1. ポロック 2人だけのアトリエ
エド・ハリスの演技、凄いです。入魂とは、こういう事を言うのだと唸らされる。泣くとか笑うとか怒るとか、感情を表現する演技は素人の私でもなんとなく解るけれど、絵筆の運びをあれほど堂々と表現するまでに、エド・ハリスがどれだけ鍛錬したか、想像するだけで気が遠くなる。役者って偉大。マーシャ・ゲイ・ハーデンも上手い! 女って、そうだよね、うんうん、そんな感じ。感情の迸りの出方がすごくリアルで、強さの質もリアル。 だから高得点を付けたくなるんだけど、映画としてどうかというと、う~ん・・・何だか見づらい映画だった。箇条書きをしているみたいな場面転換の早に、違和感があった。ポロックの波瀾万丈な人生を二時間に収めるのがむずかしいのは解るけれど、重要なシーンはもっとじっくり長く余韻を持たせてみせてほしかった。編集の仕方が、大河ドラマの総集編みたいだ。完璧すぎる演技の連続だけに、あまりにもめまぐるしい。「この作品を他人の手に委ねるのがいやになってしまった」のは解るけれど、エド・ハリスが監督をしたのは失敗なのでは? 7点(2004-10-09 09:48:43) |
2. ホーリー・スモーク
《ネタバレ》 監督のジェーン・カンピオンは、「ピアノレッスン」であまりにも美しいいい映画を撮り過ぎて、女性に支持されすぎて、「女性ならではの深い精神世界を描かなくてはならない」みたいな強迫観念があったのではないかと、勘ぐりたくなるほどの支離滅裂ぶりです。「特殊な恋」を描きたかったのは判りますが、「放尿」といきっかけでは、ただの変態でしょう。とてもじゃないけど、そこに深い意味があるとは思えません。あの例の赤いドレスも、ひたすら「早く脱いでくれよう~」と祈るばかりで、何の哀愁も感じられない。そして凄いのが、母親以外の誰も、主人公を本気で心配していないという所。つまりケイト・ウィンスレット演じるこの女性は、「いけすかない女」で、観客のわたしから見ても「なんの魅力もうかがえない主人公です。そして一番凄いのが、見終わったあとに、この監督が何を描きたかったのか、考えてもさっぱり判らないという事です。ある意味ものすごい、ものすごすぎる映画でした。見る人に慎んで警告してさしあげたい映画です。 2点(2004-01-18 17:39:11)(良:1票) |
3. ボーイズ・ドント・クライ
「I love men」な私に、性同一性障害の方の心情は理解は出来ないけれど、ヒラリー・スワンクの熱演を見て、痛みは充分に伝わって来た。二時間の間、ただただ痛い。そして見終わった後、人間という生き物が「他との差異」を認められないうちは、「自由の国アメリカ」にも自由はないのだという絶望感だけが残った。長く人類全体が抱える、肌の色による差別、信教による差別といった重いものから、「ちょっと素敵だな」と思った人が、PCのデスクトップピクチャをモー娘にしていて幻滅するという下らないことまで、人間という生き物は、差別をせずにはアイデンティティーが保てない生き物なのだと、改めて痛感した。それを超えてティーナを愛したラナの、可愛くて、少々野暮ったくて、危うくて温かい、新しい生き物みたいな生き方に、生物としての美しさを感じた。ただここまで、娯楽要素を排除して、見る側の胃を痛くするような映画は、反則技だと思う。良い映画ではあるが、早く忘れたいとも思ってしまう。 7点(2003-12-15 22:09:33)(良:2票) |
4. ボウリング・フォー・コロンバイン
《ネタバレ》 マイケル・ムーア氏は、とても頭の良い人間だと思う。主張も斬新かつ的を得ていて、魅力的だ。(銃なんて、我々には関係ないわ、と思って見始めた本作。問題は「恐怖」である、という結論には、戦慄を覚えた。殺傷能力はともあれ、我が家の台所の包丁だって、人は殺せるのである。)だが彼に一抹の「うさんくささ」を持つことも、大切だと思うのだ。あの野球帽、あの語り口、あの強引さ。彼も「アメリカの白人」のひとりなのだ。わたしたちが彼に同調する必要はない。私たちは「日本人」として、独自の、アメリカなんかより長くて美しい文化を持っている。そして多くの殺戮を行った大日本帝国、ハラキリの侍文化を経ていながらも、平和憲法9条を制定し、少なくとは表面上は、平和で治安の良い国家を作り上げたのだ。そのことをムーア監督にもブッシュ大統領にもC・ヘストンにも、その他アメリカ国民にも、もっと胸を張って威張るべきなのだ。アメリカの属州になり下がることは、絶対に避けなければならない。この事を我々に明確に指し示したことが、この映画の最も大きな意義だと思う。 8点(2003-11-09 23:22:36)(良:2票) |
5. ホーム・アローン
普通に面白いです。こういう映画を見ると、アメリカ人のこういうセンスって卓越してるなぁと感心。 7点(2003-10-21 21:01:22) |
6. 僕たちのアナ・バナナ
俳優が監督した作品ってハズレが多いけど、これはGOOD! つたない所はあるけれど、それがまたいいかんじです。エドワード・ノートンってきっと良い人なんだろうなぁと思えます。彼はどんな役もこなす演技派ですが、この役が実は一番生身の彼に近いんじゃないかなぁと、勝手に想像。それにしてもベン・ステイラーは、「メリ首」のイメージがあまりにも強くて、もてる男を演じているのがすごく違和感。絵的にも、「アナ&ジェイク」より「アナ&ブライアン」の方がしっくり来るんですよね。彼がまた監督をするなら、是非見てみたいです。 8点(2003-09-19 23:02:53) |
7. ボーン・アイデンティティー
私はベスパが好きでミニが好きなので、なかなか楽しめましたが、ストーリーはごく普通。少年ジャンプや少年マガジンにありそうな内容。とりたてて美形じゃないヒーロー&ヒロインってのが、好感もてるけど地味。 6点(2003-08-18 15:48:06) |
8. ボクサー(1997)
映画として、とても明確な意志を持った作品。訴えたい確たるものがまずあって、それを表すためのストーリーがあり、恋があり、ファイトがある。けれどそのせいで、エンターテイメント性は薄い。主演も演技派No.1ともいわれるダニエル・デイ・ルイス&エミリー・ワトソンで、素晴らしい演技(ダニエルは本当にボクサーとしてトレーニングを積んで、鼻の骨を折ったらしい)全開なんだけど、やっぱりオジサンとオバサンで、ファッションも地味で、華やかさに欠ける。ストーリーに政治がからんでいるから、聞き慣れない用語がいくつか出て来て難しい。話についていくのが精一杯。でも確実に、見た後何かを心に残してくれる映画。ああ、この映画を見てよかったな、と思える。それはこの映画の貴重な面だと思う。 8点(2003-07-29 22:07:26) |
9. 仄暗い水の底から
ロケ地が家の近所だったので、ホラー大嫌いなのに見てしまいました。やっぱり見るんじゃなかった~! 後味悪すぎ。黒木瞳は奇麗だけど、キャラにむかつく。でもコップに髪の毛が落ちるとか、邦画ならではの恐怖ですね。背筋がぞ~~~っとする。あーもう二度と見たくない・・・・・ 2点(2003-05-10 22:26:07) |
10. ポワゾン
痛快! 女の子万歳! ハッピー(?)エンドが良かった。やっぱアンジーはへこたれない女を演じたら天下一ですね。それにしてもスタイル良過ぎ。何着ても似合う。裸も似合う。うらやまし過ぎます~ 途中ダレる部分もありますが、我慢できないほどではないので、良し。 8点(2003-04-29 23:31:43) |
11. ホワット・ライズ・ビニース
ホラーが苦手な私が、お台場の音が良い映画館で観たので、すご~~~く怖かった。でもホラー好きな人にとっては物足りないんだろうなぁ。とても古風です。ハリソン・フォードってまじでワンパターン俳優ですね。かなりクセがある役柄なのに、彼が演じているとただ「ハリソン・フォード」にしか見えない。 4点(2003-04-23 00:51:14) |