Menu
 > レビュワー
 > なんのかんの さんの口コミ一覧
なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2336
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1930年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  望郷(1937)
「カスバの女」なんて歌が生まれるほど、日本には“北アフリカへのロマン”があった。『モロッコ』や『外人部隊』や本作の、映画の影響なんだろう。とくに本作はヒットしたらしい、当時の人はこの映画がいかに話題になったかをよく語る。全編に渡る異国情緒が、当時の日本のロマンチシズムとうまく重なった。フランス人がアルジェリアに抱くある種のロマンが、日本にとっての中国大陸へのロマンと重なった。息苦しくなってきた自国から見た植民地の「楽土」の感じ。最後の逃げ場所としての土地への幻想。迷宮のようなカスバの街は、上海の迷宮に重なる。身近に満州なり上海なりに渡った人は多くいただろう。そこらへん「♪ここ~は地の果てアルジェリア~」でありながら、身近にも感じられたのだ。この邦題もまた日本人をくすぐる。たしかに望郷の念がこの映画の隠し味になってはいるが、それを題であからさまに語ってしまうのは、いささか野暮であった。パリの女性を介して祖国への望郷の念が狂おしく沸き立つところが後半の痛ましさで、あくまで題は「ペペ・ル・モコ」のほうが粋なのだが、ここではっきり「望郷」としたのは、映画会社の邦題担当者の頭に歌舞伎「俊寛」のイメージが湧いたのではないか。流刑の島で一人だけ赦免状を貰えず祖国に帰る船を見送る俊寛僧都の話は、戦前の日本社会では一般常識としてあっただろう。そこらへんを突く邦題だったのではないか。太った元スカラ座の女性歌手が、若いころの写真を壁に貼ってかつての歌をレコードで聞くあたりにフランス映画ならではの味があるが、どちらかと言うと当時の日本の気分を知るに役立つ作品である。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-15 09:27:27)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS