1. ベルリン・天使の詩
80年代に奇跡的に生まれた映画の良心。これをみるとヴェンダースはほんとに映画が好きなんだなってのがわかる。あと、ちゃんと美術史も勉強している。図書館のシーンからも分かる通り、建築物のアングルや選び方、そして「天使の視点」という設定をはじめ、造形スタイルはきちんと伝統的構成主義に則っている。表面的に構成主義をシミュレーションするのではなく、まるで映画学校の優等生が小津とエイゼンシュタインを課題に与えられて、一生懸命勉強して撮ったような感じで、すがすがしい。ただ、よくも悪くも映画ファンがとった映画。最後のテロップに小津の名前が出てくるところなんかは、見れば分かるよって感じで、ちょっと素人くさい。でも、この素人くささがヴェンダースのいいところ。 8点(2002-08-02 00:26:24) |