1. 火の馬
《ネタバレ》 調べると、舞台は19世紀のウクライナということらしいが、それよりも幾分古い時代の、というか、貧しさと同時に原初の力強さを多分に残している様な人々の生活が描かれてゆく、という作品。映画ではあるが、その部分には非常に(劇映画の範疇を超えるような)リアリティを感じるというか、諸々つくりもの感があまり感じられないトコロがまず心に響いてくる。特に二度の葬礼と中盤の婚礼のシーンは衣装・美術も色鮮やかで美しいトコロに、まずは今作、非常に綿密に組み立てられた構図からなる静止画の美しさが絶品であり、そのクオリティは同時代のタルコフスキーに優るとも劣らないレベル(火や水を画づくりのモチーフに取り入れる所なんかも似てると言えるのかも)。 更に印象に残るのが、静止画の美しさを重々醸しつつも、同時にカメラを実に大胆に動かしまくる「動きながらの」画というものがこれまた更に美しく、躍動感を溢れさせ、また幻想的でもあり、率直に非常に見事だった。映す対象・映し方の技巧・シンプルなシナリオ・長すぎない尺、どれをとってもアート系としては非常にバランスが良い。後続作品のややスピリチュアルすぎる傾向に比べれば、ダントツで一番最初に観るべきパラジャーノフ作品と言えるのではないか。傑作。 [映画館(字幕)] 8点(2020-11-01 06:24:15) |
2. 緋牡丹博徒 鉄火場列伝
《ネタバレ》 尺がやや伸びたが、見せ場はそれ以上に増えている。お竜の演技にも大分凄みが出てきた。役者は揃って中々良いが、準主役に昇格した待田京介が非常に良い出来だった。 [インターネット(邦画)] 7点(2019-11-28 21:42:06) |
3. 緋牡丹博徒 二代目襲名
《ネタバレ》 3作目まで徐々に良くなってきているシリーズだが、4作目は更に全体的に向上している感じ(二代目襲名や鉄道工事など、シナリオにちゃんとしたアクセントがあり、細かい見せ場も多い)。殺陣なども少し良くなっているし、懸案のラストも少しだけマシに。 お竜は魅力健在で、今作ではロングヘアーを披露している。実は方言女子の元祖に近いのではと勝手に思っている。高倉健も素晴らしい出来で、義理人情の風情の中に渡世人のヤバさを見事に醸し出している。 [インターネット(邦画)] 8点(2019-11-28 21:40:38) |
4. 緋牡丹博徒 花札勝負
《ネタバレ》 基本的に主人公が任侠というだけで、構成はまるで『水戸黄門』なのは3作目まで全て同じ。細かい演出は前2作よりやや良いかも知れない(ドングリの背比べかもだが)。ただ、また3人vs30人でアッサリ勝てちゃうラストは個人的には気に入らない。 [インターネット(邦画)] 6点(2019-11-28 21:38:37) |
5. 緋牡丹博徒 一宿一飯
《ネタバレ》 全体的にクオリティは向上している様に思うが(アクションや細部の演出など)、これも少し良くなったと思ったシナリオはラストが超絶に大雑把(菅原文太が消えたり)でイマイチ。鶴田浩二は名優。 [インターネット(邦画)] 5点(2019-11-28 21:36:58) |
6. 緋牡丹博徒
《ネタバレ》 任侠映画とヤクザ映画は似て非なるものであり、これは任侠映画なので藤純子は完全に善玉(高倉健も)である。とにかくド級に美人なのはとても良いが、任侠な凄みや迫力はまだ正直あまり感じられない(歌もド下手、だが美人)。物語はオーソドックスな勧善懲悪で、殺陣なども普通な出来。モブキャラのダイナマイト男が無双してる(高倉健より全然強い)のはどうかと思う。 [インターネット(邦画)] 6点(2019-11-28 21:35:16) |