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1.  ボビー
かつて堂々たるニクソンを演じたアンソニー・ホプキンスが出演しているので驚いた。どんな心境で元ドアマンの役を演じたのか・・・。社会主義国、ベトナム戦争、人種差別、大統領選挙、重要なキーワードが次々と語られるたび、アメリカが国際社会の正義を定義づけるのに躍起になっていた当時の混沌ぶりを感じた。ことベトナム戦争に関しては、国を守るため愛国心から戦うというよりは他国へ干渉する戦いに参加させられるという、うんざりした国民感情がよく表れていた。いくつもの人生が語られていたが、不思議とどれもこれも一様に印象に残っている。
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-25 12:58:41)
2.  ボディ・バンク 《ネタバレ》 
入れ代わり殺人などを扱うサスペンスなどで、ホームレスの人をいかにも捨て駒のように使う作品をよく見かけるが、中には作者自身も本当に差別意識があるんじゃないかと疑わしいものがある。その点、本作品は安心して見ていられた。演出のアイデアとしては、主人公の青年医師が倫理上で患者の選択をしてしまったこと、彼自身が擬似脊椎損傷患者を体験したことが秀逸。ドストエフスキーの『罪と罰』のラスコーリニコフの例のように、主観的な正義を下すことの醜悪さを、単純な法的観点から暴くのではなく、医療現場の矛盾をついた上で糾弾しているからだ。ラストの研究データが、そのほろ苦さを見事に表現しており、まるでこの問題は現代においても進行形であることを象徴するように、医師は感慨深げに罪深いデータを手にとったまま階段を昇っていく。非常に問題意識の濃い、見応えのある作品だったと思う。
[インターネット(字幕)] 9点(2010-06-24 13:29:34)
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