1. ヒトラー 最期の12日間
《ネタバレ》 この映画において、どの部分が真実でどの部分がフィクションかはわからないが、「人間的に弱々しい晩年のヒトラー」を、ただの狂人としてではなく、心の葛藤や周囲との軋轢を描写しながら、上手く描いていたと思う。ヒトラーの犯した残虐な行為は決して人道的に許されるべきではないが、日本においても大量殺人が肯定される歴史があったのと同様に、時代に応じて「常識・良識」が異なるのであるから、その悲惨さ、残虐さを描くことなく、滅亡への最期の12日間に絞り描いたのは興味深かった。虐殺を続けた独裁者としての後世の評価は置いといて、ヒトラーはその時代のドイツの英雄であったことは否定できない事実であるが故に、その最期は一段と絶望的で侘しいものであったのであろう。負けた後の立ち振る舞いとしては、潔しと言えるのかもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2006-12-04 01:59:01) |