追うごとにパージ色が弱くなりつつあるのがもったいないので、次作に期待。 ですが、今作は今作で、なんだかんだいって楽しめちゃいました。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-03-29 23:09:12)(良:2票) |
3. パージ:アナーキー
《ネタバレ》 なんだか『ハンガー・ゲーム』と同じ路線に向かいそうな雰囲気が・・・。 まあ、あちらより数段面白いですが。 最初は群像劇っぽい始まり方。次第に主要人物が集まっていく。腕の立つ主人公を中心に、5人が力を合わせて困難を乗り越えていく。これは前作にはなかった高揚感を感じさせてくれます。 友人宅での惨劇。富裕層の人間狩り。政府軍の介入。(これはパージを盛り上げるためなんだか、区画整理に邪魔な住人を消すためなんだか、どっちかよくわからんかったが。) とにかく次から次に襲い来る危機の連続。前作よりスピード感があり、スケールはアップしましたが、緊迫感はやや弱くなったかなと。 サスペンスなら前作。アクションなら今作、ですかね。 街に罠がしかけられていたり、いろんな勢力が入り乱れていたり、とにかく1分1秒も気が抜けない。目まぐるしく変わる状況がなんだかんだで面白い。ただ、あまりに詰め込みすぎたため、一つ一つのエピソードが薄味になってしまった感は否めません。 それにせっかく複数の勢力を出したのであれば、その潰しあいも見たかったものです。 仮面の人間バイヤーグループと、政府軍、殺りあってほしかったなぁ。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-03-17 02:15:33) |
4. パージ
《ネタバレ》 こーゆー狂気じみたプロット好き。 籠城してれば済む話で、実際そーする主人公ファミリー。 でも子供の行動までは読めません。子供は感情で行動しますからね~。特に男の子なんて正義感で先走っちゃうお年頃。それに娘も息子も親に反抗したくなるお年頃ですから~。年齢設定は絶妙に良かったと思いますよ。 『バリケードをこじ開ける道具が到着するまでが期限だ。』 てっきりそれはただの脅し文句かと思っていたのですが。本当に到着しちゃうなんて。そこは心理戦とか駆け引きとかで、『開けゴマ』をやってほしかったものです。力技は芸がないですよー。 襲ってくる集団が仮面をつけているのは不気味で良し。素性を知られないという点においても、意外と合理的かも。 集団の頭、そしておんぶカップルのイカれ具合が最高です。 第3勢力として、隣人たちの乱入など、最後まで楽しませてくれるのもgood。 ただ他の方も言及していますが、これで犯罪がなくなるとは到底思えませんね~。 隣人や娘の彼氏のように、やっぱ邪魔な人間や私怨のある相手がまず的にされると思うんですよね。 例えば、隣人の本性がわかったあとで、『じゃあパージも終わったことだし、明日からまた仲良くしよーねー。』とはできないと思うんです。 つまり、そういうことです。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2024-02-23 03:15:00)(良:1票) |
5. バトルシップ(2012)
《ネタバレ》 こちらでの評価がそこまで高くなかったこともあり、そんなに期待していたわけではなかったのですが、正直めっちゃ面白かったです。 まず映像。そしてサウンド。その迫力が凄かった。 迫力ある映像なのに、とても見やすい。アップや早いカット割りの多用でなんか凄そうとかではなく、今、何が起こっているのかをはっきり見せてくれます。映像の好みだけで言えば、今まで見た映画のなかでもトップクラスです。ダイナミックなアクションと音響に圧倒されっぱなしでした。 敵のメカも大変良かったです。宇宙人のほうが高性能なのは間違いない。だから最初は一方的にやられまくる。でも次第に戦い方を工夫し、知恵を絞り、やっと一矢報いたときは俄然興奮しました。 これが圧倒的な実力差だったら面白くない。相手の戦艦にも兵器にも、ミサイルなどの火力が強い兵器ならば通用するというのが大事。頑張ればなんとかなる。これが良いです。 最初は仲違いしていた主人公とナガタが、強敵に立ち向かうなか、手を組み協力し合うのも良かった。昨日の敵は今日の友。ベタだからこそ良い。 自分達の船が撃沈されてから、どうするんだろうと思ったら、まさかの記念艦ミズーリをリユース。老兵たちもリユース。現役と老兵が力を合わせ、モチベーションがどんどん上がってくる展開。 錨を下ろして船を方向転換。敵艦のミサイルを回避し、敵母船を文字通り駆逐したとき、興奮は最高潮に。 序盤、本題に入るまでがちょっと長めでタルかったけど、それをふきとばすくらいラストまで突っ走ってくれて、最高に楽しいひとときでした。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2024-01-03 15:29:04)(良:2票) |
6. バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生
《ネタバレ》 完全無欠のスーパーマンと、一般人がちょっと鍛えただけのバットマンじゃ、勝負にならんだろう、というのが見る前の感想。 なかなかどうして、バットマン善戦しているじゃないですか。 どちらかと言えばバットマン目線でのストーリー展開が良かったと思います。 前作で気になった都市の破壊。スーパーマンがゾッド将軍と戦い、破壊されていく都市。その街を車で駆け抜けていくウェイン社長。このオープニングが最高。 実は前作でのスーパーマンたちのバトルの陰で、大事な部下や社員の命が、足が、人生が奪われていた。バットマンがスーパーマンを憎むにあたり、これ以上の説得力は無いでしょう。 更には、スーパーマンの母を人質にとり、恋人をエサにスーパーマンをおびきよせ、『バットマンVSスーパーマン』を実現させたレックス・ルーサー、良い仕事をしましたね~。 その作戦が失敗したとき用の第2案として、ラスボスも完備。素晴らしい。 スーパーマンがバットマンに助けを求め、なぜかワンダーウーマンも加わり、3人でラスボスと対決。アツい展開。スーパーマンとワンダーウーマンが戦っているのを、ただ眺めることしかできないバットマンがシュールで好き。 でも一番好きなシーンは、バットマンがスーパーマンの母親を助けるシーン。こーゆー等身大のヒーローがやっぱりいいなぁ。 マーベルでいうところのキャプテン・アメリカみたいな立ち位置。 公聴会が爆破されるなど、戦闘以外でもドキッとするしーんもあり、見所満載。 個人的には大満足なんですが、なんでこんなに評価低いんでしょ?面白いけどなぁ・・・。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-11-27 21:09:06) |
7. ハッピー・シェフ!恋するライバル
《ネタバレ》 いたってオーソドックスなラブコメ。王道、と言って差し支えないでしょう。この時代に、こんなド定番のラブストーリー、なんだか安心するというか落ち着くというか・・・。 さて、お互い好き同士なのは間違いないのに、なぜか踏み出さないその一歩。なぜなら踏み出しちゃうと話が終わっちゃうから。 ニッキーはロンドンで一流シェフを目指しているみたいなのでわからんでもないですが、レオのほうにはこれといった理由はないみたい。だったらもっとガンガンいってもよさそうなものですが・・・いかない。なぜなら成就しちゃうと話が終わっちゃうから。 そういえば、ニッキーがサッカーボールもってレオを訪ねたときに出てきた女の人は結局誰だったの?放置したまま映画終わっちゃいましたけど? とまあ気になる粗があったり、ストーリーがいたって普通だったり。じゃあいったい何が面白いのか。うん、登場人物が魅力的ですね。主演二人も含め、個性的な人ばかりなので見ていて飽きません。おじいちゃんとおばあちゃんが結婚をカミングアウトするシーンなんか最高。ゲイのルイージも良いキャラでしたね~。 でもなんといってもエマ・ロバーツ。最高にキュートです。ジュリア・ロバーツより、アン・ハサウェイに似ています。彼女の一挙手一投足を見ているだけで眼福です。 ありきたりですが、エマ・ロバーツ演じるニッキーが、ラストでレオに勝ちを譲るシーンも素敵でした。 でも空港の告白はちょっとやりすぎ。周りに迷惑かかっちゃうから。気になって仕方なかったです。 まあ細かいところで気になる点は数あれど、手堅くまとまった良質のラブコメ。 あ、でも両家が、というより父親同士がいがみあう理由があまりに弱いのは気になりました。いくらなんでもそんな理由で10年以上もいがみあうわけないでしょ。ましてや店を2つに分けるなんて・・・。現実味なさすぎです。 [DVD(字幕)] 7点(2023-10-18 01:47:55) |
8. ハチェット レジェンド・ネバーダイ
《ネタバレ》 おおお…これは…3作目が一番面白いんじゃなかろうか。 シリーズもので、2作目、3作目となるにつれて、パワーアップして面白くなっていく作品なんてかなりめずらしい。いや、ホラー系は1作目が超低予算だったりするので、意外とあるのかな・・。 前作では民間の義勇兵みたいなのを集め、今作では本職の警官隊が参戦。更にはSWATまで参戦してくれるという充実ぶり。 まあでも結局やられっぷりは前作同様で、いったんヴィクターとのバトルになれば誰も太刀打ちできません。 ただ、ヴィクターが現れるとみんなで一斉砲火。こーゆーシチュエーションは凄く好き。ただ小屋に対しての集中砲火だったり、茂みに対しての集中砲火だったりが残念。やはりヴィクターが姿を現してから一斉射撃をして、撃たれても撃たれても前に進むヴィクターを演出してもらいたかったものです。 SWATのリーダーと元妻でジャーナリストのアマンダ、必要なキャラとはいえ、若干うざかったですね~。特にアマンダ。もう少しウザさを抑えてほしかったかなぁ。ヴィクターの父親の遺骨を手に入れるシーンは、もっとスッといってほしかった。若干間延びの原因になっています。 とまあ細かいところで気になるところはありますが、全体的には概ね良かったと思います。 みんなちゃんと戦うし、ちゃんと逃げる。ちゃんと隠れるところも良かったです。 「そんなバカな選択せんやろ」みたいな行動はほとんどありませんでした。 最後まで船の中に隠れることを選択したアジア系の人が助かったのも良かった。 ラストのメアリー・ベスはなんか意味深。このまま死んで、第2のヴィクターになったりすんのかな・・・ [DVD(字幕)] 7点(2023-10-13 13:40:29) |
9. PARKER/パーカー
《ネタバレ》 ジェイソン・ステイサムが裏切られ、報復し、大金をゲットする。 王道も王道。安定供給のステイサム印のサスペンスアクション。 今作のステイサムは、かなりかっこよく撮られてます。それもこの映画の魅力の1つかと。 『悪党だけど、悪人ではない』ステイサム。でもカタギの人間の足撃ちぬいちゃったり、オープニングでも強盗やってるわけですから、ま、悪党だし悪人ですよね。 ステイサムアクション絶好調なんですが、特に至近距離から有無を言わさず足を撃ち抜いて行動不能にするステイサムの銃さばきが本当にかっこいい。 そしてタイプの違う2人のヒロインも魅力的。むさ苦しい内容にうまく華を添えています。敵も個性派ぞろいでいい感じ。 強面のメランダーや凄腕の殺し屋、小者臭漂うハードウィックも雰囲気を盛り上げてくれます。 オープニングの強盗シーン、終盤の強盗シーン、どちらもよくできています。 ステイサムが病院から抜け出し、車や衣服を調達し、プチ強盗で資金をつくり、その資金で偽の身分証を手に入れる。その辺りを1つ1つ丁寧に、わかりやすく、面白く、そしてときにコミカルに描いてくれます。でも決してダラダラはせず、小気味良いテンポでさらっと見せてくれるのが良い。 B級映画のようなノリですが、ここまで完璧に仕上げてくれればもはや立派なA級作品。 ちなみに、基本ステイサムの無双状態なので『ハラハラ』とは無縁ですが、スカッとすることは間違いないでしょう。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-10-11 01:17:16) |
10. HATCHET After Days/ハチェット アフターデイズ
《ネタバレ》 思ったよりずっと良かった。まさかの前作からの続き。前作のボートでヴィクターに襲われた直後からのスタート。 「前作のことなんてぼやっとしか覚えていない・・・」大丈夫。 「そもそも前作見ていない・・・」大丈夫。 今作は今作で楽しめます。 まあそうは言っても、前作を見ていたほうが良い気はします。なにせ前作の関係者がそろって参加。前作では高みの見物を決め込んでいた聖ゾンビをまきこんじゃう。だから前作を見ていたほうが、ちょっとだけ楽しめるかもしれません。 聖ゾンビだけでなく、前作で殺されたツアーガイドの兄ちゃんも参加。前作と違い、今作ではヴィクターの存在を確信しているメンバーが、ヴィクター殺しに沼へ行く。1作目はゴリゴリのホラーで、2作目からアクションっぽくなっちゃうのはよくある話。 ただねぇ、聖ゾンビとメアリー・ベス以外は、そこまでヴィクターの存在を信じちゃいないんですよね。 だから雰囲気がなんだかゆるい。油断しているところにヴィクター登場。なすすべもなくやられていくみなさん。銃で応戦する人たちもいますが効くわけもなく。ハゲの強面、トレントっていうおっさんだけは頑張っていましたが。あとはヴィクターの一人舞台。彼の殺戮ショーを楽しむだけの、悪趣味全開映画です。 13日の金曜日とか、そーゆースラッシャーもの、スプラッタものが好きな人のための映画です。 昔のスプラッタ映画はまだ家族で見られるレベルでしたが、最近の今作くらいの内容になってくると、家族で見るのはギリアウトかもしれないな~。 [DVD(字幕)] 6点(2023-09-24 22:39:24) |
11. ハミングバード
《ネタバレ》 ジェイソン・ステイサム主演のサスペンスアクション。・・・となると、いつものB級エンターテイメントを期待するじゃないですか。でも今作はなんか違う。毛色がちがう。どちらかというとドラマ色の強い作品。 過去に戦場で仲間を殺された報復に、民間人を殺害してしまった主人公。軍法会議から脱走し、アル中ホームレスに。ホームレス中に親切にしてくれた女性イザベル。イザベルは後に変わり果てた姿となって川で発見される。ジェイソン・ステイサムは偶然逃げ込んだ家に住み着いて、裏社会で富を築いていく。その一方で、シスターと恋に落ちる。その一方で、イザベルを殺した犯人を捜す。その一方で、元妻と娘のことを気にかけ、稼いだ金と写真を届ける。 ・・・・・・・・・・そう、盛り込みすぎ、盛り込みすぎなのです。 メインはシスターとのラブロマンスのような気がするのですが、なんだかサスペンス色も強いんです。シスターはシスターで訳アリの過去あり。シスターも主人公も、それぞれが自分の人生を取り戻す、たぶんそんなストーリーなのです。 でもあまりにいろんなジャンルを盛り込んで、いったいどーゆー気持ちで見たらいいんだろうと思っていたら映画が終わってしまいました。 つまり、そんな映画です。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-09-20 02:42:43)(良:2票) |
12. パラノーマル・アクティビティ5
《ネタバレ》 『第一夜』のフレーズが出てくると、ぐっとパラノーマルっぽくなります。「呪いの印」ではそのフレーズが出てこなかったし、そもそも定点カメラもなかった。なんか足りないな~と思った原因はそれか。今作を見てわかりました。 さて、今作ではまた設定をいじくっております。 『あの人』=『トビー』を復活させるためには6月6日生まれの子供二人の血が必要・・・。とうとう男の子である必要もなくなりました。まあ、いい加減な後付け設定はこのシリーズの持ち味ですね。 今作ではついにトビーが黒いもやもやで視覚化されます。そのぶん突然「わあっ」って驚かされる感覚は軽減されたように感じます。ここにきて真っ当なホラー映画っぽくなってきたと感じるのですがいかがでしょう。 更には1988年のビデオテープに映るケイティが、こちらの家の様子を見ているというアイデアが斬新。なんかぞっとする恐ろしさを感じて好きでした。パターン化されたなかに、新しい試みを取り入れていて、個人的には良かったです。 最後がいつも通りのパワーゲームで終わってしまったのはなんだかなぁ。まあ映画としては正解なんでしょうけど。 結局はいつも通りのバッドエンドか。両親も神父もみんな殺しちゃってかわいそうに。 まあでもトビー君、ようやく体を手に入れられて良かったですね。ごくろうさまでした。 [DVD(字幕)] 7点(2023-07-08 15:11:40) |
13. パラノーマル・アクティビティ/呪いの印
《ネタバレ》 もう真相だとか真実だとかはどーでもよくなった感じ。 実は、謎は謎のままだったほうが面白かったりするものです。特にホラーは、真相がわからないほうが次に何か起こるかわからない予測不能の面白さってのを演出できたりします。 この映画もまたしかり。アナがなぜ優等生君やジェシーを狙ったのか。18歳男子なら誰でも良いのか。肝心なことは何ひとつ教えてくれず、思わせぶりなヒントを餌に、ただひたすら驚かせ、怖がらせてくる。だいたい、ジェシーたちの母親が身籠っていたときから何やら怪しい儀式を妊婦にしてたんだぜ~みたいなとんでもないこと言いだすし。かと思いきや、ラストはもうしっちゃかめっちゃかで、魔女たちにとりかこまれるわ、ケイティたちの家にワープするわで、もうやりたい放題。 ま、要するに開き直っちゃっているわけですね。整合性とか前作の関連付けとかストーリーとかどうでも良いだろうと。とにかくびびらせておけば観客は喜ぶだろうと。・・・つまりアトラクションです。5分待ちくらいのアトラクションです。 で、ここまで割り切られちゃうと、それはそれで楽しかったりするのです。出てくるオネーチャンもかわいくて良い感じです。 見て損はないのではないでしょうか。 いや、人によるか。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-07-07 14:41:45) |
14. パラノーマル・アクティビティ4
《ネタバレ》 今作ではついに無関係の家族が巻き込まれてしまいます。これには賛否あるかもしれませんが、まあ私的にはアリかなと。もともとホラーに整合性なんて求めてないし。ホラーなんて理不尽でルール無用なものだし。教訓としては、隣人には必要以上に親切にするなってことですね。 今回は家族全員+娘の彼氏までやられちゃう容赦のなさ。これはシリーズでも初のような気がします。今までは第三者はなんだかんだいって犠牲にはなってませんでしたから・・・。 ストーリー的にちょっとまずかったのは、ロビーとワイエット、子供を2人も出してしまったこと。てっきりロビーがハンターなのかと思いきや、ワイエットの様子がおかしくなっていき???。この映画を作っている側はわかっているのかもしれませんが、観ている側はワケがわかりません。 結局ハンターの魂がワイエットを乗っ取ったの?それともワイエットは始めからハンターだったの?だとしたらロビーは何者なのさ?とまあムダに話を複雑にしたのはマイナスポイント。 もうひとつマイナスポイントを挙げるとしたら、撮った映像を全然両親に見せない。だから両親が全然聞く耳をもたない。これが無駄にイライラさせられます。 ただ、女の子はかわいかったし、この子中心で話が進んでいくので、そこは良かったと思いマス。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-07-02 23:37:12) |
15. パラノーマル・アクティビティ3
《ネタバレ》 今回のストーリーは、過去に戻っての真相紹介V。 で、その真相っていうのが、富を求めた祖母が魔女で、家系の男子を生贄にささげる的な・・・。 なんだろう、人為的、作為的なものが感じられた瞬間、得体のしれない恐怖感というものは半減してしまいますね。 まあ、でも相変わらず、突然『わぁっ!』って人をびっくりさせる演出は健在。それがあるから、何もないシーンでも終始ドキドキしちゃう。そう、これはお化け屋敷と発想が同じ。前作でも述べてきましたが、ホラーとしてはずるいやり方。ただ、アトラクションムービーとしては期待を裏切りませんけどね。 ベビーシッターの女の子やランディのような第三者の使い方も上手です。 また、このシリーズの良い点はスプラッタ演出がほとんどないこと。 普通のホラーなら、宙に上げた包丁は、デニスやジュリーの手や頭に落としそうなもんですが、そんなことはしないのです。 つまり、グロいのが苦手な人でも見られるという点では貴重なホラーと言えるでしょう。 イライラさせるのが、やはり人の話を聞かなくなるところ。もう不自然なほどに人の話を聞かなくなる。しかも後半になればなるほど。事態が深刻になれば、普通は人の話に耳を傾けるはずです。肝心なときに人の話を聞かなくなるのが、ホラー演出に都合が良すぎる運びでイライラするし好きになれないです。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-07-02 23:20:35) |
16. パラノーマル・アクティビティ2
《ネタバレ》 ひゃあ、評価低いですね~。個人的に『1』より好きでしたよー。 『1』がヒットして予算が出たのか、映像が格段にきれいになりましたねー。 前作は面白半分で映像を撮っていましたが、今作は防犯のためにカメラを設置。自然な流れで良かったと思います。 キャストのビジュアルも良かったと思います。クリスティもアリもかわいい。 アリの怖がり方すき。最初のうちは『家に幽霊がいるなんてかっこいい』って余裕かましてましたが、しだいに余裕がなくなっていくのがなんかリアル。終盤、父親に電話で助けを呼ぶシーン。そして帰ってきた父に、まずは映像を確認するよう必死で説得するシーンが、どちらも良かったです。 ケイティとミカがでてきたのも、なんか嬉しい。前作としっかりつながっている構成も良かったと思います。こーゆーシンプルな内容であれば、シリーズ化されても問題ない気がします。前作を思い出しながら見ると、より面白く感じます。 ヴィジャボードの使い方も良かったです。1回目、故意に動かしたことで、2回目はおそらく悪霊が動かしているんですが、2人ともお互いに相手が動かしているものだと思って異変に気付いていないのがうまい。2回目のつづりはたぶん『HUNTER』。ここはちょっとぞっとしました。好きな演出です。 で、全体的に良かったのですが、肝心のホラー演出が『突然大きな音を出してびっくりさせる』ばかり。それがちょっと嫌でした。 だってずるくない? [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-06-22 02:30:52) |
17. バーニング・クロス
《ネタバレ》 掘り出し物とはこーゆー作品を言うのでしょう。とにかく殺し屋ピカソの存在感がすごい。 アレックスの愛する奥さん。トミーの愛する彼女。まさかどっちも殺しちゃうなんて、夢にも思わなかったのでなかなかショッキング。あんまりこーゆ、いかにもアクション映画的なアクションで、泣いたことがなかったのですが・・・ まあこの映画のクライマックスはアレックスが復讐を決意するまでのシーン。そこから先は・・・普通のサスペンスアクション。サスペンス感は前半のほうがあったかなぁ。後半の電車のくだりはなかなか面白かったけど。完全に読めたけど出会い頭の車ドーンも良かったですね。ただそれでトミーが戦闘不能になるのはバカすぎるでしょ。 ピカソがやったことに対し、高いところから落としてはい、終わり、は少々カタルシスに欠けます。 サディスティックな野郎には、よりサディスティックな最期を用意してこそ溜飲も下がるというもの。 守るべきはずのメルシエ(ジャン・レノ)が黒幕だったことは少々驚きですが、なにしろこの人出番少ないから。出番少ない人をやりこめても復讐のカタルシスは得られないのでした。 この映画も昨今のアクションと同じでアップの多用と細かいカット割り。何が起こっているのか目で追うだけで疲れちゃいます。それがなければ8点なのになぁ・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2023-04-16 22:14:46) |
18. ハングリー・ラビット
《ネタバレ》 好きなストーリー。好きなキャスト。 ニコラス・ケイジは言わずもがなだけど、ガイ・ピアースの怪しい感じが好きですねぇ。 でもなんか途中中だるみしちゃったな・・・。 そもそもたいしたフォローもなければ、綿密な作戦というわけでもない殺人計画を、素人に遂行させるのは土台無理があります。 ニコラスの歩道橋でのやつは偶然うまくいきましたが、ニコラスを襲撃したおじさんは案の定失敗しちゃっているじゃないですか。こんなやりかたじゃ失敗のリスクのほうが高すぎますよ。 ・・・・なんて細かいことを気にしなければ、そこそこのクオリティで面白い映画に仕上がっていると思います。 でもニコラス演じるウィルは任務を達成したはずなのに、サイモン率いる組織から命を狙われて、なんかそこが腑に落ちなかったな… だってウィルの命を狙う理由がないよね?それともウィルがいらんこと警察に口を割らんように口封じのつもりなんでしょうか。だとしたら今まで実行犯として使われてきた一般人たちはみんな口封じに殺されちゃったってことになりません?システムとして能率が悪すぎでしょ… ハングリー・ラビットの存在を暴こうとしたテープをメディアに持ち込むラスト。 受け取ったメディア関係者もやはりハングリー・ラビット。 こんなことじゃないかと思いましたが、こーゆーよくあるオチは好物です。 それにしても親しい人を殺された人多いなぁ。物騒な街だ。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2022-11-10 01:17:32) |
19. ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション
《ネタバレ》 遂に敵の本丸が目前に…!ここからクライマックスまで怒涛のファイナルバトル! かと思いきや、なんか爆弾が降ってきて、妹もふっとばされて、目が覚めたら戦争は終わっていました。 ・・・は?まさに狐につままれた状態です。一番の見どころをまるまる削除。最後がこれで良いんだろうか・・・。 『敵は外にも内にもいた』っていうストーリー展開は嫌いではありませんが。 なんだかんだ言ってこのシリーズはエンターテイメントというフィルターを通した反戦映画なのでしょう。 カットニス達は自分たちの自由と安全のために武器を手に取って闘いましたが、目線を相手国の民衆に置き換えれば、当然自分達は侵略者でした。それは最も嫌悪すべきスノー大統領と同じ行為だったわけですね。どんな大儀を掲げていても、罪の無い人たちの命を不当に奪う戦争に正義は無いということでしょう。 官邸前広場で起きる惨劇を目の当たりにし、大いに戸惑うカットニス。『私が望んでいたのはこーゆーことじゃない。』と、彼女の心の声が聞こえてきそうです。 自らの過ちにカットニスが気付き始めた瞬間、その代償と呼ぶにはあまりに無慈悲な現実がカットニスを襲います。なかなか事態が好転しない理不尽なシリーズものをここまで見てきたからこそ、最後はもう少し爽快な結末を期待していたんですけどね。残念です。 このシリーズの1作目を見たとき、日本で不評の意味がよくわかったものです。 そしてこの最終作を見たとき、実は1作目が一番面白かったんじゃないだろーかと思えてしまう不思議。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2022-07-28 07:24:29)(良:1票) |
20. ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス
《ネタバレ》 もはやハンガー・ゲームではなくなりましたが、望んでいた革命の始まり。 まさに副題の『レジスタンス』に相応しい内容。 今作ではピーターに代わりゲイルがカットニスのそばに付き添います。 正直このシリーズがなぜ世界でヒットしているのかさっぱりわかりませんが、もしかすると両手に花状態のカットニスに自分を重ね合わせて、世界中の女子たちが悦に浸っているのかもしれませんね。 それにしてもカットニスはそばにいる男にすぐなびいちゃうんですね。これは付き合う相手は大変だ。 恋愛パートはともかく、ストーリーは今までの中では一番マシ。 ハンガー・ゲームという理不尽と独裁の象徴のようなゲームがきっかけでこの反乱が起きているのだとしたら、75年間全く何も反乱が起きなかったことには疑問符がつきます。 そして思っていた以上に狭い世界。 第12地区の人口が10,000人。他の地区も同じくらいの人数だと考えても全地区あわせて120000人しかいません。福岡の約50分の1の人口です。そんなに生産性が良さそうでもないのに、たったこれだけでの人口でキャピタルの人たちと自分たちの生活を支えられるほどの経済活動ができるのでしょうか。しかもただでさえ数少ない貴重な労働力ためらいもなく次々と殺してしまう。いやいや、何十億というなかの10,000人ならまだしも。なんとお粗末な世界設定なんでしょう。 まあそーいったファンタジーに目をつむれば、数少ないアクションを最大限に活かしたエンターテイメント作品として悪くない出来だと思います。 スター・ウォーズが好きな人とは相性が良さそうです。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2022-07-12 03:39:30)(良:1票) |