1. ベティの小さな秘密
《ネタバレ》 ベティという少女の視点でみた奇妙な世界。 小さいけど不思議なことが様々。幽霊屋敷、夜の森、父が院長をつとめる精神病院、奇妙な転校生、 それらが絵本のようにメルヘンファンタジーに描かれる。 家族はバラバラになり、ベティの要求は何も通らない。ベティの大切なものはみんな大人の都合で奪われてしまう。 そんな中でベティは自分のために自分の大好きなものを守り抜こうとする冒険。 自分で生きることを決意し、守るものを得たベティはその体験を経て少しだけ大人になったみたいだった。 なんにもないけど日常のごく小さなところに物語はある。 「ミツバチのささやき」や「カラスの飼育」みたいなところもある。 また「ロッタちゃん」「おもしろ荘の子どもたち」のような感じも少しする。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-11 23:56:19) |
2. ヘンリィ五世(1944)
《ネタバレ》 デパートに買い物に行ったらシェイクスピア名作映画集ってのが500円で売ってたから、 そのうちでもっとも大作っぽいものを選んで買ってみた。 シェイクスピアの文章は難しい。 だから映画の字幕でも読みにくい文章が結構あったけど、 シェイクスピアの名言ともいえそうな素晴らしい言葉も多かった。 若きイギリス国王ヘンリィ五世の、皆を率いる王としての在り方が素晴らしいと思った。 なんとなく高貴で高尚な感じの戦争映画で、最近の映像効果でコテコテの戦争映画よりも面白いかも。 衣装もセットも楽しめて、音楽は素晴らしく、戦場面は土臭くも迫力あり規模が大きいと感じる。 原作は未読。劇場のシチュエーションから始まる物語は観客をひきつける効果あり。 また非常に凝っている。 [DVD(字幕)] 7点(2012-12-28 23:13:36) |
3. ベスト・キッド(2010)
《ネタバレ》 ジャッキーチェンの映画はあんま見たことないけど、 面白かったです。 ジャッキーチェンはアジアのデニーロになりたいって言ってたけど、 まさにジャッキーチェンのロバートデニーロな演技は、 まるでアジア版のタクシードライバーができそうなくらい渋い。 感性うたがわれそうだけど。 そういえば演技にかける本気度と情熱、笑顔の素敵さではデニーロとジャッキーはかぶるかも。 いじめっ子どもが憎ったらしすぎた。 ユニークなトレーニングが繋がった時の気持ち良さ、そして技の上達とともに起こる少年の心の変化、 心に傷を負った先生と少年との交流などなかなか面白い。 トレーニングの面白さもそうだが、 こういった映画の最大の魅力のひとつは大会でどれだけ気分が盛り上がるかだと思う。 観客の心を盛り上げる大会、そしてファイトがわく決勝戦が素晴らしい。 ・・・リメイクなのに空手でないのは素直じゃない気がするけど。 [地上波(吹替)] 7点(2012-09-07 23:34:33)(良:1票) |
4. ヘルレイザー2
《ネタバレ》 ヘルレイザー2は相変わらずグロ・アート全開だ。 このヘルレイザー2は前作よりもSF色が強くなっていると思う。 壮大な異次元地獄の迷宮が見所だ。 ゴキブリの演出が前作同様にショッキング。 この2作目は前作ほどホラーとして成功はしていない。 その理由の一つが地獄の魔道師たちのヒューマンな部分が見えてしまうからだ。 そこで彼等に軽い共感が生まれ、魔道師たちに威厳のようなものは失われてしまう。 人間離れした怖さを感じづらくなった。 これだけ続編が出る事は予期しなかったとはいえ、2作目にして人間的な部分を見せてしまう魔道師たちとはどんなものか。 スケールが大きくなった事で恐怖は感じづらくなった。 広大な迷宮などSFファンタジーとして見応えのある作品となったけど、前作ほど異次元を描いていないように思える。 映像のスケールばかり大きくはなったが、異次元の奥行きが前作ほどは感じられない。 とはいえ突拍子も無い奇抜な演出にセンスを感じる。 鎖で縛られた裸体の生贄女はエロ過ぎた。 ここは間違いなく抜きポイントだ。 残念なところもあったけど、見応えのあるSFホラーの名作部類にある。 なんと!監督はあの「北斗の拳」のトニー監督らしい。 どうりで、再現度とイカ臭さは共通するところがあるのかも・・・ [DVD(字幕)] 6点(2012-06-22 23:36:33)(良:1票) |
5. ヘル・レイザー
《ネタバレ》 素晴らしすぎる恐怖演出。素晴らしすぎるグロ表現。 手作り感あふれる生々しいスプラッタ場面。 このヘルレイザーがホラー映画の名作であることは見てすぐ分かった。 正直ドラマは面白くないので途中で期待は落ち込んでましたが。 パズルボックスが生み出すSF的な表現が素晴らしい。 そこから発せられる光の表現にも味がある。 異次元をこれほど見事に描いたホラーはあまり無いです。 地獄の光景をここまで感じさせる映画もまず無いです。 不安を掻き立てる不条理なアイディアも神がかりに芸術的。 これはアートと呼べるホラー。 全く新たな新境地で恐怖演出を成功させた名作。 それは全く恐怖を他のホラー映画に依存していない独自の恐怖表現で完成され、 ホラー映画の中でも自立度が高く、そのオリジナリティーあふれる恐怖世界観には強みがある。 あの名作漫画ベルセルクの世界観にも多大な影響を与えた。 ファンタズムと並ぶ異次元の恐怖の傑作。 (※注意:蛆とゴキ虫が苦手な人は気をつけましょう) (DVD化されるのが遅過ぎたため一点マイナス) (追加:昨日レンタル店にヘルレイザーの続編「ワールドオブペイン」と「ヘルワールド」のレンタルアップDVDが500円で売ってたので買ってきてしまった。見るのがとても楽しみです) [DVD(字幕)] 8点(2012-06-22 23:27:41)(良:1票) |
6. ペイ・フォワード/可能の王国
《ネタバレ》 感動しました。だけどなんだったんだろうって感じで印象がぼやけます。 主題がどこかつかめなかったです。 主役のオスメント君って当時は天才子役なんていわれてましたっけ。 独特の美少年で天使のような顔してますね、、、 それにしてもおもしろい顔ですね! 彼が世界を変えようとする話でしたっけ? 彼は普通の少年ですが聖人のようになって観客に伝えます。 彼の提案は面白いと思いました。「恩返しは出来ないんだ」なるほど。「それを次に渡すんだよ」そんなことは初めて聞いた。そんな感じで なんだかユニークな視点で良いことを伝えてます。 いままで滞っていた善(みたいなもの)が少しだけ動き出しそうになるのがこの映画のいいところです。 実際に善意を渡されても「それが続かないんじゃ?」「次に渡さない人がいるのでは?」と思ってしまうのは、やはり自分がそれをやる自信がないからです。 トレバーのいっている事は正しい、、、ただそれは理想だ、、、と思ってしまうのは、僕が次に渡さない人間だと思うからだ。 「誰もやらないだろう」と思っていたら、それは「自分がやらない」でした。 アルコール中毒の父親、、、憎むべきですが、それを受け入れる母親も問題。 本来は子供を守るべき母親が女の立場でアル中男を選んでしまうというのが許せない。 火傷を負った先生、、、ベッドシーンではホラー映画のようなグロすぎる演出だった。 糞ガキどもは、臆病なクセして粋がってナイフなんて持ってんじゃねぇ!頭にくるなぁ! 残念なことに火傷の跡のシーンの生々しさと、ナイフのシーンの怒りが強く残って、 人を癒すところが漠然としてしまいます。 [DVD(吹替)] 5点(2012-03-08 22:38:54) |
7. ベティ・ブルー/インテグラル<完全版>
《ネタバレ》 (2008年映画メモをもとに) とても激しい作品でした。 激しい愛の形を見ました。 この破滅的な感じがなんとも好きです。 二人の愛につき走る感じがあまりに情熱的で美しくもあります。 しかしとても耐えられません。 心がつぶれそうに痛いです。 サイコさも増してちょっと怖いですがとても悲しいです。 愛とは何なのだろう?と考えさせられるのは、この作品では愛が凶器を帯び狂気になってしまったからです。 鮮やかな色彩とスタイリッシュな映像が楽しめます。 変な人たちが沢山出てきてシュールな感じもあります。 みんな変態な人物描写が良いです。 相棒の馬面のピザ屋が面白かったです。イカしてます。 みんな楽しそうに飲んでますね。 過激でショックな作品でしたが心奪われました。 [DVD(字幕)] 8点(2012-03-01 00:49:59) |
8. ベンジャミン・バトン/数奇な人生
《ネタバレ》 人生を全く別のユニークな視点で見つめなおすかのような感動作でした。 ハンディを持って生まれ、人とは違った人生を歩んだベンジャミンですが、非常に人生は輝いていました。 苦悩が大きかった分だけ、喜びが少し遅れてくるかのようです。 人生は老いるのではない、という逆の発想が希望を与えます。 この映画では人生が大きくなってゆくみたいです。 人生とは考え方次第であると教えられます。 そして数奇な人生ほど充実した素晴らしいものになるかもしれません。 人とは違うということを恐れてはならないのでしょう。 この映画を見ると元気をもらって何かをしなければならないという衝動に駆られます。 この映画の中にある死とは自分の人生を考え運命を見つめるためのものなのだと思います。 フォレストガンプやビッグフィッシュのような不思議な感動です。 非常にユニークで魅力的な作品でした。 しっかし青い目の少女が可愛いです。 [地上波(吹替)] 7点(2012-01-07 00:13:46) |
9. ヘルボーン
《ネタバレ》 なかなか面白かったかもしれません。 おかしい人が沢山いる精神病人の描写が好きなので、その部分だけ楽しめました。 曰くつきの巨大精神病院で、医者や看護師が狂っているというのが良い設定です。 オカルトとか儀式とかちょっと好きなので、あんなB級ショボ悪魔が出てくるところもなんだか良いです。 最後は、よくありそうな展開で終わってゆきます。それもまあ良いでしょう。 [DVD(字幕)] 4点(2009-12-30 21:20:01) |
10. ペット・セメタリー(1989)
《ネタバレ》 キングらしさ全開で、この作品はかなり好きな部類に入る。 なので結構、何度も観ている。 とても哀しくてやるせない感じの作品だ。 冒頭の「お墓」の場面からとても憂鬱で哀しい雰囲気が漂っている。 スティーブンキングの独特な雰囲気が良く再現されていたのではないだろうか。 キング小説は、人々がその内に独特の「闇」を抱えているように思う。 この作品では、キング小説の独特の「闇」がうまく描かれていてると思う。 たとえば、胃癌を抱えた近所のおばさんミッシーなどにその「闇」が表れているかもしれない。 奥さんのトラウマの元となっている「病床の姉」も陰鬱な印象を残す。 その「姉」は怖くは無いものの、「不安」「憎悪」が凝縮されたような歪んだ姿にはゾッとする。 この作品の「道路」と「トラック」はとても危険な感じがして、それ自体が「命」を持っているかのように不気味に描かれている。 主人公ルイスは、ほんの小さな事から「それ」にはまり込んで抜けられなくなってしまう。 「それ」がどんどんと大きくなり、やがては周りの人にも影響し始める。 結局は周りの人がその面倒を被るのだ。 やがては愛する人を失い、その悲しみを埋めるためにまた過ちを繰り返してしまう。 (なんか僕も分かるな、依存するってそういうことだよね?) ルイスが猫を「娘の猫だ」と言ったら、ジャドが「もうお前の猫だ」と言ったのが印象に残った。 「もうお前の責任だぞ!」って言いたいんだね。 幽霊パスコウはかなりイイヤツで、そのキャラクターが気に入った。 優しい幽霊というのはなんかとても悲しい感じがして良い。 終盤のゲイジの演技がお見事! 最後の「B級スプラッター」のようなチープな終わり方が残念でならない。 そのためにこの作品はとても安っぽい印象になってしまった。最後って大事だね! この作品は「見事に描いた作品」だけに残念である。 でも、人物描写が良く描けていると何度も観ても楽しめるよね。 エンドロールの曲は、とても項垂れた感じで哀愁が漂っていて好き(どこのバンド!?)。 ※お気づきの方もいるかもしれませんが、1時間15分辺りで「シャッターを開ける」シーンがあるけど、そこで「謎の声」が入る。その主が「猫」なら良いが、、、? [DVD(吹替)] 7点(2008-03-09 01:42:17) |
11. ヘルハウス
《ネタバレ》 怪奇映画が好きな人ならノックアウトしてしまう程の濃厚な怪奇幻想の雰囲気。 序盤の退廃的な風景は素晴らしい。 タナー嬢のゴスロリな美しさ、フィッシャーの精神的に憔悴した感じが見事。 演技を超えたキャラクターは本気度があり迫力が漲る。 この映画の霊現象もまた迫力が凄い。 そして重苦しい恐怖が暗い。 本物のオカルト映画という感じがする作品だ。 洋館の雰囲気はどのホラー映画よりも素晴らしい。 ベラスコの狂気の人間像がこの作品の中で生きている。 タナー嬢が中盤から終盤にかけて色気を増してくのがヤバい。 若くて美しいタナー嬢の霊媒体質が性的に利用されてゆく様が生々しく描かれている。 これはオカルトホラーとして非常にレベルが高い。 この作品は呪いのようなものが感じられて気が重くなる。 この作品の古臭さはカルトさと幻想的なムードを高くしているので本格ホラーの魅力だと感じる。 目新しいホラー演出が好みの人には全く向かない。 淡々としていて物語の運びが少々悪いのかもしれない。 ただそれは飾ることよりも描くことに専念しているからだと僕は感じた。 そのリアリティー重視なところが良い。 あまり納得がいかないのは、霊的な力を科学の力で打ち消してしまうということだ。 これだけ邪悪な霊力を見事に描いた作品が何故そんなガッカリな事をしてしまうのか。 最後は邪悪な霊力よりも人間の狂気にゾッとしてしまった。 [DVD(字幕)] 8点(2007-12-04 02:16:07) |
12. ペーパー・ムーン
《ネタバレ》 普通にスゲー面白かった。 親子2人の仲が悪いのに、でも絆がとてもとても深いのが良い関係だと思った。 物語の中で人を騙しているけど、ぜんぜん憎めない。 テイタム・オニール少女が超可愛い。 モーゼスと仲良くなって途中で乱入してくる性格の悪い女性は、嫌な感じだけど、 でもちゃんと自分の弱い部分を少女に打ち明けていたから、そんな悪い気はしなかった。 この作品の面白さは、もしかしたら「シンプル」なところにあるのかもしれません。モノクロも良いですね。余計なものを全て削ぎ落として洗練されている。この作品を観ると、昨今の映画はいかにゴチャゴチャしているかを思い知らされます。 最後の、テイタム・オニールの選んだ選択にはホントに感動! でも「オバちゃん」も可哀想だと思っちゃうんだよね。。。 「ちゃんと一言オバちゃんに言ってきたの?」とか「レモネードちゃんと飲んだのかな?」 とか、、、そのオバちゃんがとり残されて、淋しそうにしている光景が思い浮かんじゃうんだよね。でもそんなの関係ないか!やっぱり最後には、あの親子2人が一緒になるのが一番美しいんだし。 でもテイタム・オニールちゃんがやっぱり一番可愛いなあ! [DVD(字幕)] 8点(2007-09-19 00:45:06) |