1. ボーン・コレクター
《ネタバレ》 おごりと言われて食べ放題の焼き肉店に入り、これでもかと色々なメニューを注文して最後にお腹いっぱいになる。必要以上に。 それぞれのメニューは標準的なそれよりも少し美味しくなくて、いっぱい乗っかっているお皿が嬉しいというイベントのようなもので、かというと満足度は低くないのだが、こんなだったっけという気がしないでも無い。 この映画もそんな感じだろうか。 何かニコ一三コ一の鬼盛りで結構お腹いっぱい。だけど満足度はそんなに低くなくて、それでも物足りない。けどお腹いっぱいでもう入らない的な。 [地上波(吹替)] 6点(2013-04-30 03:59:34) |
2. ホワイトハンター ブラックハート
《ネタバレ》 イーストウッドらしいハリウッドらしくない秀作。イーストウッドの小説的な匂いを出す映画群の中には2,3年の周期的にさらに文学的な雰囲気を発する作品がある。この作品はまさにそのタイプで、これら作品は作中の人物誰かに共感や感情の移入をしなければヨーロッパの文芸作品以上の苦痛な時間が待っている。 本作では感情移入のための劇場的なテクニックは排され、人物像や心理描写と言った文字媒体的技巧が主に使われている。ここにあるのは映像媒体の情報を受け取って感じさせられることからの楽しみではなく、情報を読み取りそこから感想を構築して行く作業でありこれをしないと何も心に浮かばない。しかし映像は何もしなくても進んでしまうがために、それを意識させないぎりぎりのところで、映像的なフォーカスが組み合わされている。 集中力をそがないその配分は、おそらく偶然のものではなく計算されたものだろう。あたかも場当たり的に作られているかの様な作中の映画撮影は、確信的な巧妙な計算のうちに作り出され、それら技術的な組み合わせはあまりアメリカ映画的とは言えない配分ではないだろうか。 ともすればヤマオチ意味なしにすら感じられるこの映画が撮られたのは90年。カンヌでは85年のペイルライダー、88年のバード、本作とイーストウッドは文芸調作品で立て続けにパルムドールにノミネートされ、この頃すでにヨーロッパでは絶大な支持基盤を得ている。技術やキャリアにおいてはすでに絶頂期を迎えており、今後こういったハリウッド的な味を持たない映画を撮り続けるのは難しいのではないだろうかとさえ当時の人たちは思っただろう。 しかし、20年たっても2,3年周期で文学性と完成度の高い作品を作り続け、ハリウッド映画を見に来た客を煙に巻き続ける。アジア、アメリカ、ヨーロッパと全く違った印象を持たれているであろうことが実に面白い。 [DVD(吹替)] 8点(2010-06-06 17:48:39) |
3. ポンヌフの恋人
すいません。引きました。 こういう生き方をしている人を思い浮かべてしまって、大丈夫かよ?って突っ込んだ。 こういうのより、歩いてあえる距離にすんでるのに長電話でだらだらポンヌフの恋人につっこみ入れて昼を過ごして、夜遅くまで一緒にお茶を飲んで過ごすような恋仲の方が好きだ。 [DVD(字幕)] 5点(2009-01-03 21:20:29) |
4. ホーム・アローン
冬にこれをテレビで見ると和みますよね~。 泥棒がかわいそうで大笑いですよ。もう罠とか覚えちゃってるから志村後ろ状態なんですけれど、いい気味よりかわいそうになっちゃって(笑) [地上波(吹替)] 7点(2009-01-02 15:07:33) |
5. 北斗の拳(1995)
《ネタバレ》 この映画を見て、投げやりな、そんな気にさせられたのは間違いない事実で、良く話すようになったクラスメートの女の子に電話を掛ける勇気が出なかったのはきっとこの映画のせいに違いない。きっとそうだ。 ケータイとか、メールだとか、そういうのがまだほんの黎明期だった。夜、彼女に電話を掛けるか掛けないか、それは非常に大きな問題でありほんとのところ非常にどうでもいいことでもあるのだが、便利な年代になってこないとそのあたり全然気がつかなかったりするからしょうがない。 悩んでいるつもりの時間の、使っているつもりになっている時間以上に速く進む時計はモーターが壊れているとしか思えないほど容赦がない。そんな時間を使っている位なら映画でも観ようと、昼休みの学食で急に始まった北斗の拳ゲームで二回目のジャギ様を出してしまった罰ゲームをカーキのバッグから取りだした。で、それが間違いだった。 丑三つ時にこれを見終わった時、俺はなんてことをしてしまったんだと、してもしょうがない後悔をひとしきりすると先送りにしていた風呂に入った。「あーしょーがねーな」と口先だけは気にしない。 髪を乾かして布団に入って具体的にてイラッと来たわけだ。何しろ観ている間のショックは、詐欺師に何度も胡散臭い説明をされている当惑に、だまされている実感が隠されているような物だったからだ。そしてようやく容赦なくこの映画を罵倒してやろうと思ったのは事実であり、やっぱめんどくさいから一瞬でやめたのも事実だけど良い判断。それを受け止める側の級友は一瞬で電話を切るだろう。 本当は映画なんか観ないで彼女に電話してしまえば良かったのだけど。 だけど後にわかったことだが、あのとき北斗の拳ゲームで勝った他の友達皆が何らかの形ですぐにこの映画を観ることになる。その呪いのビデオを観た友人は次の日口数が少なく、イライラしていた。そして全員が見終わった時、二度と北斗の拳ゲームが行われなくなった。全員が無言でお茶をすする止まった時間に誰とも無し、ぽつりとこの映画を語り始めた恐ろしい午後を僕は忘れない。 実はあの夜、同じ時間に彼女もこれを観ていた。6限が終わって二人だけで帰った夕方に、この映画が二人を結んだんだ。 とかそんな訳ないから。たのむから210円返せ。 [DVD(字幕)] 1点(2009-01-01 17:55:13) |
6. 暴走特急
《ネタバレ》 とにかくすごい。 とんでもなく美しい動きで悪人がばったばったとボコられていくさまは爽快そのもの。セガール様の演舞もすさまじいですが、演舞以上に美しくテロリストがボッッキャンボッキャン往かされます。 終盤の追撃シーンでは、不意を突かれたセガールが床に倒され馬乗りされますが、そのシークエンスがすごすぎます。 倒されながらガードポジションをとり、相手が自分の顔にふれることが出来ないようにクビを抱え込んで、肘と足で相手に痛みを与えながら反撃、体を入れ替えてあとはセガール拳。 95年にこういう攻防を、映画の中でやってます。セガール様はマニアックな方です。当時の客には、「馬乗りされても無敵なだけ」と、まったく伝わってなかったと思います(笑) 動きも鮮やかですし、やっぱり初期セガールは良いですね。内容はそこそこ面白いですよ。ライバックが乗っていると聞いただけで心が折れてしまう敵軍団は必見。冗談かと思うくらい彼らのやる気がグダグダになります。映画でこれをやる豪腕が凄い。 [DVD(吹替)] 9点(2008-10-04 14:59:26)(良:1票) |