1. フェイク
パチーノの、もはや彼の反則ワザとも言える「初老の哀愁を、少し小さめの背中とアイフル犬並みに潤んだギョロ目で訴える」演技が全開。デップも、それを邪魔しない程度のはっちゃけぶりと、微妙に破綻した主人公の人格描写で面目躍如。脇役のお兄さん達も、ウザ系アン・ヘッシュも、ちょっとした陰の部分の出し具合がお上手で。でも。いくら俳優陣の演技が冴えていても。いくら実話でも。罪のない店員や仲間を散々ボコったり殺したりしながら、「友情」だの「信頼」だのを行間に語らせ、「ヤクザだって苦悩してるんだぜ」なノリで最後はカタルシスを誘い出す、そんなストーリーのあざとさが苦手かも。 [地上波(字幕)] 5点(2005-04-15 09:22:07) |
2. プロポーズ
《ネタバレ》 テキサス娘レニー嬢は、やっぱりこういう「30%すれっからし風味」がよく似合う。出来すぎでも、野心ギラギラでも、たちの悪過ぎの不良娘でもない、そこらの隣の女の子風。真っ白花嫁集団にも特に恨まれずに彼をモノにできたのも、彼女なればこそ。レニーだけでなく使い捨て状態の婚約者を演じる女優陣も見事。その分、主人公クリス、なんか弱い。弱いからこそ成り立つ映画なんだけど。。 5点(2004-07-18 05:46:11) |
3. フォー・ウェディング
この映画は、様々な人生の機知を語りかけてくれます。イギリスで披露宴におけるゲストの席順を熟考することは、日本でメニューに「伊勢海老のテルミドール」を入れるくらい重要なんだ、とか。結婚式とお葬式に立て続けに出る場合には、ネクタイの使いまわしは勿論のこと、牧師(僧侶?)の使いまわしにも注意しておかなきゃいけないぞ、とか。世界的ヒットをいくつも持っている超人気美形男優でも、バミューダ・パンツ姿はあまりに(以下自粛)、とか。4つの結婚式と1つのお葬式があれば、そりゃ人間、色々モノを知るわけです。 7点(2004-02-16 06:40:23) |
4. ファミリー・ゲーム/双子の天使
子役の凄さにも圧倒されるけれど、周りのオトナがそれぞれ役を「わきまえた」演技をサラッとしているところにも好感が持てる。オトナ=悪者、オトナ=子供の敵、といった図式を最初に勝手に作り上げてしまって、それを壊す過程でお涙頂戴のドラマを展開する、自称「感動の大作」が後を絶たない中、この映画のオトナ達は、それぞれが生き生きと自分の居場所で自分なりに子供と共存し、メロドラマに走らなくてもそこに「幸せ」があることを見せてくれている。なにげに実力者揃いの俳優・女優陣で、見ごたえアリ! 8点(2004-01-30 09:22:28)(良:1票) |
5. フォーン・ブース
《ネタバレ》 最初の鑑賞時、急に仕事で呼ばれ、ラスト10分を見逃してしまった。―何と言う失態!―というのも、観た方ならお分かりであろう、斬新な映像実験をきっちり90分以内に収めてきたこの映画の、ジ・エンドに向けて加速するスピードに勝負をかけたこの映画の、ラスト10分の「欠かざるべき度」の高さたるや、ユージュアル・サスペクツにおける「あの人」の独白の「クライマックス度」に比するものがあるのだ……。しかし、告白しよう、この「おあずけ」状態の苦しくも何と甘美であったことか!正直な話、ラストを見てしまった今より、想像のつかぬ結末の存在にヤキモキしたこの一週間の方が、ずっとこの映画の魅力を享受できていたように思う。あたかも、銃口を向けられ座ることも立つこともままならなくなった主人公の焦燥感を疑似体験したような、この「おあずけ」状態。下記の一連のレビューを読み、ラストに不満が残ることを危惧される未鑑賞の方には、この「寸止め鑑賞」をお勧めしたい。もしかしたらもしかすると、主人公のように人格すら変えらる衝撃が貴方を襲うかも知れない(ただし、単に欲求不満が爆発するという末路も安易に想像されますので、ご注意下さい)。 8点(2004-01-30 08:32:55)(笑:2票) |
6. フィールド・オブ・ドリームス
「おとぎ話」の「おとぎ」度が強すぎて、ごちそうさま、な気分になった。野球、昔やったりしなかったからかなぁ。よく出来た映画だとは思う(フォロー)。 6点(2003-12-04 13:00:46) |
7. ファーゴ
雪を生まれてから一度も見たことが無いという友人と見た。「雪は人を狂わせるんねー。おそろしー」と言っていた。……そういうテーマじゃないと思うんですけど。個人的には、地味ながら微妙に計算されつくされた、渋い味わいの焙煎コーヒーみたいな映画かと。 7点(2003-11-30 07:45:19) |
8. ブエノスアイレス
それぞれの俳優の演技が一生懸命(悪く言えば手探り状態)で好印象ではあったが、何故か前半「だりぃ~」という言葉が頭を過ぎってしまった。この弛み具合が、好きな人にとってはたまらないのだろう。恥ずかしながら最後にはウトウトしてしまった。映像も音楽も良かったのだけれど、ストーリーに「ま、どうでもいいや」と思わせる要素が潜んでおり、ある時点で、私のアタマは話の筋を追いかけることをやめて睡魔に道を譲ってしまったようである。 4点(2003-11-29 12:25:21) |
9. ファイナル・デスティネーション
運命ねぇ。何か無理やりな感じもするけど(最初のシャワールームの水とか)「運命」って言われれば「あ、そっか」とも思えるマジック。絶叫血みどろ系はダメだけど、たまには指の間からじゃないホラーを見てみよーか、という方に。そして辛口コメディー好きのアナタにも。 5点(2003-11-17 22:45:02) |
10. ふたりの男とひとりの女
ノリが命!な作品。このバカバカしさと、お下劣さと、くだらなさと、実は密かに心の隙間埋めを企む人間描写に、一秒でも乗り遅れたらつまんないかも。ジム・キャリー、「バカじゃーん」って笑われることに命かけてるし。その必死さ、はっきり言って所々痛いんだけど、ある意味潔い。最近、ここまで精巧に作りこまれたおバカって、ありそうでなかなか無い気がする。点数は期待値込み。 6点(2003-11-13 00:01:54) |
11. フル・モンティ
からっと晴れ上がった空、どこまでも続く草原、果てしないモーターウェイ。そんなアメリカ映画の常套風景の下で見せつけられる真っ裸は、きっと開放的だし扇情的。でも、暗くて、ジメジメしてて、ナヨナヨでヨレヨレ、そんなイギリスの天気と社会環境とオヤジの人間関係の下での真っ裸は・・・。見た人にしかわからない、くすぐったさと、たそがれ気分と、ほっこりムード。欲張ってお涙頂戴物語にしなかったのが正解。 9点(2003-11-12 01:09:02) |