1. ひみつの花園
ストーリーはないに等しい映画なのに、テンポが良くて、なんだか妙に面白い作品。 ヒロイン演じる女優さんは、外見からしてちょっと不思議系が入っていて、ぶっ飛んだ女の子の役柄にはハマっていました。 ラストぐらいはもう少しじっくり見せてほしかったのだが、スラップスティック・コメディとしては終始一貫しており、これでよかったのかも……。 [地上波(邦画)] 5点(2015-04-20 15:29:38) |
2. 昼顔(1967)
女の性をテーマに、淫らな妄想に苛まれる若妻の姿を描いた作品。 一見下世話で終わりそうな内容を、美しい映像と演出で文芸的な色合いを濃く押し出し、フランス映画らしい作品に仕上がってます。 現実なのか夢うつつなのか、心象風景での描写など、全体の雰囲気やストーリーはぼんやりと霧がかかったかのよう。ラストも、ちょっとわかりづらかった。 それでも、カトリーヌ・ドヌーヴの魅力は十分堪能できる作品かと。 [DVD(字幕)] 5点(2013-06-09 14:18:51) |
3. ひまわり(1970)
いわゆるメロドラマ系の作品だが、昼メロのように低俗で軽薄ではなく、 説得力のある状況設定がしっかりと用意されてます。ストーリーはありきたりで単純なれど、 人物のディテールもしっかりと描かれているため、ヒロイン、主人公、サブヒロインに 感情移入がしやすい。ヒロインの義母だけは、存在の意味をなしていないのが惜しいくらい。 反戦のメッセージをさりげなく織り込みつつ、風景描写で映し出される「ひまわり」で、 本作のテーマを表現したセンスのある演出。日本人好みの哀愁感たっぷりな音楽もいい。 総体的に完成度の高い作品だが、シナリオ、演出、音楽が特出している名画。 [DVD(字幕)] 8点(2012-09-02 13:58:35) |
4. 陽のあたる場所
二人の女性のあいだで揺れ動く、出世欲に駆られた主人公の役を モンゴメリー・クリフトが好演。エリザベス・テイラーも今回は演技らしい演技を見せてくれるが、 サブヒロインの女優さんのインパクトが強い。ストーリーは心理サスペンスのような流れで、 先の展開に期待を持たせるのだが、後半からの主人公の行動にはちょっと疑問符があり、 ラストも今一つピンとこなかった。個人的には皮肉な結末という形のほうがよかったかな。 男性のほうが感情移入しやすいドラマ。 [DVD(字幕)] 6点(2012-06-30 05:53:11) |
5. ヒックとドラゴン
オーソドックスな冒険・友情・ファンタジーもので、斬新さや意外性はまったくないが、 鑑賞者が気を惹くポイントをしっかり押さえた作りは、もう抜群の安定感。 シナリオ自体が練り込まれていることはもちろん、キャラクターや映像、演出もいい。 終盤の展開が甘くなったのはちと残念だけど、子供向けアニメにしては珍しく、 オールハッピーとはいかないラストも良かった。CGアニメは、まだまだ進化するのだろうか? [DVD(字幕)] 7点(2012-03-27 05:23:04) |
6. ビーチ・エンジェルズ!
ストリッパーがビーチバレーを、というアイデアが一番の妙味。 あとはマリブが舞台ということで、映像がきれいなのと音楽が心地いいことくらいかな。 総体的にややコメディータッチ、後半はスポコン色が強くなるけど、とてもヌルい展開で、 内容に関しての斬新さはないです。セクシー水着以外のエロチックなシーンはないけど、 気楽に楽しむことを大前提に作られたような作品なので、そのつもりで鑑賞すべし。 [地上波(字幕)] 2点(2012-03-26 06:48:26) |
7. 評決
裁判劇でありながら、主人公の人生の再起を図った人間ドラマでもある本作は、 双方ともあくまでオーソドックスなお話の流れで、特別斬新さや驚きは感じられないです。 そういった意味では、記憶に残る映画ではないかもしれないけれど、 鑑賞後は大方の人はまあ納得のできる内容に仕上がっているのではないかと思う。 ちょっとお歳の召されたポール・ニューマンは、この役柄にはハマってました。 [DVD(字幕)] 5点(2012-01-15 20:53:29) |
8. 人が人を愛することのどうしようもなさ
石井監督の描く名美シリーズ。本作はこれまでのハードボイルド路線とは一線を画し、 女優であり、人妻でもあるヒロインの現実と虚構の狭間で揺れ動く狂気を描いた、 ラブ・サスペンスといった作りの作品。女優というキャラを生かした構成が興味を惹きます。 一応ヒネリやオチもあるので、ストーリーものとしては納得のできる内容だとは思うけど、 何と言っても一番の見所は喜多嶋舞の熱演。特別演技がうまいというわけではないのだが、 何もここまでしなくてもというくらいの体当たり演技を見せてくれます。 一応ボカシは入ってるけど、これでもかというぐらいの大股開きに、唖然呆然、口があんぐり。 下手のポルノ映画よりも、よっぽどエロチックだった。 [DVD(邦画)] 4点(2012-01-11 01:55:43) |
9. 彼岸花
年頃の娘をもった父親の、複雑な心情を描いたドラマ。 小津監督お得意の父娘もので、ストーリーの安定感は抜群だし、キャストも凄い豪華、 安心して観ていられる。主人公の佐分利信は確かに頑固そうなイメージはあるが、 かなりの鉄仮面でボソボソしゃべるので、時々刑事のように見えて、最初はちょっと戸惑った。 奥さん役の田中絹代は今回は控えめ。娘役の有馬稲子や桑野みゆきが若くてきれいだった。 演出面に関しては言うことなし。相変わらずの小津節を存分に見せてくれる作品。 [DVD(邦画)] 6点(2011-09-30 04:22:52) |
10. 陽のあたる教室
作曲活動に専念するために高校教師になった、ある男の半生を描いた人間ドラマ。 「チップス先生さようなら」を彷彿とさせるようなお話の展開なのだが、 こちらは音楽を通じて、がポイント。オーソドックスといってしまえばそれまでだけど、 安定感のある題材に、ラストの演出も含めて、万人向けの感動作には仕上がっていると思う。 ただ家庭内のプライベートな部分にもかなり時間を割いているので、 ラストのシーンは今ひとつピンとこなかった部分も。 [DVD(字幕)] 5点(2011-09-26 03:53:03) |
11. 日の名残り
英国の名門家に生涯を捧げたプロの執事さんのお話。 やけにいい味出してるオッさんだなぁと思っていたら、主演はアンソニー・ホプキンスでした。 決してドラマチックな展開があるわけではなく、仕事に忠実な彼の姿も非常に地味なのだが、 女中頭との友情にも近い淡いロマンスを絡ませており、渋いラストはちょっとグッときた。 完全に大人向けの映画なので、できるだけ歳を重ねてからの鑑賞をお薦め。 [地上波(字幕)] 6点(2011-09-12 15:57:59) |
12. 眉山
そもそも大人の身勝手から始まっているお話を、美しい感動作に仕上げているので、 感情移入しづらいし、どうしてもうさん臭さを覚えてしまう。 ヒロインもいい歳の設定なんだから、親のことなんてもう自分の中で消化してるでしょ。 このシナリオで役作りしろというのも酷な話だけど、松嶋菜々子には荷が重すぎたのでは? ラストもちょっと無茶かな。演出は邦画の中ではまあまあ。阿波踊りのシーンだけは良かった。 [DVD(字幕)] 3点(2011-09-06 03:48:51) |
13. ヒズ・ガール・フライデー
様々な人間たちが入れ替わり立ち替わり登場してきて、 マシンガントークを繰り広げるスクリューボール・コメディー。 今で言えばドタバタコメディーといったところで、この会話が洒落ていると取るか、 ただうるさいだけと取るかは、観る人の感性によって別れそう。 主演の二人、特にヒロインはすごく良かったんだけど、ストーリーも爆発し過ぎていて、 自分の嗜好には合わなかった。古い映画なので、映像や音質はあまり良くない。 [DVD(字幕)] 3点(2011-08-28 09:47:42) |
14. 秘密(1999)
設定はもろコメディーなのに、シリアスタッチの展開なので何とも妙な雰囲気。 当然ながらストーリーの粗も目立ってしまう。まず物語は事件が起こるシーンから始まるので、 それまでどんな夫婦関係だったのかがわからず、これがこの作品の大きな致命傷になっている。 また人気のあるアイドルタレントを主役に据えたため、本来なら話の中心になるはずの父親の 心理描写がしっかりと描けず、非常にバランスが悪い。彼が一番苦悩を覚えるはずのシーンも、 単なる広末のサービスカット的な役割になってしまっている。 後半からラストにかけては"秘密"というほどのヒネリもなく、あまりにも陳腐な展開。 一応"夫婦"というものを軸にお話を進めていたはずなのに、いったい何を伝えたかったのか。 本作から感じることができたのは中年男の悲哀さだけ。小林薫は目立つ役者さんではないが、 相変わらず安定感のある演技を見せてくれて、何だかかわいそうだったわ。 [地上波(邦画)] 2点(2011-08-22 12:16:21) |
15. ヒート
アクションシーンよりドラマ性が強い作品で、三時間近い長編だが、 犯人たちは結束力が高く、各登場人物たちのキャラ描写がしっかり描かれているのが特徴。 途中で飽きることなく、長さをまったく感じなかった。本作の一番の見せ場でもある、 デニーロとパチーノの絡むシーンに関しては、多少こじつけがましいところがあり、 序盤にもうワンクッション、二人の間の描写が欲しかった気がする。 役者としてのガチンコ対決は見応えたっぷりで、久しぶりに満足感一杯のアクション映画だった。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-08-21 18:28:56) |
16. 氷点
三浦綾子原作「氷点」を映画化した作品。 辛辣だけど、興味を惹く設定が妙味な人間ドラマ。 明らかにハショリが多く、印象としては連続ドラマのダイジェスト版を観ているような感覚。 妻の心理描写を中心に描いており、若尾文子はそれなりに好演しているが、 娘役の安田道代はかなり辛い。娘は天使のような心を持つというキャラ設定だったはずだが、 彼女の描写が圧倒的に不足しているため、とても不自然さを感じてしまう。 娘のほうも妻と同じくらい重要な役回りのはずで、これではちょっとキツい。 テーマは何とか伝わったが、さすがに物足りなさは否めない作品だった。 [DVD(邦画)] 3点(2011-08-17 09:38:21) |
17. ヒッチハイク(1976)
タイトル通り、ヒッチハイクを題材にしたサスペンス。 奥さん役の人、どこかで見たことがあると思ったら、「O嬢の物語」に出ていた人らしい。 この若奥さんはとてもセクシーだし、設定も決して悪くはないんだけどね。 ヒッチハイカーはキャラが今イチで、ラストもヒネリがなく、あまりにもありきたりの展開。 逆のパターンにした方がまだ良かったのに・・・。 [DVD(字幕)] 3点(2011-08-12 22:10:19) |
18. ヒドゥン2
「1」が面白かったのは、単純なストーリーと、 人間に乗り移ったエイリアンが見せる非常に個性的な行動だったのだが、 今回ではそれらのポイントは影が薄い。 エイリアンよりも、登場人物たちの描写に時間を割いているので、 単なる普通のB級作品に成り下がり、全く印象に残らなかった。続編失敗の典型的な例。 [ビデオ(字幕)] 2点(2011-08-12 21:58:04) |
19. 昼下りの情事
全体的に爽やかで面白いラブコメなんだけど、 残念ながら構成の方はあまりよろしくない。 上映時間は130分もあるのに、終盤にお話を詰め込んでいるため、 どうしても中盤に間延びした印象を覚えてしまう。キャスティングに関しては、 お転婆なヒロインにオードリーは適役だが、お相手のゲイリー・クーパーはこの時56歳で、 モノクロのせいか、もっと老けているように見えた。もう少し若い人の方が良かったのでは? [DVD(字幕)] 5点(2011-08-12 21:52:27) |
20. ビートルジュース
一応ジャンルとしてはブラック・コメディーに入るんだろうけど、 全体的にあまりブラック色は強くなく、有名どころの俳優さんたちが出演していて、 どちらかと言えば万人向けのコメディーだと思う。 ビートルジュースはアクが強くてやっぱり異様だが、主役なのにあまり出番がないので、 逆に観やすかったのかも。出演者たちが突然歌って踊り出すシーンは、 なんか妙におかしかったなぁ。人によって笑うツボも違うのかな? 演出はこの手の映画の中では良かった。 [地上波(字幕)] 4点(2011-08-12 21:46:16) |