1. 美女と野獣(1991)
《ネタバレ》 うーん、、率直に言うと、素材の味を殺してしまって、それを大量の調味料で誤魔化した料理って感じ。原作はもっと暗くて哀しい面もあったはずなのに(で、それはとっても大切な部分だったはずなのに)、そこを思い切り削ぎ落としてしまって、テキトーに楽しい雰囲気にしてテキトーにカンドー的クライマックスと浪々と歌い上げるバラードで盛り上げて、という、典型的なディズニー手法(もちろん悪い意味で)で、原作の持ち味がスポイルされてしまっている。「子供向けのファンタジーなんだから良いじゃん」ってゆう人もいるかもしんないけどさあ、でも子供にこそ、時には残酷さや哀しみを内に秘めた物語を見せるべきなんじゃないの?とワタクシは思います。甘~いだけのオハナシだけじゃ、砂糖や食塩や脂肪分ばっかりのお菓子と同じで、強くなれないぞ。あとクライマックスシーン、オチは真逆だけど「シザーハンズ」に似せ過ぎ。 [DVD(字幕)] 4点(2006-05-18 18:54:28) |
2. ヒロイン!
関西発の、キュートでポップなスポ根コメディ。三原作品としては「燃えよピンポン」と同系列の作品で(たぶん)、新興の大型店に押されかけた、さびれた商店街をスポーツを通じて活性化する、というストーリーは田中麗奈の「ドラッグストア・ガール」に通じるものがあるけれど、僕としてはひねり過ぎた「ドラッグストア~」よりも、ベタに押しまくったこちらの方が好きです。老人ばかりのチーム「ナンマイダーズ」には爆笑(あれってまさか実在するチーム?)。ところで「燃えよピンポン」にもこの作品にも、お色気要員(?)のレオタード集団が登場するのだけれど、あれは三原監督の好みなんでしょうか、やっぱし。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-07-11 20:32:35) |
3. ビッグ・ショー!ハワイに唄えば
うむむ。自称「ゲロッパ切り込み隊長」のワタクシは(切り込んだはいいけど、誰もついて来てくれないという説あり)、「ゲロッパ!」そっくりな雰囲気・テンポがそれだけで心地良かったのだけれど・・・確かに欠点を挙げる事はできるんですよ。加藤茶を初めとする日系ハワイ人が不自然すぎるとか、竹内結子が一人浮いてるとか(いや、結構好きなんですけど)、尾藤イサオの親父ギャグがさぶすぎるとか。何より「演歌」という若者ウケしないものを題材にしたのが致命的なのでしょう。確かに僕も演歌や都はるみには興味ないし、今までこの映画を積極的に観たい気持ちにならなかったのは事実。たださぁ、例えば戦争嫌いな人でも「良い」と思える戦争映画はあるし、ヤクザ嫌いでも「すげえ!」と思えるヤクザ映画はあるじゃん。そういう意味でこの作品は演歌嫌いでも面白いと思える演歌映画だと思うのだけれど・・・。話は変わりますが、以前インタビューか何かで井筒監督が語っていた所によると、彼にも何度か「映画監督をやめよう」と思った事があったそうです。確かに過去の作品を見てみると、中には「あちゃー、やっちゃったよ」と言いたくなるような作品もあるんですよね。だからひょっとすると、いつまで経っても芽が出ず、肝心な所で失敗してしまう赤城麗子というキャラクターには、井筒監督自身の姿が投影されてたりするのかなあ、と思ったりもするんですよね。確かに、「潔くやめる」という行為はカッコ良いのかもしれないけれど、失敗を繰り返してもしぶとくタフに物事を続けるというのも、やはり尊敬に値する姿なんじゃないか、と僕は思います。もし監督をやめちゃってたら「ゲロッパ!」は生まれなかったわけだしね。 7点(2004-04-28 18:56:37)(良:1票) |
4. ひかりのまち
「何か足りない」、でも、求めるものが何なのか、自分でも分からない・・・という、各登場人物の孤独や不安、イラ立ちが実にリアルに描かれていました。マイケル・ナイマンの音楽がとても映画と調和していたと思います。もう少し経ってから改めて観てみたい作品のひとつです。 6点(2004-04-21 16:09:38) |
5. ビヨンド・サイレンス
この作品は聾(ろう)の両親を持った少女の話ですが、決して「特殊」な話でなく、親子の関係を含めた人間関係について切り込んだ普遍的な話だと感じます。特に伯母と主人公の関係の描き方など、「人の為の行為」がしばしばエゴから発生し、支配欲に転化したり相手に重荷になったりしうるということを、決してペシミズムに陥ることなく淡々と柔らかに表現している点に好感が持てました。主人公が少女時代から突然成長(?)するシーンは全く予想してなかったので一瞬「なぬ!?」と思ってしまったのですが、どちらも素敵な女優さんですね。確か18歳のララ役の人は「点子ちゃんとアントン」のフランス語の先生役もやってたような気がします。 8点(2004-01-08 18:29:19)(良:1票) |
6. ピアノ・レッスン
いや、良い映画だとは思うんですよ。映像も音楽も綺麗だし。んでも正直、主人公の心理とか行動についてがよく分かりませんでした(泣)。しょーがないんで(?)可愛いアンナ・パキンを十分堪能させて頂きました。他の方のレビューを見ると女性の支持が高いようですが、これってつまり、アタクシが女性を理解してないってことでしょうか(しょぼーん)。やっぱナカタニアキヒロやサイモンフミの本でも読んだほうがいいのかなあ(号泣)。 7点(2003-11-07 16:32:50)(笑:1票) |
7. ビッグ・ダディ
うむむ、アダム・サンドラー嫌いじゃないけど・・・。子育てに対する姿勢がお気楽すぎるぞ。厳しすぎる父親も問題かもしれないけど、しつけがなってない子供もイヤだ。ラストは何だか無理やり父子愛に持っていってたけど、なーんかあざとい感じがしてしまいました。まあ、最後にちゃんと職についたのは偉いと思うけど・・・惜しいなあ、もう少し脚本をきちんとすれば、新しい「キッド(チャップリンの方ね)」になったのに・・・。とりあえず、エミリー・ワトソンとの新作「パンチドランク・ラブ」に期待。 6点(2003-08-23 19:36:37) |