1. ハリー・ポッターと賢者の石
大成する子役とそうでない子役との違いは、大人という生き物と子供という生き物との決定的な違いにいち早く気付ける人とそうでない人との違いではないでしょうか。大人と子供との決定的な違い、それは「大人は他人との会話の中で自分がどう見られているかというのを意識しながら喋るものだが、子供はそこには比較的無頓着であることが多い」ということだと思います。この結果、「だから我々大人というのは実はちょっとした日常会話の中でも実に多くの嘘を平然とつきながら喋っているものなのである。一方、子供は基本的にはそのときの感情にとても素直に喋ろうとする」という違いが出てくる。役者というのはリアルな人間の有様を再現することを求められるわけだから、当然ながらそのような「子供らしい」演技が出来る子役が「は~い、〇〇ちゃん、良くできまちた~」とか監督に誉められることになる。ここで、根が真面目人間で向上心の強い優等生タイプの子供ほど「な~るほど、演技とはこういうものか。よ~し、あたしも将来大女優になるためにもこのテクニックに磨きに磨きをかけなければ…」と、真面目人間特有の「恐るべき集中力」でもって「あくまでもその時点における理想的な演技」を極めようとしてしまう。ここで、「子役は子役でもデビュー時には既に12~3歳ぐらいだった」という人の場合は、実生活でもぼちぼち「何気に平然と嘘をつく」という事をやり始める年頃なのでまだいいんですが、もっと若くデビューした子でなおかつ変に真面目なところがある子は、子供演技から大人演技へのシフトの作業に物凄くてこずるなんてことがあるのかもしれないな……な~んてことをこの映画を観ながら思いました(なんのこっちゃ!)。 [地上波(吹替)] 6点(2015-04-20 12:44:10) |