1. ヒックとドラゴン
夏前に予告をテレビで観ていて映画館で観たいなと思っていたので期待していたのですが、思っていた以上におもしろかったです。こういうデジタルアニメ作品なら、吹き替えもアリかと。 自分は2Dで観たのですが、ドラゴンに乗って飛ぶという非現実的な描写のシーンを思い出すと、3Dもアリかなという気分になります。まだ観ていない人には3Dがおすすめかも。 ドラゴンが猫のようにゴロゴロしちゃうシーンとかふれあいの場面はなんとなく心がなごみます。また、オートバイの変速機のようにシフトチェンジするシーンなんかを観ていると、自分がオートバイに乗っていることもあって、実際にドラゴンを操縦しているような気分になる高揚感もあります。 ただ、自分自身がこの数年プロテクター装備で乗っているせいか、ヒックがほとんど無防備に近い姿で乗っているのは違和感がありました。まあ、時代設定などから、シールド付きヘルメットやゴーグルは無理だったのかもしれないけれど、あれだけ高速で飛ぶドラゴンに乗るのなら、もう少し装備をちゃんとした方がよかったのかなとは思います。だって、あんなスピードで裸眼じゃ、涙目になって前が見えないよ(笑)。 それにしても(←口癖(笑))、あいつはデカいのにすげえ機敏だったね。 [映画館(吹替)] 8点(2010-08-22 01:07:17) |
2. ビーン
Mr Beenの真骨頂は、観ているものをイライラさせ、その上でクスリと笑わせることだと思ってます。大人の人間ではなく、大きくなった子供が騒ぎを起こすことが本質だと思うから。ただ、その背景にはイギリス的なブラックユーモアの精神があるわけで、アメリカ映画として作られてしまった本作の背景には、あまりそれが感じられません。コメディの手法がアメリカナイズされてしまっているからでしょうね。それから皆さんお書きのように彼はしゃべらない方が好いんです。説明的な台詞はアメリカ映画にはアリだとしてもMr Beenには必要ないんです。わかりやすくしようとしたのだろうけれど、「よけいなお節介」ということでしょう。英米のカルチャーギャップにしても最後の「中指」くらいしか感じられないしね。ただ、不覚にも絵画の除幕式での演説にはある意味感動してしまったので(笑)、この点数を献上します。宗教規制法への挑戦も頑張って欲しいしね(笑)。 2004年12月10日21時23分JST追記: そっか、「どこか別の場所からアメリカ人の家庭にやってきて、その家の子と仲良くなったストレンジャーがさまざまな事件を巻き起こし、その家庭をめちゃくちゃにして嫌われ者になるのだが、やがて家族ともうち解け、感動のハッピーエンドを迎える」っていうのは、典型的なアメリカのファミリー・ムービーだったね(苦笑)。なんか、Mr. Beenが「ハリーとヘンダーソン一家」とか(犬の)「ベートーベン」とかに見えてきた気がする(笑)。それじゃあ、イギリスのテレビ版とはまるで正反対だよね。 7点(2004-12-10 21:06:12) |
3. ビヨンド・ザ・リミット
惜しいなあ! オープニングは9点ペースですよ(笑)。つかみはオッケーだったのに、その後がいけません。意味のない残虐シーンのオンパレード。心臓の秘密がどうなるのかと興味を持たせつつ、最後は「え?もう終わり?」って感じです。血がドバーっていうのが苦手な人は見ない方が好いでしょうが、「あれはどうやって撮影したんだ?」という興味を持って観る人には、特撮のなぞ解きを考えるのも面白いでしょう。せっかく凄い映像を魅せているんだから、もう少しストーリーを伴わせてくれたら好かったのにねえ。予告を観たときには、中世の話がどうなっていくのかという興味があったのだけれど、現代の話がメインで、そっちは中途半端な添え物のような印象でした。中世と現代での悪役の一貫性もないしね。しかも雪の中のエロシーンはまったく突然で意味不明(苦笑)。あれで原罪を問われたらたまったもんじゃない(笑)。モチーフは好かっただけに、ストーリー展開が残念でなりません。 6点(2004-09-18 14:50:33) |
4. HERO(2002)
《ネタバレ》 本作は、私には黒澤の「乱」や北野の「Dolls ドールズ」を彷彿とさせる。李連杰の映画で、久しぶりに楽しい思いをさせてもらった。CGやワイヤーアクションを駆使することに批判があったりするが苦手なら観なければいい。人民解放軍を大挙動員しての人海戦術もあるし、もちろん、役者個人の魅力も十分に感じられた。カメラや脚本がおかしいなどという批判は笑止! 絵を見て心を観ていないのである。赤い風に舞い散る女心、青の湖面での静かな戦い、緑の宮殿での疑念、白い真実。そして黒の葬列。梁朝偉、張曼玉、章子怡、陳道明などの内面の葛藤が見事に描かれているではないか。武道を学んだものならわかるだろう。剣の道の究極の目的は、己を究極まで高めること。その境地に達すれば、もはや剣など必要もない。秦王のことばはそれを物語っている。春秋戦国の世を統一し、平和をもたらすために剣を捨てる刺客の思いは理想的すぎるのかもしれない。しかし、この崇高な思想を学ばないものは、イラクにおけるアメリカの愚行を賞賛するものなのだろう。 <2004年4月23日追加>蛇足ながら、本作の設定はあくまで秦王”政”の時であり、”始皇帝”の段階ではない。つまり、卑近な例でいえば、豊臣姓を名乗るにいたって暴君になってしまった男が、まだ羽柴を名乗っていた頃には人間味がある人物だったというのと同じ感覚であろう。理想主義と権力という相容れないものの将来を考えるのも面白かろう。その片鱗は、ラスト前の政の逡巡にも現れている。 8点(2004-04-22 23:42:24) |
5. ビリケン
《ネタバレ》 公開当時、観たいなあと思っていたんですが、劇場に足を運ぶまではなあと躊躇していて観てなかったんです。TVKはこういうのをやってくれるので嬉しいですね。ビリケンという存在自体は、かなり100年近く前から実際に有って、それをどのようにアレンジするのかが見ものだったわけですが、杉本哲太の生き神様がなかなかいい味を出してました。大阪という、私から観たらまったく知らない文化社会を描いているのもおもしろく、こういうローカル色が前面に出た作品も楽しいものです。地域活性化の話がメインに出ているのですが、日本人の宗教観や、ハヤリモノ好きの風潮に対する皮肉もさりげなく描かれています。通天閣という地域がクローズアップされていますが、あれは建物自体が象徴的な存在であって、それを通して日本の大阪が描かれた作品だと感じました。とくに楽しかったのは、中盤の神様が願い事を実現する過程ですね。全部「手作業」というのは笑えました。愛人を満足させる話とか、疣痔とかね(笑)。ただ、せっかく神様の時代認識のギャップを最初に示したんだから、それをもっと引っ張ったギャグを観たかった気もします。そこがちょっと残念だな。ところで、唐突に出てくる原田芳雄のヨッパライオヤジは好かったね。声からそうだなと思っていたけど、エンディングクレジットでもしっかりと最後の方に出てきたしね。それから山口智子は、やっぱり可愛いなあ。ああいう感じの女性、大好きです。ちなみにどうでもいいことなんですが、初代の通天閣(凱旋門の上にエッフェル塔が載った形)を観てみたかったなあと思いました。 7点(2004-04-12 08:02:48) |
6. 引き裂かれたカーテン
ヒッチコック監督50作品目だっけ? ”ヒッチは金髪がお好き”ってことで、男女ともブロンドでブルーアイのふたりに主役が決まったのでしょうか?(笑) ま、冗談はさておき、駄作の誉れ高い本作ですが、そこそこ楽しめるのではないでしょうか。冷戦下の状況を具体的にイメージできない人には緊張感が伝わらないかもしれませんが、当時の東西対立をおぼえている人には、ある程度の緊迫感が伝わると思います。このタイトルのカーテンというのは、当時東西ドイツを分離していた「鉄のカーテン」というチャーチルの演説から来たものでしょうね。そういう時代背景を考えた上で、本作を楽しまないと、単なる”ちょっと物足りないサスペンス”という印象になってしまうでしょう。音楽のジョン・アディソンは「遠すぎた橋」のスコアで有名ですが、本作でもそこそこ頑張っていたのではないでしょうか。とくに有名なバスのシーンでの音楽は、もたつくことのもどかしさとか、追いかけられる緊迫感が伝わって、名場面だとは思います。 7点(2004-03-20 13:52:10) |
7. ピースメーカー
いやはや、前提は面白そうだったんですけどね。衛星追跡システムとか、けっこうワクワクの演出も出てくるんですけどねえ。脚本は「クリムゾン・タイド」のマイケル・シファーなんですけどねえ。ロシアの核管理が甘いというのはありがちな話ですし、核をアメリカに持ち込まれるというのもアメリカ人の好きな設定ですしねえ。でも、何か物足りないんだよなあ。「トータル・フィアーズ」のように実際にアメリカ国内で爆発させろとはいわないけれど、解決結果が今ひとつでしたね。もうひとひねり欲しかったです。 6点(2003-12-08 21:29:31) |
8. ヒンデンブルグ
《ネタバレ》 ジョージ・C・スコットの頑張りにこの評価を。あまりにも有名な飛行船爆発事故の背景に、反ナチスの陰謀があったというお話ですね。時限爆弾というタイムリミットを設定し、飛行船の中という閉鎖空間の中で、どうやって犯人を見つけて陰謀を防ぐかというハラハラドキドキは前半までで、後半はその犯人に協力してしまうジョージ・C・スコットがいます。反ナチスの風潮はこの1937年という頃は、ドイツ国防軍や海軍、空軍にもあった時期で、とくに空軍と海軍には多かったようです。彼もそういう軍人だったということでしょう。また飛行船の位置づけですが、現在もグッドイヤーの飛行船が飛んでいたり、宣伝の飛行がよくありますね。ヒンデンブルグくらい巨大な飛行船が大西洋を横断して飛ぶということは、当時のナチスドイツにとってこれ以上の宣伝はなかったでしょう。ですから、それを狙った陰謀があったとしても不思議はありません。ただ、あくまでも映画はフィクション(陰謀の部分に関してね)であって、真相は闇の中です。 8点(2003-12-03 15:46:37) |
9. ピンク・パンサー3
これ、わざわざ映画館に観に行ったんですよねえ。その甲斐あって楽しませてもらいました。ピーター・セラーズの変装は「名探偵登場」でも書いたけど、あの東洋人っぽい(と自分で思っている)キャラはやめてほしいんだよなあ(笑)。突然現れるケイトーとのカラテシーンは笑っちゃいます。ハーバート・ロムのイカれ加減も最高ですね。で、この映画のストーリーって何?(笑) 8点(2003-12-03 15:26:02) |
10. 評決
落ちぶれた弁護士役に、くたびれた表情のポール・ニューマンは最高ですね。世の中の悪どい仕組みに対し、自分の信念を貫いて戦おうとする姿勢は素晴らしいと思います。しっかし、ホント、誠実そうな外見の組織が、たくさん汚いことをしているよね。相手役の弁護士(ジェームズ・メイスン)は、こういう汚い役がとってもうまいですね。この手の映画は、敵役がうまくないと面白さが半減しますから。これは数ある法廷モノの中でも傑作の中の傑作だと思います。 9点(2003-12-03 15:22:27) |
11. 陽のあたる教室
《ネタバレ》 壮大な人間ドラマです。リチャード・ドレイファスの若い頃にはかなり無理があるけれど(笑)、いろいろな問題を提起している佳作だと思います。ベトナム戦争の陰が見えたり、演奏が下手だった女子学生があんなになっていたりで、生徒たちのその後もいろいろあって面白いですね。音楽とか文学とか絵画とか、本来は人間の情操教育にとても重要なモノが、予算のカットでなくなってしまうという厳しい現実、そして感動のフィナーレ。内容はベタなものですが、素直な気持ちで感動しました。 <2003年12月16日追記>今また観直していたんですが、ラストのシーンは、てっきり指揮棒を振り上げたところで終わるものと勘違いして記憶していたようです(皆さんの中にも同じ方いらっしゃいませんか?)。その後の、あんな余韻を演出するよりも、客席側から観た舞台上で背中を向けたまま、指揮棒を振り上げた状態でフィニッシュした方が、より感動と余韻が残る気がするんだけど、皆さんはどう思いますか? 8点(2003-12-03 15:16:22) |
12. ヒッチャー(1985)
《ネタバレ》 暗闇にマッチをするシーンが印象的ですよね。しつこく追いかけてくるという点では、ルトガー・ハウアーは適役でした。ウェイトレスの彼女が殺されちゃうのは残念! 日本ではヒッチハイクというのがまだなじみが少ないので、現実的なことを考えると、こういうことは起こりにくいと思うし、やっぱりいかにもアメリカ的な映画ということなんでしょうね。 7点(2003-12-03 15:06:59) |
13. 羊たちの沈黙
これ以降、プロファイリングなんてことばが流行りましたね。レクターの猟奇性と知性が面白いと思います。ジョディ・フォスターははまり役だったかな。どうせなら続編も彼女でやって欲しかった。 8点(2003-12-03 15:01:13) |
14. ビッグ
「見た目は大人、頭脳は子供、どんな難題もくじけちゃう。その名は、ヘボヘボのわ・た・し(笑)」というくらい、ダメダメな私ですが、この映画は楽しめました(なんのこっちゃ?)。大人になると自分が子供だったことを忘れてしまう人間が多いので、子供をどう演じるかは難しかったと思うんです。さすがはトム・ハンクスです。悪のりしたおふざけが楽しかったです。しかし、ラストの結末が、個人的に今ひとつだったのでマイナス1点。 7点(2003-12-03 14:58:57) |
15. ビートルジュース
変なお化けと少女の関係が面白いですね。”バナナボート”が聞こえてくるシーンは笑えました。 7点(2003-12-03 14:54:12) |
16. ビリー・ザ・キッド/21才の生涯
好いですねえ、こういうウェスタン。ペキンパーが全盛期の作品といっていいでしょう。ビリー・ザ・キッド(クリス・クリストファーソン)という西部劇史上屈指のアウトローと、彼に一目置きながら対決することになる、アウトロー上がりの保安官パット・ギャレット(ジェームス・コバーン)との絡みを中心に物語が進みます。庶民の英雄のようなビリーをやっつけようとする損な役回りを、ジェームス・コバーンが好演していると思います。ラストで、ビリーが寝ている家の周りを、銃を持って忍び寄るシーンは緊張感が高まります。無法者なのに喝采されるビリーと、法の執行者として正しいことをしているはずなのに石をぶつけられるパットの対照が面白いです。 8点(2003-12-03 14:52:02) |
17. 光の旅人 K-PAX
突然現れた謎の男によって、セラピストが逆に癒されていくというのはありがちですが、その男(ケビン・スペイシー)というのが宇宙人かもしれないという設定は面白いですね。彼に接することで、施設の他の人間達もどんどん変わっていくというシーンは面白いです。とくにあの分厚いメガネの男性が鳥を発見するシーンはちょっと感動します。映画はケビンが本物の宇宙人なのかそうでないのかを語りませんが、わたし的には本物であった方が嬉しいな(微笑)。 8点(2003-11-19 22:29:09) |
18. ヒート
アル・パチーノとデニーロという、悪魔を演じたことのある二人(さて、なんとなんでしょう?(笑))が、それぞれ権力側と反権力側に別れてやりあう映画ですね。アクションもそこそこ有り楽しめるのですが、パチーノが走るシーン、なんか身体が重そうだったね。 7点(2003-11-18 23:23:20) |
19. ビルマの竪琴(1956)
大人の童話ですよね。僧形の水島が彷徨する足元には白骨が累々と続く。死んだ方も悲劇だけれど、生き残って彼らを供養すると決心した彼の胸中や如何に。オープニングの船の上、三國連太郎がとても若いですが、ああいう大らかな部隊が帝国陸軍にもいたのでしょうか?歌が人の心を和ませるというのはあるのでしょう。軍歌などではなく、「埴生の宿」というのがいいよね。心にジーンと響く反戦映画だと思います。 8点(2003-11-18 18:56:38) |
20. ひまわり(1970)
第二次世界大戦の東部戦線にはドイツ軍だけでなくイタリア軍、コサックの部隊、ナチス支配下の東欧諸国の国々など、さまざまな国がかり出され、その結果、本作のような悲劇が数多く生まれたのでしょうね。マストロヤンニ演じるイタリア兵士の気持ちもわかるし、夫をさがして旅に出るソフィア・ローレンの気持ちも痛いほどわかるだけに、あのような結末が待っていることは悲しいことですね。でも、私だったらあのロシア女性の方に惚れてしまうかな。 8点(2003-11-17 09:13:39) |